⛩【アウトロー古事記 158話】～どこまでも理不尽な山幸彦～

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海の神たちの助けによって、

 

三年ぶりに降り立つ地上、

 

山幸彦は真っ先に兄のもとに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

山幸彦「兄さん！！」

 

 

 

 

 

 

 

 

海幸彦「お、お前！！山幸彦か！？

 

 

お前三年間もどうしてたんだよ！！

 

 

心配したんだぞ！！」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山幸彦「兄さん、釣り針を持ってきた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海幸彦「お、お前！

 

釣り針って！！あの時の！？」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういう海幸彦に、

 

山幸彦は黙ってコクリと頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

海幸彦「いや、本当は俺もそこまで怒ってなかったんだよ。

 

ただ兄として、

 

お前に借りた物の大切さを分かってほしくてな…。

 

 

でも、探してきてくれたなんて嬉しいよ、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな立派過ぎる兄の言葉に、

 

この鬼畜男 山幸彦は腹の底でニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急に兄に背を向けると、

 

 

そのまま急に、

 

「この釣り針は，おぼ針、すす針、貧針、うる針」と、

 

謎の呪文を唱えて後ろ手に渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄「？」

 

 

 

 

 

 

 

 

不思議に思った兄だったが、

 

その日から悲劇が始まった。

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