とにかく、何とか時間だけでも稼いでほしい。
そう願うオオクニヌシのもとに、
再びタケミカヅチが現れた。
当然以前と同じように、巨大な雷と神の船を従えての登場だった。
ただ、なぜか以前よりも威圧感は控えめにしていた。
タケミカヅチ「ご子息コトシロヌシにはご同意頂けました。
再びのご意向を伺いたい」
最初の時に発していた威圧感を抑え、
今度は礼儀正しくオオクニヌシに問うタケミカヅチ。
その時だった。
タケミナカタ「ちょっと待ったー!!!!!!!」
オオクニヌシの横に立つタケミナカタが、
地上界すべてが揺れるほどの声をあげた。
タケミナカタ「勝手言ってんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!
ここは俺たち国つ神の国だぁぁぁ!!!!」
その声に少しも感情を揺らすことなく、
タケミカヅチがタケミナカタを見る。
タケミカヅチ「こちらは?」
丁寧にオオクニヌシに問う。
オオクニヌシ「コトシロヌシと同じく、私の息子タケミナカタ。
どうか彼の意向も聞いてやってほしい」
オオクニヌシがそう言うと同時に、
タケミナカタは1000人でようやく持ち上げられるというほどの大岩を、
片手でヒョイっと持ち上げて、天高く放り投げた。
…ドーン!!!!
タケミナカタ「おい!貴様!!勝負だ!!
高天原最強の武神か何か知らねぇが、俺は甘くねぇぞ!!
かかってこい!!」
威圧的に振る舞うタケミナカタを、
タケミカヅチは黙ってジッと彼を見据える。
今度はその目は突然冷たくなり、
まるで感情が感じられないようになった。
そして、小さく言った。
タケミカヅチ「出来るなら戦いたくはない」
オオクニヌシ「なに?」
その音から嘘が感じられない、
タケミカヅチのその言葉にオオクニヌシは驚いた。
しかし、血気にはやるタケミナカタは、
大きな声をあげながら右手でタケミカヅチの腕を握り潰そうと掴んだ。
天上界と地上界の最強同士の勝負が始まる!!
※『笑って、泣いて、神話を学ぶ』、日本の国の始まりと神々のルーツを知る史上最古の連載ファンタジー『アウトロー古事記』、第1話目はこちら☆
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