荒川祐二で~す
スサノオで~す
東京へ向かう前に、
スサノオが一言。
ス「おもろい神社連れてったるわ」
あ「おもろい神社?」
そう言われて連れてこられたのは、
新大阪駅のすぐ近く。
俗に言う「梅田」と呼ばれている繁華街。
あ「こんなところに神社とかあるんすか?」
そんなことを言いながら歩いていると、
たくさんのお店が立ち並び繁華街の片隅にポツンと現れる、
場違いな赤い鳥居。
あ「あれ?ここ見覚えはあるね。
ていうか、大阪に住んでる人はみんな見覚えはあるんじゃないすかね」
ス「まぁそんなもんよ。
探してみれば、都会のど真ん中にも、
ネオン街にも、
ビジネス街にも、
『こんなとこに!?』って所に、神社はあったりする。
そういうの探すのも、結構おもろいねんけどな」
あ「で、ここの神社は?何がおもろいの?
…って、ん?」
あ「『歯神社』…。
何すかこれ?」
ス「その名の通り『歯』を祀っている神社。
主祭神は歯神大神(はがみおおかみ)。
年に一度、『歯神社例祭』。
通称、歯ブラシ感謝祭が行われ、
神事の後には、
古くなった歯ブラシを神に返して、
新しい歯ブラシを頂く『歯ブラシ授与』という珍しい行事もある」
あ「なにそれ(笑)めっちゃおもしろいじゃないの(笑)」
ペコリ、ペコリ、パンパン、ペコリ(二礼二拍手一礼)。
鳥居を潜って参拝してから、ふと足もとを見ると…。
あ「何だい、これは?」
ス「『なで石』。
この神社の御神体の巨石のかけらと言われていて、
この石をなでて歯の痛いところをさすれば痛みが和らぐとされている」
あ「ふ~~ん。まぁ今は歯は痛くないけど、
とりあえずナデナデしときましょかヾ(・ω・*)」
ス「歯は痛くなくても、口は臭いけどな」
あ「こういう場で誤解を招くことを言うのはおやめなさい、スサノオノミコトさん。
一体何人が見ていると思っているんだい?」
ス「(笑)
まぁとりあえずご祭神や、ご祭神!
お~い!ウカノミタマ~~!!」
あ「え?」
?「は~い!!」
軽快な返事とともに、
本殿の後ろからヒョッコリ現れる若い神さま。
※こんな感じ。イラストは「向日葵塚ひなた」様より。
ス「おぅ、ウカノミタマ。
って、ここでは『歯神大神』って言った方がいいか」
ウカノミタマ「あれ!?スサノオさん!!どうしたんですか、急に!?」
あ「ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ!!ちょっと待って!!ちょっと待って!!
理解不能、理解不能、理解不能!!」
ス「何や、急にテンション上げて。気持ち悪い」
ウ「何ですか?スサノオさん、この気持ち悪い人は?」
ス「さぁ…」
あ「まがりなりにも神が、初対面から人に『気持ち悪い』とか言うなや。
そしてお前も、わざとらしく『さぁ…』とか言うな。マブダチやろがぃ」
ス「誰が『マブダチ』や(笑)
こいつはな俺が居候してる家の主。
ちょっと気持ち悪いけど、悪い奴ではないよ」
あ「『ちょっと気持ち悪い』とかいう、想像の幅を広める言葉はおやめなさい。
とにかく荒川祐二です。よろしくお願いします」
ウ「あ、『歯神大神』こと、ウカノミタマです。
よろしくお願いします」
あ「そこが理解不能」
ス&ウ「ん?」
ス「何が?」
あ「ウカノミタマって、世間一般で言う『お稲荷さん』じゃないの?
前教えてくれたみたいに」
ス「うん」
あ「何でお稲荷さんが、歯の神さましてんの?」
ス「あぁ、そういうことか。
ウカノミタマ教えたれ」
ウ「えっと、元々この場所は、
確かに私『ウカノミタマ』を主祭神とした稲荷神社だったんですね。
ただその昔、
この近くを流れる淀川の氾濫でここら一帯があわや水没…となりかけた時に、
このお社の御神体であった巨石、そこの『なで石』の大元が、
氾濫を歯止めしたことから、『歯止めの神さま』と慕われるようになり、
それがいつしか『歯痛止めの神様』になり、
『歯の神さま=歯神大神』になっていったのです」
あ「『歯止めから、歯痛止めの神になり、歯の神』…って…」
あ「ダジャレやん」
ス「まぁ日本の神なんてそんなもんよ。
俺かて、ヤマタノオロチ倒して高天原から帰ってきて、
『清々しい!』っつって、島根のそこの場所を『須賀』にしてしまったぐらいやし」
あ「(これでいいのか日本の神々…)」
ス「まぁここに限らず、
こんな感じのおもろい神社も、まだまだ全国にいっぱいあるから、
これから『おもろい神社巡り』もしようや。
もう新幹線の時間やし、何かウカノミタマにお願いしとくことあるか?」
あ「あ!もうそんな時間か!!
えっと…、あっと…、お、思い浮かばない!!」
ス「何でもええわ。
『稲荷』なんやから、金のことでも遠慮なく頼んでみぃ」
あ「ね、ね、ね、寝てても、お金が入ってくるようにしてください!!(咄嗟の邪念)」
ス「欲望丸出しか、どアホ(笑)」
ウ「いいですよ」
あ「いいの!?」
ス「もっと色々頼んでええぞ」
あ「マジ!?
じゃあ、大きい家に住みたい」
ウ「いいですよ」
あ「温泉付きがいいな」
ウ「いいですよ」
あ「好きなだけ海外旅行にも行きたい」
ウ「いいですよ」
あ「ず~~~~っと商売繁盛」
ウ「いいですよ」
…。
……。
………。
…………。
あ「(何か様子がおかしいような気が…)」
ス「ウカノミタマはな……全部受け入れすぎやねん」
あ「え…?」
ス「そらそうやろ(笑)
この『歯神大神』に至るまでの流れもそうやし、
そもそもあいつが『稲荷』になった理由だって、
その昔、ある民が餅を的にして矢を放ったら、
それが白鳥になって飛んで行って、
止まった箇所に稲が生えた。
それで『稲成り(いねなり)=稲荷』やで?
んで、ウカノミタマは穀物神やから、『まぁ似たようなもんやし、ウカノミタマさんが稲荷神でええんちゃいまっかぁ』ってな」
あ「稲成りで、稲荷って…。
またダジャレやん」
ス「俺が言うのも何やけど、
日本の神事情ってほんまおもろいよな(笑)」
あ「でも、『お稲荷さん』って本当はもっと怖いイメージあったけどね。
とにもかくにも、こんな当たりの良い感じじゃなくて」
ス「だからそれは前も言ったやんけ(笑)
それは、眷属の狐とお前らが混同してるの(笑)
このウカノミタマを始めとして、
お前の東京の家の近くのご祭神ウケモチなどの『稲荷神』ってやつは、
総じて基本的に人(神)が良い。
願いも基本的に全部受け入れてくれるよ。
そんなんやから『稲荷神社』の数はどの神よりも、全国で一番多い。
その数、全国3万社以上な。
けど、その分色んな人にお願いされまくるから覚えきられへんねん(笑)
だから、『稲荷神社には何回も、何回もお参りに行かなあかん』って言われてるねん(笑)」
あ「分かりました…自分の力で頑張ります……。
あと何度もお参りにも行きます…」
ス「あぁ、今日も楽しかった(笑)
ウカノミタマ、またなー!
次はどこの変な神社行こっかなー!
って、その前に久しぶりにやっとくか!!」
僕らに行ってほしい、全国各地の変な神社を募集(笑)
『こんな面白いところがあるよ!』というのがあれば、こちらのコメント欄か、僕への直接メッセージまで何卒よろしくお願い致します
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