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スサノオで~す
今日、僕らは埼玉県は神田(じんで)に向かっておりま~す
そして、到着したここ。
その名も『月読社(つくよみしゃ)』。
あ「ワクワク」
ス「何がそんなに楽しいねん」
あ「月読さんってどんな神かね?」
ス「そんなええもんちゃうぞ」
あ「お兄さんに会うから照れてるな。それとも自分以外がチヤホヤされてるからか(笑)」
ス「やかましい(笑)」
鳥居をくぐり境内に入る。
あ「正直少し簡素と言えば、簡素ね」
ス「まぁでも、死んだ神社ではないよ。ちゃんと手水舎も手入れはされてるし。
そもそも月読兄やんを祀った神社って少ないねん」
あ「本当にそうよね。京都や伊勢にも、あるにはあるけど、あまり聞かない」
本殿にて参拝を済ませる。
すると…
ス「お~い!!ツクヨミ兄や~ん!!!!」
スサノオの大きな声で突如として、周りに静寂が広がったような感覚に包まれて…。
?「お、スサノオ。どうした?久しぶりだなぁ」
その言葉とともに、
見上げた御神木らしき木の先から、見た目秀麗な神さまが姿を現し、フワッと僕らの前に降り立った。
※正しく見た目はこんな感じ。
今、伝説の三貴神の一柱『月読命(ツクヨミノミコト)』が、僕らの前に現れた。
あ「あわわわわわわわ…」
言葉を失う僕に気にせず、スサノオが気兼ねなく月読さんに話し掛ける。
ス「よ!久しぶり!!」
月読「相変わらず元気そうだな。スサノオ。って、お前はいつでも元気か」
ス「ヒヒヒヒヒ(笑)兄やんに久しぶりに会えて嬉しい」
月読と話すスサノオは正しく弟だった。
単純に大好きな兄に久しぶりに会えて嬉しい、無邪気な弟の顔をしていた。
月読「で、今日はどうした?急に」
ス「いやな、この横にいてる冴えないハゲ頭がな、
『月読兄やんに会ってみたい』言うから連れてきたんや」
スサノオがそう言うと、月読は僕にチラリと視線を向けて言う。
月読「こんにちわ、ハゲ頭さん」
あ「誰がハゲ頭や!!
って、月読さん…、思わず初対面で激しく突っ込んでしまいましたが。
あ、いやこの『激しく』は別にさっきの『ハゲ』とは関係なくて…。
そんなことじゃなくて、
『ハゲ頭』は名前ではなくて、スサノオが勝手に言ってるあだ名みたいなもので…。
僕の名前は荒川祐二って言います」
月読「あ~そうなんですね!これは大変失礼致しました、本当に名前と思ってしまって(笑)
でも、そんなにハゲてはいないような…」
あ「だからハゲはスサノオが勝手に言ってるだけやろがぃ!!しかも、『そんなに』とか傷付くからやめろや!!
…って、いかんいかん!!
この方は月読様…神に失礼…月読様に失礼…」
ス「ガハハハハ!!そうそう、兄やんこういう所あんねん。天然、天然、超天然(笑)」
あ「全部お前が悪い」
ス「まぁそれはそれとしてやけど、何か月読兄やんに聞きたいこととかないの?」
あ「聞きたいこと…前のタケミカヅチさんの時もそうだったんですけど、そう言われたら良い質問が……」
そうして考え込んでいる僕に、月読さんが逆に聞く。
月読「荒川さんは、なぜスサノオと一緒に?」
あ「ワシは知りまへんがな。何か1か月前から勝手に家に棲みつきましたんや」
ス「いやぁ、何かこの男面白いかなぁ思ってな。兄やん、何となく分かる気せーへん?(笑)」
月読「確かに。スサノオが好きそうな人ではあるね(笑)」
あ「神さまにも好きとか、嫌いとかあるんですか?」
月「好き嫌いというか、人間と同じで『相性』はあるかもしれませんね。
我々神々にもやはりそれぞれの専門分野、得意分野というものがあります。
それに合った、人々と神が惹きつけ合うのは必然かもしれません」
あ「例えば?」
ス「そうですね。私の場合で言えば、やはり『夜』を司る神。
夜というのは遥か古代では漆黒の闇。魔が棲む異世界とは言われています。
ですが、同時に『夜』というのは、それぞれの生物や植物が身体を休め、
明日への英気を養う貴重な時間であるという大切な側面を持っています。
輝く表の世界を陰でソッと支える、裏の世界ということですね。
夜無くして、昼は無し。
影の支え無くして、光無し。
そのことから、例えば『人の上や表舞台に立つものをソッと支える、縁の下の力持ちの人々』や『安定と静寂を好む者』との相性は良いかもしれませんね」
あ「なるほど…。でも、なぜ月読さんはこんなにも有名なのに、逸話や神話の言い伝えがあまり残っていないのでしょうか?」
月読「私は陰の存在。逸話や神話の言い伝えとして表に出てこないことこそが、私の存在の意味を表してくれていると思っています」
月読さんが話している間、本当にその場から音と視界が消えるような錯覚が起き、
同時に辺りに、壮大な夜の闇の世界が広がっているような感覚に包まれる。
『安定と静寂』
この言葉こそ、この神を表す言葉なのかもしれない。
あ「素敵…。語り口調もまた素敵…」
月読「ありがとうございます(笑)
荒川さんはどこか自由闊達で明るいところがスサノオとよく似ているから、そこが惹かれ合ったのかもしれませんね」
ス「いやいや、兄やん。そんなええもんちゃいますて」
あ「突然のだみ声。せっかく夜の世界の静寂に浸ってたのに。品がないわね」
ス「何が『夜の世界の静寂』じゃ!格好つけんな!この自己愛の塊マザコンが!!」
月読「スサノオ」
ス「ん?」
月読「自己愛の塊はお前もじゃないか(笑)
それに、マザコンもだろう。
『お母さんに会いたい~!』と言って、大海原の統治を放棄していたのは誰だ?(笑)」
ス「ギクゥッ!?!?」
あ「ケラケラケラ((´∀`*))ヶラヶラ!!
そうそう!!それ俺も思ってた!!
俺のこと、『ナルシスト』とか散々言いながら、
いつも自分でも、自分のこと『イケメン爆発』とか言っちゃってんの((´∀`*))ヶラヶラ」
ス「やかましい!!!!///」
月読「まぁそれも、神と人間の相性ということなんですけどね(笑)」
あ「いやぁ、楽しい楽しい。月読さん、お兄さん、最高((´∀`*))ヶラヶラ」
ス「おい!もう行くぞ!!兄やん!邪魔したな!!また来るぞ!!」
そう言うと、スサノオは顔を真っ赤にしながら神社の外に飛び出た。
月読「でも、スサノオが荒川さんの所に行く理由もよく分かる気がします」
あ「?」
月読「あいつはさっき言った自由闊達、
またヤマタノオロチを倒したことから『成長物語』の神、
時にはかつての狼藉ぶりから荒ぶる神、と捉えられることが多いのですが、
実はあいつの本当の姿は…」
ス「おい!何してんねん!!はよ行くぞ!!アホ!!!!」
あ「うるせぇな(笑)…で、ごめんなさい。教えて下さい」
月読「……まぁいいでしょう(笑)
これからもたくさんの神社、神々のもとをスサノオとまわられるのでしょう?
その中できっと見えてくると思います。
スサノオの本当の姿、本当の存在の意味。
その過程を共に楽しんでください。
今日は遠方より来て下さり、ありがとうございます」
あ「いえいえ!こちらこそ!!本当にありがとうございました!!また、来ます!!」
月読「ぜひぜひ。いつでもお待ちしております」
そう言って笑った月読さんの笑顔は、優しく透き通っていて、
でもどこか月夜の闇のような神秘さを兼ね備えて、心にスッと染み込んでくるようだった。
ス「はぁよ~せぃや~!!!!!」
バンッ!!
車に乗り込んだ後も、スサノオはずっと顔を真っ赤にしていた。
あ「そんな恥ずかしがらんでも(笑)」
ス「うるさい!!腹減った!!何か奢れ!!」
あ「お、そこにそば屋あるよ。行きましょか」
ス「天ぷらそば!!」
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ス「さて、次はどこの神さんとこ行こうかね。久しぶりに会いたい神、ようけおるわ」
あ「(本当に子どもみたいな神さまやな。笑)」
僕らに行ってほしい神社、会ってほしい神さまを募集
「ここの神社に行ってみてほしい!」
「あの神さまと話してきてほしい!!」
「こんなこと聞いてきてほしい!」
そういったご要望ありましたら、こちらのコメント欄か、僕への直接メッセージまで何卒よろしくお願い致します
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