こんにちは。小学生の不登校専門カウンセラー
不登校や登校しぶりの時、避けては通れない担任と親とのやりとり。
面談だったり電話だったり。
感情的になる場合もありますよね。
子どもの代わりに親が学校に伝えなきゃいけなかったりもします。
学校だって親だって、どちらも争いたくはないもの。
今回は一例ですが、相手を責めることなく、我が子の気持ちも尊重した上で対話する方法をお伝えします。
もしも、我が子が傷ついたー!と泣きついてきたら。
あなただったらどうしますか?
なんだとぉ~~~!我が子を傷つけやがって!なんてやつだ!
と相手をバッシング?
相手はこういうつもりだったのかもしれないよ?そんなことする人じゃないよ!
と我が子を諭す?
助けてあげられなかった…。
と自分を責める?
どれもありうる。
人によって違うよね。
しかし、他にもやり方はあります。
うちの例を踏まえてお話していきますね。
長男、今は小学5年生で相談室登校をしています。
前年は五月雨登校、登校しぶり、不登校でした。
先日たまたま教室に行ったとき、算数プリントが全く解けなくて悔しくて泣いたら、担任に、
「教室で一緒に勉強しとれば良かったんじゃないか」
そのような一言を言われた、と。
その日から
「もう終わりだ」
「教室には行けない」
「先生に裏切られた」
そう言っていました。
教室に行けないことはしたくてやってることじゃないのに、教室に行けないという自分を否定されたように感じたそうです。
この部分だけを見たら、
「長男くんが可哀想だ!教室に行けない子に言う言葉じゃない!」
って思う人だっているでしょうし、違うように感じる人だっているでしょう。
うちの場合は、という目で見て頂けると助かります。
その日にあったことは、先に担任から電話で事情を聞いていたので、長男の気持ちを聞きたいと思いました。
長男は最初は話したくないと言ってはいたんですが、時間をとって私と長男2人になったときに詳しく話してくれました。
ここではとにかく話し終える最後まで聞くことを目指しました。
共感し、そっかそれは悲しかったね、と。
長男はおいおい泣いておりました。
自分に湧いてきた気持ち
その姿を見て話を聞いていると、担任に対しての私が感じた違和感から、長男の言うことに同意したい気持ちも出てきます。
『担任がそう言わなかったらこの子はまた行きたくないとならなかったのに何てこと言ってくれたんだ!』
『味方になってやってよ!』
『できているところに目を向けてよ』
いろんな思いや不安が湧いてきます。自分の中でね。
相手にいろいろとこうしてほしい、こうしてほしくないという気持ちも。
でもそれは、私の気持ち。不安な気持ち。
そう思うんだね、また学校に行かなくなるんじゃと不安なんだねと自分で聴きました。
不登校の親のサロン(不登校の先にあるもの)で吐き出させてもらうこともしました。
ただ、担任はプリントをできなくて泣いてたことに関して言ってるのよね…。
それはこうやってブログに書いて冷静になればわかること。
長男の捉え方の癖ということもわかる…すぐ存在価値と結びつけてしまう。
世の中の先生たちも子どもを貶めたいなんて思っている人はきっといなくて、みんな良かれと思ってる。
それは分かります。
一生懸命、時間を割いてでも気にかけてくれていることだって。
なので、担任にぶつけるという行動には移しません。
対話が必要だと思いました。
一方的に…。
「こちらが傷ついた!どうしてくれるんだ!」
と責める。
わけでもなく。
「先生はそうだと一方的に決めつけちゃいけないよ」
と子どもに諭す。
わけでもなく。
「うちが悪いですよね」
と卑下する。
こともしなくていいんです。
長男の気持ちも尊重し、先生の気持ちも聞く。
(自分が親として思った気持ちもあるよね)
子どもが傷つけられた!は自分が傷つけられた!と感じていない?
そりゃいくらでも怒鳴りこみに行こうと思えばできる。
「我が子を傷つけるやつはお前かオンドリャー!」くらいの勢いでね。
でもそれってダメじゃないけど、いい方向に行く!とは思えないわけです。
(私自身が注意も怒られるのも嫌いだからかもしれない)
そういう場合は、
我が子が傷つけられた=自分が傷つけられた
という風に感じていませんか?
子どもが傷つく姿を見るのはイヤだよね。
大事な我が子だもん。
子どもが傷つくと私も悲しい…は確かに親子だと思いやすいけど、子どもは子ども、私は私。
ちょっと冷たく感じるかもしれないけどね。
もしかしたら自分が以前傷つけられた感覚が自分の中で突かれているのかもしれません。
で、私は担任と対話したい。
担任がどういうつもりでそう話したのか聞きたい。
同時に、本人は責められたと捉えたということを伝えたい。
思いがすれ違って長男はこう思ってまた行きたくなくなってしまったのだと。
こういうことは、大人同士でだって、親子でだって起こりうるから。
ただ、長男から話を聞いたその時は、伝えたい思いの方が強すぎて、担任が分かってくれてなさそうだったら感情的になりそうだという自分に気づいていました。
スクールカウンセラーさんとの話
とりあえず一旦伝えたくなっている思いを寝かして、翌日スクールカウンセラーさんと話しました。
初めましてでしたけど、前日の出来事も全部聞いていただきました。
「長男くんがそう解釈したことは、お母さんから先生に伝えられますか?」
私から長男の気持ちを担任に伝えようということになりました。
長男本人からは言えないと。
そりゃ怖いよね。なかなか聞けないよね。
「先生は僕を傷つけた!」
なんて言える生徒だったら登校しぶりも不登校にもなってないわ。
どんな風に感じるか、はひとそれぞれで違うし、どう感じたかに正解も不正解もない。
そう感じてはいけないと子どもに言うと、自分の本当の気持ちを押しこめることになります。
言っちゃいけないんだ、自分がそう思うことは間違ってるんだ、とね。
長男がそう思った、ということは間違いではないし、そうだったんだね、悲しかったねと私も受け止めたい。
もちろん、担任に言わずに私が長男の気持ちを聞くことだけで止めても大丈夫なこともある。
本人が自分で解決することだってある。
私はここはすれ違っているところだと思ったし、担任の思いも聞きたいと思ったのでやはり一緒に話をしたいと思いました。
そのまた翌日。担任が空いている時間に話し合いの場を設けてもらうことに。
長男は先生と顔を合わせたくなかったので、学校へ向かう足取りは重いわ、なかなか室内に入ろうとしないわ、内履きはくのに時間稼ぎするわ(笑)
そこで言うのは私も勇気がいった。
私も担任を責めてるように伝わったらどうしようという心配もあった。(そう伝わってしまうこともあるだろうね)
いろいろとこれまでの話をした最後に、担任が思ったこと言っていいんだよとおっしゃったこともあって切り出した。
長男にそう思わせてしまったことを担任は謝ってくれました。
で、なぜその言葉が出てきたのか。
ちょうどそのプリントが解けなくて長男が泣いていた時、一番仲の良い友達がすぐに気づいてくれて、教えようとしてくれた話を出してくれました。
私には想像できなかったことでした。
情景を思い浮かべて、長男の友達の温かい行動にジーンとしました。
教室で勉強することのメリットでクラスメイト同士の励まし合いという点。
長男が勉強をやればできるということは分かっているという点。
相談室で一人でできることもあるけど、仲の良い友達とのやりとり助け合いで感じるものもあるということを伝えたかったと。
逆に長男が友達に教えてあげられる時もあるかもしれない、と。
内容はともかく、担任の思いを話していただけたら長男の表情がパァッと明るくなりました。
自分が思っていた、先生は教室に行ってないことをダメだと否定してるわけじゃなかったんだ!と分かって安心した様子。
担任の本音を知って、否定されてないと分かって嬉しかったようです。
そこからの長男の明るい顔への変化は見て取れました。
顔全体が、
「アー良かった!」
と言っているようでした。
帰り道は、行きの足取りと雲泥の差で、
「誤解が解けてよかった」
と言いながら饒舌にしゃべっておりました。。。
(長男の中の誤解かな?)
変化がすごいから分かりやすい(笑)
肩に乗ってた重りが外れたような軽やかなステップ。
すごい差に驚きつつも、私も勇気を出して長男の気持ちを代わりに話し、先生の気持ちも聞けて良かったと思いました。
私がしたことは、どれも「きく」なんです。
特に、自分の心の声を聴くときには、今の自分がどう思っているかということが客観的に見えないとできません。
感情に振り回されちゃうからね。
自分と長男が一緒になっちゃってる状態。
伝えたくなっている自分に気づいたことも良かったと思います。
コミュニケーションをとっていると、そういうつもりじゃなかったのに!ってこと、たびたび起きると思います。
今回は和解できたと思うので良いのですが、学校との対話で平行線のときだってある。
毎回和解するとは限りませんよね。
怒鳴りこむこともしなくてもいいし、諭さなくてもいいし、卑下しなくてもいい。
感情を感じることはとても大事です。
ただ、それを行動に移すかどうかは別問題。
うまくいかないことがあっても、できること。
それが「きく」ということです。
「きく」というスキルで私は子どもが不登校になっても助かっています。
もともと不登校になったから学び始めたわけではありません。
子育てがつらくて学び始めたんです。
が、すごく不登校、登校しぶりという面でも役立っています。
対 子ども として学び始めましたが、私が一番助かっているのは自分との対話です。
もちろん出来事によっては振り回されることもあるけど、そういう自分に気づくのがだいぶ早くなった。
「きく」ことができるようになってくると、子どもも自分の気持ちを分かってもらえたとなり信頼関係ができる。
それに親である自分自身も自分と対話ができることで救われることが多くなります。
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