以前は京都っていうと、やっぱ嵐山だよね、とか、京都御所に行かないと京都に来た気がしないでしょうとか、そんな「ザ・京都」を目指したものですが。
歳をとるとちょっとひねくれてきたこともあるし、昨日ちょっと触れた祇園なんて、インバウンドの猛威をもろに受けててその群衆に恐れをなした、ということもあります。
【北に行ってみた】
すごくコンパクトな叡山電鉄に乗車。
地下鉄からほぼ直結の、始発駅「出町柳」駅へ。
観光客もまあまあ多いですが、生活の足として使っている方々も多く。
沿線沿いに大学も多いので、学生さんもよく乗り降り。
山あいを走るため、木の横ギリギリを抜けていきます。(枝がベシベシ当たる)
もみじの木が多いので、これ、秋に乗ったら綺麗だろうなあ。
そして終点からひとつ手前、「貴船口」で下車。
大都会の京都駅周辺とはまったくちがう、のどかな田舎。
わー、噂の川床も。
貴船口駅からのシャトルバスもあるのですが、あえてぼくと妻ちゃん、森林浴するため、徒歩。
街中は相当あっつい日だったのですが、横に流れる川からときおりエアコンの風レベルの涼しい風が。
きもちいい〜。
川床のひとたち、逆に寒いぐらいかもね。
そんなこんなで、目的地に到着。
うっそうとした森に囲まれた、貴船神社です。
ここまでの階段が趣ありまして。
よく見ると、一本一本に寄付した方の名前が。
「叡山電鉄株式会社」
やはり、あなたも氏子でしたか。
貴船神社は名高い神社ですから、氏子は自然に集まるのでしょうね。
なんとなく、自治会長にうっかりなってしまったときのことを思い出します。
ちなみに、ちょっと日本人としてプレッシャーを感じた出来事が。
手を清めるところで、柄杓を手に取りましたところ、横にいた外国人の女性が、ぼくのてもとを食い入るようにみて、同じように柄杓を手に取るではありませんか!
たぶんやり方がわかんないのでしょうが、こっちだって正規のルールをよく知らない。
えっと、まずすくって、あれ、左手からだっけ?まあいいや、右手も。
そして最後に、これは知ってた柄杓を上に傾けて持ち手を清めて、置く。
横の女性も、ぼくの一挙手一投足を真似。
うわー、あの外国人のひと、友達に言うんだろうな。
「ワーオ、わたしこれ、完璧にルール覚えたから、わたしの真似して!」
やめてくれ、とりあえずルールはYouTubeで見てくれ。
なお貴船神社は、恋愛成就とかそういったので有名。
だもんで国内外問わず女子が多いです。
まあ、うちは、もう成就してるから雰囲気だけ味わってあとにします。
【東に行ってみた】
修学旅行では行ったことある、銀閣寺へ。
大人になってから見て、なにか心に変化あるかも?という期待で。
さっきの貴船神社からだと、意外とあっさり着いちゃうんです。
叡山電鉄の「宝ヶ池」駅で降りて、向かいの道路のチョコザップ前にあるバス停からちょっと乗るだけ。
しかもこのルートは観光客もほとんどいないので、週末でもスルッと銀閣寺前へ。
おお、これが銀閣寺。
大人になって見てみると、銀閣寺はお庭のインテリアの一部なんだな、と新たな発見。
実にお庭が美しく、手入れが行き届いています。
砂のさざなみと、銀閣寺と、砂のプリン。
このプリンは、いまだに何のためにデザインされたのかわからないんですって。
丘にのぼると、京都の西側を一望できます。
子供のときって、確か
「えー、銀閣寺ってこんなにちっちゃいの?つまんねー。次いこう次。」
みたいなノリだったような。
そんな若い自分に言いたいですね。
「銀閣寺は庭園のほんの一部なのだよ、大局を見なさい。」
と、なるべくエラそうに言いたい。
【南に行ってみた】
宇治、ですよねー。
でも、残念ながら平等院じゃないんですよねー。
6月ですからねー。
と言うことで、三室戸寺。
あじさい寺として有名。
お寺はどっしり大きくて、威厳を感じます。
いや、お庭もみごとですよ。
下に降りると、あじさいの庭園が広がります。
まだ満開って感じではなかったのが残念ですが、セクションによっては群をなして咲いてました。
ぼくは、やっぱり青いあじさいが好きだなあ。
咲きかけのお花も、これまた趣ありです。
よーく観察すると、あじさいの花って最初から花を咲かせるためのポジションどりをしてるのね。
とにかく咲かして、前に出て、ってわけではないのですなあ。
あじさいはポジション自由なリーガエスパニョーラでなく、規律を重視したブンデスリーガなのですねえ。
・・・わかりづらいなあ。
というわけで、微妙に芯をずらした観光。
大人の旅ですねえ。