札幌国際芸術祭へ10のおねがい | ゆびにんブログ -指人形10,000体作りま…すん-

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日記を書きつつ、ゆるーく指人形10,000体を目指すブログです。

150328
(2015/03/28 制作)


今年の汚れは今年の内に!ショウジですショウジ

というわけで本日は「札幌国際芸術祭へ10のおねがい」と題しまして

札幌国際芸術祭2017に行ってみて分かりづらかった点を振り返り

一人の観客として「もっとこうして欲しいなあ…」と思ったことを

10個にまとめたものを掲載します。

札幌国際芸術祭実行委員会には別件で直接メールをしましたが

その件については対応はまだされていない、あるいはする気がないみたいです。

このまま放っておくと回を重ねるごとに歪みが生じるような問題だと思ったので

指摘したんですけれども、運営側がその重大性に気づいていないのかも…

まあ、そのことについては運営にお任せするとして

この記事に書いてあることは札幌国際芸術祭に限ったことではなく

お客さんを呼ぶイベント全般に共通して言えることです。

一つの例として、広く参考にしていただければ幸いです。

ちなみに作品や展示方法に対するダメ出しがないのは、人によって好みが異なるからです。

好みの問題に介入しても全く無意味ですからね。

それにそもそもイベント自体の認知度が低く、客寄せが出来ていないので

正直、作品云々以前の問題だと思っています。

ちなみに芸術祭の感想はこちら → 



それでは、くっっっっそ長い文章なので興味のある方だけどうぞw


「札幌国際芸術祭へ10のおねがい」索引

①いつ・どこで・なにを・いくらで見られるのかを簡単にわかるようにして!
②色々な媒体で宣伝して!
③「ここが楽しいよ!」という宣伝をして!
④会場までの道に看板や案内地図を設置して!
⑤案内や注意事項の説明は開催初日からできるようにして!
⑥会場内に順路や撮影OK・NGのサインを設置して!
⑦各会場にアンケートを設置して!
⑧しつこく自己紹介して!
⑨内輪だけで盛り上がらないで!
⑩感想は自由に言わせて!


①いつ・どこで・なにを・いくらで見られるのか簡単にわかるようにして!

◎2017年の状態

公式HPがとにかく見づらい!視認性が悪い!
知りたい情報があっても、それがどこに載っているのか見当がつきにくいHPなのです。
無料バスの時間がわからない!という同期に
載っているページを私が教えたくらいですから相当ですよw
いつ・どこで・なにを・いくらで見られるのか調べる時点で、時間や手間がかかると
もうそれだけで行く気が削がれるということがわからないんでしょうか…

ポスターも市内でちらほら見かけましたが、どんな作品が展示されているのかわからず
行ってみようかな、という気がパッと起こらないデザインでした。
こんなん↓
171230a

会場で配布されていた無料のブックレットも、初版は会場の住所が一切載っていなかったり
作品名に誤植があったり(刀根康尚さんの「Il Pleut」が「Il Pluet」になっていた)
とんでもないミスが連発しているという残念ぶり…
ただし、これについては8月18日版ではちゃんと住所が記載されていて、誤植も直っていたので
対応の速さは良かったと思います。
まあ初版を出す前にがっつりチェックしてこんなでかいミスをしないのがベストなんですけどw
ちなみにこれ↓
171230b

そんなこんなで、HP、広告、ブックレット、その他諸々を通して
来てほしいという気持ちがまったく伝わってきませんでした。
誰にも来てほしくないのかしら?って思いましたもんw
目標動員数があるくらいだから、より多くの人に足を運んで欲しいはずなんですが。。。

◎2020年はこうして欲しい

HPは、上下左右のどこかに常に文字でカテゴリが表示されているような
映画のHPみたいになっているとわかりやすいですね。
ポスターは、作品の写真がどーんと載っていて
いつからいつまで、どこで、いくらで見られるのかが端的に分かればOK。
道立近代美術館や芸術の森美術館のチラシはいつもわかりやすいのでお手本にして欲しいです。
ブックレットは今回の第2版みたいになっていれば良いですが、出来ればもっと地図を見やすく
索引もわかりやすくしてくれると嬉しいかなあ。
場所別索引、作品別索引などいくつかあるとお目当てのものが探しやすいと思います。
そしてこのようなブックレットを会場だけではなく、市内色々な場所で配布して欲しいし
開催前に配布イベントのようなものをチカホやパセオなどで開催すれば
来場者獲得に繋がると思います。


②色々な媒体で宣伝して!

◎2017年の状態

テレビCM→見かけなかった(というか、たぶんやってない)
市電ラッピング→あったが、私は見かけなかった
地下鉄車内→三人掛け席の横壁に約20cm四方のステッカー、その向かいの優先席上に広告
     (9月に入ってから見かけなくなったので、8/31で掲示終了だったと思われる)
      余談ですが、先日地下鉄駅で地下鉄広告のリーフレットを見つけまして
      優先席上の広告は南北線1ヶ月で50万円、ステッカーは30万円と書いてあるので
      南北線だけでも80万円投入されていることになります。
      東西線、東豊線にはあったかどうか見ていないので少なく見積もって80万円。
      こんなに金額かけてるんだったら
      なおさら「いつ・どこで・なにを・いくら」で観られるのか
      わかりやすくないと意味ないですよね。
地下鉄駅構内→前半は大通駅と札幌駅1階の電光掲示板
       後半は札幌駅地下の電光掲示板で見かけた
       最寄駅の掲示板のポスター
      (9月に入ってから見かけなくなったので、8/31で掲示終了だったと思われる)

宣伝が地味すぎて、1ヶ月経っても開催されていること自体を知らない人がいました。

◎2020年はこうして欲しい

3つアイデアとして記載しておきます。

・チラシ配りを行う!
 どこかに置くだけじゃないですよ。ちゃんと手渡しでも配るんです。
 それも、1ケ月前とかじゃなく、もう1年前とかからやってしまってもいいかもしれない。
 映画ってそうですよね。半年以上先の映画のチラシを平気で頒布しちゃってる。

 いつ・どこで・どんなチラシを配ればいいのかは
 園子温さんが「非道に生きる」で書かれているチラシ配りの方法が参考になると思います。
 が、とりあえず、地下鉄全駅の入口で配るくらいのことはしていただきたいですね。
 もちろん平日の朝や夕方じゃないと意味ないです。

 映画鑑賞や読書、スポーツやライブを観に行くといった娯楽に比べ
 芸術祭は大変マイナーな娯楽だと私は思います。
 「芸術祭はマイナーな娯楽である」という自覚を持って
 もっと必死に熱意のある宣伝をしてほしいです。

・開催会場以外でも開催中だとわかるようにする!
 今回、チカホの展示は風呂敷が柱にぐるっと巻かれているだけだったのが気になりました。
 2014年の芸術祭でチカホ(大通駅〜札幌駅間の地下通路)を会場にしていて
 当時ただの通行人も入場者としてカウントしていた、という悪評が立ってしまっているため
 今回メイン会場として使用しなかったのかもしれませんが
 私はチカホにも何か置くべきだったと思います。
 ただし、あくまでもメイン会場に興味を抱いてもらうためのツールとして。
 例えば、別の会場の展示作品と連動している作品や
 展示作品のミニチュア版などが置かれていると
 私だったら実際に見に行こうかなと思います。
 今回で言うと
  ・札幌市資料館:木彫り熊の一部
  ・北専プラザ佐野ビル:坂会館の収蔵品の一部
  ・芸術の森:工芸館の作品のミニチュア版(黒い箱を覗くと中に光の点が見える)
  ・モエレ沼公園:会場と作品のミニチュアから成るジオラマ
 みたいなものにナンバリングして、でっかいマップにそれらの番号を記して一緒に展示すれば
 どこで何が展示されているのかわかりやすくて良いと思うなあ。
 ミニチュアのものがあると「何だろう?」と思って、よーく見るために近寄る人も多いですし。
 もちろん、チカホは素通りしちゃう人が大半なので
 チラシを配る等、客寄せすることも忘れずに!
 そして別にチカホに限らなくても
 アピアの入口付近にある大きなショーケースに展示したって良いし
 大通駅の定期券売り場の近くにあるショーケースに展示したって良いんですよね。
 ポスターや電光掲示板の宣伝だけでは目が上滑りして見ていない人も多いので
 とにかく目立つ場所に立体物を置くことが重要だと思います。
 同時に、いつどこで何をいくらで見られるかがピンポイントでわかるようにすること。

・入場無料スポット限定のスタンプラリーを実施する!
 今回、有料のパスポートや、おばけのマールのスタンプラリーが存在しましたが
 無料スポット限定のものがあっても良いと思います。 
 スタンプラリーにしておくと自ずと他の会場にも興味が沸くし
 コンプリートした人にはチケットの割引券をプレゼントするようにしたら
 有料会場にも足を運んでもらえるかもしれません。
 スタンプラリー用紙は会場だけではなく市内の各所に設置したり
 新聞の折り込み広告にすればもっと多くの来場者を期待できるのではないでしょうか。
 「無料」には結構みんな弱いですよ。


③「ここが楽しいよ!」という宣伝をして!
 
◎2017年の状態

作品については、公式HPを見ても何が展示されているのかよくわからない状態
Twitter上では多少会場の画像付きで紹介されているといった状態でした。
インスタはせっかくアカウントがあるのに、ほぼ更新されていませんでした。
イベントについては「○月○日○時から▲▲があります」
という端的な内容がTwitter、公式HPでアナウンスされているのみでした。

◎2020年はこうして欲しい

もっと、ここが見どころ!ここが楽しい!こんな体験ができる!
という、一般をわくわくさせるような宣伝をしていただきたいです。
例えば芸術の森工芸館で展示していたEYEさんの「ドッカイドー/・海・」という作品は
ひとつひとつ点を打って、と書かれていますが
実際に点を打っている姿の画像の1枚もあれば、私だったら「おおおお!」と思います。
完成した作品の画像を載せられないなら、製作過程の画像を載せてしまえばいいわけです。
未完成の画像だと、完成形が観たい!という気持ちにさせられるので逆に良いかもしれませんね。
パッと見て「行きたい!」と思わせるためには多くの視覚情報が必要。
文字だけじゃなく、写真の1枚、動画の1本くらい添付した方がいいです。
それにTwitterの公式アカウントの中の人は、ユーモアに欠けていると思いました。
キングジムやパインアメ、タカラトミーなどのアカウントを参考にしていただきたいものです。


④会場までの道に看板や案内地図を設置して!

◎2017年の状態

最寄りの地下鉄駅構内には会場まで○mとか、●番出口を出て左
などの看板設置&地図に目印が付いていたのですが
行く道々には看板や地図がありませんでした。
佐野ビル、AGS6・3ビルはまだいいとして、りんごが本当にわかりづらかった!

◎2020年はこうして欲しい

地下鉄駅を出たところにも地図、看板があった方がわかりやすいですし
行く道中にしつこく地図や矢印の看板を設置していただきたいです。
木下大サーカスの場合、駅から出たところや
途中途中の電柱に方向案内の小さい看板が設置されていたので
あれを参考にしていただきたい。


⑤案内や注意事項の説明は開催初日からできるようにして!

◎2017年の状態

JRタワープラニスホールの展示と北専プラザ佐野ビルは2回行ったんですが
写真撮影についての注意事項の説明が1回目はなく、2回目は入場時にされました。
また、佐野ビル5階に初めて行った時は、作品についての注意はされず
2回目に行った時は、熱いので手を触れないようにという説明をされました。
私が再訪するまでの1ケ月強の間に
何か問題が起こったから入場時に説明するようになったと思うんですが
出来れば初日から説明してもらえる方がいいかな…

◎2020年はこうして欲しい

開催前に、一般の人を数人入れ
お客さんがどういう行動を取るかある程度テストし、説明すべき注意事項を洗い出して
開催初日から最低限の案内・説明はできるようにして欲しいです。


⑥会場内に順路や撮影OK・NGのサインを設置して!

◎2017年の状態

モエレ沼公園のガラスのピラミッドの場合
順路が記載されていた+案内係が至る所にいたので問題ありませんでしたが
北専プラザ佐野ビルの5階、AGS6・3ビル、金市舘ビルは順路が明記されていませんでした。
また、私が回った13会場は、撮影禁止のパネルはあっても
撮影OKのパネルはなかったと記憶しています。

◎2020年はこうして欲しい

ビルの1フロアを使っている場合、特にわかりづらいので
順路を明記しておいていただきたいです。
案内係+順路のサインの併用がベター。
インスタやツイッターなど写真付き投稿が盛んな時代なので
撮影OKのパネルも設置していただきたいです。
ハッシュタグの掲示もセットで行った方がいいですね。


⑦各会場にアンケートを設置して!

◎2017年の状態

9/15にHUGに行った時に初めてアンケートを渡されたのですが
それまでに回った会場では言われなかったので、当初はアンケート自体が存在しなかったか
あるいは積極的に勧めるということをしていなかったのだと思います。
客側からすると、各会場ですぐさま意見を伝えられる手段がある方が嬉しい!
不満があっても、直接メールとか電話とか手紙とか送る人はなかなかいないですからね。
私はしたけどw

◎2020年はこうして欲しい

各会場、退場時にアンケートとペンを渡してください。
入場時ではなく退場時を希望するのは、手がふさがって鑑賞の邪魔になるため。
単に置いておくだけだとスルーされがちだし
感動した人は率先して書くかもしれないけれど
ちょっと文句があるくらいの人だと書かないと思うので、手渡しの方が良いと思います。
賞賛コメントだけ読みたいっていうなら別ですがw
せっかくアンケート取るなら、やっぱり今後の課題が見つかった方が良いですよね。
アンケートはお客さんにとっては書くだけでも参加している実感が沸くし
意見が反映されているかどうかという観点から次回開催への関心も多少は沸くので
主催者側にとっても良いと思うんです。
例えば、札幌国際短編映画祭では各上映回ごとに必ずアンケートが配布されます。
匿名でもOKなのですが、連絡先を書いておくと抽選でプレゼントが当たるようになっていて
実際私もTシャツが当たったことがあります。
出来れば芸術祭も抽選でプレゼント、という形で実施されると
アンケート回収率が良くなるんじゃないかなあ。


⑧しつこく自己紹介して!

◎2017年の状態

いつから、なぜこの札幌国際芸術祭が始まったのかという成り立ちがよくわかりません。
札幌国際芸術祭というものが開催されていること自体を知らない市民もまだまだ存在します。
と同時に、行った人でも「また来年行こう!」というような発言をされていて
「3年おきに開催」ということを把握していない人が多い状況です。
個々のアーティストについて言えば、これまでどういう作品を作ってきて
どういう活動をしてきて、今回どういう経緯で作品を作りあげたのか
ということが、13会場回った私にすら伝わってきませんでした。
また、2会場で展示している作家もいましたが
一方の会場でもう一方の会場を紹介されるということが一度もありませんでした。

◎2020年はこうして欲しい

札幌国際芸術祭は2014年に始まり、3年おきの開催なのでまだ2回目でした。
にもかかわらず、自己アピールが弱すぎるし、初めましての気持ちが足りません。
「②色々な媒体で宣伝して!」や「③『ここが楽しいよ!』という宣伝をして!」
とも通ずる話なのですが
知っている人だけ来てくれればいい…わかってくれる人だけわかってくれればいい…
という諦めにも似たものを感じてしまったんですよね。
いやいやいや、もっとアピールしようよ!そもそも存在すら知られてないよあんた!
って言いたいw

JOIN ALIVEで見た際、竹原ピストルさんは歌う前か後に必ず曲のタイトルを紹介していました。
「一見さんから常連さんまで元気でね」という歌詞が入っている
「ドサ回り数え歌」を最初に歌うことで
初めましての方もいつも来てくれる方も楽しんでいってね!
という気持ちがストレートに伝わってくるライブでした。
スピッツのボーカル・草野マサムネさんも「今日初めて来てくれた方もいらっしゃると思います」
とMCでおっしゃっていました。
バンド結成30周年のライブで、あれほど有名な方がですよ。

芸術祭は来場者全員がいちげんさんだという意識を持ち
芸術祭自体や参加アーティストについて「こういうものです」
と、しつこく自己紹介してください。
どんなに有名な作家で、どんなに有名な作品だとしても1からちゃんと紹介してください。
「みなさんご存知○○です!」なんて感じで自己紹介を端折られると、記憶に引っかかりません。

短編映画祭では、各上映回の始まりに必ず映画祭のCMが流れます。
毎回同じCMなんですが、これが全プログラムのダイジェスト版になっていまして
観に来ている上映回以外にもこんな作品があるよ!と紹介しているのです。
今回の芸術祭では2ヶ所に作品が置かれている作家さんもいました。
こういう場合、片方の会場でもう片方の会場の宣伝もして然るべきだと思います。
宣伝効果があれば、来場者数も2倍に伸ばせるし。

映画館だって上映前にNO MORE 映画泥棒のCMが流れますよね。
もういいよ!知ってるよ何度も来てるから!っていうくらいしつこい。
あれくらいのしつこさでアピールしないと、人々の記憶には刷り込まれません。
13会場回っても、芸術祭のコンセプトはぼんやりとしか印象に残りませんでした。
音をメインにした作品が多い芸術祭だったのに、説明を文字情報に頼っていたのが解せない。
今回なら、例えばゲストディレクターの大友さんによるVTRなど
各会場で全く同じ説明が流れていたら多少記憶に残ったかもしれません。


⑨内輪だけで盛り上がらないで!

◎2017年の状態

最も内輪で盛り上がっていたのは札幌市資料館だったと思います。
市民に広く開かれた場として存在すると同時に、自然と常連さんのようなものが出来上がり
結果的にいちげんさんが入りづらい雰囲気を醸し出していました。
と、いうようなことを書くとすぐさま反論したがる人を知っているので
お心当たりのある方は「⑩感想は自由に言わせて!」を先に読んでくださいね。
これは感じ方の問題なので「そんなことない!実際は誰でもウェルカムな雰囲気を出していた!」
と言われましても
「入りづらいと感じた」という事実はなくなりません。
入りやすいと感じる人ももちろんいるでしょう。人それぞれですから。
ただ、私は入りづらいと思いました。

◎2020年はこうして欲しい

楽しそうな雰囲気を出そうという努力は必要ですが
あまりにも内輪で盛り上がっている感じが出てしまうと
どこか学園祭のような雰囲気に繋がってしまいがちです。
世の中には、コミュニティのようなものが出来上がっていると
それだけで近寄らなくなる私のような人間が存在します。
例えば、それほど広くはない雑貨店で店員さん同士や
店員さんと常連さんが延々とおしゃべりに興じていたら何だか入りづらくないですか?
そして入って何か欲しいものがあっても買いづらい。
私が見かけた来場者のほとんどが1人で来ていましたから、ここは余計に強調したいです。
スタッフ同士がバラバラに仕事をしているくらいの方が、実はお客さんは入りやすいのです。
美術館の学芸員さんは報連相がもちろん行き渡っているはずですが
ひとりひとりが独立して仕事をしている感じがしますよね。
運営スタッフ・ボランティア共にあの感じで行って欲しいです。


⑩感想は自由に言わせて!

◎2017年の状態

映画でも本でも音楽でもそうですが
100人いれば100通りの受け取り方・考え方がありますよね。
芸術祭だってそうで、100人いれば100通りの感想があるはずです。
全会場行ける人もいれば、1ヶ所しか行けない人だっている。
1つの会場に何時間もいる人もいれば、数分でサラッと観る人もいる。
全ての作品を隈なく観る人もいれば、観たい作品だけピンポイントで観る人もいる。
アートに対して造詣が深い人もいれば、全く知識がない人もいる。
見方だってお客さんのバックボーンだって物事に対する考え方だって多種多様なんです。
それなのに、自分のお眼鏡にかなわない感想や
作品・イベントについて浅い知識で書かれた感想を書いた人に対して
何時間滞在したのか、この会場は行ったのか、作家がこの作品制作に至るまでの経緯
イベントの趣旨について知っているのか云々と
ツイッター上で詰め寄る批評警察みたいな人がいるんですよw

「えー…感想も好きに書かせてもらえないの…?
 絡まれると面倒くさいから札幌国際芸術祭の感想は書かないようにしよう…」

こう思っちゃうのが人情ですよね。
芸術祭に対する批判的な意見を排除できるからいいや、なんて思ったら大間違いで
こういうことが繰り返されると好意的な感想を書いてくれる人すらいなくなります。
なぜなら感想のどこが攻撃対象になるかわからないから。

このような「批評の批評」を行っている方々には
どうやら広く一般の人に観てもらいたいという気持ちはあるようですが
自らの行動が逆に門戸を狭くし、敷居を高くしてしまっているという、本末転倒な話なんです。
自分が正しい、と思うまでは勝手です。

ですが「作品や企画内容に対して誤解を解きたい!」「間違った情報が垂れ流しになっている!」
などと思ってその人に詰め寄るのは、詰め寄られた相手だけでなく
芸術祭自体にとっても迷惑行為だと私は思います。
実行委員でも何でもない方で上記のような行動をしている方もいらっしゃいましたが
それは芸術祭の実行委員や作品の制作者本人が正しい情報を流して広めていくべきことであって
スタッフでも制作者でもない人がやるべきことではないはずです。
だってスタッフでも制作者でもないってことは
その方の情報だって間違えているかもしれませんからね。
そうなると、間違えた情報に間違えた情報を上塗りしているだけになってしまいます。
「実行委員がやってくれないから自分がやっている!」という反論が来そうですが
では、実行委員会に「このような間違った見識が広まっていますよ」
と直接連絡すれば良いのではないですか?
もし再三言っているのにやってくれないとしても
対応してくれるまでめげずに何度も連絡してみましょう。

また、上記のような行動は
自分が好きな映画に批判的な感想をしている人を攻撃する人とまるっきり同じ行為だと思います。
お心当たりのある方はこちらも併せてお読みいただけると幸いです。
→ あなたの好きな演者さんや映画自体が酷評されていてイラッとしたら

◎2020年はこうして欲しい

2020年は、というより、今すぐ
ネット上の感想に逐一目くじらを立てるのはやめていただきたいです。
言いたいやつには言わせとけの精神を持ってください。
前にあげたような方には
ぜひジャパネット創業者・高田明さんの「伝えることからはじめよう」を読んでいただいて
どうしたら芸術祭の良さが伝わるのか、そもそもなぜ芸術祭をおすすめしたいのか
そこのところをじっくりと考えていただきたいものです。
というか、スタッフにも読んでいただきたいですね。
「伝える」「伝わる」ということについてだいぶ意識が変わるので
少なくともあそこまで見づらいHPは作らなくなると思いますw

それから、芸術祭に携わっている方も
安易にツイッター上で議論をしないでいただきたいと思います。
(具体的には言いませんが、今回散見されたので)
自分の意図と違う形で伝わっているとしても、自分の伝え方が悪かったんだ…
と一旦反省していただきたい。
芸術祭には何人もの人間が携わっているわけだから
同じ実行委員同士でも考え方が違ったりしますよね。
一人の人間が、まるで芸術祭の総意であるかのように発言するのは
ちょっとどうなのかと思います。
リプライされた内容に対して返答するのは構わないしどんどんやればいいと思いますが
検索して見つかった感想に対して逐一反論して議論を吹っ掛けるのは
迷惑行為でしかないと思います。
まあ、私が云々言われたわけではないんですけれどもw
ブログを見つけて、ツイッター上でリンクを貼って反論する様子も見受けられたので。
SNSの使い方、よくよく考えた方が良いですよ。



「札幌国際芸術祭へ10のおねがい」は以上です。

踊る阿呆に観る阿呆同じ阿呆なら踊らりゃソンソン、という言葉がありますが

私が周囲の人に芸術祭の話を振ってみて感じたのは

「観る阿呆にすらなりたくない」と思っている市民が多いということです。

話を聞いたのは、皆ものづくりをする人で、アートに興味がない人たちではなく

むしろアートに関心がある人々です。

アートに興味がない人に「芸術ってよくわからないから…」と敬遠され

アートに関心がある人にも敬遠される…これは一体どういうことなんでしょうか。

まずは、どうすれば観る阿呆になってもらえるのかを考えること

それが3年後までの課題だと思います。

私の場合、1回目・2014年は、坂本龍一氏がゲストディレクターだったため一切参加せず

2回目である今年は、一般公募の企画(これ)に参加したら

招待パスポートを貰えたので回りました。

次回、2020年の開催の折には以下のいずれかのパターンで参加すると思います。

A. 企画に参加するか、懸賞で当てる等の何らかの形でパスポートを無料でゲットし
  初週にメイン会場を踏破して感想を書く

B. Aが叶わなかった場合、パスポートはなしで初週に入場無料の会場すべてを回り
  タダで見られる会場のみの感想を書く

どちらにしても無料で、開催初週に回り切るということですね。

なぜ初週かというと、会期終了間際になっても開催自体を知らない人が私の周りで多かったため。

素敵な展示があったとしても早めにおすすめしないと

周りの人が知らないまま会期が終わってしまうからです。

そして「パスポートを買う」という選択肢は

下記のいずれかに当てはまる場合のみ採ると思います。

・複数の有料会場にどうしても観たい作品がある
・無料会場の作品が有料会場も観に行きたくなるくらい素敵
・身近な誰かから「良かった」という感想を聞く

3つ目の「身近な誰かから『良かった』という感想を聞く」

ここでなぜ身近な人に限定しているのかと言うと

今回の芸術祭で、ネット上では絶賛されていても私の好みではなかったパターンもあったので

パーソナリティーや好みがわかっている身近な人の感想を参考にしようと思った次第です。

まあ今回は身近な人で芸術祭に行っている人がほとんどいなかったので

次回も期待は薄いんですけどね。。。

そして、無料にこだわる理由としては、もし今回自分でパスポート買って回っていたら

ちょっと損した気分になっていたかも…と思う展示が多かったことと

無料バスの区間外で移動の交通費が結構かかることと

ぶっちゃけ市税投入してるんだから

市民だけでも全会場を入場無料にして然るべきだと思っていること、この3点ですw

私の場合、交通費合計したら映画1本観られるじゃん!

とか思うだけで、もう損した気分になったりするんですよね。

アート鑑賞が1番の趣味って人はこういうケチな計算しないんでしょうけど

メインの趣味が別にある人は、シビアにお金とか時間をついつい計算しちゃうもんなんですよ。

会社帰りや休日に「芸術祭に行く」と言う選択肢は、端から後回しにされる宿命だと思って

「ここが面白いよ!こんな体験が出来るよ!」としつこく宣伝するしかないんだと思います。

そうすれば、休日の過ごし方の第3候補くらいにはしてもらえるかもしれません。



せっかくやるからには回を重ねるごとに良いものになっていって欲しいし

ビアガーデンやオータムフェストやミュンヘンクリスマス市のように

広く市民に愛されるイベントとして根付いていって欲しいと願っています。

残念ながら、現時点では愛され指数3%くらいだと思う…

それと、次回はオリンピックの年なんで

オリンピックの開幕前か閉幕後に開催した方が良いですね。

だってみんな家でテレビ観るもんw


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2020年の札幌国際芸術祭では10個のうち半分くらいは改善されていますように!