こんばんは。
多和田葉子「献灯使」読了しました。
震災や原発事故を思わせる大厄災後の日本が舞台。
子供たちはとても虚弱で、介護を必要としている。
老人たちはとても元気で、100歳になっても死なず
子供たち(曾孫たち)を介護し守っている。
日本は外来語を使わずインターネットもなくなり、
すっかり衰退して鎖国状態…
恐ろしいような近未来小説です。
びっくりしながら読み進めました。
でも恐ろしくはないんですよ。
なぜだろう。
主人公の老人がとても強い。(心身ともに)
そして曾孫をとても愛している。
その曾孫がまたとてもユニークで、優秀で、
絶望的な状況の中でも希望を感じさせるのです。
やっぱり、希望というのは子供のことなのかな、
なんて思った。
そうそう、作者は言葉遊び、日本語いじりの達人、
この作品でもたっぷり堪能しました。
面白いなー。
文庫本にはあと三つの短編と一つの戯曲が
収められているけど、ともかくともかく
表題作が圧巻でした!
それではまた!