「献灯使」 | 日光暮らし四季折々

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東京生まれ、東京育ちの私が、2013年に夫と二人で栃木県日光市に移住してまいりました。この地での四季折々の暮らし、仕事や趣味のこと、たまに病気のことなど(2度のがん経験者です)、そして大好きな奥日光について綴ります。

こんばんは。

 

多和田葉子「献灯使」読了しました。

 

震災や原発事故を思わせる大厄災後の日本が舞台。

子供たちはとても虚弱で、介護を必要としている。

老人たちはとても元気で、100歳になっても死なず

子供たち(曾孫たち)を介護し守っている。

日本は外来語を使わずインターネットもなくなり、

すっかり衰退して鎖国状態…

 

恐ろしいような近未来小説です。

びっくりしながら読み進めました。

でも恐ろしくはないんですよ。

なぜだろう。

主人公の老人がとても強い。(心身ともに)

そして曾孫をとても愛している。

その曾孫がまたとてもユニークで、優秀で、

絶望的な状況の中でも希望を感じさせるのです。

やっぱり、希望というのは子供のことなのかな、

なんて思った。

 

そうそう、作者は言葉遊び、日本語いじりの達人、

この作品でもたっぷり堪能しました。

面白いなー。

 

文庫本にはあと三つの短編と一つの戯曲が

収められているけど、ともかくともかく

表題作が圧巻でした!

 

 

 

 

それではまた!