以前視察した風間氏のトラウムの練習メニューからヒントをもらって、最近色々なところで練習に鬼ごっこを導入しています。この鬼ごっこでは子供の色々な特徴が見えてきます。いかに効率よく(ずるく)鬼から逃げるか、鬼にならないために自分をどう守るか、鬼はどの子を捕まえると簡単に鬼から開放されるのか、昭和生まれの人だったら子供の頃遊びの中で自然に養われてきた能力なのですが、現代の子供は特にこういう部分が劣っています。
鬼ごっこをしばらくしていると疲れてサボろうとする子が出てきます。いくら子供が元気でも常に全力疾走では体力が持ちませんので、だから子供も少し考えるのです。そしてしばらくするとグリッドの四隅には体力を温存させるために多くの子供たちが固まりだします。こうなると鬼はターゲットが増えるのでより狙いやすくなるのです。そこを切り抜けることが出来るかどうか、上手な子は鬼が来るのを察知して別の休める場所へ移動、そうでない人はあえなく鬼に・・・、とまあ、こんな感じの繰り返しです。中には本当に鬼ごっこのようにひとりの相手だけを懸命に追いかけていたり、体を休めるはずが頭まで休めてしまって鬼にタッチされたり・・・、様々な現象がここで出てくるわけなのです。
この鬼ごっこをよりサッカーに近づけるためにボールを使って行うのがこのスクール流です。そうすると鬼にならないためにボールは大事に扱わなくてはいけませんので、ドリブルをしていても周囲を見渡し、相手をよけるためにフェイントを使い、そしてボールタッチも細かくなってきます。困っている味方を助けなくていけなくなるシーンも出てくれば、よりよいサポートの距離、角度、タイミングを自然に身につけることができます。技術的な部分だけではありません。初対面でも異学年の子供たちでも、鬼ごっこをしていれば次第にコミュニケーションを取れるようになってきます。考えて走らなくてはいけませんので、考えるスピードそして走るスピード、フィジカルの強化にもつながります。
子供の遊びにも、味方を上手く利用し相手を攻略するというサッカーと同じ世界があるわけです。そして必要になってくるのは「蹴る・止める・運ぶ」という基本技術と周囲を見渡すことの出来る広い視野と判断力、つまりはサッカーに必要な要素を鬼ごっこでも兼ね備えているということになるのです。でも忘れてほしくないのが絶対に鬼にならないという気持ち、すなわちサッカーの世界に置き換えるのであれば勝利するという強い意志なのです。