突きは末端から?中心から?の最終結論! | 錬武体術 啓真道

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剣の理合を我が身に宿し、刃の斬れ味を源として、敵の無力化を学ぶ武道。

こんにちは。川村です。

身体の中心から動くと、空手の突きを、大幅に、上達させることができます。




空手の突きでは、身体の使い方について、意見が、2つに分かれていますね。

末端から動いて突く派と、中心から動いて突く派の、2つです。

ですが、理に適っているのは、中心から動くほうなんです。

末端から動くほうにも、違う理があるという場合、それは、理ではありません。

理というのは、個人的な言いぶんのことではなく、科学的根拠のことですから。

中心から動くほうがいいということの、科学的根拠は、2つあるんです。

1つ目は、突きのときの腕は、あくまで武器だから、中心から動くほうがいいということです。

ヌンチャクを振るうとき、先端を持って、相手に、当てにいくでしょうか?

それじゃあ、威力も速さも出せませんから、そんなことは、しませんよね。

ブルース・リーも、沖縄空手の達人も、そんなことは、誰もしていません。

先端とは逆の、ヌンチャクにとっては、根元を持って、振るいますよね。

日本刀で斬るときも、切っ先を持って、据え物とかを、斬りにいかないですよね。

侍は、柄を持って、日本刀を構えるもので、剣道家が、竹刀を持つときも、同じです。

手に持つ武器は、全て、根元を持って、振るうことで、威力と速さを得ます。

反対に、末端から動いたとしたら、威力も速さも、極端に落ちてしまいます。

どちらを選ぶほうが、利点があるか?と言ったら、威力と速さが、得られるほうでしょう。

より、利点があるほうを選ぶのが、理に適った選択というものです。

だから、末端ではなく、中心から動くほうが、理に適っているんですね。


2つ目は、厳密には、人体は、中心からしか、動けない構造だということです。

例えば、自分の指を、見てみてください。

指の先端には、指を動かす機能自体が、備わっていないんです。

少なくとも、より根元に近い、第一関節を動かさなければ、指を動かすことは、できません。

突きで言えば、構えたところから、少なくとも、まず最初に、肩が動く必要があります。

肩に続いて、肘が動くことで、最低限、拳で突くという動作が、できるんです。

拳とは、手を、握った形にした状態のことです。

拳が、独立してできることは、手を開いたり、指や掌、手首を動かすことですよね。

だから、そもそも末端である拳からは、人体の構造からして、動けないということです。

ただ、世の中の、ほとんどの人は、手を動かすときには手を、足を動かすときには足を、意識しています。

一方、達人は、動きの起点である、身体の中心を意識して、さらに、使いこなしてさえいるんです。

この、身体の中心を、使いこなしていることが、達人の身体操作ができているという状態なんです。


ところで、僕は、「普通は、末端から動いている」という言い方を、してきました。

これは、前述のように、正確には、「普通は、末端を意識して、動いている」という意味です。

普通、突きのときは、拳を動かすことを、意識しているということです。

いかに速く、拳を移動させるか?とか、いかに強く、ぶつけるか?という意識ですよね。

これだと、拳を動かした反作用が、腕を通って、体幹へと、返ってきます。

これに負けると、突きを出した反作用で、自分が、後退してしまうことになります。

だから、普通は、スタンスを踏ん張る必要があるし、体幹を、鍛える必要があるわけです。

また、この反作用で、拳の骨である、中手骨や、手首や肘、肩を、故障するんですね。

こういう意味でも、普通に行われている、「末端から動く」突きは、理に適っていないんです。


それでも、末端から動くと主張する達人や、そういう流派があるのは、なぜでしょうか?

その理由もまた、2つなんです。

1つ目は、ちゃんと、中心から動いているのに、その人自身は、そう感じていないということです。

少なくとも、肩から動き始めているのに、拳から動いているのだと、感じているんですね。

飲み込みの早い、天才タイプに、こういう人が、多いようです。

自分の動きを、正確に把握できていなくても、理に適った動きが、できちゃってるわけですね。

ちなみに、おわかりでしょうが、僕は、このタイプでは、ありませんよ(笑)。


2つ目は、相手を欺くテクニックとして、末端から動いたように、見せているということです。

相手に、一番近い、自分の身体の末端から、急に動いたように見せて、相手の反応を、遅らせるんです。

この場合、身体の中心のほうは、さっさと、必要な動きを、終わらせておくんですね。

言わば、「よーい、ドン!」の、「よーい、ド」までを、相手にわからないように、済ませておくわけです。

そして、急に、最後の「ン!」だけをやるから、相手の反応を、間に合わなくさせることができるということです。

このタイプなら、僕も、諸手を挙げて、賛成できるというものです。

そういうわけで、動くのは末端から?中心から?の最終結論は、やっぱり、中心からなんですね。


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