夏の全国高校野球岩手大会決勝は花巻東と盛岡大付属の対戦となり、花巻東が2年連続12回目の甲子園出場を決めました。
野球が好きなリョウイチさんと前日夕、会場の盛岡市きたぎんボールパーク近くの沢内出身ヒロユキさん宅に泊まって(…というか、呑んで)、観戦に備えました。
夜中にごうごうと降った雨があがり、雨空の下のプレーボールとなりました。
どんな試合になるのか、期待がふくらみます。
両チームとも7分間の公式練習、これを見るだけでもレベルの高さを実感します。
西和賀高校は練習の時でさえボールをポロポロしていましたね。
さてプレーボールです。
今大会から3,5、7回に、暑さ対策として休憩タイムが設けられています。
選手や応援団の熱中症対策なのでしょうけど、スタンドの観客はブルブル震えるくらい寒かったのです。
この休憩を含め、選手の負傷治療が3回あり、盛岡大付属の投手の間合いが長かったりもあって、試合は3時間半かかって決着しました。
試合のクライマックスはまさに9回裏の土壇場に訪れました。
4ー1と3点リードした花巻東は、ノーアウト2・3塁のピンチ。
ここでベンチから伝令(監督の指示を伝える控え選手)が出ました。
マウンドに内野手が集まり、指示を確認しました。
「ランナー2人が還っても1点リードで終われるから、ここは打者との勝負に徹するところだよな」
リョウイチさんとそんな話をしましたが、伝令も同じことを言ったのでしょう。
盛岡大付属はランナー2人を還しましたが、田崎投手が確実にアウトを重ねた花巻東が4ー3で勝利しました。
寒さに震えながらの観戦でしたが、いいものを観たと思いました。
花巻東は、不世出とも言えるあの大谷翔平や大リーグでも通用する剛速球の菊池雄星を輩出した高校です。
甲子園でも活躍してほしいですね。
勝利の校歌を耳にしながら、僕は西和賀高校の1回戦(0ー6敗戦)を思い出していました。
山の頂上が花巻東なら、西和賀高校は山の1合目あたりなのでしょう。
でも、西和賀高校ナインのプレーの数々は、真昼山地のブナの森のように素晴らしい思い出として僕の中に残っているのです。
エース高下(こうげ)君は決勝戦のマウンドにいてもおかしくない好投手でした。
そしてもうひとつの思い出は高校2年の時の栃木県営球場。
わが宇都宮東が江川卓の作新学院と闘った決勝戦。
青春のほとばしり……、もう遠い昔になりました。 (7月25日)