西和賀日記390回「岩手は熊出没警報中」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

高下岳に登った話を2回続けて書きましたが、山を歩いていて気付くのはブナが実をつけていないことです。

ブナの実はツキノワグマの主食だと聞いています。

 

 

ブナ豊作だった去年は今ごろ枝先にびっしり実がなっていましたが、今年はまったくと言っていいほど実がありません。

 

 

登山道には去年のブナの実がたくさん落ちています。

清和研二「樹に聴く」(築地書館)に、ブナの森の大豊作は「不定期に数年に一度だけ訪れる」と書いてあります。

豊作の翌年は「一つも実らない凶作の場合が多い」とも書いてあります。

”結実の豊凶”という言い方があるそうです。

今年は凶作ということなのでしょうか。

 

 

山に食べ物が少ないからか、里の栗の木は熊のターゲットになっているようです。

あちこちの栗の木が熊にやられて枯れ枝が目立ちます。

 

 

大きな熊棚(熊が食事した跡)があるこの栗の木、主要道路に面しているのです。

西和賀では、人間と熊との距離がかなり接近しております。

 

 

 

熊が食べた(と思われる)栗の実の痕。

一つひとつじょうずにむいて食べるようです。

クルミの木も狙われています。

ただ、栗もクルミも実りはよくないようです。

 

 

僕んちの近くの農家では、倉庫に侵入されて新米を荒らされました。

シャッターを開けて入ったそうです。

ドラム缶の罠を仕掛けても捕まらないとのこと。

毎晩のように侵入して、「小賢しい熊だ」と周辺で警戒しています。

岩手県が「ツキノワグマの出没に関する警報」を県全域に発表していることを今夕のニュースで知りました。

人間としては困ったことですけど、熊も生きるのに必死でしょう。

ブナの不作は、人間と熊の関係によくない影響がありそうで、心配な秋になってきました。 (9月27日)