面白いキノコが手に入りました。
オニフスベ(鬼燻、鬼瘤)という、茎がなければ傘もないキノコです。
新・岩手きのこ百科によると、ハラタケ科で食べられるようです。
「草地や畑、庭等の地上」が発生場所となっています。
直径10センチくらいのボールのような形です。
畑で採れたカブ、古くなったソフトボール、ふくらみ過ぎたモチ、恐竜の卵…。
何と形容すればいいのか、こんなキノコがあるんですね。
何人かの手を経て、なぜか僕のところに転がり込んできたのです。
持った感じは軽いし、水に軽々と浮きます。
「皮をむいて湯をとおす」とあります。
ジャガイモの皮をむくように簡単にむけました。
湯にとおしてから半分に切ってみました。
黄みがないゆで卵みたいです。
薄く切りました。
マシュマロか木綿豆腐のような感触です。
バターで炒めました。
いい色になりました。
味付けは塩だけです。
軽い食感で、バターがよくしみて、元の形からは想像できなかったうまい味でした。
残り半分ですまし汁にしてみました。
オニフスベそのものには味も香りもほとんどありません。
名前ほどの存在感がないところが、このキノコの奥ゆかしいところかもしれません。
でも生長すると直径50センチにもなるといいます。
フスベは瘤(こぶ)の意味だそうです。
このオニフスベ、誰がどこで採ったんでしょう。
姿形も味も出どころも不思議なキノコでありました。 (9月16日)