西和賀日記379回「オニフスベを食べる」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

面白いキノコが手に入りました。

 

 

オニフスベ(鬼燻、鬼瘤)という、茎がなければ傘もないキノコです。

新・岩手きのこ百科によると、ハラタケ科で食べられるようです。

「草地や畑、庭等の地上」が発生場所となっています。

 

 

直径10センチくらいのボールのような形です。

畑で採れたカブ、古くなったソフトボール、ふくらみ過ぎたモチ、恐竜の卵…。

何と形容すればいいのか、こんなキノコがあるんですね。

何人かの手を経て、なぜか僕のところに転がり込んできたのです。

 

 

持った感じは軽いし、水に軽々と浮きます。

 

 

「皮をむいて湯をとおす」とあります。

ジャガイモの皮をむくように簡単にむけました。

 

 

湯にとおしてから半分に切ってみました。

黄みがないゆで卵みたいです。

 

 

薄く切りました。

マシュマロか木綿豆腐のような感触です。

 

 

バターで炒めました。

 

 

いい色になりました。

 

 

味付けは塩だけです。

軽い食感で、バターがよくしみて、元の形からは想像できなかったうまい味でした。

 

 

残り半分ですまし汁にしてみました。

オニフスベそのものには味も香りもほとんどありません。

名前ほどの存在感がないところが、このキノコの奥ゆかしいところかもしれません。

でも生長すると直径50センチにもなるといいます。

フスベは瘤(こぶ)の意味だそうです。

このオニフスベ、誰がどこで採ったんでしょう。

姿形も味も出どころも不思議なキノコでありました。 (9月16日)