西和賀日記353回「真夏のキュウリの怪」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

3日ぶりで裏庭の畑を見に行きました。

そこで見たのは、キュウリの不思議な姿でした。

 

 

ジャガイモ掘りを終えた土に、一本の半分が埋まっていたのです。

キュウリの棚からは4メートルくらい離れているから、風で飛ばされたわけではないと思います。

誰かが埋めたのでしょうか。

 

 

すると、その近くの土にキュウリが2本、突き刺さっているではありませんか。

そこに幸っちゃんが来て「何これ⁉」と肩をすくめるのでした。

こんなことするのはキツネじゃねえかなぁ、キュウリを耳に模して自分が来た痕跡を残したんじゃないか…

「オレがいつもキュウリを動物に食われてるって言うもんだから、キツネが自ら正体を現したんじゃねえかなぁ」

「そんだばクマかタヌキかハクビシンかもしれないっしょ」

「クマにはこんな細工はできねえべ」

「やっぱ人間しかできないねぇ、これは」

 

 

引っこ抜いてみたら、2本に見えたキュウリは曲がった1本だったのでした。

キツネやクマの線は薄らぎました。

「マサルさんがイタズラしたのかなぁ」

いや……畑の近くに古井戸の跡があります。

もしかして、古井戸の重いフタを押し開けて、何かが出てきて怨念を形にしたのでしょうか。

 

 

小さい時に何かに食われたキュウリがその後も大きくなり続けています。

これは当たり前のことなのかな。

 

 

 

葉の陰で大きくなってしまったキュウリがありました(写真の下)

「皮むいて、みそ汁だね」

幸っちゃんが当たり前のように言います。

大き過ぎるキュウリは、このへんではみそ汁の具にするのでしょうか。

そういえば誰かも「モロキュウみたいにキュウリとみそは合うんだから、キュウリのみそ汁もありだよ」と言っていました。

 

 

キュウリのみそ汁を初めてつくってみました。

うまいとは言えませんが、夏の風味は感じられました。

もっとも、土に刺さったキュウリよりもお椀に浮かぶキュウリの方が怪異かもしれません。 (8月16日)