西和賀日記170回「まちの本屋があった」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

寒波が続き、西和賀はきょうも雪でした。

 

 

うちの積雪観測所が1.5メートルを記録しました。

部屋の中から竹ざおを見て、目測で言ってます。

 

 

太田図書室で田口幹人という人が書いた「まちの本屋」(ポプラ社、2015年)を借りて読みました。

旧湯田町の本屋に生まれ、読書の虫となり、本屋を継ぐも7年間の苦闘の末に店を閉じて、盛岡の書店で活躍している50歳くらいの人です。

カリスマ店長と称された伊藤清彦という人の下で本を売る技術とアイデアを磨いたそうです。

その様子が目に浮かぶ内容です。

 

 

本屋は湯本温泉にあったそうですね。

湯の街がにぎやかだったころでしょうか。

きょうの湯本温泉は吹雪の中でした。

 

百田尚樹「永遠の0(ゼロ)(太田出版)が1年間まったく売れなかったのを全国的なベストセラーにした震源地が盛岡の店だったそうですね。

15年くらい前、僕も誰かに「永遠の0読んだか?」と言われて買って読んで、ものすごく面白かったことを覚えています。

関東でも中高年を中心に話題になっていました。

 

 

「まちの本屋」に触発されて、その「さわや書店」フェザン店に行ってきました。

ヘンリー・ジー「超圧縮 地球生物全史」(ダイヤモンド社、2022年)が目的だったのですが、本の中に書かれたものも何冊か購入。

手描きのP0Pやパネルが店内にたくさんあって、本への興味をそそられます。

これまでも盛岡駅を利用する際に立ち寄っていましたが、「まちの本屋」を読んで、この書店の価値が僕の中で急上昇しました。

 

 

伊藤氏は一関市立図書館の副館長をしていた3年前、65歳で急死してしまったそうですね。

大きな新聞記事が図書館に貼ってありました。

 

 

西和賀に今は本屋さんはなく、小さな図書室があるだけです。

でも雪の降る夜は読書に絶好の街です。

田口さんのような”本の虫”が、雪に埋もれたこの街のどこかにいるんだろうな…と思います。 (1月26日)