西和賀日記165回「凍み大根うまいなぁ」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

僕が住む大野地区(もっこりの郷)で始めた”食の宅配便”の次の発送に向けて、きょう集まりがありました。

その中で「凍み大根」の話が出ました。

「しみだいこん」ではなく「しみでご」と発音します。

西和賀では各家庭でたいていつくるようです。

これを宅配便に入れたらどうかという話でした。

 

山友ミユキさんちの凍み大根づくりをのぞいてみましょう。

 

 

大根を切って皮をむき、水にさらします。

 

 

凍み大根づくりのベテランおかあさんがせっせとひもに通しています。

 

 

寒中にこうして外に吊るします。

 

 

2週間ほど経って、黄色っぽくなりました。

旨みが色になっているんです。

 (以上の写真はミユキさん提供)

 

 

これはタツヤさんちの凍み大根です。

からからに乾燥しています。

食べる時には水で戻します。

 

 

半日くらいで戻って、元よりずっしり感のある食材に生まれ変わります。

 

 

僕は厚く切って里芋と人参と共に煮物にしました。

戻し汁に、味付けはしょうゆとみりんだけ。

ナオ子さんはゴボウ、コンニャク、それに肉(もも肉など)を入れるとうまくなると言いました。

リョウイチさんが「ウサギ肉だばもっとうめえぞ」と言って爆笑となりました。

 

 

煮上がった凍み大根、肉は入っていませんけど、これがうまいのなんの…

この旨みは正真正銘の自然の甘味ですな。

キリっとした歯ごたえ十分の食感も素晴らしい。

大根そのものも良くできているのでしょうけど、低温と冷たい風と時折射す冬の陽とつくる人の思いがこもる、これこそが手づくりの味というものなのでしょう。

先週遊びに来てくれた関東からの客人も「これ、うまいねぇ」と一皿たいらげておりました。

 

凍み大根がこんなにおいしいものなのだと初めて知って感激しております。

東北にはホンモノの味が息づいているんですね。

雪崩や氷雪の研究家でエッセイストの高橋喜平氏は著書「沢内物語」の中で「ノウサギ汁に入れたものが特に美味」と書いています。

リョウイチさんが言うのは満更でもなかったということです。 (1月21日)