西和賀日記135回「暁の重機除雪大作戦」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

農作業でトラクターなどの重機を使いこなすソウさんは、冬は除雪隊員になります。

「あした(12月21日)、新町にドーザーやロータリーを集結させて除雪やるんです」

「そりゃぁ見モノだね。何時ごろ?」

「3時半くらいかな」

 

 

(あかつき)の除雪大作戦!

新町は僕んちから車で県道をほんの2分ほど北に行ったところ。

重機音が夜明け前の街の冷気をふるわせておりました。

 

 

直線道路沿いに家が建ち並ぶ新町は、雪で道路の幅が狭くなってしまうので、集中的な除雪を早朝に時々実施するんだそうです。

除雪ドーザが雪を集めています。

 

 

雪の山をロータリー除雪車が吹き飛ばしていきます。

吹き飛ばす位置は、県と地元が話し合って決められているそうです。

街場でスペースが少ないので、なかなか大変な作業です。

ソウさんも真剣な表情でロータリーを操縦しておりました。

 

 

道幅はあるのに、なぜ雪で狭まってしまうのでしょう。

新町は旧沢内村で唯一、道路脇に流雪溝が整備されています。

各家の前のフタを開けて雪を落とし込んで除雪するのです。

ところが、ここにも高齢化や人手不足の影響があるようで、その除雪作業が間に合わないわけです。

先週など、僕も走るから感じていましたが、乗用車でもすれ違いに気を遣うほどで、大型トラックが対向してくると慎重に徐行しなければなりませんでした。

 

 

まだ4時台だというのに、女性が流雪溝に雪を落としておりました。

ほぼ毎朝2時間やって、7時には出勤しなければならないそうです。

 

 

近くの男性も歩道に残った雪を流雪溝に落としていました。

真昼岳を源流とする本内(ほんない)川から引かれている水とのこと。

のぞくと、暗がりの中に勢いのある水の流れが見えました。

 

 

除雪作戦が終わったあたりは県道の幅が回復して、新町の街ナカがこんなに広かったんだ…と驚くほどでした。

 

 

流雪溝のフタを積雪から確保するだけでも大変なことだと思います。

豪雪の街・西和賀の、雪との闘いのワンシーンを見る思いがしました。 (12月22日)