当ブログ第844回「まさぼうの湯につかる」で、まさぼう伝説を調べる宿題がありました。
昨19日、気仙沼の西隣、岩手県一関市藤沢町の藤沢図書館に行ってきました。
藤沢町史や地元の民話集などを閲覧してみました。
藤沢町史(昭和56年発行)には昔話・伝説20話の中に「正坊滝」がありました。
ある漁夫が滝のほとりで休んでいると、大きなウナギが滝壺から浮かび上がり浅瀬で泳ぎ始めました。
捕まえて俵に入れ、帰ろうとすると、滝壺から「正坊や正坊や、いつ来るぞ」と声がしました。
すると俵の中から「正坊来るか不来(こざる)か」と応える声。
漁夫は気味悪くなり、俵を投げ捨てて逃げ帰りました。
ウナギの父が子の生死を心配して声をかけたのでありました。
以来、村人たちはこの滝を正坊滝、あるいは来不来(くるこず)の滝と呼ぶようになりました。
ざっとこのような話です。
ふるさとの民話集「えじこまんま」(昭和61年、藤沢町公民館発行)には…
滝壺の中から「正坊や、正坊や、おまえはいつもどってこれるのだ」
俵の中のウナギ「もどって来れるか、ぼくには分かんないよ」
ほかの本も同じ内容で、町史が基になっているようです。
黄海(きのみ)村史(昭和35年、藤沢町発行)には巻頭写真の中に正坊滝がありました。
上の絵は、僕が小さな手帳に写真をスケッチしたものです。
高さ4メートル、幅3メートルほどの小さな滝だったようです。
快晴だったので、高原にある「まさぼうの湯」に立ち寄りました。
ついでに、近くの相川ダム(まさぼう湖)に行ってみました。
平成10年に完成した農業用水ダムです。
タム堤の下流すぐのあたりに正坊滝はあったのだといいます。
その昔、ウナギ伝説が生まれたころは、深い深い山奥の谷だったのでしょう。
図書館で調べただけでは物足りません。
宿題の答にもなっていませんね。
いずれ暇になったら、もう少し深く調べてみたいと思います。 (1月20日)