気仙沼日記857回「まさぼうウナギの謎」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

当ブログ第844回「まさぼうの湯につかる」で、まさぼう伝説を調べる宿題がありました。

昨19日、気仙沼の西隣、岩手県一関市藤沢町の藤沢図書館に行ってきました。





藤沢町史や地元の民話集などを閲覧してみました。




藤沢町史(昭和56年発行)には昔話・伝説20話の中に「正坊滝」がありました。


ある漁夫が滝のほとりで休んでいると、大きなウナギが滝壺から浮かび上がり浅瀬で泳ぎ始めました。

捕まえて俵に入れ、帰ろうとすると、滝壺から「正坊や正坊や、いつ来るぞ」と声がしました。

すると俵の中から「正坊来るか不来(こざる)か」と応える声。

漁夫は気味悪くなり、俵を投げ捨てて逃げ帰りました。

ウナギの父が子の生死を心配して声をかけたのでありました。

以来、村人たちはこの滝を正坊滝、あるいは来不来(くるこず)の滝と呼ぶようになりました。


ざっとこのような話です。


ふるさとの民話集「えじこまんま(昭和61年、藤沢町公民館発行)には…

滝壺の中から「正坊や、正坊や、おまえはいつもどってこれるのだ」

俵の中のウナギ「もどって来れるか、ぼくには分かんないよ」


ほかの本も同じ内容で、町史が基になっているようです。




黄海(きのみ)村史(昭和35年、藤沢町発行)には巻頭写真の中に正坊滝がありました。

上の絵は、僕が小さな手帳に写真をスケッチしたものです。

高さ4メートル、幅3メートルほどの小さな滝だったようです。





快晴だったので、高原にある「まさぼうの湯」に立ち寄りました。




ついでに、近くの相川ダム(まさぼう湖)に行ってみました。

平成10年に完成した農業用水ダムです。





タム堤の下流すぐのあたりに正坊滝はあったのだといいます。

その昔、ウナギ伝説が生まれたころは、深い深い山奥の谷だったのでしょう。


図書館で調べただけでは物足りません。

宿題の答にもなっていませんね。


いずれ暇になったら、もう少し深く調べてみたいと思います。 (1月20日)