気仙沼日記837回「渋柿が甘柿になる話」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

渋柿が残ったままの柿の木が、冬枯れの風景の中で目立ちます。

深紅に熟した実を僕は「残り柿」と呼んでいます。

きのう岩手県遠野市に行った際、とおの物語の館にある柿の木に残り柿がありました。





熟れ過ぎて、冬の細枝には重たかろうな…と思って写真にパチリ。


その少しあと、隣にある行きつけの店で「物語の館の柿です」と器に載った一個の柿を出してくれました。




「渋柿だけど、霜が何度もおりて、自然に甘柿になったものです」

「へえ、そんなことあるんだ」

「遠野は冷え込みがすごいから。さっき、常連のおばさんが手を伸ばしてもぎってきたんです」

(かじってみると)「おぉ、これは甘いなあ…。自然の力はたいしたもんだねえ。縄文のころの人も、こんな甘味を味わっていたんじゃないかなぁ」


きょう、気仙沼で元漁船員の知人に会った際に、この話をしたら、知人は驚くどころか「出港の時に箱に渋柿をいっぱい詰めていくんさ。それを冷凍しておくと甘くなるんだ。若いインドネシアの乗組員に、人数分取って来いといって、解凍して食べると甘柿になっているさ」と言うのです。


上には上がいるもんですな。 (12月14日)