気仙沼日記672回「この季節のこの味を」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

毎年この季節になると、この味の話を書いているような気がします。


気仙沼の「あざら」と栃木の「しもつかれ」です。






あざらは気仙沼の冬の郷土食。

ハクサイの古漬け(塩抜きする)、メヌケかキチジのアラ、酒粕が材料です。

写真は最寄りの居酒屋でん吉のあざらで、みその風味を添えています。


ハクサイを漬ける家が減って、あざらを作る家は滅多になくなってしまったそうです。





しもつかれは栃木で2月の初午に食す行事食ですが、冬の時期の郷土食になっています。

ダイコンとニンジンを鬼おろしで粗くおろし、塩引き(サケ)の頭と大豆(節分の豆)、酒粕を入れて煮込みます。

初午は稲荷社の祭りなので油揚げも加えます。

調味料を使わないのが基本です。

サケの頭はこなごなになります。

写真は宇都宮の知人が作って送ってくれたもの。


どこか共通する郷土の味です。

見た目がよくないためか、好き嫌いがはっきり分かれるのも同じです。

気仙沼でもあざらをまったく口にしないという人がたくさんいます。

栃木でもしもつかれを食べない人が多いです。


僕は、しもつかれ大好きで、丼一杯軽く食べちゃいます。

あざらも、もちろん食べます(郷土食への興味と敬意をこめて)。


あざらは絶滅危惧種かもしれませんが、しもつかれは八百屋やスーパーでも売っていますから当分は安泰でしょう。 (1月30日)