気仙沼の被災地を毎日見ていて残念に思うことが少なからずあります。
そのひとつは、かさ上げ工事が終わると、いつの間にか電柱が林立することです。
上の写真は弁天町のあたり。
道に沿って高い電柱が並んでいます。
建てたものは倒れるものです。
電線むき出しは、防災上もよくないでしょう。
電柱の地中化は、電力会社や通信会社の意向が反映されて決まることなのでしょうけど、地元自治体にもモノを言う権利はあると思うのです。
これは鹿折地区です。
この電柱の乱立ぶりは、ほかに建物がないから目立つことを差し引いても、目をおおいたくなるような景観です。
地中化は、コストがかかるので都市部の発想だと言われます。
もしそうだとしても、ここは津波で一度は何もなくなった土地です。
これから新しい街をつくる場所なのです。
せめて、新しい街だけでも電線を地中化する発想はなかったのでしょうか。
「コストがかかる」という一般論を優先するのではなく、大震災によって生まれ変わった街にふさわしい方法を模索するような臨機応変な発想はなかったのでしょうか。
繰り返し書いていることですが、被災地にいると「復興ではなく破壊している」と表現した方がいい事象が目につくのです。 (7月1日)