気仙沼日記379回「大東大原水かけ祭り」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

気仙沼に隣接する岩手県一関市大東町(だいとうちょう)に350年以上前から伝わるという大東大原水かけ祭りを初めて見ました。

気仙沼からは車で40分ほどで会場の大原中心街に着きました。




通りは市道で「大原水かけ祭り線」の名称がついています。




この地の鹿踊り4団体がストリート演舞。

気仙沼の八瀬地区の早稲谷鹿踊りは大原から伝わったものです。

鹿頭(ししがしら)の形や長い「ささら」などに共通点があり、興味深かったです。




大東大原水かけ祭りは、明暦3年(1657年)に江戸城天守閣も焼失した振袖火事で江戸の街が焼け野原になった旧正月18日を厄日と定め、火災予防を目的に始まったと、祭りのパンフレットに書いてありました。


今は毎年2月11日に行われています。

上の写真は大正から昭和にかけて活躍した馬引きポンプ車。

砂鉄川から水を揚げて橋から川に放水するデモンストレーションです。





裸で走り抜ける厄男にかける水は沿道にたっぷり用意されています。





水をかける手桶を300円で売っていました。





水かけ開始は午後3時なので、商工会などが開いた「水かけ食堂」で腹ごしらえ。

大原高校の生徒たちがテキパキと世話してくれて気持ち良かったです。


そしていよいよ水かけ祭り。




通りに塩をまいて清めます。


「天下の奇祭」と称される水かけ祭りが始まりました。





裸男は全国から282人が参加しました。

沿道から、男なら誰でも水をかけていいそうです。





すさまじい水しぶきを浴びながら男たちが走ります。


寒い時期にやるから奇祭なのでしょう。

「もっと寒い方が面白いな。男らの体から湯気がもうもうと立つから」とは地元の長老の話でした。



通りは土砂降りの後のよう。

祭りの後は、ある種のさびしさが漂うものですが、僕はとてもすがすがしい気分にひたることができました。


昨年末に八瀬の知人に「写真撮るのにいい祭りがあるよ」と教えてもらい、この日を待っておりました。

来年も行きたいと思ったし、祭りがない時にも、きっと静かで落ち着いているであろう大原という街を訪れたいと思いました。 (2月11日)