気仙沼日記361回「音楽⑦小澤征爾」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

関東のある地方都市に小澤征爾(おざわ・せいじ)が指揮するボストン交響楽団が来演するらしいという話を聞きつけ、その土地で新聞記者をしていた僕は飛びつきました。


もう30年以上も前の話です。

当時、小澤・ボストン響といえば世界屈指のコンビでした。


1万円という高額なチケット、それも市の予算を投入してその値段に抑えたといった裏話もあって、文化協会の音楽に関心のないお偉方と論争した、懐かしい思い出もあります。


なんてったって、小澤征爾は素晴らしい!





気仙沼の独り暮らしの貸家でも、このちっぽけなラジカセで時々、小澤指揮のCDを聴いております。


水戸室内管弦楽団の音楽監督をしていたころの小澤もよく聴きに行きました。





写真は、まだ小澤が60歳前だったころの演奏会パンフレットです。

この時のビゼーの交響曲ハ長調の快演は忘れられません。


西新宿の東京オペラシティこけらおとし公演が小澤指揮サイトウ・キネンオーケストラでした。

天皇陛下もお出でになり、僕の周囲の客席には大企業の社長夫妻や名だたる音楽家や有名人がたくさんおりました。

バッハのマタイ受難曲の全曲演奏でしたが、その感動たるや、今でも言葉にしようとすると胸いっぱいになってしまうほどでありました。


こんなふうに書くと、クラシック音楽が遠い存在に感じられてしまうかもしれませんね。


まったくそんなことはないのです。





年末にNHKが放送した小澤指揮サイトウ・キネンの松本での演奏会です。

上にぶら下がっているのは僕の洗濯物です。

写っていませんけど、テレビのすぐ手前では、万年床の布団の上で愛猫カラが丸くなって寝ておりました。


貧しい暮らしにこそ、クラシック音楽は必要です。

小澤征爾のような人間味が欲しいのです。 (1月5日)