気仙沼日記 「モクゲンジの花」 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

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奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

モクゲンジという樹木を気仙沼で知りました。


気仙沼内湾の神明崎に群生している落葉樹です。


7~8月の盛夏に黄色い花を咲かせると聞いていたので、行ってきました。

神明崎の階段の途中で、海面を背景にして、黄色い花を咲かせた樹木が目に入りました。




大島に向かうフェリーを入れて撮ってみました。


薄黄色の小さな花を穂にたくさんつけて、その花穂が樹冠を中心に密生しており、緑の葉を舞台にして群舞する妖精のような見事な光景です。


モクゲンジは、もともと中国大陸や朝鮮半島の木だったのが、海を越えて渡来し、日本海側に分布しているそうです。


それが、どうした海流の成せる業(わざ)なのか、ここ気仙沼に実が漂着し、群生したようなのです。


昭和50年に気仙沼市の天然記念物に指定されました。教育委員会の説明板によると、自然植生の北限とされているそうです。




内湾の対岸から見た神明崎のモクゲンジ群落です。

花が小さいので目立ちません。それがまたいいところで、神明崎まで足を延ばして見るに限るとでも言いたくなるような、健気な花であります。


名所だった浮見堂は大津波で破壊されてなくなり、朱塗りの回廊も立ち入り禁止のままです。

梅雨の晴れ間の日曜日、モクゲンジの花を眼下にして1時間ほど滞在しましたが、人っ子一人いませんでした。おかげで、気仙沼の、とっておきの佳景を独り占めした気分にひたることができました。 (7月19日)