伝承のカンジキ作り | 作爺の部屋

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昔、山里の暮しでは野良仕事の道具や身の回りのものは自分で作ったり、直したりしてきたようです。
今流に云うとそうしたDIYや外遊びが大好きです。

先週末の寒波はこの冬最強と云うことでニュースでも騒いでいたようですが、里雪型で山沿いのこちらでは大したことなく、この時期としたら平年以下の雪でした。
更に今では4~50センチくらいまで減って来ています。

降れば降ったで困りますが、降らなければ降らないで困る人も居るのが雪国の悩ましいところであります。

 

 

さて、作りがけのカンジキを仕上げました。


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この前ざっくりと輪っかにして置いたのですが、両端まできっちり曲げる為に山菜を煮る大鍋で茹でました。

青竹の色も少し抜けたか。

仮留めではなく、これで輪っかは完成。


 

 

繋ぎの部分は針金を巻いても、木とは違い竹との相性が悪く次第に緩んでガタが出て来る。

過去に針金を使い失敗。

 

その点、結束バンドは竹のしなりも吸収するので具合が良い。

 

 

強度的にはこれで十分なのですが、更に上からビニルテープでグルグル巻きも良いのだが、ただ見映えが・・・

 

 

そんなんで色気を出してひと手間掛けることにした。

 

竹細工はもう教えて貰える人も居ないので我流です。
 
竹を均等に割るのが一番難しい。
木元竹末と云うけれど、先端側から刃物を入れても真っ直ぐ割れてくれません。
 

次に膝の上にボロ布を敷き、竹の表皮だけになるまで鉈刃を立てて裏側を削ります。

横はノミを若干V字に突き合わせ、刃の間にヒゴを通し幅を揃えます。

 

 
 
 
 
 
 
昔ながら技と現在との合わせ技
釣竿屋みたいにハイブリットなどとは決して言いません。
 
 
色気を出したお陰で指はキズだらけ💦
 
 
 
 
一番安いKPロープ65円/m、片足分で6m。
あれ、巻き結びってどうだった?杭とかと違って一瞬悩む。
 
 
 
ひもの結び方は地域によって色々あるようですが、当地で昔から伝わる雪の結晶のような紋様です。
 
 
 
 
ところでホムセンでのロープ調達の折り、除雪コーナーで見て来たがカンジキも円安の影響か結構いい値段がしています。
 
 
小判型の物は木製とも竹製とも判らず、日本には無い材料か?
中にはプラ製でも5,000円くらいの高機能な物まであるようです。
 

常々、渓流をワラジ履きで歩きたいと思っているオイラにとってプラやアルミ製のカンジキなんて考えられませ~ん。

 
 
 
 
大量に仕入れてあるようですが、今や雪国でもそんなに売れないハズ。
 
この場へ自作ワカンを4,500円くらいで並べたら買ってくれる人がいるのだろうか?とふと思った。
 
 
昔しカンジキは道付けの道具でした。
子供の頃、道路は現在のように重機で除雪なんかしないので集落内の道は「道付け番」なる順番があって、降った雪をカンジキで踏み固めて人々は雪の上を歩くのが当たり前でした。
大雪の日に当番に当たった時なんか、それはそれは大変な作業でした。
 
 

 

今年も無事、年を越せそうです。

 

 

それでは。