レシートはためてはいけません。法人も家計も見える化が大事!です。(自分に言っています)

 

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 さて、過重な債務に苦しんでいる中小零細企業が多くあります。従来普通に借りていた金額が売り上げ規模が落ち込んだことで重くなったケースや必要な設備投資をしたがその回収がうまくいっていないケースなどいろいろなパターンがあると思います。

 

 共通する背景は、

 

  1. デフレ経済で売り上げが落ち気味なのに対し借入はそのまま
  2. 低成長で返済に必要な利益が出てこない
 ということだと思います。ゼロ成長ということは日本の企業が(個社別のでこぼこがあるにせよ)付加価値を生み出せない=返済原資を生み出せていない、ということですから借入返済はなかなか大変です。
 
 どの段階で事業再生を始めていくか、の目安は「税金がたまり始めたら」と書きました。(税金がたまり始めたら再生を考えよう、2017.12.1
 
 その前段として、「借金が減らない」というのも一つのサインです。返済した分を借り換えないと資金繰りがつながらない状況です。この段階ならすぐ破綻することはないですしなんとかやっていけるでしょうがネックになるのは事業承継です。その状況の会社を継ぐ人はいるでしょうか?
 
 さて前段が長くなりましたが、「借金さえなければ…」というのは経営者の誰もが考えること。ではそれ=債務カット、は可能なのでしょうか?
 
 現状では非常に難しい、と言わざるを得ません。
 
 理論上では、「経営者保証ガイドライン+特定調停」など道筋はいくつかありますがネックになるのは、「各債権者(各金融機関)平等な債権放棄か」「それは合理性があるものか」(破産配当や民事再生法による弁済額より多いか)というところになります。
 
 とくに後者をきちんと証明するのは容易ではありません。
 
 結局、「経営続行が可能で破産配当より弁済が増えるならスッキリ民事再生に進んでください」という流れになってしまいます。民事再生法は一口で言って裁判所が再生計画を吟味し、「これなら」というお墨付きをつけるものですので各金融機関とも受け入れやすいものとなります。
 
 反対に私的整理による債権カットは非常にハードルが高くなります。使えても大手企業向けという印象はぬぐえず、中小零細企業が債権カットを受けるのは実務的には「不可能」と言ってもよいと思います。
 
 経営者側から、「敏腕の弁護士をつけて戦ったら」というご相談を受けたこともありますがそれも難しいのです。(これは少し考えればわかるのですが、「もし敏腕の弁護士なら債務カットを勝ち取れる」というのが真実なら、→誰もがその弁護士を雇う→債権者側はさらに敏腕の弁護士を探しカットされないようにする→債権者はさらに腕のいい弁護士を探し…という循環が起きるはずです。債務カットに必勝法はありえません)
 
 ただ、債権者側が絶対債権放棄をしない、ということでもありません。その辺は次項に書いていきます。
 

「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」

「できる、できるよ。必ずできる」

 

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 この正月、さっしん、小樽信金、北海信金が合併し、北海道信金が発足しました。

 

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 地域金融機関が期待される役割はどんどん変わってきています。詳しくは別記事で書きますが、地方銀行、信金、信組の置かれている状況もそれぞれ違います。

 

 地域金融機関は融資を通じてそのエリアの経済を支えることが新たな役割とされています。

 

 この役割はいまさら書かなくても当たり前のこと、と思います。いままでの「与信判断の保証協会丸投げ」「コンピューター評点偏重」から脱却して、という願いを込めて「新たな」と書きました。

 

 最近よく見るのは、返済負担が重くなってきたことからリスケを申し込むと「弊行(弊庫)としてできる限りの支援をします。ニューマネーを出しますから頑張りませんか?」という反応です。リスケをしたい、つまり返済能力に限界が来ている、という申し出を飲み込んで新規融資に踏み込もうということですからこの姿勢は素晴らしいと思います。従来の地域金融機関にはあまりなかったもの、です。

 

 ここで、

 

 「借りたあと、返済元金総額はいくらに増えるのか」「今のCFだと新規融資は何か月分の返済元金か」を見極めなければなりません。

 

 仮にCFがほとんど出ていない状況で月50万円の元金返済をしていたとします。当然毎月資金が不足してきますので「当面元金返済棚上げ」でリスケ要請をすることになるでしょう。

 

 そこに金融機関側から、「月10万円返済負担が増えますが300万円新規融資します」と言われれば、

 

 あらたな月返済元金の総額は60万円。真水資金は300万円。つまり5か月分。6か月目から月々60万円資金が食い込んでくることになります。

 

 300万円融資を受けたとしても、たまっている税金など支払を整理すれば手元に残るおカネはもっと減るでしょう。

 

 つまり、金融機関側が誠意ある対応をしてくれても結局は焼け石に水で却って企業を苦しめることになりかねません。「ここは銀行さんの意を汲んで…」と安易に提案に乗らず、きちんと収支をはじいて対応したいところです。

 

 最近見た例では、さらに踏み込み、「他行の融資を肩代わり」「複数ある借入を一本にとりまとめ」「真水資金の上乗せ」を提案し、返済額を減らしながら正常先に留め置く、本当にその企業に寄り添った提案をした金融機関がありました。はたでみていて、

 

 「これぞ地域金融機関の手本!」と心の中で声援を送りました。

 

 金融機関との信頼関係などいろいろな条件がありますが、このような好事例もあるのです。(2018.1.6)

 

 

「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」

 「できる、できるよ。必ずできる」

 

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 企業の資金繰りを考えたとき、正常な体力があれば問題なく払える(はず)の税金、社会保険料がたまり始めたら再生のサイン、と書きました。

 

 どんな対策を講じるか、そのオプションの筆頭が「リスケ」だと思います。税金が払えないのに銀行に返済をしている場合ではありません。

 

 金融機関にリスケに応じてもらったあと、そのリスケ後の返済ができなくなったら、何が起きるでしょう。

 

 「当初お約束した返済はできません」

 

 「しかし、これくらいなら払えます、その猶予をいただいた期間内に事業を立て直します」

 

 というのがリスケの基本線。これを維持できないわけですから、金融機関の見方としては、

 

1.この会社の言うことは本当なのか(=業績や不振の原因をきちんと把握できているのか、それができているとしたら改善する力がないのではないか、とみられる)

 

2.リスケを維持するCFが出てこないのであればすでに事業の態をなしていないのではないか

 

 とかなり厳しくなります。

 

 ここから先は、

 

1.元金返済額をもう一段減らせばなんとなる →金融機関にお詫びをし、簡単ではありませんが再度のリスケを要請

 

2.再度の条件変更をしてもCFが合わない →(すぐにではないにせよ)リスケで対応できるレベルを超えている、保証協会付き融資の代位弁済などさらに踏み込んだ処理へ

 

 となります。

 

 特に、元金返済を棚上げし利払いのみ、という条件のリスケを受けている中で利払いすらできない、となると上記の「踏み込んだ処理へ」進む可能性が高くなります。

 

 不振の原因をあぶりだし、その対策を必死で実行する姿勢がなければ会社は立ち直りません。リスケを受けて資金繰りが緩和するのは当たり前のことです。大事なのは、リスケから抜け出しどう正常化していくか、なのです。

 

 2018.1.4

 

「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」

 「できる、できるよ。必ずできる」

 

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