この正月、さっしん、小樽信金、北海信金が合併し、北海道信金が発足しました。

 

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 地域金融機関が期待される役割はどんどん変わってきています。詳しくは別記事で書きますが、地方銀行、信金、信組の置かれている状況もそれぞれ違います。

 

 地域金融機関は融資を通じてそのエリアの経済を支えることが新たな役割とされています。

 

 この役割はいまさら書かなくても当たり前のこと、と思います。いままでの「与信判断の保証協会丸投げ」「コンピューター評点偏重」から脱却して、という願いを込めて「新たな」と書きました。

 

 最近よく見るのは、返済負担が重くなってきたことからリスケを申し込むと「弊行(弊庫)としてできる限りの支援をします。ニューマネーを出しますから頑張りませんか?」という反応です。リスケをしたい、つまり返済能力に限界が来ている、という申し出を飲み込んで新規融資に踏み込もうということですからこの姿勢は素晴らしいと思います。従来の地域金融機関にはあまりなかったもの、です。

 

 ここで、

 

 「借りたあと、返済元金総額はいくらに増えるのか」「今のCFだと新規融資は何か月分の返済元金か」を見極めなければなりません。

 

 仮にCFがほとんど出ていない状況で月50万円の元金返済をしていたとします。当然毎月資金が不足してきますので「当面元金返済棚上げ」でリスケ要請をすることになるでしょう。

 

 そこに金融機関側から、「月10万円返済負担が増えますが300万円新規融資します」と言われれば、

 

 あらたな月返済元金の総額は60万円。真水資金は300万円。つまり5か月分。6か月目から月々60万円資金が食い込んでくることになります。

 

 300万円融資を受けたとしても、たまっている税金など支払を整理すれば手元に残るおカネはもっと減るでしょう。

 

 つまり、金融機関側が誠意ある対応をしてくれても結局は焼け石に水で却って企業を苦しめることになりかねません。「ここは銀行さんの意を汲んで…」と安易に提案に乗らず、きちんと収支をはじいて対応したいところです。

 

 最近見た例では、さらに踏み込み、「他行の融資を肩代わり」「複数ある借入を一本にとりまとめ」「真水資金の上乗せ」を提案し、返済額を減らしながら正常先に留め置く、本当にその企業に寄り添った提案をした金融機関がありました。はたでみていて、

 

 「これぞ地域金融機関の手本!」と心の中で声援を送りました。

 

 金融機関との信頼関係などいろいろな条件がありますが、このような好事例もあるのです。(2018.1.6)

 

 

「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」

 「できる、できるよ。必ずできる」

 

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