朝はコーヒーですが日中はこぶ茶になりました。

 

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 さて「債務のカット」ということで考えれば一番実現可能性が高く切れ味が良いのが「民事再生法」の適用です。

 

 この記事では、適用のための条件、メリット・デメリットを見ていきます。

 

 【どのようなときに使えるか】

 

 事業体そのものが過剰債務となっているがそれを取り払えば事業継続が可能になる場合です。一番分かりやすいのが営業黒字5,000万円を出しているが債務が膨らみ支払利息が年間8,000万円あるケースです。現状では経常赤字ですが債務を減らし利息を削減することで事業継続が可能になってくるでしょう。

 

 そしてこのままでは破たんし、その場合の破産配当は微々たるものになるが民事再生法の再生計画ではもっと弁済できる、ということが重要です。(倒産が事業再生の基本…事業再生のパラドクス、2017.12.25)そうでなければ「破産してもらった方が配当も良いですし…」ということにしかなりません。

 

 さて、ここまでの条件をクリアしたとして、次に出てくるのは…

 

  1. 費用を負担できるか… 申立弁護士費用、予納金、成功報酬まで入れれば最低1000万円程度の負担が発生します。一時に発生しませんがそれを負担できるかどうか。
  2. 資金繰りの制約… 申立から再生計画認可まで1年程度掛かりますがその間、資金ショートを起こさない資金繰りができるか。
  3. 現金決済の制約… 申立をしたあと、仕入、外注など掛けから現金取引に変わることを前提に考えた上で資金繰りが回ること。特に支払手形を切っている先は手形を振り出さない前提で資金繰りができるか。
  4. スポンサー… いままで経営してきてうまくいっていないわけですから自力再生が認められるケースはまれです。申立時にスポンサーの有無、もしスポンサー候補がいる場合は、どれくらいの支援姿勢があるのか、裁判所から細かく聞かれます。スポンサーがない、となると最悪民事再生を受け付けてもらえない可能性もありますし、裁判所の判断でスポンサー募集の入札が行われることもあります。
  5. 取引継続/取引の復活… 申立時の債務について、仕入先に迷惑がかかることになります。民事再生法は少額弁済などの例外を除き金融機関も一般取引先も同じ比率で債務のカットをしていきます。材料の仕入先である業者さんは債務カットをされる部分について貸倒損失をこうむることになりますがその状況でたとえ現金引換えという条件であったとしても取引を継続してくれるかどうか。
  6. 「強みがあるかどうか」… スポンサーがついたり、裁判所が何とか再生の方向で、と考えてくれるものがあるかどうか。地元でぴか一のブランド力をもつ会社ならその確率間違いなく高まります。
  7. 適用のための「サイズ」がある… 今まで札幌地裁取扱で民事再生法適用となった企業の負債総額は最低1億2000万円ほど。中小零細企業が使える手段とはいえないかもしれません。
  8. 適用件数が細ってきている… 道内企業の民事再生法申立は年間10件ほど。ノウハウを持つ弁護士事務所は限られます。
 【メリット】
 
  1. 金融機関の同意を得やすい… 裁判所を通す手続きですので実態の貸借対照表、事業価値(いわゆるデューデリジェンス)に疑いの入る余地が少なく、金融機関の同意を得やすくなります。(あくまでも得やすい、というレベルにとどまります。例えば経営者のわがままに金融機関が泣かされ続けてきたような場合、金融機関側は「どんなに良いプランでもあの会社の要望には応じません」という反応になることもあります)
  2. 破産配当と比べ多くの弁済を得ることができる… これはそのまま経営者保証に関するガイドラインの要件を満たすことになり、弁済額が増えた部分について経営者が丸裸にならず手持ち資金をもって破たん処理へ行ける。(この項については別に詳しく書きます)
【デメリット】
  1. 連帯保証人(≒経営者)の個人破産につながる… 民事再生法適用による債務のカットは、「それでおしまい」ということにならず、連帯保証人がそのカット分を弁済する義務が残ります。多くのケースで法人は民事再生法適用で生き残るが、経営者個人は連帯保証があるために個人破産することとなります。経営責任を明確にする意味からも経営者個人の破産が求められると思います。
  2. 債務免除益の取り扱い… 債務免除を受けたとしてもそれがそのまま債務免除益に計上される場合、今度は法人税負担が生じる場合があります。税務上、期限切れの青色欠損金の繰り入れができる、など救済措置はありますがそれが使える状況かどうか事前によく確認しないと、「債務からは逃れられたが税金につかまった」ということになりかねません。
 
 

「がんばれ経営者!ひとりでもできる事業再生ノウハウ」

 「できる、できるよ。必ずできる」

 

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 この記事では土壇場でどのようにおカネを払っていくか、そのとき、税金など(公租公課)はどう扱われるのかを考えていきます。

 

 まず「今の事業体で事業を継続」「今の形での事業継続を断念」の二つに分けて考えます。

 

 事業を断念するときは大きく下の表のようになります。

 

 税金などの取り扱いは経営主体が法人か個人事業主かで取扱が分かれます。

 

 法人がためた税金などはあくまでも支払義務者は法人。経営者個人には支払義務はありません。経営者が連帯保証しているわけではないですから…ただし換価猶予処分を受けたときなど個別に経営者個人が法人の税金などの弁済について個人保証を入れた場合は支払義務を負うことになります。(ご参考:税金などの分納の方法と「換価猶予処分」2017.12.26)

 

 それに対し個人事業主がためてしまった税金などはあくまで個人の名義。他の債務とともに自らが解消していくことになります。また、破産しても免責の対象になりませんので個人破産をかけてもリセットできません。

 

 

  今のスタイルのまま、同じ法人や同じ屋号で事業を継続していくときには、もちろんそれぞれ税金などが毎年発生してきます。いかに事業が苦しいといっても事業を継続している以上、「あ、大変でしょ?これ以上の納付はいいですよ」とはなりません。となれば、滞納が続けば差押のリスクがでてきます。(ご参考:税金などの徴収側とどう接するか2017.12.7、税金社会保険料がコワい理由2017.12.6)

 

 事業継続していくときの金融機関対応などは別記事で。

 

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 企業が倒産した場合、その処理をどうするかによって法的整理、私的整理に分かれます。

 

 法的整理とは、

 

  1. 破産
  2. 民事再生法適用
  3. 特別清算
 など、文字通り法制にしたがって整理手続きを進めることを言います。法の定めに従って手続きが進みます。したがって固有の事情が斟酌させるとは限らず、「公正」「衡平」であることが重要視されます。
 
 それに対して私的整理とは、法的整理以外の手続きを言います。
 
 いわゆる任意整理も私的整理に入ります。例えば、経営者が債権者を集め、「最後、○○円を配当します」と自身で債権者集会を仕切るのもこちらに入ります。弁護士に委任して債権者集会招集するなども私的整理の一形態です。
 
 また、配当ができずそのまま解散登記に向かう場合やいろいろな処理や連絡をせずそのまま放置する、いわゆる夜逃げも広い意味では私的整理になるかもしれません。(実際に「整理してないじゃないか」というご指摘はあると思いますが法的になにもしていない、という見地から)
 
 法的整理、私的整理のどちらを選択するか、それぞれの特色を勘案しながら選択していくことになります。
 
 

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