【最速面白レポ】秋のYOIMACHI(うみのて、カラコルムの山々、始発待ち、MCあんにゅetc) | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。

今日の現場はこちら💁

10/1開催🍠
🍁東京・大塚のサーキットフェス
#秋のYOIMACHI


うみのて目当てです。
観た順に感想を書いていきます!
(一緒に載せている動画はアーティスト名で検索して最初に出てくる動画です。)

11時〜11時半 銀幕のLUNA SEA
@大塚Hearts +


このバンドのフロントマンも驚いていたが、イベント初っ端から思っていたよりも観客が多くてびっくり。(フロントマンの予想では10人程度だったが、実際は40人〜50人くらい入っていた。)

バンド名から予想した通りのルナシーのコピーバンド。仰々しいインダストリアルロックなSEで登場し、過度にナルシスティックなボーカル、MCやステージアクションで笑いをとるところはコミックバンドかとも思うが、実はかなりの実力派である。

タイトでグルーヴィンな演奏がかっこいい。奔放なギターソロや、観客への煽(あお)りなど、大文字のロックの魅力にも満ちていた。LUNA SEAの型を拝借しつつ、そこから飛び越えて自由なあたりが「銀幕の〜」ならでは。最後に「Rosier」を演奏した後の演者・観客全員のジャンプでは謎の感動が…。

12時〜12時半 RAY
@お風呂ステージ(大塚記念堂)


ええっ!? お風呂でライブってどういうこと!? そんな場末な好奇心から行ってみた。何事も経験である。

👆外観

RAYというユニット名は、まんちゃさんという知り合いのツイッタラーがツイートしていたので名前だけ知っていた。名前だけだったので、キュートな女子アイドル5人組が登場して驚いた。てっきり、バンドかと思っていたよ…。(まんちゃさんはアイドル好きだし、このステージでは95%の観客が男性である時点で察しはついたけど。)

15分くらい聴いていたけど、アングラ的でマントラ的なドープサウンド。というのも、銭湯独特の音響だと、ポップスをバックで鳴らしていると響き合ってアングラ&マントラに聴こえるのかも。(というか、僕が浴室の中ではなくすぐ外のベンチで聴いていたのがデカい。)「いたいよ」と繰り返す、シンプルなサビが素敵で可憐な、ポップスとして良い曲もあった。

お風呂ステージは次に登場する「ピューパ!!」も女子アイドルみたい。(複数の可愛い女の子がピューパ!!のTシャツを着てスタンバイしているのを観て推測。)

表現者としてのアイドルはリスペクトするけれども、僕にとっての「何か大切なこと」を伝えてくれるのはバンドであり、ロックであると感じている。ただ、一瞬のキラメキに込める少女の生き方と、その熱量が詰まったアイドルソングは、その刹那ゆえに美しい表現のスタイルであることについては僕も深く同意する。

13時〜13時半 BLUEGOATS
@大塚Hearts +


こちらは4人組の女子アイドル。名前のとおり、青い衣装を着ている。四つ打ちだったり、EDMだったり、比較的アッパーな曲が多いのかな。

BLUEGOATSの彼女らならではの魅力もあるが、やっぱり、女子アイドルは、"生ハムと焼うどん"や"新しい学校のリーダーズ"のような、大人の影が見えない唯一無二でぶっとんだ個性のアイドルが好きだな。

しかし、地下アイドルが好きな方は、BLUEGOATSの表現にもそんな個性を見出しているのだろう。表現の受け手として、その表現に何を見出せて、何を見出せないか。音楽リスナーとして、アイドルファンには少しだけ憧れがあります…。

13時半〜14時 MCあんにゅ
@大塚MEETS


女性ラッパー。よく澄んだ川の水のように、柔らかくスイスイと流れるようなラップをする。MOROHAのフロウや故・不可思議/wonderboyのサウンドなど、国内ラッパーと共振する要素も感じる。

MCあんにゅさん、ステージ中はいつも可憐な笑顔だし、歌っているときは目が星の形のように輝いていた。ステージから客席に降りてきて僕の前でも立ち止まった時、間近に素敵な彼女を見れて心拍数上昇。こころ高鳴り嬉しかった。

14時半〜15時 ニドネ
@大塚Meets


女性4人組の良いバンドみっけ! まっとうなポップスをまっとうに演奏している。アニメ「けいおん」の主人公バンドのような若者らしいイノセンスを感じさせつつ、実力のあるバンドだった。ギターボーカルにもキーボードにも音楽(特にポップス)への篤い理解を感じるし、ランニングベース(サポートの方なのかな?)も歌うようなドラミングも気持ちよかった。

少し前だったら「ねごと」、今だったら「緑黄色社会」などが好きな方だったら、魅了されるんじゃないかな。

16時〜16時半 カラコルムの山々
@大塚Hearts +


幾月前に、音源をブログに紹介してほしいというアプローチが先方(カラコルムの山々)からあった。僕のブログで実際に紹介させていただいたが、良さは認めつつ、僕には合わない音楽だという、少しツレないレビューになってしまった。

で、実際にライブで観てどうだったか。それが、めちゃカッコEもカッコFも通り越してカッコZな演奏だった。音楽的には本日出演のうみのてに次いで凝っていると思うし、演奏技術は本日出演バンドでベストスリーには絶対入るテクニシャン。これは若い人はもちろん、ロック好きなオジサンやオバサンもハマるのではないだろうか。

YMOの人民服のように、衣装や小道具(あやしいサングランスなど)もキまっているし、世界観の作り込みを感じたね。それに、名うてのジャズセッションのように、演奏に瞬発力があった。ギターボーカルとキーボードのウワモノには華と存在感がある。女性ドラマーのスティックを振り下ろすスピードとしなやかさに注目したい。また、ベースも素晴らしい。こんな存在感のあるベースソロなんて久々に聴いたよ。

ただ、音楽性の向いている方向がやはりクセがあるんだよね。ピータンやピクルスって、美味しいけど好みが分かれるじゃないですか、そんな感じ。カラコルムの山々が奏でるおどろおどろしさや生々しさは、僕の好きなタイプではないです。

17時〜17時半 始発待ちアンダーグラウンド
@大塚Deepa


前述のとおり、アイドルは普段聴かないのだが、うみのての笹口さんが推していたので聴きに行った。

期待していなかったのだが、良い意味でカルチャーショックを受けたライブだった。頭からっぽでアイドルと共に踊る多幸感。メンバーのツインテールの女の子に30分間の恋をした。

オタ芸による熱気って、こんなにスゴいものなんだ。AKBの露出が劇場だけだった時代や、地下アイドルファンによって語られ続けるベルハー(BELLRING少女ハート)の初期のライブもこういう幸せな熱気があったのかな。

サウンドもギターの轟音も鳴るロックサウンドだし、ルーツミュージックからの影響も見えて僕好み。うみのての音楽との接点も感じるね!

17時半〜18時 狐火
@大塚Meets


40歳会社員のラッパーであることを強調していた狐火。僕も40歳会社員のブロガーとして共感した。もう若さによるメリットがない。

故・不可思議/wonderboyと関わりのあるラッパーだが、なぜ不可思議ほど売れないのか分からない。不可思議のピュアやイノセンスは狐火のラップでも表現されていると思う。

ライブの初めから終わりまで、起承転結のストーリーがあり、彼の半生が透けて見えた。彼にとっては情けなさがリアルなんだろうな。多くない観客を前に「情けなさ」をラップすることがとても尊く見えた。あなたの悲しみは売れるだろう。それにしても、マイク一本でここまで魅せられるアーティストはいないと思う。

19時〜19時35分 うみのて
@大塚Hearts +


このライブの前に、始発待ちアンダーグラウンドがうみのてのアクトに参加するというアナウンスがあった。という訳で前列にはアイドルガチファンの方々がいたのだが、気持ちよく音楽に身体を揺らしていて良心的な観客でよかった。激しくは踊れないけど、ドラムのキクイさんとベースのあきもとさんによるリズム隊は温かな体温があると思う。あと、シリアスをシリアルとわざと言い間違い続ける笹口騒音さんの話芸も皆にウケていた。

そう、始発待ちアンダーグラウンドに宛ててうみのてが作った「SAYONARA TOKYO BLUE」が初演されたのだ。「SAYONARA BABY BLUE」の続編とされて製作され、「砂漠です」のシティポップの流れにある名曲だ。始発待ちのメンバーのスタイリッシュでありつつ、混沌さも帯びる表現はTOKYO感あると思う。そして、再びツインテールの女性に5分間の恋に落ちた。

第一期うみのての代表曲「もはや平和ではない」を聴けて良かった! あのイントロのギターの破壊力といったら! アイドルファンの方にも届いていたらリスナー冥利に尽きる。

円庭さん(Key.鉄琴.)が不参加だったのは残念だけど、お疲れ様です。事情は分かりませんが、ゆっくりお休みになってくださいね! うみのてとしても、一人のアーティストとしても応援しています。という訳で、本日は円庭さんがいなかったのだけど、ウワモノが3本ギターでゴリゴリしていつもと違う味わいがあった。

はじめに演奏された「今日のニュース」。観客がじわじわ温かくなってきたところで演奏された「クローバーフィールド」や「テトリ(キッ)ス」。観客の反応も上々だった。いずれも戦争についての歌だが、使い古された言葉だと響かない(ダサく感じたり欺瞞を感じたりする)層にとって NO WARの"刺さるニューウェーブな表現"なのだろうと思う。

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こうして聴いていくと、今日の大塚YOIMACHIで演奏された音楽はバンド音楽、女性アイドル、ラッパーの3タイプに大別できる。僕が普段聴かない女性アイドルの音楽に触れたように、この3つのいずれか1つしか聴かない方にも他のジャンルを聴いていただけたら、イベントとして本望なのではないか…そう思いを察してみる。


👆今日一日を共にしたリストバンド。