ちょっと気になるエントリー↓
leoleonniさん「やっぱ「邦ロック」聴いても音楽聴いたことにならなくない？という話──サマソニにおける差別的な言動を通して」
2022.8.21. https://leoleonni.hatenablog.com/entry/2022/08/21/064513
自分は現場を直接観た訳ではないのですが、思うところを書きます。
・２バンド（マキシマムザホルモンとキングヌー）のメンバーが「差別発言」をしたとされるが、数多あるバンドの中のたった２組のバンドの発言だけで、『やっぱ「邦ロック」聴いても音楽聴いたことにならな』いとするのは論理が飛躍している。
・海外バンドだって差別的な行いもすることもあるだろう。日本だけ「後進国」とするのはどのような理由があるのか。
ex.「“夏フェスで受けた人種差別”の反応を受けて」タケムラ アキラ（SNAIL RAMP）『炎上くらいしてみたい』
https://33man.jp/article/column27/007482.html
・そもそも、本人たちに差別の意思はない（彼らなりのリスペクトの仕方かもしれない）し、相手にも差別されたという感情もない（King Gnuとマネスキンの間でスネアの貸し借りをし、マネスキン側から感謝の言葉があったとの情報もある）のではないか。当事者の気持ちを離れたところで第三者があーだこーだ言っても意味がない。
・「ポップ音楽を聴いた結果、社会への無関心や差別を表明する人がいるのだとすれば、その人は音楽を聴いていない、大事な何かを聴き逃している」という記事中の文章。社会からの逃避や快楽だけのための音楽だってあるだろう。それこそ、筆者の方は音楽を差別しているのではないだろうか。（僕も過去にこのブログ上で社会性がない音楽として批判したバンドもあるけれども、最低限のリスペクトは持って書いたつもりである。）
・確かに、邦楽ロックのミュージシャンは洋楽ロックと比べて社会性や政治性に乏しいだろう。ただ、それは和を好む日本人の習性に合ったものだと思う。アメリカなどの海外を見てごらんよ。政治思想の違いで殺人や傷害事件が起こる件数が日本とは段違いに多い。バトルアニメだけ観る人もいれば、日常系アニメだけ観る人もいるように、社会性や政治性のある音楽やミュージシャンを避ける人もいることを分かってほしい。
・そもそも、筆者（leoleonniさん）のような方の大半が望む「社会性」「政治性」とはリベラルであって、保守の思想は受け付けないのではないか。僕自身の思想も権威主義というよりはリベラル思想に近いけど、保守的な思想に対して初めから聞く耳を持たないのは、それこそ差別的だと思う。
・筆者の方はただ知らないだけなのかなとも思う。邦楽ロックバンドにも高い理想を掲げたり、その理想のための覚悟を持ったバンドがあることも。（個人的にはホルモンもヌーも理想と覚悟を持ったバンドだと思う。）僕は神聖かまってちゃんを初期の時期から追っているが、今日の彼らの成功が嬉しくてたまらない。俗っぽさも捨てずに理想にまい進する姿に僕も共鳴しているからだ。
・一言言っておくと、ホルモンは全方位的にディスを行っており、過去にはバンプの藤原さんと思しき人物を揶揄する描写のある漫画をCDに附属して発売していたり、FUNKY MONKEY BABYSをイジるような曲とMVを発表したりしたこともある。池上彰が選挙特番で政治家全方位に切り込むように、その攻撃性は外国人に対してだけ振りかざされる訳ではない。
・邦楽が洋楽に比べて音楽的に劣っているという考えが、この記事が多くの方に支持される理由の遠因だとすれば、それは明確に間違いだと言える。評価の高いミュージシャンである元メガデスのマーティ・フリードマンやWeezerのリヴァース・クオモ、アリスターのスコット・マーフィーがJ-POPの質の高さと多様性を褒めているのを知らないのか。特に、ガラス細工のように作られたコード進行の複雑さと中毒性は洋楽に真似できないものだと思う。
・日本にもミスチル、セカオワなどの意識的なトップバンドの他、社会を辛辣かつユーモラスに風刺する"うみのて" など、社会性のある音楽を作っているバンドがいる。それらのバンドを知ってほしい。あなたの邦楽に対する先入観を取っ払って聴いてほしい。
Mr.Children「掌」
SEKAI NO OWARI「Habit」
うみのて「WORDS KILL PEOPLE」
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