映画『若おかみは小学生!』ネタバレなし感想【メッセージを受け止めて!】 | とかげ日記

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●メッセージを受け止めて!

NHK Eテレで放送され、SNS上で話題になっている映画『若おかみは小学生!』を観ました。

泣ける映画が良い映画という訳ではないですが、泣ける映画という評判は違わなかったです。タイトルや絵のタッチで小学生向けだと思って観ないのなら、もったいないと思います。

女子小学生が旅館の女将を始める物語です。その面でこの映画は"お仕事映画"でもあります。実際に旅館に取材して作られているそうで、旅館の作法などのあれこれにリアリティがありました。

そして、素直で熱血でちょっとドジな頑張り屋の主人公"おっこ"の成長物語でもあります。細部に渡る豊かな描写によって、成長物語の持つ普遍性が作品に宿っていました。

また、幽霊や鬼が登場する、ちょっと不思議な映画でもあります。それは、劇中に登場する輪廻思想も含めて、仏教の世界観が基になっていると思います。

仏教といえば、仏教の思想の持つ寛容性が描かれていたと感じます。映画のキーフレーズである"花の湯温泉のお湯は誰も拒まない すべてを受け入れて癒やしてくれる"という言葉は、まさに寛容性そのもの。様々な登場人物がどんな人であっても拒まずに受け入れ、癒そうとする温泉旅館の精神は、登場人物だけではなく、観る者の心も癒してくれるのです。

安倍首相が会見で言った"敬意、感謝、絆"も大切ですが、この映画で描かれる"協力、共感、寛容"も大切だと思います。そして、直接的な言葉で言われるよりも、物語を通して伝えられる方が、そのメッセージはすっと胸に下りてくるのです。僕もこの映画のメッセージをしかと受け止めました。

オススメの映画なので、未見の方はぜひ!



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