僕がアイドルではなくバンドを好きなワケ | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。

内心はアイドルとバンドを分け隔てなく好きになれる人が羨ましいのです。しかし、僕はどうしても、バンドにこだわってしまう。今回の記事では、僕がアイドルではなく、バンドを好きな理由についてお話します。

僕が曲を聴く目的の一つは、その曲に反映される演者の感情を読み取って、心の交流を楽しみたいから。バンド演奏のタメ、キメの一つ一つに実直さやユーモアを感じる。ハードロックの鉄壁を、パンクの爆発を、グランジの絶望を、サイケデリックの陶酔を、シューゲイザーの魅惑を、僕に。

僕は自作自演にこだわる派閥代表です。だから、作詞、作曲、演奏全て手掛けるバンドが好き。アーティストにはDIY精神を求めています。ミックスやプロデュースは外部でも良いけど。

アーティストの思想が作品にも反映されていてほしい。アイドル楽曲は、アイドルに合わせて曲を作るといっても、その制作者のフィルターが入っているから、完全なアイドル視点にはなり得ない。制作者がそのアイドルをどう見たいかという欲望が入り込んでしまう。僕は「完全なアイドル視点」の楽曲を聴きたい。楽曲制作も自分たちで行なっていたアイドルの"生ハムと焼うどん"のスタンスは好きだったけど、解散してしまった。

「アイドルに主体性はあるか」って問題はあるよね。僕はアイドルに主体性はあると思う。歌ったり踊ったり、日々の生活をブログやツイッターに綴ったり、生き方を晒すことが現代のアートだと感じる。ただ、音楽に関しては主体性はない。だから、僕はアイドルは聴かない。

もちろん、僕だって、SMAPやKinki Kids、AKBや欅坂のヒット曲を聴きたくなることはありますよ。でも、バンドとアイドルでは、根本の思想が異なると思う。音楽を作ることに関してイニシアチブを握っているか否か。

僕が自作自演バンドを好きなのは、バンドの視点がそこに見えるから。歌詞,リズム,メロディ,コード,アレンジ。曲を形作る思想にバンドの今が透けて見える。曲作りまで含めてバンドのヒストリーなのが、アイドルにはない魅力だ。様々な景色を僕たちに見せておくれ。