神聖かまってちゃんはどんな人のどんな気持ちも許してくれる(33才の夏休みツアーファイナル) | とかげ日記

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10月20日、神聖かまってちゃん「33歳の夏休みツアー」ツアーファイナルの新木場STUDIO COAST。

楽しみな気持ちを抑えきれずに、開演時間を待つ。
SEではアークティック・モンキーズがかかっていた。

そして! いつもの「夢のENDはいつも目覚まし」のSEが鳴り、かまってちゃん登場!

その後は終演まであっという間だった。精神を開放(解放、介抱、快方、解法)してきました。

序盤から終盤まで終始ハイテンションに客を煽りながら演奏するメンバー。メンバーはとてもイキイキしていた。以前、脱退を考えていたちばぎんが、今日が今までで一番楽しいとMCしているのを聞いて、僕も嬉しかった。

今年、結成10周年を迎えた彼ら。かまってちゃんには、死ぬまでバンドを続けてほしい。僕も死ぬまで彼らを観たい。

迫真の「ぺんてる」では涙が出てきた。観客に届けようとする気迫が胸を打つ。

中盤のエレクトロの曲の連打も良かった。エレクトロと演出のレーザー光線の相性は抜群だ。どちらも、テクノロジーを感じさせるものだからだろう。

よく嘘を言うの子だが、その音楽には嘘がないと思う。多分、の子にとって言葉の意味はそれほど重みがない。それよりも、心の内にあるマグマや熱を感じ取ってほしいのだと思う。

「俺の言ってること意味わかんねえだろ?俺だって意味わかんねえよ!でも意味わかるようなこと言ってる奴は嘘つきばっかりだから 意味わかんねえことを言ってる奴を信じろ!」

上記はMCの言葉。この日のライブでも演奏した神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ」という曲は、ロックンロールは意味に回収されないということを歌った曲だ。「曲の意味分からずとも、ロックンロールは鳴り止まない」のだ。そこにあるのは、言葉にならない「do da」と歌う熱と衝動。聴いている者も演奏者も意味が分からなくとも、ロックンロールのマグマは熱く燃えたぎる。

また、神聖かまってちゃんに、どんな人でも歓迎する優しさを感じた。陰キャでも陽キャでも、どんな年齢の人でも盛り上がっていこうというMCのメッセージ。かまってちゃんの曲の曲想でもある男でも女でもその間でも犯罪者でも自殺志願者でも、その存在を受け止めてくれる温かさ。

僕は思ったんだ。の子がよく言う「精神を開放しろ」という言葉は、自分の中にある陰キャの気持ち、陽キャの気持ち、男の気持ち、女の気持ち、犯罪者の気持ち、自殺志願者の気持ちなど、あらゆる属性の人の気持ちを開放することでもあるのではないかって。人の中にあるいくつもの相反した気持ちや、誰にも言えない負の感情を神聖かまってちゃんは代弁し、開放してくれる。だから、神聖かまってちゃんのライブはこんなに気持ち良いのではないか。

どんな人でも、どんな気持ちの時でも、神聖かまってちゃんのライブでは、その熱を通じて一つになれる。そこに、僕は希望を感じるのです。


セットリスト
01.33才の夏休み
02.自分らしく
03.死にたい季節
04.グロい花
05.躁鬱電池メンタル
06.ねこラジ
07.犯罪者予備君
08.秋空サイダー
09.砲の上のあの娘
10.夜空の虫とどこまでも
11.黒いたまご
12.ロボットノ夜
13.フロントメモリー
14.るるちゃんの自殺配信
15.ゆーれいみマン
16.ぺんてる



En1.
17.肉魔法
18.塔を登るネコ
19.ロックンロールは鳴り止まないっ



En2.
20.22才の夏休み
21.23才の夏休み
22.33才の夏休み