内田万里『POM-Pi-DOU』感想&レビュー | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。





ふくろうずの解散を経て、内田万里がリリースした1stミニアルバム。通販限定です。

石井ちゃんのギタープレイも、安西さんのベースプレイもない。二人ともふくろうずにおいてあまり目立ったプレイをしていなかったが、控え目に録音されたその音には他ならぬ2人の個性が刻印されていた。ソロ名義の本作において彼らのプレイが聴けないのは、やはり寂しい。

しかし、本作は弾き語りではなくバンドアレンジだ。ギター、ベース、ドラムは誰が弾いているのだろう? クレジットがないので分からないが、エフェクター使いの石井ちゃんとルート音に優しさを忍ばせる安西さんのプレイに近づけていることをうかがい知ることができる。シンセがフィーチャーされ、ギターもさり気なく主張するバンドサウンドは、内田さんの好みなのだろう。

そして、内田さんの個性はソロになっても変わらなかった。体温を少し上げてくれるような温かいメロディ、女の子らしさと熱さを両立させた歌詞。ふくろうず時代にソロの曲がまぎれていても気づかないだろう。

オープナーの#1「POM-Pi-DOU」。ふくろうず時代の曲「ソナチネ」の延長線上にあるようなピアノの響きのイントロ。その後、ハンドクラップと共に内田さんのボーカルが聴こえると、内田さんの歌声がまた聴けるのだと歓喜する自分がいる。「次はどこへ遊びに行こうかな」と歌い、ソロの方向性を模索する自分を描く。「繋いだ手と手が 今ほどけそうだから」や「繋いだ手と手を離さないで行こうぜ」という歌詞に出てくる「繋いだ手と手」は、ふくろうず時代にファンと築いた絆のことを歌っていると思う。僕もふくろうずや内田さんと繋いだ手のことを忘れたくはないし、繋いだ手を離すつもりもない。

本作において、内田さんがファンへの思いを歌ったと思われる歌詞は至るところに散りばめられている。

僕は#2「TONIGHT」に出てくる以下の歌詞に心をぎゅっとつかまれた。

「シリウスが
 消滅しても
 あたしのこと
 見つけ出してね」

見つけ出すよ。僕はずっとあなたのファンです。

繋いだ手と手がほどけそうでも、シリウスが消滅しても、夜明けが来なくても、僕は内田さんの音楽を待っていますよ!


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