頭痛 あれこれ -12ページ目

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 有名芸能リポーターの井上公造さん(64)が16日、自身の公式ユーチューブチャンネルで、来年3月末をもって東京・名古屋・大阪・福岡でレギュラー出演する番組からすべて卒業することを発表した。


 理由について井上さんは「一番大きいのは体調の問題ですね。約7年前から自律神経のバランスを崩して、本番中にめまいがしたりとか膝から下が寒くなったりしたことが多くなった」と説明。本番中に倒れたり、ろれつが回らなくなったことや、番組が終わってから病院に駆け込んだこともあったという。「東京―大阪を毎週複数回、27年間往復してきたり、いろんなツケがきたのかな。12月末で65歳になるというところで、ちょっと体を休めたい」と心境を吐露した。


 「引退ではない」とし、求められれば3月末以降もテレビ出演をすると語ったが、「レギュラー番組として今後続けようという気はない」とキッパリ。60歳になってから、残りの人生をどう生きようか見つめ直したことも理由の一つで、「芸能界でいろんな方と知り合って、自分の人脈の中で新しい事がチャレンジできるならやってみたい。芸能リポーター以外のことにもチャレンジしてみたいという気持ちがあります」と明かした。


 このように芸能リポオーターの井上公造さんは、自分の体が”自律神経のバランスを崩して、このため、めまい・冷え・倒れたり、ろれつが回らなくなったりしたと述べています。
 一般的に「自律神経のバランスを崩す病態としては、大人ではパニック障害、子供では起立性調節障害(OD)がその代表です。パニック障害とは、突発性の発作や息切れ、めまいなどが繰り返し起きる精神疾患で、自律神経などの働きが不安定になって発症し、突然の発作を恐れる「予期不安」、公共の場での発作を恐れて引きこもりがちになる「広場恐怖」が特徴です。起立性調節障害(OD)とは、循環に関する自律神経の働きが悪く、起立時に体や脳への血流が低下する障害で、全身に十分な血液が行き渡らないため、立ちくらみやふらつきが起き、疲れやすくなる。脳への血流の低下から、思考力が低下し、集中力もなくなるのが特徴です。
 問題は、医者でもない芸能リポーターでしかない井上公造さんが、どうして「自律神経のバランスを崩したと判断されたのでしょうか。
 自律神経の特徴は、人間の意志でその機能が左右されることがないのが特徴であり、にも関わらず井上公造さんは、こうした病態を自分で診断されたところを診れば、医師以上の特異な才覚を持った奇特な人種なのでしょうか?
 どうして、このような難しい病態が自分で診断できるのかを、医師の眼から考えてみることにします。


芸能リポーター・井上公造のウラの顔 キレたらヤバい…梨元勝さんが「あいつはダメだ」と見限ったワケ


 芸能リポーターの大御所・井上公造氏(64)が来年3月末をもって、「スッキリ」(日本テレビ系)「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ系)など9本のレギュラー番組を卒業すると発表した。
 井上氏は卒業の理由を「一番大きいのは体調の問題」とし、7年ほど前から自律神経のバランスを崩していたと明かした。具体的な症状については「本番中にめまいがしたりだとか、膝から下が寒くなったりだとか」と説明。さらには「本番中に倒れて病院に運ばれたとか、本番終わった後に病院に駆け込んだこともありました」と話した。
 薬の服用は欠かせない状態だったようで、「やはり東京?大阪間を毎週複数回、27年間往復してきた。いろんなツケが来たのかなと。僕も12月末で65歳になる。ちょっと体を休めたい」と吐露。今後はスポットでの出演依頼には応じるようだが、レギュラー番組の仕事から完全に退くという。


 レジェンド芸能リポーターの梨元勝さんが2010年8月に亡くなったあとは、完全に井上氏の“天下”だった。関係者が声を潜めて明かす。

 「梨元さんが大手芸能プロとケンカしてでもスクープを出していたのに対し、井上氏は大手プロに取り入った。一部で『ズブズブ』と揶揄されるほどで、本人も『僕はマスコミではなく、タレント』と公言。五分五分だったマスコミとプロダクションの関係をおかしくしたのは井上氏という見方も業界内であります。師匠の梨元さんも生前『あいつ(井上氏)はダメだ』と切り捨てています」

 元サンケイスポーツ記者という井上氏の肩書きについても、続きがある。出版関係者によると「サンスポに入る前には某ヤクザ雑誌の編集長だった。その前はというと…凄腕の雀士で裏の世界で活動していたという話なんてのもあります。サンスポ以前の経歴は彼もテレビで明かそうとはしません」という。

 温厚そうに見えるが、キレたらヤバイことでも知られる。井上氏は自らが代表となり「KOZOクリエイターズ」を設立。現在、テレビに出演する芸能リポーターの多くは同社に在籍している。スポーツ紙記者は「リポーター全盛期には(井上氏)は年間1億円に迫る収入があったそうです。ある種の独占企業でしたからね。ギャラもリポーター1人当たり1回3?5万円は出ていたので、井上氏はウハウハだった」と明かす。

 テレビ局側はそれなりにかかるギャラと、マンネリ化を打破すべく、井上氏の息がかかっていない若手リポーターやマスコミ関係者、文化人を起用しようと動いたことがあったが、この動きを察知した井上氏がブチギレ。前出関係者が証言する。


「局のFAXに大量の抗議文書を送り付けてきたそうです。『自分の知らないところでそうした動きがあるのは心外』『私に案内がないのはどういうことか』と。その際に、ズブズブ関係の大手プロダクションの名前を出して“圧”をかけることもあったようです」


 芸人の有吉弘行は自身のラジオ番組で井上氏の“引退”について「7年前から自律神経のバランスを崩して、体調が芳しくないということで…」と切り出し「でも井上公造さんのとこに『本当に自律神経のバランス崩したんですか?井上さん!』『体調どうなんですか! 井上さん! 答えてください!』って聞きに来られないから…いいですよね?」とチクリ。続けて「まあ、行かないわね、なんでかっていうと興味ないからですよ。井上公造さんが来年春で全レギュラー番組辞めようと、別に誰も興味ないから行かないだけですけど」とぶった切った。業界でも一時ヤフーでトピック採用された井上氏の引退ニュースに「今年1番どうでもいい」との声が圧倒的だった。稼ぐだけ稼いだのだから、あとはゆっくりして欲しいものだ


井上公造はなぜ重宝されたのか 付き合い30年の記者が見た時代への対応力と人間力


 芸能リポーターの井上公造氏(64)が、今月16日に自身のYouTubeチャンネルを更新し、2022年3月いっぱいで東京・大阪・名古屋・福岡の全レギュラー9番組を降板することを明らかにした。「芸能リポーターからの卒業」であり、今後は肩書を持たずに「裏方」での仕事を軸に活動していくという。約30年の付き合いになる記者が、井上氏から改めて話を聞き、その生きざまを解説した。

 井上氏の決断を知り、あの時のつぶやきを思い出した。「僕もこのまま芸能リポーターを続けていくかどうか分からないですね」。私は井上氏が、かつて新聞記者だったこともあり、「芸能以外のことも含めて書く仕事も考えているのかな」と思っていた。だが、そうではなかった。大きな理由は「体調の問題」。約7年前から自律神経のバランスを崩し、本番中のめまいや下半身の冷えなどを感じ始めたという。私がつぶやきを耳にしたのも、ちょうどその頃だ。

 芸能リポーター歴35年の井上氏は、第一線を走り続けた唯一無二の存在だ。新聞記者から転じて約7年は、張り込み、直撃取材をいとわずに数々のスクープをものにしていた。テレビ局もその成果を電波に乗せた。だが、95年のオウム真理教事件を境に各ワイドショーが芸能ニュースを扱う頻度を減らし、芸能人のプライバシーに踏み込むスクープは「不必要」とされた。この時点で淘汰されたリポーターは少なくないが、井上氏は週刊誌、新聞が報じたニュースの裏側を伝え、独自情報も付け加えるなどし、存在感を示し続けた。

 と同時に悩みや不安を抱えるタレントらと向き合い、信頼関係を築いていた。そして、「調整力」を駆使した新たなスクープ取得法を見出した。代表例が、2014年10月23日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」で実現した「矢口真里 生告白」だった。矢口は自身で起こした男性問題をきっかけに約1年5か月、地上波のテレビ番組から離れていたが、所属事務所、本人に生出演を持ち掛け、説得し、番組側にもその舞台を作ることを了承させた。そして、矢口は緊張しながらも、離婚を決めた理由、交際中の恋人のことを告白。番組は高視聴率をマークし、矢口が仕事に復帰する足掛かりとなった。

 井上氏は当時のことを振り返り、「実現までには約5か月かかりました。ただ、矢口さんのような才能を持ったタレントが、あまりにも長く画面から消えるのは良くない。セカンドチャンスを与えるべきと思っていました。もちろん、私がお世話になっている番組に貢献したいという思いもありました」と明かした。

 このスクープを目の当たりにし、私は「井上公造にしかできない仕事」と感じた。その後、芸能人がプライベートを話す会見は激減したが、井上氏は独自の取材網を駆使し、レギュラー番組であらゆる情報を解説。真相に迫りながら、常に「伝えられる側」の立場も考慮してきた。


今後についても言及「1つはコンサル的な仕事をやりたい」


 言い換えれば、最も時代に対応できた芸能リポーター。だからこそ、64歳にしてレギュラーを9本も持てているのだと思う。「面倒見がいい」のは、芸能リポーター仲間に対しても同じで、設立した事務所に複数人を迎え入れている。そして、事務所社長の夫人も、以前から井上氏に依存しない多角的な経営体制を築いており、今春に思いを伝えられた際も、「あなたの人生だから」と理解を示したという。

「妻の行動力と理解があったからこそ、決断することができました。本当に感謝しています」

 さらに井上氏は政財界、スポーツ界にも親しい人物を多く持ち、「芸能リポーターを続けて来たからこそ、いろんな方と出会えました。それが大きな財産」と表現。次のステップへのイメージも口にした。

「1つは、コンサル的な仕事をやりたいです。例えば、地方自治体、テレビ局、スポンサーと芸能界をつないで、地方発でスターをつくる。あとは、好きなハワイを元気にするための仕事にも興味があります。ただ、自分が表に出るのではなく、裏方としてやっていければと思います」

 12月30日で65歳。井上氏は、師匠の梨元氏が同じ年齢で亡くなっていることも踏まえ、「まずは体を休めたい」とも話している。だが、立場を変えても信頼され、人の気持ちを思いながら、時に忙しく生きていくだろう。私は、その生きざまを時に活字で伝えていこうと思う。


◇井上公造(いのうえ・こうぞう)1956年(昭31)12月30日、福岡市生まれ。西南学院大商学部を卒業後、フリーライター、竹書房編集長などを経て、サンケイ新聞社に入社。サンケイスポーツ文化社会部記者として、事件・芸能取材を担当する。86年、梨元勝氏の「オフィス梨元」に入り、芸能リポーターに転身。テレビ朝日系「モーニングショー」などにレギュラー出演し、その後、フリーとして活動。98年には、夫人と「有限会社メディアボックス」(現在「株式会社KOZOクリエイターズ」)を設立。1メートル76センチ。血液型B。


【井上氏が出演中のレギュラー番組】


・「スッキリ」(日本テレビ)
・「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)
・「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)
・「今田耕司のネタバレMTG」(読売テレビ)
・「おはよう朝日です」(朝日放送テレビ)
・「キャスト」(朝日放送テレビ)
・「マルコポロリ!」(関西テレビ)
・「キャッチ!」(中京テレビ)
・「アサデス。KBC」(九州朝日放送)


原田龍二、降板発表の井上公造氏を語る 宇多丸は芸能リポーターに辛辣意見


 17日放送の『バラいろダンディ』(TOKYOMX)で、原田龍二が2022年3月をもってすべてのレギュラー番組から降板する意向を示した芸能レポーターの井上公造氏について語った。


■井上公造氏がレギュラー降板


 番組は芸能レポーターの井上公造氏が、自身のYouTubeチャンネルで現在出演中のレギュラー番組を2022年3月をもって降板する意向を示したニュースを取り上げる。

 同氏は動画の中でその理由を「7年前から自律神経のバランスを崩すことがあった」「コロナ禍もあり、芸能界が個人主義になって国民的スターが生まれにくくなっている。芸能界が盛り上がらないと成立しない仕事」などと語ったことが紹介された。


 ■玉袋が持論


 玉袋筋太郎は井上氏について「正月になると芸能人がハワイに行ってね、必ずハワイでこうやって張っているじゃないですか。今はハワイにいけないから、そういうのがなくなっちゃうっていうのもあるんでしょうね、仕事もね」「行ったことがあるんですよね? 原田さん」と語る。


 原田は「おととし、公造さんとハワイで取材を受けました。昔はいっぱいいたじゃないですか、レポーターの方たち。3、4人しかいませんでした」と変化を口にした。


■井上氏は「律義な方」


 玉袋は「顔見知りになれば、井上さんここはちょっと触れないでとか、ここを引っ張ってくれたらしゃべるよみたいなやり取りはあるんですか?」と質問。

 これに原田は「やり取りはないですけども、今日もですね、『バラダン』で私のニュースを扱っていただくんで、よろしくお願いしますっていうのは、公造さんからご連絡いただいてますよ。すごい、律義な方で」と語った。


■宇多丸は厳しい指摘


 宇多丸は現在芸能レポーターが減少しつつある現場について「芸能レポーターって職業もさ、昔は本当にエグかったですよ。もう、人権無視としか言いようがない取材の仕方も、正直していたと思うし」とコメントする。

 そして「見る側の意識も高まった中で、なかなか活動しづらいでしょうね、それはね」と厳しい意見。玉袋も「鋭い質問なんかしないでしょ。芸能界なんかナアナアなんだから」と冗談とも本気とも思える指摘をしていた。


有吉弘行、休業の井上公造氏に痛烈皮肉「井上さん! 体調どうなんですかって、来られないからいい」 | Brain


 有吉はこのニュースに「7年前から自律神経のバランスを崩して、体調が芳しくないということで…」と切り出し「でも井上公造さんのとこに『本当に自律神経のバランス崩したんですか? 井上さん!』『井上さん! 体調どうなんですか! 井上さん! 答えてください! 体調が悪いんですか?』って聞きに来られないから…いいですよね~」と皮肉たっぷりにコメント。

 さらに「そういう仕事されてたんだから、井上公造も来られても文句言えないはずですけど。まあ、行かないわね、なんでかっていうと興味ないからですよ。井上公造さんが来年春で全レギュラー番組辞めようと、別に誰も興味ないから行かないだけですけど」とぶった切り「興味あるからって行っていいのかって話でね。ほどほどにしてほしいなって思いますね」と芸能マスコミに釘を刺していた。


 このように、井上公造さんの芸能リポーターとしての評価は様々なようです。


 それでは、ここで自律神経の専門家の小林弘幸先生に意見を聞いてみることにしましょう。


「評価されたい」という気持ちが自律神経を乱す? 医学部教授に教わる、心を安定させるコツ


  「頑張ったのに上司に認めてもらえない」「同期と比べて劣っているかもしれない」……仕事に真剣に向き合っている人ほど、自分に厳しく苦しくなってしまいがち。そのネガティブな感情は、もしかしたら自律神経を乱す原因になっているかもしれません。『「自律神経を整える1日の過ごし方」を聞いてきました』の著者であり、順天堂大学医学部教授である小林弘幸先生にネガティブな感情と向き合い方と自律神経を整えるコツを聞いてみました。


「評価されたい」という気持ちは自律神経を乱す


――毎日、一生懸命仕事をしていてもちょっとしたことで落ち込んでしまいます。特に、毎週行われる社内プレゼンでは、失敗したりして、うまくできたと思っても上司からダメ出しされたり、自分には才能がないなと思います。


(小林弘幸先生、以下小林)緊張して力が発揮できなかったことを悔やむ、せっかく考えた企画をダメ出しされてヘコむことは、誰にでもあることです。人は直面している事態が、現実の姿であってほしくないと願えば願うほど、心が苦しくなるものです。そんな感情を抱くのは、しっかり準備して、真剣に向き合っていたということ。まずは、そんな自分を褒めてあげましょう。


――自分で自分を褒めても、正直なところ、やっぱり頑張った分、周りにも評価してもらいたいと感じてしまいます。


(小林)たしかに、世の中は理不尽なことばかりですからね。自分が悪くても人のせいにしたり、いっていることがころころ変わったり、機嫌によって態度が変わったり、理不尽な人は多いもの。他人の評価を気にしていたら、理不尽な人に振り回されてしまいますよ。「理不尽なことが多い」とあきらめることも大切です。


――機嫌によって態度が変わるような人からの評価を期待していると思うと気が遠くなりました。「理不尽だなあ」と考えると気が楽になりそうです。


(小林)私も新米医師のときは、一生懸命に考えた論文を上司に認められずに愚痴をいっていました。また、努力すればするほど、結果が出ると信じていたので、評価されないとイライラしていました。


――先生でも、そんなときがあったんですね。


(小林)ありましたよ。でも、上司が評価してくれないと嘆いたり、うまくいかないことにイライラしたり、悩んだりしていると、自律神経が乱れてしまい、自分に悪影響だと気づきました。それからは、なにか嫌なことがあったとしても、環境や他人のせいにしないで、「自律神経が乱れている。だったら整えなくては」と意識するようになりました。


――自律神経に意識を向けることによって、落ち込むだけではなく、次はどうすればいいかと改善点を探すことができそうですね。


(小林)大切なことは、イライラしたり悩んだりして、自律神経を乱してしまわないように自分で意識すること。悩みの連鎖に陥っているときは、主観的で一方的な視点にとらわれがちなので、悩む主体を他の人に託して『「母なら」「先輩なら」「あの先生なら」「あの人なら」どう考えるか』と想像すれば、客観的な思考になり解決策が浮かぶかもしれません。


 失敗したり、評価されなかったりしても、「起こったことはしょうがない」と受け止めることで、自律神経が整い、多少のことでは動揺しないようになりますよ。客観的な視点を持つためには「悩みを大・中・小に分ける」「悩みを書き出す」「時間を決めて悩む」などもおすすめです。


――なるほど……。ただ、仕事を始めたばかりなので、次から次へと仕事があって、つねに目の前のことでいっぱいいっぱい……。自律神経を整えようと意識するような、余裕を持つことは難しい気がします。


(小林)そうですよね。次から次へと仕事があり、休む暇もないと感じたときこそ、意識的に少し立ち止まってみることも大事だと思いますよ。


――立ち止まるんですか? 目の前に仕事がたくさんあるのに、さらに仕事がたまってしまいそうです。


(小林)自律神経が乱れたまま仕事を進めても効率が悪くなってしまいます。ゆとりを持って仕事に取り組んだほうが、解決策がみえてきたり、良いアイデアが生まれたりするので、がむしゃらに働き続けるよりも、結果として仕事が進んでいることもよくあります。


――なるほど。忙しいときこそ、立ち止まる。意識してみます。ところで「立ち止まる」って、具体的にどうすればいいんですか? 


(小林)たとえば、ネガティブな感情に襲われたら、机の周りを片づけてみるのです。米フロリダ州立大学の研究チームの実験では、皿洗いも気持ちを込めてすることでストレス解消に効果があることがわかりました。目的意識を持っていれば、幸福感や満足感が得られるのです。私も水の流れを感じながら、汚れたものがキレイになっていく皿洗いをすることで自分の生活のペースをつくっています。ゴミを1つ捨てるだけでもいいですよ。ごちゃごちゃしたものが整理されていく様子をみているうちに、副交感神経の働きが上がって、心にゆとりが生まれます。


自己肯定感と自律神経の密接な関係


『「自律神経を整える1日の過ごし方」を聞いてきました』小林弘幸[著](日本実業出版社)


――「あの人なら」と考えることにより、逆に自分のふがいなさを実感してしまいそうです。同期入社の友だちと比べると、先輩から指示されたり、上司から意見をいわれたりすることが多くて……。自分は劣っているんだろうなと思って落ち込むことがあります。


(小林)自律神経というのはとても繊細なもので、他人と自分を比べて劣等感を持ってしまうだけでもすぐに乱れてしまいます。自分の自律神経とはゲーム感覚でおもしろがって付き合うことが大切ですよ。


――悩んでいるときにゲーム感覚でおもしろく付き合うなんて、どうすればいいんですか? 

(小林)たとえば、人から指示されたり意見をいわれたりしたことが「嫌だな」「自分はダメだな」と思うか、それとも、「頑張っている自分のために意見や指示を出してくれた」と受けとるかで感情は違ってくると思いませんか? 


――そうですね、「頑張ったからこそ、意見を出してくれた」と考えたほうが、心が穏やかになるし、やる気が出ると思います。


(小林)ネガティブな感情を抱くと自律神経が乱れます。怒りやイライラ、憎しみを感じると、交感神経が優位な状態になり、体が無意識に緊張してしまうからです。それが心身へ負荷をかけます。ネガティブな感情を抱いたときは、自分がどう反応するのかを冷静に観察することで「心の許容範囲」がみえてきます。もちろん、すべてにおいてポジティブ思考になれたらいいのですが、そう簡単にはいきません。まずは、自分自身の「心の許容範囲」を知ることが重要です。


――「心の許容範囲」ですか? 


(小林)社会人になると、いろんな人と接し、さまざまな物事を経験します。そうした人や物、出来事に対してここまでなら受け入れられる、認められるという許容範囲というものが人それぞれにあるのです。心の許容範囲の大きさによって、物事の捉え方、人の言動に対する受け止め方が違ってくるということです。


――私は心の許容範囲が狭いから、ネガティブな感情に振り回されているということですか? 


(小林)心の許容範囲は人それぞれだから、狭くてもいいのです。大事なことは、その心の許容範囲を自分で把握できているかということです。


――自分の心の許容範囲なんて、考えたことがありませんでした。


(小林)人が許せない、他人の言動にイライラする、嫉妬心が抑えられない、自信が持てない――。これらは、心の許容範囲を超えているサインです。感情のコントロールができずに怒りや不満を抱えてしまいます。


――あれもこれも……。昨日の出来事を思い出しただけでも、心の許容範囲を超えているサインはたくさん思い当たります。


(小林)怒りや不満を抱えたままだと、仕事の効率はガクンと落ちてしまいます。そんなとき、心の許容範囲を知っていれば、それに見合った生き方ができて、怒りや不満を抱きにくくなりますよ。実際、私は、自分の心の許容範囲は狭いと思っています。だから、人との接し方、仕事のやり方など、自分の限界を超えないように意識しているので、さほどネガティブな感情に振り回されないのです。


――先生も心の許容範囲が狭いとは……ちょっと安心しました。


(小林)それも、私自身が積み重ねてきた経験からわかったこと。仕事を頑張るためにも、自分の心の許容範囲をつねに意識して「これが私だ」と堂々と認めて過ごしていくことが近道です。


――自律神経の安定を最優先させるんですね。


(小林)そうですね。とはいえ、生きていれば負の感情が生まれるのは当然のこと。どれだけ自分の限界を超えないように意識していても、思いがけず、職場でネガティブな気持ちに襲われることもあるでしょう。そんなときは、自分の席を離れて、階段を1、2階分上ったり、下ったりしましょう。大きな筋肉が集まる足には多くの血液が流れています。階段を上ったり下ったりして、足の筋肉を伸縮させることでポンプの役割を果たして血の巡りが改善し自律神経が整います。


最新の研究で、運動は“細切れ”でも十分効果があることがわかってきました。エスカレーターやエレベーターがあっても3~4階程度なら階段を選択することをおすすめします。リズミカルな動きによって自律神経のバランスが整いますよ。


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小林 弘幸(こばやし ひろゆき)順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設し、腸内環境を整えるストレッチを考案するなど、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまでボケない 小林式グーパー体操』(光文社)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

 

最後に


 井上公造さんのテレビ放送で、いつも特徴とされることは、口を尖らせてヒョットコヅラで、いかにも不満顔で、巻き舌でお話になるのが特徴です。こうした話し方をされる方の心理分析を専門家にして貰えば、面白い考え方を披露されることでしょう。
 body language(ボディーランゲージ)とか、ボデイ・トークとか・・
 そして、もうひとつの特徴は、女性であれば、一律に〇〇チャンとチャンヅケで呼ばれます。20歳前の女の子であれば、まだしも福原愛さんも、アイ・チャン、もう50歳も過ぎようとしている歌手の坂本冬美さんもフユミ・チャンと呼ばれます。
 これが結婚でもされておられたら、ご主人はどのように思われるのでしょうか?
 無神経にも甚だしいように思われます。ヒトノニョウボウヲナントココロエルノカ!!


 いずれにしても芸能リポーターとは芸能人の恥部を暴き立てて、メシノタネにする輩ですから、仕方ないのかもしれませんが・・
 私の感覚からすれば、一流の芸能人は、一般素人とはオーラが異なり、人種そのものが違うんです。ですから浮気・不倫をしても様になり、絵にもなります。これを一般の素人がマネしても様になるワケはなく、恥をかくだけのことです。二枚目であればまだしも、その恥部として暴けば・暴く程、他人からみれば、ねたんで物欲しそうに報道しているとしか思えません。みっともないだけのことです。

 これで、この世から芸能レポーターがひとりでも居なくなれば、メデタシ・メデタシということになるのではないでしょうか?

阪・北新地ビル火災・容疑者、脳に損傷 刑事責任の追及に壁


 大阪市北区曽根崎新地のビル4階で起きた放火殺人事件で、放火や殺人の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)は依然、意識不明の重体となっている。心肺停止状態から蘇生(そせい)したものの、火災による一酸化炭素(CO)中毒や心肺停止の影響で脳に重度の損傷を受け、危険な状態とみられる。意識が回復しても記憶に障害が残って事情を聴けない可能性もあり、また今後さらに急性一酸化炭素中毒から、回復後に2-40日程度の潜伏期間を経て、急激に認知機能障害、精神症状、パーキンソン症状などを呈する遅発性神経症状(delayed neurologic sequelae:DNS)が知られており、意識が回復しても記憶に障害が残って事情を聴けない可能性もあり、刑事責任追及のハードルは極めて高い。
 事件は17日午前10時20分ごろ、ビル4階のクリニックで発生。消防の到着時、被害者26人が奥の診察室側で倒れているのが見つかったのに対し、谷本容疑者は出入り口側で発見された。4階から最初に搬送されたとみられ、CO中毒の症状があり心肺停止状態だったが、搬送先の病院で蘇生した。一方で被害者は26人のうち25人が亡くなった。 関係者によると、谷本容疑者は自発呼吸を取り戻したが意識はない。やけどの範囲は顔など限定的だが、心肺停止の間に酸素が脳に供給されず損傷を受ける低酸素脳症と診断された。症状が悪化し脳の損傷が広がると、呼吸や心拍をつかさどる脳幹の働きが阻害され、再び心肺停止になる恐れがある。


 火災被害者の治療に詳しい鳥取大病院救命救急センターの上田敬博教授(50)は「低酸素脳症で再び自発呼吸が止まった場合、蘇生させることは不可能に近い」と指摘する。
 上田教授は令和元年7月に36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などで起訴された青葉真司被告(43)の主治医を担当した。
 上田教授によると、青葉被告は全身にやけどを負って一時意識不明だったが、現場から逃げたためCO中毒からは免れていた。その後、意識が回復し、発生10カ月後に京都府警に逮捕された。一時心肺停止に至った谷本容疑者の場合は、意識が戻っても低酸素脳症の影響で記憶障害などが出る恐れがあり「事件について何も覚えていない可能性もある」とする。

 谷本容疑者の容体は予断を許さない状況が続く一方、大阪府警は谷本容疑者の居住先から犯行計画とみられるメモなどを発見。クリニック内の防犯カメラには、谷本容疑者が逃げようとする被害者に体当たりし、避難を妨害する様子も写っていた。

 捜査関係者は「確固たる殺意を示す証拠が数多くある」としながらも、「谷本容疑者の意識が戻ったとしても、会話ができ、事件当時の記憶を呼び起こせるまでに回復しなければ逮捕や起訴は難しい。刑事責任を追及するためのハードルは高い」としている。


容疑者の男、数年前からクリニック通院か 大阪の放火殺人事件


 大阪・北新地のクリニックで25人が亡くなった放火殺人事件で、容疑者とされる男が数年前からこのクリニックに通っていたとみられることが分かった。火事では25人が亡くなり、警察はクリニックの患者・谷本盛雄容疑者(61)を放火と殺人の疑いで捜査している。


 捜査関係者への取材で、クリニックの関係者が谷本容疑者について「数年前から通院していた」という趣旨の説明をしていることが新たに分かった。谷本容疑者とクリニックとのトラブルは把握されていない一方で、谷本容疑者が出入りしてた住宅からは「放火」「殺人」「消火栓を塗る」などと計画性をうかがわせる手書きのメモが押収されている。
 警察は、クリニックの電子カルテを確認するなど事件前の谷本容疑者の行動を調べ、動機の解明を進めている。


  このように、電子カルテは残存されているように報道されています。


 ところが、警察は谷本容疑者の動機の解明目的にしか電子カルテを利用されないようで、刑事責任を追及することを使命とし、最終的に放火・殺人として立件することしかありません。これでは、谷本容疑者にすべての責任を負わせ、物の本質を見失わせ、再犯を予防する効果はありません。西沢院長をあたかも聖人君子のイエス・キリストのように偶像化するだけのことであり、何ら解決されることはなく、1事件として忘れ去られる運命に置かれることになってしまいます。これが、現在の検察・司法のあり方です。


単純に、どちらの言い分が正しいのか??


 このような難しいことを考えることではありません。単純に考えれば、医師である心療内科医(精神科医)は患者さんに寄り添った医療を行っているといい、患者さんは、こうした医師を信用しなさい、という基本原則が存在しなければ、このような事件は起こりようもないはずです。しかし、現実には、こうした事件が次々に引き起こされています。
 ですから、こうした事件をおこした犯罪者は罰せられなくてはならないことになっています。ただ、これだけのことです。
 しかし、このような単純なものなのか、常に疑問が残ります。この漠然とした疑問をひとつづつ明らかにしておく必要があります。


 その前に、一つの予備知識として・・・


臨床心理士に聞く“心療内科を狙う心理”…クリニック特有の事情から「危機的な状況に気づきにくい」


 現場となったクリニックに通院歴のあった谷本容疑者。心療内科と患者の関係性について、実際に患者の診療にあたる臨床心理士・藤井靖氏はこう話す。

 「精神科や心療内科は心の治療になりますから、(患者にとって)自分の心の内を話せる相手は誰でもいいわけではなくて。当然、治療者と患者さんも人と人ですから、相性が合わないことはどんなにいい治療者やクリニック、病院でも起こりうることなんですよね。 あとは治療に対する考え方のギャップが出る場合があって、患者さんとしては自分の病気を治したいということで病院に来ますけれども、『自分としては頑張って(クリニックに)通って、処方された薬を飲んだり、カウンセリングを受けたり、プログラム受けたりしているのに治らないじゃないか』というような思いを持つ場合があります。これは治療者と患者の間のコミュニケーションに齟齬がある状態ともいえます」

 また谷本容疑者の犯行動機について、藤井氏は「状況から、強い怒りや恨みみたいなものはどこかにあって、ただそれが単純にクリニックだけにあったかというと、それは分かりませんよね。容疑者の人生や生活には背景がさまざまあって、出しやすいところに出した可能性もあります」と推察している。また「事件の被害にあって亡くなられた方々はもとより、簡単に替えが効かない、頼れる治療者を亡くした患者さんや他の医療機関に通院している方々にとっても心に及ぼされる影響は大きく、その意味でも容疑者の罪は深い」と語った。


 今回の火災で延焼したのは、床面積の約3分の1にあたるわずか25平方メートルあまりで、死因が判明している人の多くは一酸化炭素中毒だった。なぜ、ここまで被害が拡大してしまったのか……その背景には、心療内科特有の事情があるのではないかと藤井氏は指摘する。

  「現場となったクリニックの待合室には非常に多くの方が待たれていたようですが、これは心療内科や精神科のクリニックでは日常的にあることなんですよね。一人あたりの診察時間が他の科に比べて長いですし、特に都市部では、患者さんの数に対して心療内科や精神科の数が全国的に足りていないんです。もう1つは治療の内容。プライバシーに関わる内容というのが身体疾患以上に多く出てきますからね。仕切られたり密閉されたりしている空間で、患者さんが安心感をもってお話をするということが環境として必要。そうすると、他の部屋や場所でいざ何か起こったときに、危機的な状況が起こっていることに気づきにくいところがあるので、特に雑居ビルに入っているような病院では同じような日常があると思います」


臨床心理士に聞く“心療内科を狙う心理”…クリニック特有の事情から「危機的な状況に気づきにくい」

 

 できるだけ人に知られず、見られることなくクリニックに通いたいという患者の思い――。心理的にも物理的にも、心の治療をもう少しオープンにするためには、どうしたら良いのだろうか。藤井氏は、社会的な理解が必要だと訴える。

 「精神科や心療内科に通っている患者さんに対するスティグマですよね。事件直後から、ネット上でSNSを中心に差別や偏見にあたるような投稿がいくつか見られました。事件が起きたことで、“そういうところに通ってる患者さんは事件を起こす人なんだ”って思われてしまうことは、当事者にとって非常に不利益ですし、大きな負担です。うまくいくはずの治療がうまく進まないということも起こりうる。今回のようなことが起こらなくても、精神科や心療内科に通院してるって言うと、そういう見方、ラベリングのされ方があって、患者さんは普段から苦しんでいる。ですから、今回も問題があるとしたらそれは加害者本人であって、患者さんが問題だということではないので、そこの社会的理解は改めてすべきでしょうね」


食い違う、医師と患者の感想


 大阪・北新地のクリニックで25人が亡くなった放火殺人事件で、容疑者とされる男が数年前からこのクリニックに通っていたとみられることが分かりました。
 捜査関係者への取材で、クリニックの関係者が谷本容疑者について「数年前から通院していた」という趣旨の説明をしていることが新たに分かりました。
 谷本容疑者とクリニックとのトラブルは把握されていない一方で、谷本容疑者が出入りしていた住宅からは「放火」「殺人」「消火栓を塗る」などと計画性をうかがわせる手書きのメモが押収されています。


 谷本容疑者が通っていた飲食店の店主は数か月前の様子をこう話す。


 「いつもはおとなしい、いい人ですよ。それが酒を飲むと変わってしまう。『うまくいかないことばっかりだ』とよく酒を飲み、文句を言っていた。この心療内科に通院しているが、『クスリばっかりがたくさん出されるがあわない』と話していたこともあった。放火なんてできるような肝っ玉がすわったような人ではなかったが…」


これに対して、西沢院長の評判は・・


 「あれほど患者さんに慕われていたというのは、彼の人徳といいますか、医者というよりも1人の人間として優れていた」
 「心を痛めている人などを救いたいという優しさみたいなところは強くあったし、そういうことをやりたいという信念みたいなのがあった」
 「いつも味方でいてくれた院長を失い、体の一部を奪われたような気持ちだ。信頼できる先生にまた出会えるだろうか」。

 このように、非の打ち所がない程の評判で、貴重な”化石”のような存在だったようです。


 患者側としての「博多くま」さんのブログでは、以下のような医師を求めておられるようです。

 

  最近、CS放送で海外ドラマの「シカゴ・メッド」っていう医療系人気ドラマのとある回で、とある事情で精神科の医師が診察・カウンセリングを後回しにしたばっかりに、病院入口で、その患者から拳銃で撃たれるというエピソードがあった。助けが欲しかったからそうなったシナリオだった。
  撃たれた医師は犯人である患者を裁判でもかばう。普通の思考なら「え?なんで?」となるだろう。そういうことだ。

 コロナ禍というこの世の中、今まで以上にたくさんの方が”助けを求めて”いる事はたしかだけど、救ってくれる方々にも限界はあるのだろう。
 僕も最初の頃はそうだった。日常生活を取り戻せる”新しい生き方”のアドバイスが欲しかった。そのアドバイスはどんな形でもいい。
  やさしく包まれたほうがいいという患者さんもいれば、逆に突き放してメラメラさせてくれるアドバイスでもいい。僕の場合は後者だったかな(笑)
  どちらにせよ、みんな【助けが欲しい】というか、”かまってほしい”んだと思う。
  その”かまって”が不安定のまま、途絶えたり、絶たれたりすると、どうしていいか分からなくなるし、やっぱりよく言われる「攻撃的」になってしまう事もあるだろう。


 このように、お互いの感想は全く食い違っているようです。


 こうした食い違いを解く鍵は、西沢院長の日頃の診療態度をみれば、歴然とすることです。その鍵は、電子カルテを逐一点検すれば済むことです。
 心療内科(精神科)での食い扶持をどこに置いているのか?
 予約もとらずに新患患者をみるほどです。クスリで儲けるのか???それとも「リワーク」でしょうか?
 このようなことは、電子カルテの処方の仕方、保険点数をどこで稼いでいるのか? こういったことはクリニックの死活問題に直結するものです。
 こうしたクリニックの経営基盤をまず、明確にしておく必要があります。
 慈善事業をしているわけではありませんから・・


 そして、谷本容疑者は数年前から、このクリニックに通院していたとのことです。何を訴えて受診し、どういった問題を引きづりながら通院を重ねていたのか? こういったことは、電子カルテを見れば一目瞭然とすることです。


 警察では、決してこのようには電子カルテを使うことはありません。


 今回の放火・殺人事件は、精神科・心療内科医療の諸々問題点を露呈した氷山の一角に過ぎないものです。今回の放火・殺人事件を、単なる”放火・殺人事件として処理することなく、徹底した糾明が望まれます。

「全裸監督」村西氏がビル火災のクリニックを揶揄して非難轟々


 「医師として約20年間、患者様との診察というかかわりを通じて診療に携わってきました。(中略)自分自身が患者様の立場になった時にこうであればいいなと思い診療してまいりました。その考えのもとその経験を活かし、都心部で夜間でも受診できるクリニックがあればと思い少しでもお役にたてることがあればと開業に至りました」

  12月17日に発生し、24人もの犠牲者を出した大阪市北区のビル火災。冒頭のコメントは、火元である『西梅田こころとからだのクリニック』の公式サイトにつづられているものだ。

 しかし、火災によって院長の西澤弘太郎さんは死亡。そして20日、『MBS NEWS』によるとクリニック関係者の林幸恵さんと渡邉咲季さんの死亡も確認されたという。「少しでも役に立てれば」という思いは永遠に閉ざされてしまった。


 そんななか、『全裸監督』(Netflix)の主人公のモデルとなった村西とおる氏(73)のツイートが物議を醸している。19日、村西氏は16万人以上のフォロワーがいるTwitterにこう投稿したのだ。


  《24人の死亡が確認された悲惨な大阪の心療内科。行けば僅か数分の診察で「とりあえず軽いお薬を出しておきましょう」となりて薬漬けの人生のはじまり、気がつけば立派なジャンキーに仕立てられ、睡眠薬や抗うつ剤を手放せず。本日も精神科の待ち合い室は調剤薬局と化して、お日柄もよろしく大入満員》

 村西氏は、西澤さん達が患者を“薬漬け”にするためにクリニックを運営していたとでもいうのだろうか?『THE SANKEI NEWS』は「先生には人生を救っていただいた。悲しくて胸が張り裂けそうだ」という患者の声を紹介しているがーー。ネットでは、村西氏のツイートに非難が殺到している。

 《多くの人が犠牲になった病院火災で死者の尊厳を踏みにじるような発信は絶対に認めません》
 《亡くなった患者をバカにしたようなこのツイート最悪だな》
 《通院することも薬を服用することも悪いことではない》
 《人を支える精神科を悪く言い、人命を軽んじる発言》

 また『全裸監督』を配信しているNetflixにも《Netflixジャパンはこいつをドラマの主人公にした罪の重さを本気で考えろよ》《こんな奴でもNetflixで映像化されるんだからNetflixやめて正解だった》と厳しい声が。


 21日にも村西氏はこうツイートしている。

 

 《患者の顔をロクに見もせずにパソコンとにらめっこ、口を開けば「軽いお薬を出しておきましょう」の心療内科がいかに多いことか。これに警鐘を鳴らしたら「通報します」の雨霰。どこに通報するというのか、コチラは前科7犯だというのに。改めて申し上げたい、ジャンキーにされ一生廃人とならぬようにと》


亡くなった院長を知る人「医者というより1人の人間として優れていた」大阪ビル放火


  12月17日に大阪・北新地のビルに入る心療内科クリニックで起きた放火殺人事件。12月21日、新たに20代とみられる女性の死亡が確認され、これまでに25人が亡くなっています。そのうちの1人、クリニックで職場復帰の支援などを行っていた西澤弘太郎院長(49)。西澤さんが研修医だったころに指導員として教えた医師は、その人柄についてこのように話します。

 (西澤さんを指導・東大阪徳洲会病院 池田和人副院長)
 「あれほど患者さんに慕われていたというのは、彼の人徳といいますか、医者というよりも1人の人間として優れていた」

 また別の元同僚も西澤さんの仕事に取り組む姿勢を今でも忘れません。

 (西澤さんの元同僚・ひとしクリニック 陣内均院長)
 「心を痛めている人などを救いたいという優しさみたいなところは強くあったし、そういうことをやりたいという信念みたいなのがあった」


信頼厚かったクリニック、患者800人行き場失う…「体の一部を奪われたような気持ち」


 大阪・北新地の心療内科クリニックで起きた放火殺人事件では、行き場を失った患者らの支援という問題が浮上している。都心にあるクリニックは、心の不調を訴える働き手の社会復帰を支える場として信頼が厚く、800人以上が利用していた。


心の支え


 「薬がなくなり、早く新たな通院先を見つけたいが、どうすればいいのか」。被害を受けた「西梅田こころとからだのクリニック」に通っていた大阪府摂津市の会社員男性(51)は戸惑う。

 うつ病を患い休職し、2015年から通院。事件で亡くなった院長の西沢弘太郎さん(49)が親身に接してくれ、19年に復職した。時折、症状が出るため、2週間に1回通院していたが、心の支えを突然奪われた。


 「いつも味方でいてくれた院長を失い、体の一部を奪われたような気持ちだ。信頼できる先生にまた出会えるだろうか」。インターネットで新たな通院先を探すが、不安は消えない。


職場復帰


 クリニックは15年10月に開業。西日本有数の繁華街にあり、平日は午後10時まで診療していたため、会社勤めの人ら多くの患者が通院していた。大阪府などによると、利用者は大阪、京都、兵庫の3府県だけで少なくとも800人に上る。


 力を入れてきたのが、うつ病などで休職した患者らの職場復帰を支援する「リワークプログラム」だった。患者らが医師や臨床心理士の助言を受けながら集団でリハビリを行い、人との接し方やストレスへの対処方法などを身に付け、病気の再発防止や復職を目指す。


 プログラムに取り組む医療機関などでつくる「日本うつ病リワーク協会」(東京)によると、08年に約30だった会員の医療機関は約200に増加。同クリニックは大阪府内に13ある会員医療機関の一つだった。


 摂津市の会社員男性もプログラムの経験者で、「前向きに取り組んでいた人たちは今、心が折れてしまっているのでは」と心配する。


 厚生労働省の調査では、17年の精神疾患の患者は約348万人で、05年の1・3倍に増えた。コロナ禍でうつ病や、うつ状態の人が増えたとのデータもある。メンタルの不調が原因で失業する人も多く、心療内科の役割は増している。

 プログラムを行う京都府内の医療機関の担当者は「継続的な実施が重要で、その場を奪われた人への影響は大きい。別の実施機関を探す必要があるが、新しい環境になじめるか心配も大きいだろう」と懸念する。


支援急務


 支援の動きも始まった。大阪府はクリニックの通院者や事件で心のケアが必要になった府民を対象に専用の電話相談窓口を20日に開設。ケースワーカーや心理士が対応し、薬に関する相談や治療を受けられる別の病院や診療所を紹介している。21日までに75件の相談が寄せられたという。


 大阪精神科診療所協会(大阪市)は、所属する医療機関に対し、クリニックの患者を受け入れるよう要請した。協会の担当者は「府内の診療所に多数の問い合わせがあると聞いている」と話す。


 精神疾患の治療に詳しい大分大医学部の寺尾岳教授は「心療内科などの患者は医師とのつながりが深く、通院先をなくすと喪失感や不安が大きい。自治体は関係団体と連携して医療機関につなぎ、患者が環境変化に対応できるようきめ細かい支援をすべきだ」と話す。


「博多くま」さんのブログでは、以下のような医師を求めておられるようです。


 最近、CS放送で海外ドラマの「シカゴ・メッド」っていう医療系人気ドラマのとある回で、とある事情で精神科の医師が診察・カウンセリングを後回しにしたばっかりに、病院入口で、その患者から拳銃で撃たれるというエピソードがあった。助けが欲しかったからそうなったシナリオだった。
  撃たれた医師は犯人である患者を裁判でもかばう。普通の思考なら「え?なんで?」となるだろう。そういうことだ。

 コロナ禍というこの世の中、今まで以上にたくさんの方が”助けを求めて”いる事はたしかだけど、救ってくれる方々にも限界はあるのだろう。
  僕も最初の頃はそうだった。日常生活を取り戻せる”新しい生き方”のアドバイスが欲しかった。そのアドバイスはどんな形でもいい。
  やさしく包まれたほうがいいという患者さんもいれば、逆に突き放してメラメラさせてくれるアドバイスでもいい。僕の場合は後者だったかな(笑)
  どちらにせよ、みんな【助けが欲しい】というか、”かまってほしい”んだと思う。
  その”かまって”が不安定のまま、途絶えたり、絶たれたりすると、どうしていいか分からなくなるし、やっぱりよく言われる「攻撃的」になってしまう事もあるだろう。

 
巻き添えを出す自殺とテロ、根本にある共通現象


 昨年、日本の自殺者の数は21,897人だった。今からおよそ一五年前、年間の自殺者は34,000人を超えていた。それに比べれば、かなり減少している。
 だが、自殺率では世界ワースト六位で、未だに高い水準にある。自殺者が三万人を超えていた時代には、そのことに注目が集まったが、最近では話題になることが少なくなった。
 なぜ自ら死を選ぶのか。遺書がなければ、その原因が分からないこともある。最近も、知人が急死し、自殺ではなかったのかと言われるが、はっきりしたことは分からない。
 遺書から分かる自殺の原因としては、健康、病気の問題がもっとも多く、ついで、経済問題、家庭問題、職場での人間関係の悩みと続く。年間の自殺者が三万人を超えていた時期には、金融危機以来の経済環境の悪化が原因であると言われた。
 自殺には、数だけではなく、さまざまな問題があるが、本書の著者が注目しているのは、「拡大自殺」という現象である。拡大自殺とは、「絶望感から自殺願望と復讐願望を抱き、誰かを道連れに無理心中を図ること」をさすという。
 著者はこの拡大自殺を、秋葉原事件などの無差別殺人、世界中で頻発する自爆テロ、警官が発砲する状況をわざと作り出すことによる自殺、そして親子心中や介護心中といった現象にまで広げて分析している。
 著者は、日本で無差別大量殺人事件が起こった際に、犯人が犯行後自殺しているケースが少なくないことに注目する。70代の男性が新幹線の車内でガソリンをかぶって焼身自殺し、巻き添えで女性一人が亡くなった事件なども取り上げられているが、これも、犯人が他人を巻き込んで自殺をとげている点では無差別大量殺人事件と共通する。
 それは、自爆テロでも同じで、社会によって追い込まれたと感じた犯人が、その腹いせに、他者を大量に殺害し、合わせて自らの命を絶つ点では、日本で起こっている数々の事件と同じく拡大自殺として分析できるというのである。
 親子心中や介護心中になると、無差別大量殺人や自爆テロとは同列に扱えないようにも思える。だが、親子心中でも、親が自殺願望を抱き、そこから子どもを道連れにするという点では、同じ性格を持っている。それは、介護心中の場合も同じで、自己破壊願望が拡大自殺に結びついたところにそうした事件が起こる原因があるというのである。
 日本では今のところ、自爆テロは起こっていない。日本人は、自爆テロを敢行するのはイスラム教徒であり、イスラム教の信仰にもとづいて、彼らは自らの命を犠牲にささげているととらえている。そこには、戦争中の特攻のイメージが投影されているのかもしれない。
  だが、自爆テロを敢行するのは、基本的に個人であり、せいぜい兄弟や仲間などごく少人数で実行されている。そこにテロ組織が介在しているわけではない。
  イスラム国(IS)が関与しているとされるときにも、たんにISが犯行声明を出すだけで、ISのメンバーが実際に犯行に及んでいるというわけではない。
 その点が見落とされているために、無差別大量殺人や巻き添えを出す自殺と現在の世界で頻発するテロが根本において共通した現象であることが見えてこない。
 現代の社会では、閉塞感が強く、絶望した人間を凶悪な犯罪に駆り立てる環境が生み出されているし、復讐心を満たすような手段が簡単にとれるのだ。
  その点で、さまざまな現象を拡大自殺という観点からまとめて考察することには重要な意味がある。テロ対策が進まないのも、その観点が欠けているからだ。
 安全安心な社会の実現には、拡大自殺をいかになくしていくかの対策が不可欠なのである。


 「病院の火災原因のトップは放火」凶悪事件が続発する医療現場の本音と悲鳴


  12月17日、大阪の心療内科クリニックで起きた放火事件で24人が亡くなった。翌18日には歌手・俳優の神田沙也加さんが札幌市のホテルから転落死した。麻酔科医の筒井冨美氏は「悩みや心の病を抱える人のために心療内科や産業医など医療体制の拡充が必要だ。  また、病院の火災原因の1位は放火で、その他の患者らが起こす事件も少なくなく、対策が急務だ」と指摘する――。


 年の瀬が迫る2021年12月17日、大阪府で痛ましい事件が発生した。大阪駅近くの雑居ビル4階にある「働く人の西梅田こころとからだのクリニック」が放火され、院長を含む24人が死亡した。容疑者は同クリニックに通院する60代の男性であり、自身も重いやけどを負って救急搬送、と報道されている。

 罪のない病院スタッフや患者が犠牲となり、2019年に発生した36人が亡くなった京都アニメーション放火事件を連想させる、やり切れない事件となってしまった。


■病院の火災原因トップは「放火」だった


 「病院における火災原因のトップは放火」というショッキングな調査報告もある。2018年に、全国約2500病院が加盟する日本病院会が会員病院の火災102件を集計したところ、出火原因では放火が33件で最も多く、病室やトイレにライターで火を付ける事例が目立った。次いで、「たばこ」「調理機器」が各14件であった。

 2014年には、「東京都内の大学病院で、元入院患者が5フロアに合計15本のガソリン瓶を投げて放火」いう事件も発生している。けが人が発生しなかったせいか、あまり大きなニュースにはならなかった。


■「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」発言も


 病院では放火以外の凶悪事件も、しばしば発生している。


 2013年には北海道で、精神科医師が患者に刺殺されている。2014年には、千葉県と北海道で診察中の医師が刃物で襲撃される事件が発生し、愛知県では医師を殺害する目的でナイフを所持して病院に侵入した男が逮捕された。2018年には名古屋市の大学病院で外科医が患者に首を刺されている。「病院で長時間待たされていた」との報道もあったが、「大学病院で長時間待たされた」ことを理由に院内で刃物を振り回されてはたまったものではない。


 2019年には愛媛県の精神科病院で、患者が3人の看護師を刃物で負傷させている。2021年には、訪問診療中の医師が患者に頭を刺される事件もあった。患者宅訪問中に患者が殺意を抱いたならば、医療関係者が自分の身を守ることは院内暴力よりもさらに困難である。

 主な事件を表にまとめた。犯人は全員が男性で、精神科の関与する事件が目立つ。また、現実の精神病院では「看護師が患者に殴られた」レベルでは警察に届け出ないことも多く、表面化しなかった暴力事件も数多く存在している。

 このように頻発する院内犯罪を鑑みて、2018年には「日本精神科病院協会」の山崎学会長が、協会の機関誌に寄せた文章で「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」と部下の発言を記した。患者や家族などからは「患者を危険な存在と決めつけている」などと批判の声が上がったが、SNSでは賛否両論が入り乱れた炎上騒ぎとなった。


■「心療内科」とは ~精神科、神経内科との違い~


 今回、大阪で事件が発生したクリニックの診療の柱は「心療内科」だった。心療内科は「眼科」「産婦人科」などと古くからある診療科ではなく近年発達した医療分野である。似たジャンルの「精神科」「神経内科」などとどう違うのかという疑問を抱く人もいるだろう。


 もともとの定義はこうだ。


 心療内科:「精神的な要因から身体症状が現れる病気」を治療する分野。例えば「上司のパワハラを受けて会社で頭痛」「受験のプレッシャーで下痢」のような症状である。
精神科:「精神的な要因で精神症状が現れる病気」を扱う分野。「統合失調症」「躁うつ病」「アルコール依存症」などを扱う分野である。
神経内科:脳神経系の疾患を扱う内科の一分野。「てんかん」「アルツハイマー病」「脳梗塞」など「主に身体症状」を扱う分野である。


 ……と、カテゴリーは別の扱いだが、現実の病院では「心療内科」と「精神科」の住みわけは曖昧である。クリニックを開業する際に、患者が受診しやすくなるように「精神科」ではなくあえて「心療内科」「こころの(メンタル)クリニック」などと名乗ることも多い。

 心療内科=「心の病を相談できる町医者」として、「うつ」「不眠」のみならず「夫婦喧嘩」「認知症」「不登校」「ひきこもり中年」など、あらゆるメンタルトラブル対応が要求される。なかには「産後うつ」として相談に乗っていたら実は「統合失調症」だった……のようなケースも存在し、深刻な症状のケースは精神科閉鎖病棟に搬送するよう対応を迫られることもある。


■評判が良かった院長とクリニック


 今回の大阪の放火事件後、インタビューでは「実直で優しい先生」「私にとってなくてはならない場所」「この病院のおかげで職場復帰できた」などと、多くの患者たちに慕われていた様子が伺われた。

 病院ホームページを確認すると、院長は精神科専門医のみならず産業医資格もあり、「夜間22時まで診療」という「働きながら心の病を治したい患者」にとってはありがい病院だったのだろう。「大阪駅から徒歩8分」のようなアクセスな場所で、患者の自己負担額にも配慮するならば、クリニック立地が雑居ビルの一画にならざるを得なかったと推察される。


■現代の産業医には、心療内科センスが不可欠


 院長が資格を持っていた産業医とは、職場において労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師のことである。50人以上の職場には必須であり、1000人以上の職場では専属産業医を置くことが労働安全衛生法に定められている。


 産業医の資格を得るには、日本医師会の主催する産業医基礎講座を修了することが一般的だが、講義内容は「騒音や振動、粉じん、有機溶媒……」のような、昭和期の工場などを念頭においたような項目が目立つ。

 現代の職業病とも言える労働者のメンタルトラブルや、それを未然に防ぐストレスチェック、病後の職場復帰支援ついては、明確なカリキュラムがない。そのため、医師が独力で情報収集し生涯学習して対応していくしかない。現状、産業医が実施するメンタルヘルス対策は、「従業員に対するメンタル面のアンケート」など最低限のものにとどまっており、さらなる拡充が求められる。


■神田沙也加さんの急死~心の病は他人ごとではない~


 大阪の放火事件の翌日(18日)、さらにショッキングな事件があった。歌手で女優の神田沙也加さんがホテルから転落死し、状況から自殺の可能性が示唆された。紅白歌合戦出場やミュージカル主演など芸能界において順調にキャリアを伸ばしているように思えたが、他人にはうかがい知れない悩みや心の病を抱えていたのだろうか。

 母親で歌手の松田聖子さんは「いまだこの現実を受け止めることができない状態」として、12月19日に開催予定のディナーショーのキャンセルを決定した。彼女のメンタルヘルスも大いに心配である。

 悩みや心の病の度合いは、糖尿病や高血圧のように数値化が困難だ。2020年に自殺した俳優の三浦春馬さんや竹内結子さんのように、周囲が心理的な異変に気付くことができないケースも数多い。

 放火されたクリニックは、多くの産業医が敬遠しがちな職場のメンタルヘルスにきちんと向き合っていた貴重なクリニックだった。今回の事件が「心療内科クリニックは危険だからウチのビルから出ていけ」といったおかしな排斥騒動にならず、むしろ「神田沙也加さんのような存在を出さない」ための砦となるようサポートしていきたい。


筒井 冨美(つつい・ふみ)


フリーランス麻酔科医、医学博士
地方の非医師家庭に生まれ、国立大学を卒業。米国留学、医大講師を経て、2007年より「特定の職場を持たないフリーランス医師」に転身。本業の傍ら、12年から「ドクターX~外科医・大門未知子~」など医療ドラマの制作協力や執筆活動も行う。近著に「フリーランス女医が教える「名医」と「迷医」の見分け方」(宝島社)、「フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方」(光文社新書)


 終わりに


 神経内科を標榜される先生方には必ずといってよいくらいに、精神科もしくは心療内科医と間違われて患者さんに受診されたことがあるはずです。
 私も、平成2年4月にこちらの紀南地区で神経内科を標榜して内科医院を開設して診療を開始しましたが、当時は、毎日・毎日受診される方々は精神科・もしくは心療内科の患者さんばかりで、本来の神経内科の患者さんは受診されませんでした。
 逆に、総合病院では、精神科の医師が神経内科を標榜して診療され、まさに本末転倒のような状況に置かれていました。このため、このままでは干上がってしまうため、他所の精神科・もしくは心療内科に罹っていない患者さんだけは診せてもらっていました。しかし、但し書きとして、医院案内には、当医院が 本来神経内科を標榜しており、精神科・もしくは心療内科が専門ではなく、診療中に「自殺行為」があっても責任はとれないと明記し、それでもよければ診せてもらいます、と診療案内にデカデカと明記した上で、こうした精神科・もしくは心療内科の患者さんを診せてもらっておりました。なぜかと言いますと、うつ病の方々は、快方に向かう頃に、かなりの確率で自殺されるからでした。現在のように、道連れ自殺をされずに、独り寂しく命を絶たれる方々が大半でした。
 自慢ではありませんが、かなり多くの方々に亡くなられ、新聞の死亡欄を見るのが辛かったことが思い出され、このような表示がどうしても必要とされました。
 このように前準備を整えた上で、診せてもらっておりましたが、うつの患者さんらしき方々には、自分の口で辛いことを述べてもらうことを原則としました。殆どの方々は、当医院を精神科・もしくは心療内科が専門と思い込んで受診されるためか、何ら躊躇することなく、思いの丈を吐き出すかのごとく、洗いざらいお話しになられたように思います。
 多くの方々はこれだけで、暫くは落ち着かれ、以後は、こちらの「セロトニン生活」を小出しにして行ってもらい、食事による脳内セロトニンを増やす方法を少しづつ実行してもらい、気が付けば3カ月経過し、復職も可能となっていました。
 ですから、余程のことがない限りは、睡眠導入剤・抗不安薬は使わないことを原則にしていました。なかには、くすりを希望される方々は自然と他所の精神科・もしくは心療内科へと転院され、お互いが納得づくであり、諍いになることもありませんでした。


 このシリーズでも言われる「実直で優しい先生」「私にとってなくてはならない場所」「この病院のおかげで職場復帰できた」などと、多くの患者たちに慕われていた様子が伺われますが、果たしてこうした患者さんによる評価をどのように考えればよいのでしょうか。
 谷本容疑者もこの心療内科に通院していますが、『クスリばっかりがたくさん出されるがあわない』と話していたこともあったということは何を意味していたのでしょうか。
 クリニックの西沢弘太郎院長は、谷本容疑者の自殺念慮の意識を察知できなかったのでしょうか、もし、そうであれば院長の診察は一体何を診ていたのでしょうか。
 こんなことで、精神科医として、患者を大見得を切って診察してよいのでしょうか?
 この程度の精神科医が街中で診察していることを考えれば、市民を危険に曝していることを意味しています。私の友人も、永年ライ療養所の所長をしていたのが精神科医として、80歳を超えても診察しています。日本の医師免許とは一体、何なのでしょうか??
 また、医院を開院する際の保健所の認可は、何を基準として許可しているのでしょうか。 今回の、大阪市北区曽根崎新地の心療内科クリニックの、雑居ビル内での配置・間取りを見ただけで、防災上、致命的であることは分かるはずです。詰め将棋でいえば、一手で詰んでしまう単純な構造になっていました。新聞で掲載された見取り図を一目みれば一目瞭然な程、分かりきった構造になっています。
 そして、今回の事故後、東京消防庁が東京都内でビル一斉検査を行ったように全国各地で実施されているようですが、こんな点検が何になるのでしょうか? 謂わば、責任逃れのためなのでしょうか。
 こうした雑居ビルに公共性の高く、人が密集しやすい事業所が入っていることが問題であるはずです。特に、精神科もしくは心療内科とは、今回のような道連れ自殺願望者が居ることが問題であり、こうした危険な患者さん、そのものを診れない医師に医院を開設させていたということが問われるはずです。そうなれば、医院の開設を決めた保健所の責任、すなわち都道府県の責任になります。

 子供のような無垢の汚れない崇高な思想だけを求めれば済む問題ではなく、こうした幼稚な考えだけでは精神科医療は行うことは到底できません。私達の現実に住む世界は、決してメルヘンチックなものではなく、現実の患者さんのためにある世界ではありません。すべて、製薬メーカーおよび金儲けを企む医者、厚労省の役人に牛耳られた世界であることを忘れてはなりません。

 現実に、如何に多くの方々がベンゾジアゼピン依存症で苦しまれる現実を直視すべきであり、綺麗事だけでは自らの命を絶たれてしまうことを肝に銘ずるべきです。綺麗事・西沢弘太郎院長を礼賛だけしておれば、こうした闇の部分が消去されるといった”論理”は徹底的に排除しなくてはなりません。


 このように”肝心要”が抜け落ちているということです。

 

 現在までで、25名の命が奪われていることから、このような大惨事に至った責任は重大なものであり、今後、責任の所在を明確にすべきで、さもなくば同様の放火・殺人事件が蔓延することにもなりかねません。

 現在のように、西沢院長だけを美化して、谷本容疑者を殺人者にして、今回の事件を終焉させてはなりません。


 皆さんは、どのように思われるでしょうか???