「慢性頭痛治療ガイドライン」って何??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

現在の頭痛診療の歴史

 
 現在の学会を主導される方々は、1980 年代に片頭痛治療薬トリプタン系製剤が開発されて以来、1991 年に、英国において全世界で初めて販売されたことに注目されていました。
 日本にトリプタン製剤が導入される以前の10 年間の間は、神経学雑誌の話題・トピックスは大半がトリプタン製剤で占められていました。
 これほどまでに日本にトリプタン製剤が認可される日が待ち焦がれていました。
 このように、常にトリプタン製剤の動向を念頭におき、1962 年に発表された米国神経学会の頭痛分類特別委員会の分類、さらにその後,1988 年に発表された国際頭痛分類、2003 年に、「国際頭痛学会による診断基準を伴う分類」の改訂分類が発表され、こうした「国際頭痛分類」を基本として、1996 年に、片頭痛の克服をめざす国際的組織ADITUS が設立されたことを契機に、それまでの1973 年の頭痛懇談会、1985 年の頭痛研究会、さらにこれを発展させた形で、同年の1996 年に「日本頭痛学会」を設立されました。
 とくに1988 年に発表された「国際頭痛分類」を遵守されることになりました。この国際分類は、1980 年代はじめにイギリスで合成されたトリプタンを意識的に評価する目的で作成されたもので、とりもなおさず、欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していたものです。
 現在の学会を主導される先生方は、片頭痛研究は日本より、欧米のほうが遙かに進んでいると考えることから、片頭痛の克服をめざす国際的組織ADITUS(トリプタン製薬メーカーのアストラ・ゼネカ社が設立)から、その情報・知識を取り入れました。
 このなかで「ADITUS Japan」の活動は見落としてはなりません。トリプタン製剤販売に照準を合わせ、1999年から、トリプタン製剤のひとつである”ゾーミッグ”の製薬会社アストラ・ゼネカ社が率先して、日本全国の脳神経外科・神経内科を中心とした医師への啓蒙活動というよりは宣伝活動を展開し、トリプタン製剤の導入に向けて着々と準備を進めていました。


「慢性頭痛の診療ガイドライン」


 2000 年にやっと、日本に待ち焦がれたトリプタン製剤を導入すると間もなく、電光石火のごとく「慢性頭痛の診療ガイドライン」が作成されました。


 ”立派な肩書きの先生方でないとガイドラインの「重み」がないため、あまり頭痛に詳しいとは思われない「専門医」が登場してガイドラインの作成にあたりました。これが、後々に多大な影響を及ぼすことに・・

 専門家は、欧米崇拝主義の考えから背後に存在する問題点、日本人の特性などを考慮することなく、海外の文献的”エビデンス”にただ追随しているのが実情です。
 こうしたことから、鳥取大学神経内科グループの先生方、下村登規夫先生、松井孝嘉先生の偉大な業績がありながら、日本の業績よりも欧米の論文を無条件で評価する考え方から、それまでに欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していた「国際頭痛分類第2版」を無条件に踏襲した形で「慢性頭痛の診療ガイドライン」が作成されることになりました。
 この「慢性頭痛の診療ガイドライン」は、欧米のトリプタン製薬メーカーとトリプタン御用学者が作成した「国際頭痛分類」という基準を遵守・踏襲した形で作成されたことから、片頭痛治療の世界はトリプタン製剤がすべて(一色)になってしまいました。片頭痛治療薬の第一選択薬として、トリプタン製剤が据えられ、マスコミでは片頭痛の”特効薬”と誇大宣伝が繰り返されました。
 そして、この「慢性頭痛の診療ガイドライン」はトリプタン製薬会社を介して、日本全国津々浦々の医療機関に広く配布されたほど徹底したものでした。
 このようにして製薬メーカーが中心となって徹底した売り込み戦略が開始されました。 このため、学会をも巻き込んだ形でガイドラインが作成された点を忘れてはならない点です。いわばこの「慢性頭痛診療のガイドライン」はトリプタン製薬会社が作成したかのような印象がありました。


 これが、今後の片頭痛治療・研究の方向性を決定的に左右した時点でした。


「慢性頭痛の診療ガイドライン」作成のもうひとつの目的は・・


 昭和50 年代から、日本ではCTの画像検査が可能となり、脳神経疾患を診療する診療科では必須の検査機器となり、このため脳神経外科領域には必ずCTが設置されるようになりました。このため頭蓋内病変の検査が脳血管撮影を行わなくても手軽に行えるようになり、この当時からベンケーシーの影響も後押しして、頭痛患者さんは、まず脳神経外科を受診される風潮が生まれました。(これは、現在のような「頭痛外来」ができる前です)。
 このようにして患者さんは「頭痛を訴えて」まず、脳神経外科を受診されます。
 しかし、問題の脳神経外科では、型どおり「問診・神経学的検査・CT検査」をされ、異常がなければ、「心配ありません」とただ言われ、鎮痛薬を処方され、追い返されることになります。ここでいう「心配ありません」という意味合いは、「脳神経外科的に診て”心配ありません。手術の必要はありません”」ということであり、ここでは「慢性頭痛」が”病気として”取り扱われないことになってしまいました。このため、たとえ片頭痛であっても一律に”鎮痛薬の処方”でお茶を濁されることになっていました。こうした受難の時代が、「頭痛外来」が設置されるまでの約30 年近く続くことになりました。
 こういった風潮というか名残はいまだに継続しているのが実情です。
 こういった風潮を是正するために日本頭痛学会が主導して、トリプタン製剤が発売になった時点から「片頭痛にはトリプタン製剤という”特効薬”があります」という宣伝が大々的に展開されるようになったわけです。こういったことから、学会で作成された「ガイドライン」は、このような脳神経外科医に対して作成されたものとも言えます。こういったことがガイドライン作成の別の目的になっていました。大半の脳神経外科医は、このガイドラインに従って、片頭痛治療を行われます。
 さらに、脳神経外科の先生方には、メスを捨てたロートル??の脳外科医が、現役バリバリの脳外科医を指導・啓蒙するといった茶番劇まで臆面もなく行ってきました。
 このため、大半の脳神経外科医は「片頭痛治療は、もっぱら”トリプタン製剤”の処方がすべて」といった感覚しか持ち合わせていないのが実情です。
 しかし、神経内科医は、トリプタン製剤出現以前から、エルゴタミン製剤を中心とした薬物療法と同時に「生活習慣の指導(セルフケア)」を謂わば「車の両輪」として行っていました。こういったことから、慢性頭痛の診療には、脳神経外科よりは神経内科医の方が長けていたはずにも関わらず、一般の方は、「頭痛は脳外科」といった流れは現在でも変わらないように思われます。これだけ、同じ「頭痛外来」と銘打っても相違があります。
 こういったことから、片頭痛の場合、大半の脳神経外科関係の「頭痛外来」では、薬物療法がすべてであり、詳細な「生活指導(セルフケア)」がなされることはありません。
 こうしたことから、当時の神経内科の先生方は、脳神経外科で「異常なし、心配なし」と診断されようとも、落ち着いた段階で、改めて「神経内科」を受診し、慢性頭痛(とくに片頭痛)として治療していくことが必要であると、しきりに啓蒙活動を行っておられました。


 実際には、専門家は、「片頭痛は病気です。病気ですから、医療機関を受診して、片頭痛を治療して、治しましょう」と言って片頭痛患者さんに医療機関への受診を勧め、しきりにマスコミを通じて、片頭痛患者さんを病院に誘導してきました。
 そして、「頭痛ダイアリー」を記載させることによって、片頭痛患者さんを拾い上げ、片頭痛発作時に、寝込むことなく「生活の質QOL」を高めて、健康寿命を長くさせましょうと、啓蒙活動を展開してきました。


片頭痛の啓蒙活動


 この時代は、このメーカーがありとあらゆる手段で、片頭痛の啓蒙活動を行っていました。そして2000 年にトリプタン製剤販売されるまでに全国各地で”治験”が行われました。
 このように、2000 年のトリプタン製剤販売に向けて、諸々の団体が片頭痛啓蒙のために活動が行われていたことが理解されると思います。この背景にはトリプタン製薬会社が必ず存在しました。この当時の活動の詳細は「頭痛外来へようこそ」(保健同人社)で述べられており、とくに”患者会の会長とある医師との関係”が詳しく書かれており興味深いため、ご覧下さい。このように、患者団体は、率先してトリプタン製剤の宣伝を行ってきました。
 そして、2005年には、頭痛専門医制度が制定され、頭痛専門医は、日本内科学会,日本小児科学会,日本産科婦人科学会,日本眼科学会,日本耳鼻咽喉科学会,日本脳神経外科学会,日本麻酔科学会,日本救急医学会,日本リハビリテーション医学会および日本精神神経学会.日本神経学会といった各科が入り乱れた集合体で構成されてきました。
 この目的とするところは、慢性頭痛では、片頭痛が最も大切なものであり、これにはトリプタン製剤という特効薬があることから、この存在を認識させるためのものです。


 この頭痛専門医制度が制定された際には、医療ジャーナリストの梅田美津子さんには以下のような批判がブログ上でなされた程です。


―安易なガイドラインこそが危ない―


 平成17 年5 月2 日付日経新聞に「頭痛の悩み専門医が診断」のタイトルで、「慢性頭痛」を正確に診断・治療する専門医を日本頭痛学会が認定するという内容が発表された。
 「慢性頭痛」とは、脳梗塞とか脳血栓のように、深刻な病気ではないのに頭が痛い症状のことで、3 種類に大別されるらしい。ずきずきした激しい痛みを生じる「片頭痛」、肩や首筋のコリを伴う「緊張型頭痛」、決まった時期に起こる「群発型頭痛」で、最も多いのが「片頭痛」と「緊張型頭痛」の混合型だといわれる。実際、日本人の4 割が慢性頭痛で悩んでいるそうだが、緊張型頭痛などはパソコン世代にとっては日常の悩みの種だろう。
 1998 年には「全国慢性頭痛友の会」が発足し、現在700 名の全国会員で構成されている。サイトには、慢性頭痛に悩む方の日記や経験があちこちにあり、その苦悩や、ときにはユーモラスな闘いぶりを知ることができる。
 頭痛に限らず、万人に効く薬はないことから、結局は色々な鎮痛剤を試すことになり、医学は進歩しているといっても慢性頭痛の原因はおろか治療法さえ確立されていないのが現状である。古来から存在するのに治療法がないという点では風邪と同じということだ。
 さて、記事の内容は「頭痛の専門医を頭痛医として認定する」、「慢性頭痛の診療ガイドラインを作成する」ことにより、患者の悩み解消につながるといったもの。科別ではなく、症状別のガイドラインは珍しいことから、多少は「患者中心」のように見えるが、根本的な考え方は間違っているように思える。
 慢性頭痛の解消法は、「自分にあった適切な鎮痛剤を見つけ」、「ストレスや疲労などを避け」、「リラクゼーションを試み」、「頭痛と上手に付き合う」ことに尽きるようだ。さらにそれ以前に、重篤な脳血管疾患(クモ膜下出血)との鑑別を早期に行うことが絶対不可欠である。とすれば、慢性頭痛の対処に必要なのは、専門医ではなくむしろ一般医の役割であるはず、診断してもこれといった治療法がないなら(恐らくは確固とした治療法は生まれない)、ガイドラインを作っても慢性頭痛の解消にはつながらない。慢性頭痛に悩む人は、「診断」後の慢性頭痛からの開放こそを切に期待しつつ、鎮痛剤に依存する精神的ストレスから逃れたいのである。
 厚労省は何かというと「学会」を持ち上げ、「ガイドライン」を作ることで安全なところに身を置くことと引き換えに、疾患の多様性と他の治療の可能性をつぶしてしまう。
 ここからも、今の医療に必要なのは、専門医ではなくむしろ一般医(かかりつけ医やホームドクター)であるはずなのに、医学教育改革をせずにガイドラインばかり作ってお茶を濁しているのだ。
 医学が進歩したというより、診断学のみが進歩し患者の苦しみや訴えは置き去りにされている。仮に、リラクゼーション効果を期待できる「東洋医学」「インド医学」など西洋医学以外の医療とのダイナミックな融合を図ることで、慢性頭痛に代表されるストレスが深く関与した現代病はかなり解決できるように思う。
  しかし現実は、いずれの取り組みからも逃げ、重い腰をあげようとはしない。これではせっかくの症状別ガイドラインも、結局は自己満足の産物で終わってしまうに違いない。


 さらに、船瀬俊介さんには「クスリは飲んではいけない!」(徳間書店)で以下のように指摘されています。
 

 日本では8%の人が片頭痛持ちといわれている。概算で約1000万人が片頭痛持ちということになる。製薬メーカーにすれば気の遠くなるほど嬉しい市場だ。
 それでいて「医学界でも原因は分からない」とは呆れる(あきれる)。
 だから頭痛薬は痛みの原因を治すものではない。痛みの伝達神経をブロック(妨害)して感じなくさせるだけ。しくみはモルヒネ(麻薬)と同じ。
 「長く続けると新たな頭痛の原因になることも」 「特効薬T乱用控えて」(「東京新聞 )
  
 現在、病院での片頭痛治療は、軽度から中度なら消炎鎮痛剤が使われている。
 中度以上では特効薬系薬剤が “奨励”されている。
 勧めているのは、刊行される治療「ガイドライン集」。
 製薬メーカー、医学界・厚労省によって作成されるが、実質はメーカーが作っているようなもの。名を連ねた教授らには、億単位の多額 “寄付金がメーカーから支払われる。
 担当役人には、天下りなど “特典”が準備されている。
 さて、問題の片頭痛薬。頭痛発作が激しいときでも「効果が得られる」という。
 よって、発作の不安から患者を開放する。“特効薬”として医師は処方している。
 ところが…「この薬を使うことで。痛みがすぐに治るために、飲み過ぎにつながりやすく『薬物乱用頭痛』の問題が出てくる。」と「東京新聞」(前出)は警鐘を鳴らす。
 とりわけ「薬を月に10日以上服用する人に起こりやすい」という。
 つまり常用者を苦しめている耐え難い頭痛の原因は、片頭痛特効薬だった…という落ちである。“愛用者” は「まさか…」とキツネにつままれた思いだろう。
 おそらく処方する医師は、“特効薬”が慢性頭痛の原因となる---という重大副作用について一言も教えてくれなかったはず。そうでなければ、常用するバカはいない。
 片頭痛の正体が薬物乱用頭痛だから、薬物 “特効薬”をやめるのが先決。
 そのとき起こる激しい頭痛は、まさにドラッグ中毒の禁断症状そのもの。耐えるしかない。呆れたことに政府は、これら頭痛を抑えるための“予防療法”まで準備している。
 それもまた薬物療法。「頭痛日記」をつけさせ、発作が「起こりそう」と思ったときに、予防薬を飲むことを勧める医師もいる。そこにカルシウム拮抗薬「ロメリジン」が待ちかまえてる。頭痛は無くなるのではなく、発作回数が減る程度。
 そのかわり今度は「ロメリジン」による副作用が現れてくる…というエンドレスの悲喜劇…。以上…、ちょっと耳を疑いますね。
 薬には主作用と副作用,、そして依存性がありますので、ご注意を!


 このようにして、10 年以上も前にトリプタン製剤がいくつかの製薬会社から次々と発売になりました。その都度、販売されるまでに全国各地で”治験”が行われました。この治験に対して、製薬メーカーから多額の謝礼が支払われます。
 当時、週刊誌やテレビなどで、「片頭痛の特効薬」などと頻繁に報道されました。
 トリプタン製剤の販売は、一部の頭痛専門医にとっては、自らの存在をアピールする千載一遇のチャンスと思われた方もいました。また、それまで頭痛の研究など余りしたことのない医師のなかには、これで一気に頭痛専門医と肩を並べられると思われた方もおられました。多くの病院や診療所が繁盛を祈願して「頭痛外来」を始めました。


 その後、現在までに「頭痛外来」が繁盛して、頭痛診療は進んだのでしょうか?


 一部の医療機関では、患者が行列をなして溢れかえっているようですが・・
 (これは、製薬メーカーによって作り上げられた”カリスマ医師”による外来です)、
 大半の頭痛外来は「閑古鳥」が泣き、閉鎖する施設も多いように見受けられます。
 この理由は、「トリプタン製剤」が片頭痛そのものを完全に治してしまうような「特効薬」ではなかったことが患者さんに自覚・学習されるようになったためです。しかし、片頭痛が起こったときに対処する薬剤としては”よいお薬”であることは間違いありません。タイミングよく服用できて、薬の効果が発揮されれば、片頭痛をうまく抑えることができます。
 しかし、片頭痛の治療薬がそれまでなかった訳ではありません。これまでいくつかあった治療薬のなかに、トリプタンという薬が追加されたに過ぎません。
 トリプタン製剤が発売されたときには、多くの医師は一斉にこの薬に飛びつきました。
 しかし、従来の片頭痛治療薬に習熟していない方々には、あたかも未開の地に突然「特効薬」が舞い降りてきたような錯覚を持った人間も多かったようです。しかし、トリプタン製剤一辺倒の考え方では片頭痛診療は不可能であったはずです。「トリプタン製剤」という「特効薬」の出現に気負い込んで「頭痛外来」をはじめた医療機関のなかには、閑古鳥がなき、閉じてしまうところも少なくないようです。


 どうしてなのでしょうか?


 医者の立場からは「トリプタンは効かない」「一度受診した患者が再診しない」「薬が高いので患者が嫌がる」といい、患者の立場からは「トリプタンは高いだけで効かない」「検査ばかりされる」「トリプタンで片頭痛が完全に治るわけではないことがわかった」と言います。また、製薬会社にしては、プロモーシヨンマネーを使ったほどにはトリプタンの売り上げが伸びなかったことに気を揉んでいるようです。


 現実には、トリプタン製剤は患者のわずかに50~60%だけしか効果が見られず、心疾患のある患者や脳梗塞の既往のある患者、末梢血管障害のある患者では使うことができないからです。しかも、それらは根本的な治療薬ではない(片頭痛を根治させる薬剤ではない)ため多くの場合頭痛は24時間以内に再発する傾向があります。このような有効率しかないものです。


 そして、「トリプタンによる薬物乱用頭痛」の問題が浮上しました。


 10 日以上服用するのは「薬物乱用頭痛」だとして、トリプタンの処方をストップされてしまうことが横行するようになりました。「特効薬」という期待が大きかっただけに患者さんの失望も大きく、また、今後片頭痛の薬を服用していくことに対して大きな不安を持たせる結果になりました。


  このように、寺本純先生は、その著書「こうして治す片頭痛薬物乱用頭痛といわれたら」(講談社)で述べておられました。


Headache Master School Japan(HMSJ)


 一般の開業医が片頭痛にトリプタン製剤を処方しないことから、毎年、Headache Master School Japan(HMSJ)を開催することにより、頭痛専門医の量産を図ります。これは、頭痛専門医に、片頭痛にトリプタン製剤を処方させるのが目的です。


 このHeadache Master School Japan(HMSJ)とは、2013 年3 月には、国際頭痛学会主催でHeadache Master School 2013 in Asia が東京で行われ、世界のトップエキスパート14 名(Burstein, harles,Diener, Dodick, Ferrari, Goadsby, Gobel, Guidetti, MacGregor, Purdy, Schoenen、Schoonman, Rapoport, Zagami) が来日し、頭痛医学の最新の進歩を参加者一人一人に伝授されました。
 このような学会を主導される方々が、この世界のトップエキスパートとされる先生方は、いずれもトリプタン御用学者と称される先生方です。
 学会を主導される方々は、これが日本の頭痛診療・教育のあるべき姿を示すものと盲信され、一昨年、学会独自のHeadache Master School Japan(HMSJ)が「日本の頭痛教育プログラム」の中心として継承されることになりました。
 そして一昨年はHeadache Master School Japan(HMSJ)2015 です。これは平成27年年7月26 日東京で開催されました。


 このように欧米の学者の考え方・研究業績を最優先する考え方は、Headache Master School 2013 in Asia から、Headache Master School Japan(HMSJ)へと引き継がれています。  以後、毎年、学会が主催して行われ、「国際頭痛分類第3版β版」が徹底して教え込まれ、一般の開業医が片頭痛にトリプタン製剤を処方しないことから、頭痛専門医の量産を図ります。これは、頭痛専門医に、片頭痛にトリプタン製剤を処方させるのが目的です。


 以上のような経緯です

 
 このように、学会を主導される方々は、日本にトリプタン製剤が導入される直前からトリプタン製薬メーカーと二人三脚で、手を携えあって、頭痛診療および研究、啓蒙活動を推進し、「国際頭痛分類第3版β版」を絶対的な基準とし、ガイドラインまで作成して、片頭痛そのものが永続的に存在する基盤を作り上げ、製薬メーカーとのスクラムは強固であることから、片頭痛はミトコンドリアの機能低下による頭痛と考えられ、病気の原因の90 %が活性酸素とされていようとも、このようには一切考えることがない理由がここに存在します。
 このことは、製薬会社や医者の利益を守るためには、このような姿勢を堅持する必要があります。といいますのは、医師は頭痛研究を行っていく際には製薬メーカーの支援なくしては成り立たないからです。

 
 こうしたことから、学会を主導される方々は、国際頭痛学会が作成した世界的に権威あるものとされる「国際頭痛分類第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とし、片頭痛という辛い頭痛をトリプタン製剤が劇的に緩和されたことから、片頭痛の病態・発生機序(おこり方)はすべて、トリプタン製剤の効き方から説明されてきました。
 世界的に権威あるとされる「国際頭痛分類第3版β版」は、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成したものです。このため、片頭痛はすべてトリプタン製剤との関連からしか考えることはありません。


 こうしたことから、片頭痛はいつまでも原因不明の”不思議で・神秘的な””遺伝的疾患”のままであり続けることになっています。


 このように、現在では、片頭痛は、原因不明の”遺伝的疾患”とされ、一生、お付き合いすべきとされ、高価なトリプタン製剤と予防薬の併用を行う「薬物療法」がすべてとされ、”片頭痛の治療体系”は既に確立されたとして、片頭痛治療は頭痛の緩和・減少させることだけを追い求め、片頭痛の根治させるといった大それた考えはされることはありません。
 このため、日本にトリプタン製剤が導入されてい以来、これまで片頭痛の本態の研究はトリプタン製剤の観点からしか行われてこなかったことから、何の進歩もみられることはありませんでした。
 このようにすることによって、医師にとっては、片頭痛患者さんは一生に渡って高価なトリプタン製剤を処方できる”ドル箱”のような金を生む患者であり続け、製薬メーカーにとっては、片頭痛が不治の病とされることによって、”気の遠くなるほど嬉しい市場”になります。

 このように、利害が一致することで万々歳ということです。このような姿勢は今後とも貫かれていくものと思われます。

 
DR.RATH HEALTH FOUNDATION の「製薬業界は一般大衆を欺いている」


 私達は、このような学会を主導される方々と製薬メーカーのあり方から、日本の頭痛診療の現状を理解するためには、以下のような論説を忘れてはなりません。


 ”製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPR および宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
 製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。
 しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。したがって、製薬業界は人類救済の伝統にもとづいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIG ファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。”

 
 このようにトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者は、国際頭痛学会を支配下におき影響を及ぼし続け、これが日本では学会を主導される方々や「慢性頭痛診療のガイドライン」の末端にまでも影響・コントロールされているということです。


 私達、一般人は、国際頭痛学会の作成した「国際頭痛分類第3版β版」と聞かされれば、信じざるを得ません。
 しかし、ここの欺瞞というか、落とし穴があることを私達は認識しなくてはなりません。
 まさに、専門家は、「国際頭痛分類 第3版β版」を水戸黄門の印籠がごとく振りかざし、平民である無知な私達を問答無用で平身低頭させ、愚弄してきました。


 卑近な例では、毎年、頭痛学会総会が開催されます。


 この総会では、他の学会と異なる点は、シンポジウム、教育講演、ランチョンセミナー、イブニングセミナー、招待講演等々、多数行われますが、これら全てが「トリプタン製薬」の製薬メーカーを中心に、製薬メーカーがスポンサーとなって名を連ねており、まさに奇異な思いにさせられます。
 あたかも、「トリプタン製薬」の製薬メーカー協賛の発表のような印象を感じさせられます。これが、学問を論じる場なのかと疑いたくなります。
 そして全国各地で、頭痛研究会や勉強会が開催されますが、必ずといってよいくらいトリプタン製薬会社がスポンサーになっています。
 当地域では「関西頭痛懇話会」が存在しますが、これも某トリプタン製剤の製薬メーカーがスポンサーになり、年2回、高級ホテルで開催され多額の金額を拠出されています。
 このように製薬メーカーは、学会をはじめ末端の日本全国各地の研究会に至るまで関与し続け、医療従事者をこの製薬業界に依存させてきました。
 そして、多くの研究者はこうしたトリプタン製薬メーカーの恩恵に浴してきました。そして研究者同士の”利権争い”が絶えることはありません。

 
 このため、全世界で、病気の原因の90 %が活性酸素が関与しているとされようとも、これまで片頭痛が後天性ミトコンドリア病であるといった考えがあろうとも、一切、このようには考えることはなく、片頭痛は依然として原因不明の”不思議で・神秘的な病気であり、”遺伝的疾患”であり続け、その本態解明は専門家の間では禁句・タブーであり、片頭痛にはトリプタン製剤が特効薬であり続けなくてはならないことになっています。


 片頭痛は遺伝的な病気の1つですが、多因子遺伝、すなわち体質の遺伝です。
 受け継いだ遺伝子だけでは発症しない、生活習慣、環境の変化などが引き金となって片頭痛が引き起こされています・・
 同じ多因子遺伝である高血圧症や糖尿病と同様に、生活習慣の管理が重要になるのです。 片頭痛も発症を予防し、痛みが起こらなければ治ったことになります。
 片頭痛予防の第一歩は、何が自分の片頭痛の引き金になっているかを知ることです。
 生活習慣で言えば、睡眠不足、あるいは不規則な睡眠時間、食事、ストレスなどが誘因です。さらに、ホルモンバランス、環境因子である天候(気圧、温度、湿度)、光、音などが密接に関係するのです。
 こういったことから、自分の片頭痛を引き起こす誘因を知り、こういった誘因を極力避けることが原則とされ、このことが片頭痛の予防に繋がり、このことで「片頭痛が治った・・片頭痛から卒業できた」とされています。


 このように宣う専門家は「世界的名医」とされ、「脳過敏症候群」という論説が国際頭痛学会で賞賛され、我が国ではカリスマ医師と持て囃されることになっています。

 

 このような馬鹿げた論理が罷り通るのが頭痛医療の世界です。

 

 

 ここでコマーシャルです。


  頭痛が気になったら・・
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12638708200.html