なぜ、現代臨床頭痛学は”迷走”し続けるのでしょうか? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 それを示すものは昨日の記事のなかに示されています。昨日、以下のように述べました。
 日本では頭痛の患者さんをよく「頭痛持ち」と呼び、神経質だとか意志が弱いとか怠けているとか性格の問題のように考える傾向があります。

 しかし、頭痛は国際基準で367種類に分類されていることから分かるように、紛れもなく病気です。だから世界の多くの研究者が原因やメカニズムを研究し、治療法も進歩してきたのです。


 頭痛の発症のメカニズムは、最近の脳の画像診断技術の進歩によってずいぶん分かってきました。


 例えば、片頭痛のときに起こる脳の変化(閃輝暗点)が、PET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、脳の病気が画像として確認され、片頭痛発作中にはかなり激しい脳の変化が起こるが、発作が治まると脳も完全に正常な状態に戻ることもわかり、すなわち、片頭痛は発作性に頭痛が起こるたびに脳に病気が起こが、頭痛のないときには脳は全く正常で、本人もケロッとしているとされています。
 群発頭痛の場合は、目覚まし時計のように決まった時間に起こりやすく、また群発頭痛発作には日内リズムに関係するメラトニンという脳内物質が変化することがわかっています。生体の日内変動をコントロールしているのは脳にある視床下部です。
  その視床下部が群発頭痛の発作時に異常に活性化する事がPET、MRIなどの新しい測定法で発見されました。視床下部は三叉神経や自律神経を支配しているため、三叉神経により内頸動脈が拡張と炎症を起こして激しい痛みを生じたり、さらに、この血管を取り巻いている自律神経が刺激され、頭痛と同側に流涙、結膜充血、鼻閉、鼻汁、ひたいの発汗、まぶたの下垂などの自律神経症状が起こります。最近は、群発頭痛の病名として「三叉神経・自律神経性頭痛」とも呼ばれるようになりました。


 このような事実をもとにして、脳の中に異常のない慢性頭痛は「頭痛持ちの頭痛」とされますが、「頭痛そのものが脳の病気」とされています。すなわち、本来なら、脳の中に異常のない慢性頭痛と定義されているにもかかわらず、「頭痛そのものが脳の病気」といった「脳の病気」であるといった訳の分からない講釈・トンチンカンなことを申されるに至っています。


 頭痛は国際基準で367種類に分類されていることから分かるように、紛れもなく”病気”です。とされますが、果たして、これが真実なのでしょうか? このような単純な考え方そのものに、現代臨床頭痛学の混迷の根源が存在します。
 どのようなことかと言えば、この国際基準で分類される「脳の中に異常のない慢性頭痛」は、あくまでも「国際頭痛分類 第3版β版」で症状の上で、厳密に定義された”頭痛”でしかなく、病気ではありません。「国際頭痛分類 第3版β版」で定義された謂わば”症候群”にも等しいものを「病気」と考えることに、現代の日本の臨床頭痛学の混乱・混迷の根源があります。
 西洋医学でいう「病気」とは、病因を裏付ける病理解剖学的学的所見のあるものを指しています。
 このような所見のないものは、西洋医学では病気とは言えません。
 この点をキチンと理解していませんと、昨日の記事のように、私達はまた騙されることになってしまいます。ですから、今回はもう一度説明しなおすことに致します。


頭痛には、2つの原因があります。


 頭痛を引き起こすものには大きく分けて、2つの原因があります。
 それは、”脳の中に異常のある頭痛”と原因が”脳のなかに異常のない頭痛”です。
 このうち、”脳の中に異常のある頭痛”は10%、原因が”脳のなかに異常のない頭痛”は90%前後と大雑把に、「国際頭痛分類 第3版β版」では示されています。


 ”脳の中に異常のある頭痛”・・二次性頭痛とは

 

 脳の中に異常のある頭痛は、医学用語で「二次性頭痛」と呼ばれています。
 この中には、クモ膜下出血や脳腫瘍や脳出血、慢性硬膜下血腫などの命にかかわる頭痛もあります。
 このように、脳に異常がないかどうか見極めるために頭部CTもしくはMRIの画像検査が行われます。このようにして、命に関わる頭痛を除外しています。
 このような頭痛は、次第に増悪・急激に・もしくは突発的に発症するのが特徴です。


”脳のなかに異常のない頭痛”・・一次性頭痛(慢性頭痛)とは

 

 これに対して、”脳のなかに異常のない頭痛”があります。医学用語では「一次性頭痛」(慢性頭痛)と呼ばれています。
  これらは、「国際頭痛分類 第3版β版」の診断基準では、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛に分類されています。
  これらの慢性頭痛とは、頭痛という自覚症状はありますが、CTやMRIなどの画像検査では異常のないものをさしています。脳のなかには異常はありません。
 このように本来”定義”されています。


 「国際頭痛分類 第3版β版」に記載される頭痛では、これらの慢性頭痛以外の頭痛は、その原因はほとんど明確にされています。
 そして、原因不明であると考えられているのが、現在では、このような脳のなかに異常のない慢性頭痛だけです。ということは、脳のなかには頭痛の原因を説明できる病理解剖学的所見を認めることができないものを指しています。
 すなわち、西洋医学本来の考え方からすれば「病気」とは言えないはずのものです。
 このため、「国際頭痛分類 第3版β版」で症状の上で厳格に定義されています。
 にもかかわらず、「頭痛は国際基準で367種類に分類されていることから分かるように、紛れもなく”病気”です」と述べているように、何の説明もなく、「病気」としています。
 このことが、専門家による私達・素人の騙しの手口です。


 どうして、このような詐欺にも等しいことを専門家はされるのでしょうか?
 このことを、さらに、分かりやすく説明していくことにします。


西洋医学では、ただ「健康」か「病気」だけしかない


 現在日本で行われている医学は、アメリカ流の西洋医学が基本になっています。
 西洋医学では東洋医学での”未病”という領域はなく、ただ「健康」か「病気」だけしかありません。

 ところが、病気とは診断されませんが、健康でもない、謂わば、“半健康・半病気”の状態・半健康・半病気の状態を、東洋医学では病気になる一歩手前だとして、「未病(みびょう)」と言っています。
 絶対的な健康ではなく、私たちの身体のバランスがどこか歪んでいるのです。
 これは「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」を意味しています。
 このような”未病”とされる病態は、本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」へと進展するものと東洋医学では考えられています。
 先程の脳のなかに異常のない頭痛・緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛は、頭部のCT・MRIなどの画像検査では何も異常が見当たらず、これはまさに、典型的な”未病”と考えるべき頭痛です。


 片頭痛という頭痛は、脳のなかに異常がないのが特徴です。
 西洋医学では、一般的には「病気」とは、その病因を裏付ける病理解剖学的所見があるものを指しています。
 こうした「病気」でもない片頭痛を一般の医師に診断させるために、”一つの工夫”が求められました。それは、”症状だけで”片頭痛と診断させることです。


 なぜ、このようなことが必要とされたのでしょうか?


 それは1980年代にトリプタン製剤が開発された時でした。
 一般的に治験で実際の患者さんで、確かに有効であることを証明することが常に科せられています。その当時、トリプタン製剤を実用化するためには臨床治験が必要とされます。
 このため当時のトリプタン製薬メーカーとその御用学者は、トリプタン製剤の臨床治験を行う際に、トリプタン製剤を意識的に評価する目的で”トリプタンが確実に効く片頭痛の患者さんを”症状”の上で決め、治験のための”一定の基準”を作成しました。
 このように、医師に”症状”だけで片頭痛の診断を付けさせて、試験的にトリプタン製剤を服用させるための”一定の基準”が必要とされたわけです。
  この”基準”では、片頭痛の患者であっても、さまざまな条件のためにトリプタンの処方に向かない症状を示す場合には、その患者を片頭痛とは診断できないような基準を作ってしまったのです。例えば、ほぼ毎日のように頭痛が起きる「変容性片頭痛」などは、この基準に従って診断しますと、緊張型頭痛になるように仕組まれています。
 このようにして、トリプタン製剤が片頭痛という頭痛に極めて有効であったとされる臨床治験を終えて、1991年から臨床に応用され、欧米では爆発的に売れるようになりました。

 後に、国際頭痛学会は、トリプタン製薬メーカーとその御用学者がこの当時臨床治験目的で作成した”一定の基準”を基にして「国際頭痛分類 第2版」を作成しました。
 日本にトリプタン製剤が導入されたのが、10年後の2000年です。
 専門家が日本にトリプタン製剤を導入するに当たって、世界で最も権威あるバイブルとしたのが「国際頭痛学会」の作成した、この「国際頭痛分類 第2版」です。
 「国際頭痛分類 第2版」は「国際頭痛学会」が作成したものといえば聞こえはよいのですが、その生い立ちそのものは、今述べたように、トリプタン製薬メーカーとその御用学者がトリプタン製剤の”治験”目的で作成したものです。本来、「病気」でもない片頭痛を診断させる目的で、「国際頭痛分類 第2版」では片頭痛を”症状”の上で厳格に定義することにより、医師に対して、片頭痛を見逃さないように正確に診断させて、トリプタン製剤を処方させる目的で作成されたものです。  このことが最も重要な点です。
 そして、日本では、その後継の「国際頭痛分類 第3版β版」を現在では、頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”とまで定められるまでに至っています。
 これが、現在の日本の頭痛の専門家が使っている「国際頭痛分類 第3版β版」の生い立ちです。
 冒頭で述べました国際基準とは、この「国際頭痛分類 第3版β版」のことを指しています。
 ここで忘れてはならない点は、片頭痛とはあくまでも”症状”だけで定義された「概念」であったはずのものです。ということは「病気」でも何でもなかったはずのものです。
 ところが、皆さんは、片頭痛というのが「病気」だと思っておられる方々が大半だろうと思いますが、冒頭で述べたように、いつの間にか”手品のように”「病気」とすり替えられただけのことです。
 「病気」とは、その病因を裏付ける病理解剖学的所見のあるものを指しています。
 しかし、慢性頭痛、とくに片頭痛では、CTやMRIの画像検査では異常がありません。
 従来より、トリプタン製剤が頭痛が起きる仕組みの根幹部分に作用しているとして、トリプタン製剤が片頭痛の”特効薬”とされて、これさえ服用しておれば、片頭痛は治ってしまうし、うつ状態・パニック障害・冷え性までも改善され、将来的に性格異常や脳梗塞までが予防できるとされてきました。
  このように、トリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とまで祭りあげられていました。
 それを如実に示すものは、「片頭痛は病気です。病気ですから、医療機関を受診して、片頭痛を治療して、治しましょう」と言って片頭痛患者さんに医療機関への受診を勧め、生活の質QOLを高めて、健康寿命を長くさせましようと、しきりにマスコミを通じて、片頭痛患者さんを病院に誘導し、さらに患者団体まで巻き込んで「なお、トリプタン製剤の恩恵に浴していない片頭痛患者さんが多くいる」といって啓蒙活動を進めてきました。
 ところが”片頭痛治療”と言ってしたことは、片頭痛発作時に適切にトリプタン製剤を服用させることだけでした。
 本来なら、片頭痛は”病気”ではなく、”症状・症候群”に過ぎないものが、このようにして知らぬ間に、「病気」として扱われるように至りました。
 病理解剖学的所見のない片頭痛は東洋医学での”未病”の段階にあるものです。西洋医学では、「健康」と「病気」の中間の”未病”がありません。このように、定義違反を犯すことになります。なおかつ、「病気」のほとんど全てが”原因不明”とされています。
 ですから、このように啓蒙活動を行いながらも、片頭痛は原因不明の不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”とされ、片頭痛の”引き金”となるものを取り除きながら、一生にわたってトリプタン製剤のお世話になりながら、お付き合いしましようとされてきました。


片頭痛は原因不明の不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”


 以上のように、「臨床頭痛学」とは、二次性頭痛といった人間の生死に係わる頭痛から、慢性頭痛という私達の肉体に起こる”数々の神秘的な”自然現象という「脳のなかに異常のない」”最も不可解な頭痛”に取り組んでいます。
  とくに、慢性頭痛のなかの片頭痛では、低気圧に左右され、遙かかなたの遠方に発生した台風の影響すら受けるものがあったり、さらに閃輝暗点とか、物が大きくみえたり、極端に小さく見えたりと奇妙な眼の症状を訴えるため、神憑り的な、まさに神秘的な症状を呈し、神秘的な自然現象とされています。
 これらは、生まれつきのものであり、このことから、片頭痛は、原因不明の”不思議な・神秘的・神聖な”遺伝的疾患とされ、不浄な凡人が如きが近寄ってはならず、その本態の解明などは、以ての外・”論外”とされてきました。
 このように片頭痛は”不治の病”であり、一生お付き合いすべきもので、治すことなど夢のまた夢とされ、私達は、これに甘んじなければならないとされてきました。


トリプタンによる薬剤乱用頭痛


 先述のようにトリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とされながら、困ったことがありました。

 それは、1980年代はじめに、片頭痛の治療領域にトリプタン製剤が開発され、1990年に実際に販売されて間もなくの1990年代の半ばには、既に、頻回の服用によりトリプタンによる薬剤乱用頭痛に陥りやすく、その状態は頭痛の程度が一層強いこと、そして従来の予防薬では効果が得られないことが分かり、欧米では大問題となっていました。
 このような事実は、2000年に、日本にトリプタン製剤が導入される以前から、欧米では既に明らかにされていました。
 その理由は、トリプタン製剤は、大半は有効時間が短いため、片頭痛発作の持続時間が長いと、1回の服用で頭痛を抑制できずに、服用回数が増えざるを得ないという宿命にある薬剤だからで、市販の鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン製剤より以上に ”薬剤乱用頭痛を引き起こしやすい薬剤”とされています。
 さらに、多くの片頭痛では、緊張型頭痛に重なった形にあるため、トリプタン製剤では、上層にある片頭痛は改善されても、下層にある緊張型頭痛の軽い頭痛までは完全に無くすことはできません。このため、ひたすら”完全に”痛みをとろうと考えることから、服用回数が増えてくることになり、このため薬剤乱用頭痛を作ることになりました。
 一方、トリプタン製剤は患者のわずかに50~60%だけしか効果が見られません。
 それは、心疾患のある患者や脳梗塞の既往のある患者、重症の高血圧、末梢血管障害のある患者では使うことができないからです。
 しかも、それらは根本的な治療薬ではない(片頭痛を根治させる薬剤ではない)ため多くの場合頭痛は24時間以内に再発する傾向があります。
 このような有効率しかないものです。このような事実を覆い隠して、トリプタン製剤を片頭痛の”特効薬”と誇大宣伝を大々的に繰り返してきました。
 こうしたことを背景に、「トリプタンによる薬剤乱用頭痛」、慢性片頭痛が増加の一歩を辿っており、都市部では片頭痛患者3人に1人は、このような慢性片頭痛とされています。
 トリプタン製剤導入以前には、60 歳を過ぎれば、自然に片頭痛発作は消失してくるとされながら、60 歳を過ぎても依然として、同様の発作回数を示し、消失してくることはありません。このように「健康寿命」を短縮させる結果に至っています。
 私達は、このことから、トリプタン製剤が、片頭痛にあれ程までに絶大な鎮痛効果を示し、片頭痛の”特効薬”とまでされながら、片頭痛そのものを治すことができなかったという落胆・絶望しかありませんでした。


 それでは私達は、なぜ、このような脳のなかに異常のない慢性頭痛を根本的に治すことができず、鎮痛薬・トリプタン製剤による対症療法しか受けられないのでしょうか?


 このことは、現在、私達が享受する「西洋医学」に原因があります。
 このことを、まず、知っておかなくてはなりません。


西洋医学の本質・・アメリカ流西洋医学の源流


 西洋医学のスタート、それは「資本主義」のスタートと ほとんど同じで、西洋医学は「資本家がお金を儲ける為に作られた」ものです。
 今世界で主流となっている西洋医学のスタート、これは 20 世紀初頭のアメリカです。
 お金持ちにとって労働者は「部品」でしかなかったのです。
 しかし、過酷な労働のせいで労働者が身体を壊してしまう事が最も問題になりました。
 労働者をできる限り安く、最大限に働かせるために、如何に素早く、壊れた労働者というパーツを素早く 労働力として復活させるのか、をポイントにして、そんなお金持ち達の希望を叶える為に発達した技術、それが日本中の医師が大学で学ぶ医学、つまり 『現代西洋医学』なのです。

 ですから、治すなんてまどろっこしい事には興味がありません 。
 西洋医学は労働者を限界まで働かせる為にスタートしたのですが、当時のお金持ちは、『病気を治す振りをすればずっとお金が入ってくる』という事に気付きました。
  病気の原因は取り除かず痛みだけを取れば、その場では 治ったように感じても、また痛くなり戻ってきます。 麻薬と一緒です。
 使ったその瞬間は気持ちが良くても、長期的には どんどん身体が壊れていきます。
  問題が増えれば増えるほど出せる薬が増え、 もっともっとお金が入ってくるのですから。
 労働者を働かせる為に利用した手法が『医療』の名の下に 合法的な麻薬として成立してしまいました。
  結果、大きな利益を生み出す『現代西洋医学』は 優先的に研究費が回り、国から優遇され、世界の医学の中心となりました。
 例え一時的だったとしても、痛みを取ってくれるのですから、多くの人が「現代西洋医学」を求め、認めてしまったのです。
 『今、この瞬間、すぐに痛みをとってほしい』その欲求を満たして欲しい人達とそれを満たせばお金が物凄く儲かる人達、それが組み合わさってしまった結果が”金儲け主義医療”です。
 このように、西洋医学は病気を治す為に存在していません。西洋医学には、歴史的にみても、そもそも治す気がまったくありません。
 この時代のアメリカの西洋医学は、ロバート・メンデルソンの著書「こうして医者は嘘をつく」で克明に記載されていたことです。一度はご覧になるべき書籍です。
 これが、西洋医学の根本的な・基本的な考え方であることを忘れてはなりません。
 このような背景を基に、トリプタン製薬メーカーおよびその御用学者によって片頭痛の世界にトリプタン製剤が、導入されたわけです。


「製薬業界は一般大衆を欺いている」


 さらに、DR.RATH がHEALTH FOUNDATION の「製薬業界は一般大衆を欺いている」で、以下のように指摘されていることを思い起こす必要があります。


 ”製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。
 全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPRおよび宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
 製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。
 しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。
 したがって、製薬業界は人類救済の伝統に基づいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIGファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。”

 

 このような時代的な背景をもとに、トリプタン製薬メーカーはその御用学者をコントロールし、国際頭痛学会を支配下に置くことに至りました。
 すなわち、国際頭痛学会は「国際頭痛分類」を作成し、全世界にこれを普及させることによって、片頭痛にはトリプタン製剤で対処させる基盤を作ったということです。
 このような考え方に基づいて、トリプタン製剤が片頭痛治療の世界に導入され、寝込む程の辛い頭痛が緩和されたことから、片頭痛は「病気」と考えられるようになりました。
(本来なら、片頭痛は”症状・症候群”に過ぎなかったものです)
 トリプタン製剤は、片頭痛を持つ”多くの”(すべてではありません)患者さんに対して、非常に効果があります。すなわち、片頭痛の発作期間の3日間の寝込む程の辛い頭痛が劇的に緩和させることができるようになりました。
 このため、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成して、慢性頭痛、とくに片頭痛の診断基準を作成し、片頭痛を厳格に定義することにより、医師に片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断させ、トリプタン製剤を処方させるようにしました。
 このようにして、片頭痛は「病気」として確固たる地位を占めることになりました。
 これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。誤解してはなりません。
  本来、片頭痛は”病気”ではなく、単なる”症状・症候群”に過ぎなかったものです。
  しかし、そもそも片頭痛を治す気がまったくなく、『今、この瞬間、すぐに痛みをとってほしい』その欲求を満たして欲しい人達とそれを満たせばお金が物凄く儲かる人達、それが組み合わさってしまった結果が”金儲け主義”の片頭痛医療となってしまったのです。
 寝込んで、仕事を休むことなく、労働力が確保できるようになり、経済的損失は少なくなり、さらに片頭痛を根本的に治さないために、お金が物凄く儲かる人達にとっては申し分のないことになっています。


 このように、片頭痛が「病気」とされようとも、西洋医学は「病気」を治しません。


 一般的には、西洋医学では、薬物療法で治療可能なものが、所謂「病気」として扱われており、そのほとんどは対症療法に過ぎないものだからです。
 このように、西洋医学の薬の多くは対症療法であり、病気を根本的に治しません。
 また対症療法は、自然治癒力を奪うことにも繋がります。
 このように、本来の「国際頭痛分類 第3版β版」の目的とするところは、片頭痛を明確・厳格に定義することによって、間違いなく、片頭痛という”症状”に対してトリプタン製剤を処方させるためのものです。これだけの価値しかないものです。
 いま日本の医師の大多数は、「この症状ならこのような診断で、この薬を出す」というものがパターン化され組み込まれています。まさしく典型的な対症療法です。
 このようにして、片頭痛と診断されれば、トリプタン製剤が処方されることになります。
 片頭痛の原因を取り除かず痛みだけを取れば、その場では 治ったように感じても、また痛くなり戻ってきます。麻薬と一緒です。
 トリプタン製剤を服用した瞬間は気持ちが良くても、長期的には どんどん身体が壊れていきます。すなわち、発作頻度・回数が次第に増えてきます。
  回数が増えれば増えるほど出せる薬が増え、もっともっとお金が入ってきます。すなわち、予防薬が次々と追加されてくることになります。結果、薬漬けになってしまいます。
 このようにして、製薬メーカーが儲かるしくみになっています。
 労働者を働かせる為に利用した手法が『医療』の名の下に トリプタン製剤は合法的な麻薬として成立してしまいました。
  結果、大きな利益を生み出す『現代・臨床頭痛学』は 優先的に研究費が回り、国から優遇され、世界の医学の中心となりました。
 現実に、「国際頭痛分類 第3版β版」は全世界の頭痛を担当する医療関係者の”共通の言語”とされ、日本では、この「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準「”教義・教典”」とされるまでになっています。
  例え一時的だったとしても、トリプタン製剤が辛い頭痛を取ってくれるのですから、多くの人が現代の「現代・臨床頭痛学」を、認めてしまったのです。
 そして、片頭痛の診断基準に合致しない緊張型頭痛は、まさに取るに足らない頭痛とされて、歯牙にも掛けられず、患者さんは仕方なく市販の鎮痛薬を服用せざるを得ません。
 このような対処をすれば、いずれ片頭痛へと移行することに至ります。このようにして、片頭痛患者が醸成・熟成され、”無尽蔵に”製薬メーカーに供給されることになります。
 このようにして、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成し、全世界にこれを普及させることによって、慢性頭痛を治すことなく片頭痛を作り出すことにより”存続”させる基盤を作ったということです。
 西洋医学は治療が主体で、病気の予防には目が向けられていません。
 治療内容も一部の療法を除いて、ほとんどが症状を緩和する対症療法で、原因を解決する治療法ではありません。
 現在の臨床頭痛学では、片頭痛は原因不明の不思議で神秘的な”遺伝的疾患”とされていることから、病気”片頭痛”を予防することなどは、考えもつかないことになります。

 戦前の日本では、ドイツ医学の系統が主流でしたが、戦後から現在まで、日本の医師が学ぶのは、ほとんどアメリカ医学の知識です。
 アメリカは手術、放射線、化学療法、合成化学薬品全てにおいて、現代的な医学が最も進んだ国でもあります。
  こういったことから、日本の頭痛診療の場面でも、アメリカ流の西洋医学である「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準”教義・教典”とされるまでになっています。


 こういったことから、残念ながら、片頭痛発作時に、毎回、トリプタン製剤を服用しようとも、片頭痛が治ってしまうことはありません。


 以上のように、専門家は片頭痛という辛い頭痛という痛みと取り除くことしか念頭にはありません。ですから根本的に治すことなど、全く考えてはいません。
 そして、慢性片頭痛という悲惨な頭痛地獄に陥ろうとも我関せずです。

 先程述べましたように、片頭痛という概念は、トリプタン製剤が開発された段階で、”症状”の上で厳格に定義された”存在”であることを忘れてはなりません。
 このようにして、頭痛領域においても、西洋医学はこの片頭痛という「症状」を「病気」と勘違いする重大ミスを犯してしまいました。

 本来、片頭痛は東洋医学では、”未病”の領域にあるもので「病気」ではありません。
 すなわち、医師は「国際頭痛分類 第3版β版」に基づいて診断した「片頭痛」という”症状”に対して、トリプタン製剤を一律に処方します。
 治癒反応である「片頭痛」をこうした薬剤で「ホメオスターシス(自然治癒力)」を一方的に抑え込むことによって、治癒反応が停止・固定され、その結果、「片頭痛」という症状は慢性化し、悪化してきます。これが、片頭痛が慢性化する最大の原因になっています。
  つまり、「片頭痛という頭痛」は「慢性頭痛」の治癒反応に過ぎません。
 つまり、様々な「片頭痛という症状」は「慢性頭痛」が治ろうとしている「現れ」なのです。「慢性頭痛」が治ろうとする「ホメオスターシス(自然治癒力)」である「命の振り子」を逆向きに押し返すことになります。こういったことから”逆”症療法とも呼ばれます。このようにして、対症療法は、自然治癒力を奪うことにも繋がります。


 以上のように、西洋医学では、現代医学はもとより、とくに現代頭痛学では、「未病」とか「自然治癒力」といった概念がまったく存在しないため、脳のなかに異常のない慢性頭痛が位置している”未病”の領域が「ブラックボックス」となっています。
 まさに、”未病”の領域は暗黒の世界(まさに、宙ぶらりの、皆目見当もつかない領域)になっています。このため、現代医学では慢性疾患のほとんどは原因不明とされています。

 従来から、現実に片頭痛は、片頭痛という「病気(疾患単位)」なのか疑問に思われる存在で(換言すれば”幻”のようなもので)、このため、原因不明の不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”とせざるを得なかったということです。
 ということは、片頭痛は、従来の「疾患単位・病気」でもなく(病因を裏付ける病理解剖学的所見もなく)、「自然治癒力」といった概念そのものもなく、あくまでも「国際頭痛分類 第3版β版」で厳格に”症状”だけで定義された、謂わば「砂上の楼閣」のような存在でしかありません。

 こうしたことから、「国際頭痛分類 第3版β版」で、個々の慢性頭痛を”症状”の上で、厳密に”定義”して区別・分類するしかないということです。
 このように、片頭痛は”疾患単位”ではなく、あくまでも”症状”に過ぎないものです。
 このような”未病”の段階(自然治癒力の低下した状態)に、トリプタン製剤といった強力な鎮痛薬を発作時に毎回、服用し続けることは、”さらに”自然治癒力を低下させるだけのことであり、ひたすら慢性片頭痛への道を歩ませているということです。


 結局のところ、冒頭でも述べましたように、専門家が「頭痛は国際基準で367種類に分類されていることから分かるように、紛れもなく病気です」と考えることに、現代臨床頭痛学の悲劇というか、混乱・混迷の根源があります。
 専門家は、こうした国際基準すなわち「国際頭痛分類 第3版β版」は、国際頭痛学会という世界で最も権威ある学会が作成したものであると、あたかも「水戸黄門の印籠」のごとく振りかざして、無知な一般患者を無理矢理平身低頭させてきましたが、これまで述べてきましたように、その生い立ちを紐解けば、トリプタン製薬メーカーおよびその御用学者が作成したものです。

 さらなる悲劇は、この「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準「”教義・教典”」とされるまでになっています。
  そして、このように頭痛研究の絶対的な基準と定めてしまったことによって、片頭痛の病態もトリプタン製剤の作用機序の面から説明できなくなったことから、諸々の疑問点が浮上することにより、現在では、片頭痛は、「頭痛そのものが脳の病気」といった「脳の病気」であるとまでされるに至ったということです。


 このような単純な理由から、片頭痛の本態解明には至ることがないということです。