第18回 第10章 自然治癒力を高めるために その2 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

その3 腸内環境を整える

便秘は腸内環境が悪くなっているサイン

 便秘とは一般的に、「3日以上便通がない」、「便がかたい・量が少ない」、「うまく排便できない・残便感がある」などの状態のことを言います。便は、からだの毒物を排出する機能として重要で、口から入った毒物の約7割は、便として排泄されます。便秘はおもに、自律神経や腸内細菌のバランスの異常、偏った食事、ストレス、我慢のしすぎ、妊娠などによっておこります。
 便秘は軽く考えられがちですが、腸内環境が悪くなっているというサイン。 便の状態は、腸および腸内細菌の状態を反映する、とてもわかりやすい健康の指標です。慢性的に便秘が続く場合は、すぐにでも生活習慣をあらためる必要があります。
 便秘によっておこる病気には、おなかのはりや痔以外にも、有害物質の発生・毒素の再吸収による肝障害、頭痛、肩こり、疲れ、ニキビ・肌荒れ、冷え、むくみなどがあります。さらに、腸や腸内細菌の状態の悪化は、自律神経系、免疫系に悪い影響をおよぼし、アレルギー性疾患やがんなど、あらゆる病気の原因になります。
 便秘には、腸が動かないタイプの、高齢者に多い「弛緩性便秘」と、若い人から中年女性に多く、腸が動きすぎて腹痛やコロコロ便、下痢になるタイプの「けいれん性便秘」の2種類があります。いずれも交感神経の緊張が原因であり、副交感神経が働かない場合が「弛緩性便秘」、反動で副交感神経が働きすぎた状態が「けいれん性便秘」を引きおこすということになります。
 対策はどちらも同じ。交感神経の緊張状態を緩和することです。規則正しい生活を心がけ、よく水分をとり、軽い運動をすることで、リラックスできるようにしましよう。また、腸内環境をととのえる食事をとることが大切です。食物繊維、発酵食品、乳酸菌をたっぷりとり、よく噛みましょう。食物繊維のとりすぎで、かえって便が詰まってしまうタイプの便秘もありますが、この場合には、オリーブ油かオメガ-3系の油をとると効果的です。
 気をつけたいのは、安易に下剤を使用すること。下剤による排便は、くり返し使用することにより習慣化します。下剤は、5日以上排便がないときなどに限定して使用しましょう。かちかちに詰まってしまった便秘に対しては、浣腸がもっとも効きます。でも、下剤以上に習慣性があり、くり返すと浣腸しないと排便しない状態になります。下剤や浣腸に頼らず、食事や生活の改善により、排便力を高めることが大切です。

自律神経の働きが狂う

 先述のように自律神経が関係している場合が多いのです。便秘、頭痛ともに、大きく関係しているのが自律神経です。
 自律神経は呼吸、体温調節や血液の循環、消化吸収など生命を維持するのに重要な機能を司っています。ところが、便秘が慢性化して腸内環境が悪化すると、自律神経のバランスが乱れるのです。自律神経は、血管の収縮や拡張などもコントロールしていますので、便秘によって自律神経が乱れたとき、血管の収縮・拡張のバランスも崩れてしまいます。
 それにより片頭痛が引き起こされるという見方もあります。
 悩む人が多い慢性便秘ですが、体内に老廃物を長期間留めている状態は宿便が溜まっている状態のことを指し、頭痛をはじめとする様々な症状を引き起こしてしまうのです。
 また、運動不足やセロトニン不足で腸の蠕動運動がにぶくなって便秘になりやすくもなります。このセロトニンが不足するとイライラしたり、キレやすくなったりします。すぐ怒るようになったという人も含まれます。
 セロトニンを増やすには睡眠をしっかりとると増え、運動であれば、リズム運動でも増やすことができるといいます。
 ちなみにリズム運動とは、一定のリズムで筋肉を緊張させたり、緩めたりを繰り返す運動のことですが、一定のリズムとは、同じ速度で歩く、走る、泳ぐ、踊る、こぐ、階段の上り下りなどをすることをいいます。
 でも、運動する時間がないとか、運動はイヤという人や運動していてもセロトニンが不足する、といった人などは、合わせて食事で補なうと良いです。
 便秘を改善するためには適度な運動や食生活を心がけ、自律神経のバランスを整えることが大切です。
 下剤で一時的に排便できても、便秘を根本的に改善しないことには自律神経の乱れも治らず、頭痛の改善にはつながりません。
 下剤にばかり頼っていると、下剤の副作用である大腸メラノーシスになる可能性があり、大腸メラノーシスとは大腸の中が真黒くなることで、大腸の機能が低下するとともに大腸ガン発症のリスクを高める症状です。
  その場しのぎの方法では完治させることができないということです。
  なので日頃から、腸内環境を整えるようにするために、何を取り入れ、何を止めるのかをしっかり把握し、便秘も頭痛も根本治療しましょう。

腸内環境の悪化の原因は・・

 腸内環境はいろいろな原因で変化しますが、なかでも食生活は大きな影響を及ぼします。欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。食物繊維が不足した「不健全な食事」では、腸内細菌のよい働きを引き出すことはできません。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。

 こうした食事やライフスタイルの間違いが、腸内細菌のバランスを崩し、人体にマイナスの働きを引き出すことになってしまいます。人間と共存・共生している細菌のトータル的な働きを、よい方向に向けられるかどうかは、人間サイドの姿勢によって決まるのです。
 特に食事のよし悪しは、腸の健康にとって決定的ともいえる重要性をもっています。高タンパク・高脂肪の肉や牛乳などを減らし、野菜料理に漬物や納豆などの発酵食品を加えた伝統的な日本食にすれば、“腸内フローラ”の崩れたバランスは回復し、健康を取り戻すことができるようになります。「食物繊維」の豊富な食事によって、腸内細菌をよい状態に維持することができるのです。欧米型の食事をやめて、野菜や発酵食品を中心とした伝統的な日本食にすることが、腸内細菌をよい状態に保つ強力な方法となります。腸の健康のためには、真っ先に「食事改善」に取り組まなければなりません。

日本人の健康を守ってきた発酵食品

 日本は、世界でも有数の発酵食文化を持ちます。毎日の食生活のなかで、みそ、しょうゆ、酢、みりん、ぬか漬け、納豆、けずり節、麹など、さまざまな発酵食品が使われています。こうした発酵食品が、昔から日本人の健康を支えてきました。
 発酵食品は、微生物の働きで食品を発酵させることにより、栄養価や保存性が高まるなど、人にとって有用な食べものに変化した食品のことです。発酵を行う微生物には、一般に善玉菌と言われる麹菌、酵母、乳酸菌(ビフィズス菌を含む)、酢酸菌、納豆菌などがあります。発酵食品には、以下のような、健康にいいさまざまな効果があります。

●腸内環境をととのえる(整腸作用、便秘解消、腸内細菌の安定、免疫カアップなど)
●抗酸化作用がある
●デトックス作用がある
●うま味、甘みなど、風味がよくなる
●ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養価が高くなる
●食品の保存性が増す


 発酵食品は、できるだけ天然素材(自然農や有機農でつくられた食材で、添加物を使用しない)、天然醸造(伝統的な製法)でつくられたものを選びましょう。もし可能なら、自分でつくってみるといいでしょう。
 みそ、しょうゆ、みりん、酢、麹などは自作される方もいます。つくり方を覚えれば、じつはそれほど難しくないのです。ほかにも、野菜や果物でつくった酵素ジュース、天然酵母をとって活用したパンづくりなど、いろいろな自家製の発酵食品を楽しんでおられるようです。
 ヨーグルトやチーズも代表的な発酵食品ですが、動物性食品であるため、とりすぎには注意が必要。その点、豆乳ヨーグルトはおすすめです。
 乳酸菌とひと言で言っても、何百もの種類があります。腸内細菌は、できるだけ多くの種類が共存していることが望ましいので、多くの種類の発酵食品を積極的に食べましょう。

腸内環境を整える食物繊維

 食物繊維とは、炭水化物の一種で、人の消化酵素では分解されない食物の成分です。発酵食品とともに、おもに腸内環境を整えるための重要な役割を果たしています。
 食物繊維には水溶性と不溶性があり、どちらも大切です。以下のように、とても多くの健康にいい働きがあります。

●整腸作用がある(腸内有用菌群を増やす)
●便秘を解消する(便をやわらかくする、容量を増やす、排泄を促進する)
●大腸がん、直腸がんを予防する
●血糖値が安定する(糖の吸収をコントロールする)
●コレステロールの吸収を抑制する(胆汁酸を排出する)
●ミネラルの吸収を促進する
●満腹感を維持する
●よく噛む必要がある(唾液の分泌が増え、消化・吸収を促進する)
●解毒作用がある(農薬、発がん性物質、放射能などの毒物を吸着する)
●消化管の免疫が増強される
●活性酸素が減少する(活性酸素は病気の85~90%に関与している)


 ちなみに、食物繊維の摂取は、成人女性で1日17g以上、男性で19g以上が目標量ですが、現代人のほとんどは摂取量が足りていません。足りない最大の理由は、主食が玄米から白米にかわったためです。また、やわらかくて□あたりのいい食べものが増えたことも理由のひとつです。
食物繊維を意識してとるようにしましょう。

〈食物繊維の多い食べものの例〉

 穀物(玄米、玄麦、ひえ、あわ)、豆(大豆、とくに納豆)、根菜(ごぼう、にんじん、大根、こんにやく)、いも類(さつまいも、里いも)、海藻(ひじき、わかめ、ふのり)、その他(きのこ類、ごま、たけのこ、おから、オクラ、かぼちや、とうもろこし、ブロッコリー、ブルーベリー)など

腸内環境を整えるためには

1)肉の多い食事をやめる
 

 腸内の悪玉菌の大好物は、肉などたんぱく質や脂肪を多く含む食品です。
 ハンバーガーなどのファーストフードは悪玉菌が好む典型的な食事といえるでしょう。
 悪玉菌はたんぱく質やアミノ酸を分解し、悪臭のする有害物質を作り出します。便秘や下痢、肌荒れ、腸炎はもちろん、これらの物質が体中に運ばれ、動脈硬化、高血圧などの病気の原因にもなります。
 肉類は悪玉菌の格好のエサです。この点を忘れてはなりません。肉食の多い欧米人の片頭痛は日本人に比べ、強度なことは、ここに原因があります。
 肉の食べ過ぎでニトロソアミンと二次胆汁酸がそろうと、大腸がんのリスクが跳ね上がります。

2)食物繊維や発酵食品を摂取する 

 食物繊維は、便の元となり腸を刺激して便通につながる「不溶性食物繊維」と、腸内で水に溶けて有害物質を吸着し体外へ排出する「水溶性食物繊維」に分けられます。

 不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとることで、お腹の中をよりキレイにすることができます。
 水溶性食物繊維を多く含む食べ物には、りんご、バナナなどの果物類、しいたけ、えのきだけなどのきのこ類、わかめ、こんぶなどの海藻類があります。
 不溶性食物繊維を多く含む食べ物には、大豆、いんげん豆などの豆類、ブロッコリー、ごぼうなどの野菜類、さつまいも、さといもなどのいも類があります。この二つをバランスよく摂取しましょう。
  善玉菌を増やすにはヨーグルト、漬物、納豆、チーズなど発酵食品を食べることです。

 3)適度な運動をする
 

 運動不足になると、腹筋が弱まり、腸の蠕動運動が弱まって便秘になりやすくなります。運動をすれば腸が揺れて動きが活発になりますが、強すぎる運動は交感神経を興奮させます。交感神経が興奮すると腸は動かなくなりますので、むしろ軽い運動がいいのです。
 過度な運動は逆効果です。軽い腹筋運動や、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。
 
4)ストレスをため込まない
 

 ストレスがたまると、自律神経のバランスが乱れ、腸の運動が悪くなって便秘が起こりやすくなります。
 健康な腸内細菌を持つ個体は、不安や心配などのストレスが少ないのが普通です。
 腸の健康を保つためには、副交感神経が優位となる「リラックスして過ごす時間」をバランスよく確保することが必要になります。
 自分に合ったリラクゼーション方法を見つけて、腸内環境を良くしましょう。
 
5)腸内環境を整える「善玉菌」のヒミツ
 

 女性の大半がかかえているのは便秘の悩みです。便秘になると、腸内に悪玉菌が増殖します。悪玉菌が増えることでさらに便秘は悪化し、負のスパイラルに陥ってしまいます。 そこで、腸内環境を整えてくれる『善玉菌』に注目しましょう! 腸内をクリーンにしたら、次のステップとしては善玉菌を増やすことが重要なのです。ここでは、善玉菌を増やしてくれる食べ物をご紹介します。
 
・その1:『生きた乳酸菌』を含むヨーグルト
 

 乳酸菌は悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。乳酸菌は体内に存在していますが、加齢とともに減少してしまいます。しかも、ストレスの多い現代人は、乳酸菌の減量スピードも速いのだとか。そのために、乳酸菌を含む乳製品を外部から摂取する必要があるのです。ヨーグルトを朝食べることで腸が1日中活発になります!
 乳酸菌と言えば、一番に思い浮かぶのがヨーグルトです。でも、先程述べたように”ヨーグルトなら全てOK”というわけではありません。乳酸菌は胃酸などによって死滅しがちなので、しっかりと生きて腸に届くものをチョイスする必要があるのです。

・その2:『植物性乳酸菌』を含む発酵食品

  善玉菌の増殖をサポートしてくれる、発酵食品。いま流行りの発酵食品ですが、たとえばキムチや漬物、味噌、コウジなどが挙げられます。
 おなじみキムチなら手軽に植物性乳酸菌チャージ!
 これらは『植物性乳酸菌』とよばれるものです。同じ発酵食品でもチーズなどの『動物性乳酸菌』よりも、生きて腸まで届きやすいという特徴があります。
 
・その3:『オリゴ糖』を含む大豆製品
 

 大豆製品には、食物繊維がたっぷり含まれています。特にオススメなのが納豆ですが、納豆には善玉菌の増殖をサポートするオリゴ糖も含まれています。
 納豆が苦手な方は、豆乳、おからなどでもOKです。
 さらに、悪玉菌の増殖を阻害するのに役立つリノール酸も入っているので一石二鳥! 
 腸内をクリーンにしながら、さらに善玉菌を増やして健康な腸へと導いてくれるのでとても効率的です。納豆は健康な腸づくりのためにはパーフェクトな食べ物と言えるかもしれません。

「ラブレクラウト」の勧め

 この腸内環境の改善のためには、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、「ラブレクラウト」を勧められています。
 
  そもそも”ラブレ菌”って何??? 

 私たちの腸にとって大切な役割をしてくれるのが乳酸菌です。
 乳酸菌には様々な種類がありますが、最近注目されている乳酸菌といえば「ラブレ菌」ではないでしょうか。CMなどで聞いたことのある人は多いと思います。
 ラブレ菌は「ラクトバチルス ブレビス サブスピーシス コアギュランス」という長い正式名称が付いています。
 ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士が、京野菜である「すぐき」というカブの一種の漬物から発見しました。
 1993年にはマスコミで報道され、日本で生まれた乳酸菌として大きな話題になり、注目されるようになりました。
 健康志向が強いアメリカでも「マジックピクルス」などと称されて注目される食品となっています。
 ラブレ乳酸菌は他の植物性乳酸菌と同様に、生きたまま腸まで届いて悪玉菌の増殖を抑えたり、便通を良くしたりといった働きをしてくれますが、これらの働きとは別に、ガンやエイズなどの大きな病気を予防するといった働きもあると期待されています。
 ラブレ菌を含む「すぐき漬」は、京都の三大漬物の1つで独特の味わいのある漬物です。 ラブレ菌が注目されるようになり、すぐき漬を買い求める人も多くなっていて在庫切れの販売店も多いようです。
 
 以上のように、ラブレ菌は、「すぐき漬け」から発見された植物由来の乳酸菌です。酸の強い漬けものの中に存在できることで、体内の酸にも大変強く、強力な生命力で生きたまま腸に届くのが特徴です。
 整腸作用による便秘解消、美肌効果や、免疫力を高める効果、コレステロール値を下げる効果のほかにも、アレルギーを抑制する効果などが期待できます。NK細胞はガン治療にも用いられていますが、ラブレ菌はNK細胞を活性化させる働きがあるため、治療のサポートとしても活躍してくれます。
 ラブレ菌は、便秘や肌荒れに悩まされている女性だけでなく、生活習慣病に悩まされている人すべてにぴったりの乳酸菌だといえます。

ラブレ菌でガンやインフルエンザのリスク低減!?

 ラブレ菌とは京漬物“すぐき”から発見された乳酸菌で、整腸作用や免疫賦活に効果があると言われてきました。そんな免疫力を高める効果を持つラブレ菌を含む飲料が、インフルエンザ予防にも有効であるということがカゴメの研究で明らかにされました。
 カゴメは約3000人の小学生を対象とする大規模な調査を行いました。その調査によれば、対象者にラブレ菌を含む飲料を継続摂取させたところ、摂取した児童のインフルエンザ罹患率は、摂取しなかった児童に比べて明らかに低いことが確認されました。
 つまり、ラブレ菌飲料を続けて飲むことでインフルエンザのリスクを低減できる可能性が示されたということです。
 参考までに、乳酸菌のインフルエンザ予防作用についてはこれまでにも報告はいくつがありますが、今回のように、地域的な影響を考えて狭い地域内で行われた数千人規模の比較調査は、なんと世界でも初めてです。これはかなり信憑性の高い結果です。
 
 塩分と酸の濃度が高い過酷な環境で生き抜くラブレ菌は、胃液・腸液などの乳酸菌の生存を脅かす消化液に強く、腸までの生存率が高い乳酸菌です。
 乳酸菌は、腸内で活動して乳酸を作り、悪玉菌が生存しにくく、善玉菌が活動しやすい弱酸性の腸内環境を実現するので、下痢や便秘といった腸内環境の悪化による便通の不調を改善します。
 また、腸内で悪玉菌が出す毒素は、肌荒れの原因になるので、悪玉菌の減少による美肌効果も期待できます。
  一方、ラブレ菌はがん細胞やウイルスの侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質の「インターフェロン」の生成を促進させる効果があります。
 インターフェロンが生成されやすくなると、腫瘍細胞の発生や病原体などに素早く対応できるようになるため、身体の免疫機能が強化されます。
 特に、ラブレ菌が生成を促進させる「インターフェロンα」は、ガン細胞やウイルスを攻撃して感染症から身を守るために特に重要な「NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)」を刺激して活発化させる機能を持っていますので、ガンやウイルス感染などの重大な疾患への防御力を効果的に高めることができます。
 この他にも、ラブレ菌には、コレステロール値を下げて動脈硬化や脳血管障害、心臓疾患などを予防したり、アレルギーを抑制したりといった様々な効能があります。
 植物性の乳酸菌であるラブレ菌は腸内にほとんど定着することはありませんが、毎日、継続して摂取すれば理想的な腸内環境を維持することはできます。
 サプリメントや乳酸菌飲料などを上手に利用して、定期的な摂取を心がけることが大切です。

意外にも、ラブレ菌を配合した市販ヨーグルトはない

 ラブレ菌を摂取したいのなら、 飲み物・ サプリメント、 このどちらかになるでしょう。ラブレの飲み物はカゴメがだしているラブレがスーパーにいけばあるでしょうし、乳酸菌サプリメントはいろいろなメーカーがラブレ菌を配合した乳酸菌サプリメントを販売しているので、ラブレ菌を配合しているサプリメントの数は多いです。
 ラブレ菌を配合したヨーグルトはありませんが、ラブレ菌は摂取しやすい乳酸菌といえるでしょう。
 ただヨーグルトを食べるのが趣味で、ラブレ菌を配合したヨーグルトがほしいという人には、目的の製品がないということになってしまいます。
 自分でラブレ菌を植え継ぎして、自作ヨーグルトを作成する人もいるかもしれません。

 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が考案されたのが「ラブレクラウト」です。

「ラブレクラウト」

 ラブレクラウトの「ラブレ」は、ラブレ菌のラブレです。最近、「ラブレ乳酸飲料」が次々に発売されているので、あなたも知っているかもしれません。 先程も述べたように、京都の伝統的なお漬物「すぐき漬け」から発見された植物性乳酸菌で、腸内で酢酸や乳酸などをつくり、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。また、腸の新陳代謝を活発にしてくれるので、消化吸収力や免疫力を高めてくれるといわれています。実際、すぐき漬けをいつも食べている人ほど、がんの発生率が平均値よりも低いというデータがあり、ここに着目されました。
 「グラウト」はザワークラウトのクラウトです。ビア・レストランなどでソーセージと一緒に出てくるキャベツの塩漬けです。腸内環境を整える乳酸菌(善玉菌)がたくさん含まれていることから、かつて永い航海に出る西欧人たちが、不足しがちなビタミンを補給するために作り出した食べものです。
 ザワークラウトの主役であるキャベツには、「キャベジン」と呼ばれるビタミンUが豊富に含まれ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する働きがあり、「食べる胃腸薬」といわれています。
 また、キャベツに含まれる辛み成分には解毒作用や抗酸化作用があることも知られています。さらに、血管をやわらかくして血流もよくなりますから、肩こりや片頭痛の女性にはうれしい食べものです。