現在、専門家は、大脳皮質拡延性抑制という現象が片頭痛の前兆・閃輝暗点を引き起こして,その前兆が何かの刺激で痛みに至るとされますが、肝心要の「大脳皮質拡延性抑制」を起こす原因が分かっていないとされています。
そして、片頭痛のときに起こる脳の変化(閃輝暗点)が、PET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、脳の病気が画像として確認され、頭痛持ちの頭痛といわれるもののなかに「頭痛そのものが脳の病気」であることがわかってきたとされています。
このように、片頭痛は本来、脳のなかに異常のない頭痛とされながら、このような支離滅裂な考え方をされ、慢性頭痛を考える際の混乱の根源にもなっています。
前兆の「閃輝暗点」とマグネシウム
しかし、 マグネシウム欠乏は、『皮質拡延性抑制』を発生させ、三叉神経刺激へと繋がり、片頭痛を発生させるといわれています。
米国の研究では、400mgのマグネシウムを毎日補充すれば3~4週間後に片頭痛の頻度が減るという報告もあります。
マグネシウム欠乏は、細胞の興奮性を増します。その結果、神経の過興奮・不安定が生じ、拡延性抑制を発生させます。片頭痛トリガーが起動します。
現在、この『皮質拡延性抑制』を抑える治療薬は開発されていませんが、片頭痛患者に非常に効果があり、皮質拡延性抑制を抑制する物質として期待されているのが『マグネシウム』です。慢性頭痛を持つ方による、マグネシウムサプリメントの摂取例で、劇的に症状が改善したという例も報告されています。
「体の歪み(ストレートネック)」と閃輝暗点
小橋さんは10年来、閃輝暗点を伴う片頭痛で悩まされ、これを「体の歪み」にあると気がつかれ、これを改善・是正することによって、片頭痛を克服されました。
私は「閃輝暗点」を伴う方々で、頸椎X線検査でストレートネックを呈する方々に対して、ストレートネックを改善させることによって、閃輝暗点がどのようになるのかを検討してきました。
60歳以上の方で、若い頃、片頭痛の既往のない方で「閃輝暗点」を訴えて来院された方々を15例経験していますが、これらの方々全例にストレートネックを認め、同様に「ストレートネックの改善」のみで、「閃輝暗点」は消失しています。
これとは別に、若い世代の「閃輝暗点」を伴う片頭痛の場合も、当然「ストレートネック」を伴っておられる方々に「ストレートネックの改善」を行わせますと、前兆である「閃輝暗点」がまず消失してから片頭痛が改善されていくという経過をとっています。
このような成績をみますと、頭痛専門医は、閃輝暗点発作時の血流低下の状態をSPECTもしくはMRIで確認されますが、これは”閃輝暗点発作時”の結末を観察しているに過ぎないと考えるべきもので、あくまでもその引き金となるものは、頸部の異常な筋緊張”「体の歪み(ストレートネック)」”にあるものと考えるのが妥当と思っています。
しかし、頭痛専門医は、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなし、とされる以上は、このような論点に至ることはあり得ないようです。
これまでも、以下で 閃輝暗点について述べてきました。
閃輝暗点と脳内病変?
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12192902125.html
「慢性頭痛の基礎」15.閃輝暗点
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12187188162.html
閃輝暗点って何???
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12051347617.html
コーヒーブレイク・・最近の症例から
https://ameblo.jp/yoyamono/theme-10086045339.html
「閃輝暗点」とミトコンドリア
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12172479689.html
その6 マグネシウムの役割
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12258594550.html