片頭痛とは、どんな頭痛でしょうか? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

頭痛には、2つの原因があります。


 頭痛を引き起こすものには大きく分けて、2つの原因があります。


 それは、”脳の中に異常のある頭痛”と原因が”脳のなかに異常のない頭痛”です。


  ”脳の中に異常のある頭痛”・・二次性頭痛とは


 脳の中に異常のある頭痛は、医学用語で「二次性頭痛」と呼ばれています。 この中には、クモ膜下出血や脳腫瘍や脳出血、慢性硬膜下血腫などの命にかかわる頭痛もあります。
 このため、脳に異常がないかどうか見極めるために頭部CTもしくはMRIの画像検査が行われます。このようにして、命に関わる頭痛を除外しています。


”脳のなかに異常のない頭痛”・・一次性頭痛(慢性頭痛)とは


 これに対して、”脳のなかに異常のない頭痛”があります。医学用語では「一次性頭痛」(慢性頭痛)と呼ばれています。
  これらには、「国際頭痛分類 第3版β版」では、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛に分類されています。
 これら、慢性頭痛とは、頭痛という自覚症状はあるが、CTやMRIなどの画像検査では異常のないものをさしています。脳のなかには異常はありません。

 

 それでは、この慢性頭痛はどのように考えるべきでしょうか。


 私達は、仕事が忙しかったり、ストレスが重なりますと日常的に「体調不良」を感じます。このような「体調不良」は、具体的には、疲れやすい、胃腸の調子がよくない、身体が冷える、身体がだるい、疲れがとれない、よくめまいを起こす、肩こりがひどい、食欲がない、よく眠れない、頭が重い・頭が痛い、足がつる、耳鳴りがする、夢をよくみる、喉のつかえ、むくみやすい、風邪をひきやすい、顔色が悪い、気分が落ち込む・すぐれない、活力がでない、元気がでない、何となく調子が悪い、寝起きが悪い、等々の訴えです。


  このように頭痛とは、「体調不良」のなかの訴えの一つにすぎないものです。


 ”脳のなかに異常のない”「慢性頭痛(一次性頭痛)」は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから”病気”としての難治性の頭痛へと進展するものです。
 このような意味合いから、”未病”の段階にある、慢性頭痛とは「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があります。


 このような、「健康的な生活を送る」ためには、”ミトコンドリア”が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。


 すなわち、ミトコンドリアは、私達の体を構成する細胞の中にあり、食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。


 ミトコンドリアの活性が低くなると、細胞が活動するために必要なエネルギー発生量も少なくなります。その結果、器官や組織を構成する個々の細胞のエネルギーの不足が直接的に器官の機能低下を引き起こすことになります。


 私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 セロトニン神経系は、”大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する、自律神経を調節する、筋肉へ働きかける、痛みの感覚を抑制する、心のバランスを保つ”などの重要な働きをし、「健康的な生活」を送るためには欠かせない働きをしています。


 「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。

 この「生体のリズム」は「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。


「姿勢の悪さ」は、以下のような要因が原因になっています


 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして姿勢の悪さを引き起こしてきます。


 セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が困難となり、結果的に姿勢の悪さを引き起こします。


 私達の生活環境は活性酸素に満ち溢れており、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、生活習慣の問題により引き起こされた「脳内セロトニン低下」と相まって、姿勢の悪さを引き起こしやすい状況にあります。すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、姿勢の悪さ(ストレートネック)が日常茶飯事にみられるようになってきました。

 

 このように、「慢性頭痛」を引き起こす原因は、すべて「ミトコンドリア」に関連しています。そして、「セロトニン神経系」はミトコンドリアと連動して作用しています。姿勢の悪さ・体の歪み(ストレートネック)にも関与しています。


ミトコンドリアと活性酸素・・「酸化ストレス・炎症体質」


 ミトコンドリアは細胞のなかにある小さな器官で、糖と酸素を利用してエネルギーをつくり出す、いわばエンジンのような役割を果たしています。
 ところが、このミトコンドリアは、エネルギーを出すとき、同時に排気ガスのような「活性酸素」を発生させます。


 自動車に例えるとわかりやすいと思います。ガソリンを使ってエンジンを動かしたら、排気ガスが出ます。
 同じように、ミトコンドリアも、エネルギーを作り出したら、排気ガスと同じようなものが出てしまうのです。それが、活性酸素です。
 例えば、360ccの軽自動車をブンブンふかしていたのではダメで、エンジンを大きくして(=ミトコンドリアを増やして)少ないガソリンで効率よくエネルギーを出し、排気ガス(活性酸素)の少ない良質なエンジンを積んでおくことが重要になってきます。


 生活環境の影響や年齢を重ねると、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下していきます。ガソリンばかり食ってあまりエネルギーが出ないような質の悪いエンジンになってしまうわけです。

 

 ミトコンドリアを増やすと、体全体のエネルギー発生量を増やすことができます。ミトコンドリアを増やし、元気にさせると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。


身の回りの活性酸素を生み出す要因


 活性酸素は、「呼吸をする」、「食事をとる」、「運動をする」など、ごく普通の生活をしているときにも発生します。酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で必ず発生するからです。そのほか、白血球が細菌を殺傷するとき、生理活性物質が作られるとき、有害物質(過酸化脂質、残留農薬、食品添加物、抗がん剤、アルコール、タバコ、大気汚染物質など)を解毒するとき、止まっていた血液が再び流れ出すとき(再濯流)、紫外線や電磁波(レントゲンなど)を受けたとき、強い精神的ストレスを受けたときなど、さまざまな要因により発生します。


 もちろん活性酸素が体の中で増える一方ですと、人間はたちまち死んでしまいます。
 そのため、私達の体は活性酸素を取り除く手段を持っています。


「酸化ストレス・炎症体質」


 ただ、この手段では手に負えない量の活性酸素が発生したとき、活性酸素の発生が”抗酸化作用(抗酸化力)”より常に優位な状態が、いわゆる「酸化ストレス」になります。


 「酸化ストレス・炎症体質」とは活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまう状態のことで、これらが原因で細胞が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまう状態のことをいいます。

 

 片頭痛の患者さんでは、このような「酸化ストレス・炎症体質」の状態にあります。このことは、これから順次述べていくことにします。


「健康的な生活を送る」ためには


 「ホメオスターシスの三角を構成する3つの「柱」には、自律神経、内分泌系、免疫系があります。
 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。


 「ホメオスターシスを構成する3つの柱」を健全化させることによって、「自然治癒力」を高めなくてはなりません。「自然治癒力」を高めるためには、”主として”以下が重要になります。


    1.自律神経を整えること
    2.必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6をバランスよく摂取すること
    3.腸内環境を整えること


 さらに、姿勢に注意し、運動不足にならないように、さらに食事をバランスよく摂取することが「健康的な生活」を送る上で重要になってきます。
  とくに、姿勢の悪さは、「健康的な生活を送る」上に、さまざまな悪影響を及ぼします。姿勢の悪さ、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こします。
 
    1.姿勢を正しくする・・「体の歪み(ストレートネック)」予防
   2.運動不足にならない
   3.食事をバランスよく摂ること


 以上のような個々の要因がすべて、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”を引き起こす原因になります。これらを一つ一つ是正されませんと、これらがすべて重畳し、積み重なってくることになります。このため、頭痛は次第に増悪することになります。


「慢性頭痛」の出発点は、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”です。


 「慢性頭痛」発症のスタート(起点)となるのは、私達が”日常的に感じる極く軽度の頭痛”です。それでは、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”はどのようにして起きるのでしょうか。この原因は、以下の2つがあります。それは


 1.「ホメオスターシスの乱れ」・・自然治癒力の低下
 2.姿勢の悪さ・・前屈みの姿勢を強制させる生活環境


(1)「ホメオスターシスの乱れ」・・自然治癒力の低下


 自律神経の乱れそのものも、日常的な頭痛の原因になります。

 ”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 脳内セロトニンが低下することにより、痛みを感じやすくなり、このため日常的に感じる極く軽度の頭痛の原因になます。

 (これがさらに増悪することによって、脳過敏の原因にもなり、片頭痛への移行へと繋がっていくことになります)。


 脂質には、エネルギー源になるほか、生体膜の構成成分・ホルモンや胆汁酸・ビタミンなどの原料ともなります。また、血管の保護や、免疫や炎症を調節する機能、細胞同士の情報を伝達する機能もあるのです。
 このように、脂質は生体内でとても重要な多くの役目を果たしており、良い脂質を摂取することは、健康にとってきわめて重要になります。
  「体の脂肪酸バランス」は、食べ物として摂った脂肪酸によって決まっています。すべての細胞の脂肪酸の状態が、摂取した脂肪酸によってストレートに決定してしまうのです。
 このため、必須脂肪酸、オメガ3とオメガ6の摂取バランスに問題があれば、”生理活性物質”のひとつのエイコサノイドは、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。このため、痛みを誘発させるプロスタグランデンが異常に産生され、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”の原因ともなります。生理痛の原因にもなってきます。
 (さらに、生体の膜(細胞膜やミトコンドリアの膜構造)を形成していることから、摂取バランスによってはミトコンドリアの機能を悪化させることになります。片頭痛発症の根幹となる「酸化ストレス・炎症体質」を形成させる根源になってきます)。


 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。
 

 腸内環境が悪化すれば、便秘を来すことになり、便秘している腸内からは、インドール、スカトール、アンモニア、アミンなどといった猛毒物質が発生しており、これらが腸から吸収され血液と一緒にあなたの身体中を巡ります。有毒なガスや腐敗した便は適度な時間に排出されませんと、再吸収といって、有毒なガスや毒素が腸の壁から血液中に取り込まれ、毒素が体にまわってしまうことで、日常的に感じる極く軽度の頭痛を始めとして、さまざまな不調が起きることになります。

 (そして、腸内環境の悪化は、片頭痛の根幹となる「酸化ストレス・炎症体質」を形成させる最大の要因になっています。これ程、重要なものです)。


 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの”一角”に問題を生じてくれば、極く軽度の頭痛が出現してくることになります。
 そして、これに更に、新たに”別の一角”の要因が加わればさらに頭痛の程度も増強してきます。
 最終的に、この”三角”とも全てに問題が起きることによって「ホメオスターシス三角」が崩壊することに至り、難治の”慢性頭痛”を発症させます。


参考までに、片頭痛では・・


 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。

 

 自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものです。


 ”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。
 すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。


 「ホメオスターシスの三角形」を構成する要因が全て”障害”されてしまえばこの”ホメオスターシスの三角が崩壊”することになってしまいます。
 この状態に、さらに「ミトコンドリアの問題」、「脳内セロトニンの低下」、さらに「体の歪み(ストレートネック)」等々の脳過敏・慢性化の要因が加わることによって、2~3割の方々が慢性化に至ってきます。

 

 片頭痛の発作の持続時間は4~72時間とされています。これは、ホメオスターシスという生体の恒常性維持機構によるもので、この発作中にホメオスターシスの維持機能が働き、これによってホメオスターシスの三角の歪みが修復されて発作が終結します。このため、”ホメオスターシスの三角の歪みの程度”によって、発作の持続時間が決定されることになります。


 ”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。
 すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。これらの3つの”傷害の程度”によって左右されることになります。

 

   このように、片頭痛はホメオスターシス、自然治癒力の観点から捉えるべき頭痛です。このため、自然治癒力を高めることが重要になっています。


 2.姿勢の悪さ・・前屈みの姿勢を強制させる生活環境


  私達は、日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。

 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。


 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。


 ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。


 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
 これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
 日常的に感じる極く軽度の頭痛は、「体の歪み(ストレートネック)」が形成される以前の段階において出現してきています。

 (そして、この「体の歪み(ストレートネック)は、慢性頭痛の発症の起点となるとともに、慢性頭痛増悪・慢性化、さらには「脳過敏」を引き起こし、片頭痛発症に関与してきます)。
 

 このようにして、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされてきます。


 これらが、すべて”日常的に感じる極く軽度の頭痛”を引き起こす要因になってきます。また、これらの要因が重なり合って引き起こされてきます。


薬剤乱用頭痛


 このような要因を意識することなく、市販の鎮痛薬を頻回に服用していますと、こうした鎮痛薬は、人体にとっては害(有害なもの)になり、これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることになります。
 さらに、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、痛みの閾値を下げるため痛みを感じやすくさせることになり、薬剤乱用頭痛を引き起こしてくることになります。


  このようにして、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、脳内セロトニンを低下させることの2つが関与して、「薬剤乱用頭痛」を引き起こし、頭痛薬(市販の鎮痛薬)によって、かえって頭痛をひどくさせる原因になってきますので注意が必要です。

 

 

  このように、慢性頭痛発症・増悪過程には、「ミトコンドリア」、「脳内セロトニン」、「体の歪み(ストレートネック)」の3つが関与しています。


 ここに、さらに、ミトコンドリアの機能を低下させる要因が加わることになります


 ここに、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣・インシュリン過剰分泌を来すような早食い・ドカ喰い等の食事摂取方法の問題等々が加わって、ミトコンドリアの機能は低下してきます。


 このようにして、ミトコンドリアの機能が低下すれば、当然、セロトニン神経系の機能が低下することになります。
 ここに、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。


 片頭痛の患者さんでは、緊張型頭痛の場合と異なって、"遺伝素因"としてミトコンドリアの活性低下が存在することから、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
 ところが片頭痛のように遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しなくても、生活習慣の問題によってミトコンドリアの働きが極端に悪くなり、さらに「脳内セロトニンが枯渇」してくれば、片頭痛と同様の難治性の頭痛を引き起こしてくることになります。


 このように、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。


 先述したような「ミトコンドリアの機能を低下させる要因」を”日々”、是正・取り除かなければ、最終的に、先程述べたような「酸化ストレス・炎症体質」を形成させてきます。


 片頭痛の患者さんは、このような「酸化ストレス・炎症体質」の状態にあります。


 ここに、以下のような”「脳過敏」を引き起こす要因”が追加されることによって、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”を基にして、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”から片頭痛へと移行していくことになります。


    1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
    2.脳内セロトニンの低下

    3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続

 

 ミトコンドリアの機能が低下した状態に、マグネシウム不足が加わることによって「脳過敏」が引き起こされてきます。
 さらに同時に引き起こされた、セロトニン神経系の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。これが「脳過敏」を起こしてくることになります。
 これら「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」、さらに、日常的な前屈みの生活を強いられることで、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてきます。そして、これを改善・是正させなければ、長期間これが持続することになり、これも「脳過敏」の原因になります。


 このように”3つ”が、「脳過敏」を形成してくることになります。


 これらは全て、ミトコンドリアの機能の低下に関連したものであり、”日常的に感じる極く軽度の頭痛を起こした要因”となったものが、改善・是正されぬままに継続・増悪して起きたものです。
 ということは、この”3つ”は、慢性頭痛とくに片頭痛発症に繋がっていく「柱」にもなっており、極めて重要な位置を占めています。このため、この3つを改善・是正することがなければ、片頭痛を阻止し、片頭痛を改善などは到底望めないことになります。


 片頭痛の場合、生まれつき「ミトコンドリア働きの悪さ」という遺伝素因が存在し、これにはミトコンドリアDNAが関与し、このミトコンドリアDNAによって先祖代々”母親”から受け継がれていきます。


 母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、このミトコンドリアDNAが関与しています。遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、この”ミトコンドリアDNA”が片頭痛の遺伝に関係しています。


 ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。
 ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子供へと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。


 女性は健常男性より 約52%「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 そのため、母親のミトコンドリアの数が少なく活性が低くければ、その子供にはその性質が引き継がれ易くなります。
 このために、女性に片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があったのです。

 

 こういったことから、女性では片頭痛を発症した段階で対処すべきであり、あなたの子供さんが頭痛を訴えた場合は、この段階で”片頭痛予備軍”として対処しなくてはなりません。

 対処が遅れれば、遅れる程、改善までの道のりは遠のくだけのことでしかありません。
 専門家は、このような指導は一切されることはなく、その結果、片頭痛を醸成・熟成させてきたということです。

 

 片頭痛とは、遺伝素因である「ミトコンドリアの働きの悪さ」に、生活環境および生活習慣(とくに食生活)が原因で、エネルギーを生み出す際に生する活性酸素によって自分のミトコンドリアを傷つけることによって「さらに、ミトコンドリアの働きを悪く」させて「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患です。
 このミトコンドリアの働きの悪さは、ミトコンドリアDNAによって母親から、先祖代々受け継がれます。そして、ミトコンドリアDNAは生活習慣および外部の生活環境によって変化・悪化することになります。


 すなわち、ミトコンドリアDNAは、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わることによって変化・悪化してきます。


 ミトコンドリアの機能が低下すれば、ミトコンドリアが「ホメオスターシスを制御」していることから、「自然治癒力」が低下することになります。


 さらに、先程のミトコンドリアの機能を悪化させる諸々の要因、を取り除かなければ、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。
 このように連鎖して、次々に、悪化要因が追加されることになります。


 このような”さまざまな生活習慣の問題点”が重なることによって「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し、最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになります。このように進行性疾患です。


 このため、慢性頭痛発症当初の”日常的に感じる極く軽度の頭痛の段階から対処しなくてはなりません。そうしなければ、次々に、新たな要因が追加され、頭痛そのものが錯綜したものとなり、最終的に「慢性片頭痛」という対処が極めて困難な状態に至ってきます。


 「酸化ストレス・炎症体質」は、これまで述べましたような長い間の生活習慣などにより形成されてくるため、特効薬を飲んだからといって直ぐに治るようなものではありませんし、特効薬などはありません。
 このため、「酸化ストレス・炎症体質」は、これを形成させた「生活習慣の問題点」すなわち「ミトコンドリアの機能を悪化させた要因」を改善・是正しなくてはなりません。


 専門家の言うように、片頭痛は”不思議で・神秘的な”遺伝的疾患ではなく、極々、”ありふれた日常的な頭痛”と考えなくてはなりません。


 片頭痛とは、”ミトコンドリアの機能の低下による頭痛”です。


 現在では、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、さらに、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(片頭痛、動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。
 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
 今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在では後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。

 ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。
 活性酸素によって傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、いろいろな原因でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、活性酸素で身体が”酸化”していく全身病です。

 

 このような片頭痛が「後天性ミトコンドリア病」であるという考え方は、これまでトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者によって、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の利益を守るために一切覆い隠されてきました。

 現在でも、これは継続しており、専門家が日本の頭痛診療・教育のあるべき姿とされるHeadache Master School Japan(HMSJ)があり、ここではこのような考え方は全く取り入れられていないことで如実に示されていることです。

 このような片頭痛が「後天性ミトコンドリア病」であるという考え方が、片頭痛を治療していく際の基本的な考え方であり、これなしには改善は望めないことになっています。

 こういったことから、専門家が行う「頭痛外来」で、皆さんの期待に応えられない原因が存在します。片頭痛という辛い頭痛から解放された方々は満足されるかもしれませんが・・・
 
  以上、片頭痛は”未病”の領域にあり、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”を基にして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛を起点(出発点)として、これまで述べてきたような「健康的な生活」を送ることを阻害する、生活環境および生活習慣の問題点によって、ミトコンドリアの機能が低下することによって、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」が形成されることによって、片頭痛へと進展していくものです。


 前回、ご質問戴いた方は、このようなことを念頭において、冷え性・低血圧に対処しなくてはなりません。便秘も同様です。
 専門医の言われるように、トリプタン製剤を服用したからといって、「冷え性・低血圧・便秘」が改善することはあり得ない話です。

 そして、最も問題にされなくてはならないことは、専門家は、このような私達が日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛をまったく無視してきたことです。このことによって、市販の鎮痛薬を野放しにさせることによって、いとも簡単に片頭痛を醸成・熟成させることによって、市販の鎮痛薬およびトリプタン製薬メーカーに絶大な貢献をしてきたということに他なりません。

 このような状況を作ってきた根源は、専門家が、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成した「国際頭痛分類第3版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な”教義・教典”としてきたことにあります。

 これまで、こうした「国際頭痛分類第3版」に定義された慢性頭痛を個別に研究することでは、自ずと限界があることは、これまでの研究業績で明らかなことです。

 このような基準で、慢性頭痛を始めとして片頭痛を考えることなく、慢性頭痛全体を一括して、自然科学の立場から頭で考えさえすれば、片頭痛がどのような頭痛であるのかは、科学的根拠エビデンスを云々するまでもなく、簡単に結論づけられるはずのものです。

 そして、このような考え方で、治療を行っていくことによって、前回相談された方のように苦渋を嘗めることはないはずです。

 これまで、片頭痛を克服されて来られた方々は、このような考え方に基づいて、自ら実践されて来られた方々であり、医師によって治されたものではありません。自分で、するべきことをキチンとしなくては、治せるものが治せなくなってしまいます。