現在、片頭痛は”不思議で・神秘的な”原因不明の”遺伝的疾患”とされています。
片頭痛は、遺伝病というよりは”遺伝的要因”のある頭痛とされてきましたが、その遺伝形式がどのようになっているのかが分からないとされています。
また、専門家の方々は、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考えて、この「関連遺伝子」の研究に日夜研鑽に励まれております。
現在、このような「関連遺伝子」がすべて解明されていないために、片頭痛発作時の辛い頭痛のために生活の質QOLを低下させないために、トリプタン製剤の服用が勧められています。
ミトコンドリア病
ところで、ミトコンドリア病は大きく分けて2種類あります。先天性ミトコンドリア病と後天性ミトコンドリア病です。
先天性ミトコンドリア病は稀な病気です。これは、生まれつきミトコンドリアの働きに不具合があります。
先天性のミトコンドリア病は、細胞核DNAとミトコンドリアDNAの両方に異常を来して発症してきます。
一方、「後天性ミトコンドリア病」は、ほとんどの現代病に当てはまります。
すなわち、ほとんどの現代病は、後天性ミトコンドリア病と考えられています。水や食生活、放射能汚染や環境汚染、有害物質の蔓延などや酸素不足などを原因として、後天的に発症するミトコンドリア病です。
後天性ミトコンドリア病とは、いろいろな原因でミトコンドリアDNAだけが傷つくことによって、活性酸素で身体が”酸化”していく全身病です。
ミトコンドリアDNAは、以下のように活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。
その前に、ミトコンドリアは細胞核にあるDNAとは違う、独自のDNAを持っています。ミトコンドリアがDNAを持っていることは、1963年スウェーデンのストックホルム大学の生物学者、マーギット・ナス氏が発見しました。 ミトコンドリアのDNAは本来のDNAと混乱しないよう、「ミトコンドリアDNA」(「mtDNA」と書きます)といいます。ミトコンドリアには核のようなものはなく、数千ものミトコンドリアDNAがミトコンドリア内に存在することが分かっています。
ミトコンドリアと活性酸素
ミトコンドリアは酸素を使ってATPを産生します。この際、体内に取り込まれた酸素の数%反応性の高い活性酸素やフリーラジカルになります。すなわち、ミトコンドリアは生体内における主要な活性酸素の産生部位でもあります。
正常な状態でも活性酸素は産生されていますが、電子伝達系や呼吸酵素系の活性が低下すると、電子伝達系から電子がもれて活性酸素が生じやすくなります。
ミトコンドリアは活性酸素を多く産生するため、mtDNAに突然変異が起こりやすい環境を作り出しています。しかも、mtDNAは核DNAと比べて修復能力が低いため、mtDNAで突然変異が起こる割合は核DNAの約10倍と考えられています。
このようにして活性酸素によって、傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、後天性ミトコンドリア病が発生してくることになります。
人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与
現在、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、さらに、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(片頭痛、動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。
ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。
「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在は後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。
生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わって、ミトコンドリアの機能が低下してきます。
このようにミトコンドリアの機能を悪化させる要因が多くあり、これを取り除くようにしませんと、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」を形成してきます。
母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、ミトコンドリアに関係があります。
ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。
ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子供へと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。さらに、男性に比べて女性のほうが脳内セロトニンの合成量がもともと少ないわけですから、片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があったのです。
このように言いますと、すべてが母親から遺伝素因を受け継ぐように思われますが、しかし、臨床的には、父親からの遺伝素因を受け継ぐ場合も当然あります。
この理由は、ミトコンドリアの機能に関する遺伝子はミトコンドリアのDNA に乗っているものと核内の染色体に乗っているものがあります。核内にあればメンデルの遺伝法則に従って、父親から遺伝し、ミトコンドリア内であれば母親から遺伝します。
現在では、ミトコンドリアを治すものが”病気を制する!”とされています。この事実は、医学界では何十年もタブーとされてきました。
オットー・ウォーバーグが”ワールブルグ効果”を発表した時には、この事実がわかったのですが、製薬会社や医者の利益を守る為に封印されてきました。 医学界が、この封印を解いて、この事実を公表する可能性は極めて低いものと思われます。
これからも色々な病名を作り上げて、病気の根本原因をわかりにくくさせるものと思われます。
片頭痛とは・・
先天的に、ミトコンドリアの一部が異常をきたし、機能低下する事で起こる”ミトコンドリア病”があります。このミトコンドリア病のほとんどの患者さんには、「片頭痛」が存在します。先述のように、このような先天性ミトコンドリア病は稀な病気です。
そして、片頭痛は”「後天性ミトコンドリア病」”と考えるべきものです。
すなわち、片頭痛は”ミトコンドリアの活性低下”という「遺伝素因」をもとに、生まれてから諸々のミトコンドリアの働きを悪くする要因が追加されることによって、さらにミトコンドリアの機能を低下させることによって起きてくる頭痛です。この”ミトコンドリアの活性低下”はミトコンドリアDNAによって先祖代々継承され、生活環境および生活習慣により悪化してきます。
すなわち、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わって、ミトコンドリアの機能は低下してきます。
このようなミトコンドリアの機能を低下させる要因を取り除かない生活を送ることによって、「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。
ここに「脳過敏」を来す要因が次々と追加されることによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛を出発点として、緊張型頭痛から、片頭痛へと進展していくものです。
最も、卑近な例を挙げれば、日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して、市販の鎮痛薬を繰り返して服用することによって、ミトコンドリアの機能を低下させ、さらに脳内セロトニンを低下させることによって薬剤乱用頭痛を併発させてくることになります。市販の鎮痛薬という”薬剤”が原因となった「後天性ミトコンドリア病」を作る典型例を示していることになります。
ここにミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”があれば、当然のこととして片頭痛を発症してくるということです。
このように、片頭痛は”後天性ミトコンドリア病”と考えるべきものです。
実際、片頭痛は、これまで”ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であると報告されています。
このように、Welch KMA, Ramadan NM、下村登規夫、小谷和彦、村上文代先生らによって、日本にトリプタン製剤が導入される以前の段階から明らかにされていました。当時は下村登規夫先生によって「MBT療法」が提唱され、この治療成績は9割前後の片頭痛の方々が改善に導かれるとされていました。
片頭痛は15億年前の因縁?
1996年に間中信也先生が開設されたネット上に「頭痛」の老舗ともいうべきHP「頭痛大学」があり、ここに、この当時から、以下のような記載があったことを忘れてはなりません。
ミトコンドリアは、細胞のエネルギーを産生する「発電所」のはたらきをしています。
それは約15億年前のことでした。当時酸素が嫌いなノンビリやの単細胞生物”A”がおりました。
当時増えつつあった酸素を利用してエネルギッシュな好気性生物”B”もいました。”A”が”B”に提案しました。
「Bさん僕と結婚しよう。僕のウチに住んでいいよ。そのかわり君のエネルギーを僕にわけて頂戴」。
プロポーズが成功して、”A”と”B”の同棲生活が始まったのでした。
片頭痛には、このミトコンドリアが関係しています。
片頭痛では、ミトコンドリアの”酸化燐酸化の障害”があり、これによる代謝の異常が、神経機能障害を引き起こし、それが”脳過敏”を強めて片頭痛発作を発現させます。
ミトコンドリアの代謝機能を是正すれば、片頭痛にならないということになります。
ミトコンドリアの働きを助ける物質にビタミンB2があります。実際ビタミンB2をとると片頭痛になりにくいのです。
とすれば、15億年前に細胞AとBが同棲しなければ、片頭痛という病気は生まれなかったかもしれません。
こういったことから、片頭痛は全身的な”ミトコンドリアの機能障害”による疾患と考えられています。
以上から・・
片頭痛は、遺伝素因である「ミトコンドリアの働きの悪さ」に、生活習慣(とくに食生活)が原因で、エネルギーを生み出す際に生する活性酸素によって自分のミトコンドリアを傷つけることによって「さらに、ミトコンドリアの働きを悪く」させて「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患と考えられています。
このミトコンドリアの働きの悪さは、ミトコンドリアDNAによって先祖代々受け継がれます。ミトコンドリアDNAは生活習慣および外部の生活環境のよって変化・悪化することになります。
このように、片頭痛では、ミトコンドリアの働きの悪さ(ミトコンドリアの活性低下)が生まれつき存在していますが、先祖代々から継承されたミトコンドリアの働きの悪さは、各人各様で千差万別です。この悪さが極端に悪ければ、片頭痛の発症時期も当然早くなり、小児期に発症します。
それほどでもなければ、ここに生後、ミトコンドリアの機能を低下させる要因が追加されることによって発症することになれば、片頭痛の発症時期も当然遅くなってきます。30歳以降に発症することもあるということです。
一般的には、女性の場合は、初潮の始まる時期に発症してきます。これは、「脳内セロトニン」の問題が主な要因になっていますが、これ以外のも女性特有の問題もあり、なぜ、女性に慢性頭痛が多いのかを基本的に考えた上で、http://taku1902.jp/sub365.pdf を参考にして、このなかで示される問題点の有無を確認しながら対策を考えていくことが大切になります。
先述のように、ミトコンドリアの機能は、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わることによって、低下してきます。
ミトコンドリアの機能が低下すれば、ミトコンドリアが「ホメオスターシスを制御」していることから、「自然治癒力」が低下することになります。
さらにセロトニン神経系の機能低下が同時に引き起こされ、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
このため、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしてきます。
さらに、先程のミトコンドリアの機能を悪化させる諸々の要因、を取り除かなければ、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。
ここに、以下のような「脳過敏」を引き起こす要因が追加されることによって、緊張型頭痛から片頭痛へと移行していくことになります。
1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
2.脳内セロトニンの低下
3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続
このように、日本にトリプタン製剤が導入される以前の段階から明らかにされていましたが、このような考え方が現在に至ってもなお、一切、無視されていることです。
最も、問題とすべきことは、なぜ、全世界の医学関係者が、疾患の大半が後天性ミトコンドリア病とされているにも係わらず、頭痛研究領域だけが片頭痛を”遺伝的疾患”とされたままとなっているのかということです。このように「後天性ミトコンドリア病」と考えさえすれば、生活習慣病そのものということであり、取りも直さず「片頭痛は予防すべき頭痛」になってきます。そうなれば、一生、トリプタン製剤を服用しなくても、くすりから解放されることになります。
このような論点は、片頭痛を後天性ミトコンドリア病であると仮定して、従来の慢性頭痛の研究業績と照らし合わせれば、このように導き出されるはずです。このように考えれば、既に片頭痛の病態は解明し尽くされているということです。
ということは、これまでの頭痛研究者が、先達の研究業績の”上っ面”しかみていなく、自分の”頭”で考えてこなかったことを証明しています。
頭痛診療の重鎮とされる先生が開設されるHPの「頭痛大学」でも示されるように、極めて多数の研究論文が掲載されていますが、これらをどのように考え・組み立てていくのかというストーリーに欠けます。これはすべての頭痛研究者に言えることです。
これとは別に、前回も述べましたように、これまで脳のなかに異常のない慢性頭痛とは何か、ということが一切論議されてこなかったことです。仮に、片頭痛がミトコンドリアの機能低下によるものと考えれば、単純に、ミトコンドリアは私達の生命の根源に係わる細胞小器官です。
前回も述べましたように、ミトコンドリアの役割は、セロトニン神経系と連鎖して作用し、「ホメオスターシス」を制御しています。そして、体の歪み(ストレートネック)にも関与しています。このようにミトコンドリアは、これまで述べた慢性頭痛の発症に関与する3つの柱の中心的な位置を占めており、取りも直さず「生命活動」に直結していることになります。
このように考えさえすれば、慢性頭痛とは何かが明らかになるはずです。
脳のなかに異常のない「慢性頭痛」とは「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があります。
これまで、欧米の学者の考え方・研究業績を最優先され、こうした考え方は現在でも、Headache Master School 2013 in Asia から、Headache Master School Japan(HMSJ)へと引き継がれています。
これが日本の頭痛診療・教育のあるべき姿を示すものと盲信され、平成25年、学会独自のHeadache Master School Japan(HMSJ)が「日本の頭痛教育プログラム」の中心として継承されることになりました。
ここでも、上記のような考え方は一切されることはありません。
このことは、ロバート・メンデルソンが、「こうして医者は嘘をつく」という書籍のなかで指摘されるように、「現代医学は宗教である」を以下のように、”地で行っている”ということを意味しています。
専門家は、トリプタン製剤、PET、MRIなどの新しい医療機器といった生命のないものに基づいて教義をつくり上げ、臨床頭痛学は、トリプタン製剤、PET、MRIなどの新しい医療機器(測定法)といった偶像を崇拝する宗教になり果てることに至りました。
さらに、専門家はトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成した国際頭痛分類第3版を頭痛診療および頭痛研究の教義・教典として臨床頭痛学を論じてきたということです。
このようにして、”二重の教義”に基づいて、トリプタン製薬メーカーによってマインド・コントロールされてきました。
ここに、片頭痛が”遺伝的疾患”とされたままになっている理由が存在することになっています。結局のところ、トリプタン製薬メーカーの不利益な考え方は一切容認されることはないということです。片頭痛が治るなどといった考え方そのものは”言語道断”ということです。
なぜ、片頭痛が”遺伝的疾患”とされたままなのかが理解して戴けたでしょうか。
ということは、片頭痛は私達自身で、改善・克服するしかありません。専門家といえども、頼りにはならない、ということです。