この書籍は1979年にアメリカの小児科医のロバート・メンデルソンによって刊行され、全米で大ベストセラーとなって以来、不朽の名著として読み継がれており、本年度、日本で初めて弓場隆の翻訳によって三五館から出版されたものです。
内容は、アメリカの40年前の医療状況の批判を行ったものです。このように古い本でありながら、まさに日本の現状にあてはまるものであり、驚かされます。
そして、さらに驚かされることは、日本の頭痛医療で、そっくりそのまま二番煎じのごとく踏襲されていることでした。
先月、某出版社の創立20周年記念として、”出版費用¥0 キャンペーン”に、私は 「これでよいのか 片頭痛医療」改訂版 http://taku1902.jp/sub512.pdf を応募しましたが、この内容が、日本頭痛学会への批判であり、広く一般に公開される書籍において、特定対象への批判、憶測による言及は避けるべきであり、現状のような書き方だと名誉棄損と受け取られかねないとの理由から、却下されました。
しかし、「こうして医者は嘘をつく」を読み、私が今回記載したことは、「こうして医者は嘘をつく」と比べれば物の数ではなく、私の指摘したことは、まさに氷山の一角に過ぎず、その根底に根ざすものは計り知れないということです。とくに「憶測による言及」とされることがどういったことなのかが理解されませんでしたが、製薬業界と専門家の結びつきのことを意味しているのでしょうか。こうしたことは、「こうして医者は嘘をつく」でも明らかにされ、頭痛医療の世界では、こうした結びつきは、歴然としており、具体的に実名を挙げて掲載すべきですが、それこそこのようなことをすれば「名誉毀損」で訴えられることを覚悟しなくてはなりません。このため、「憶測による言及」と思われたのかもしれません。このように、すべて事実に基づいた記載であり、憶測をしたようなことは何もないはずです。このことが気にかかっておりましたが、今回の「こうして医者は嘘をつく」では明快に記載されています。
こうしてみますと、日本の出版業界は、学会と製薬業界の思惑を配慮しなくてはならないようで、著者の意図することがダイレクトに伝わることはないようです。
このように、頭痛医療の世界は何から何まですべて欧米の二番煎じでしかないようです。
ということは、頭痛医療の世界は40年前に指摘されていたことが、未だに旧態依然として行われていることを意味しています。このことはまさに驚愕させられました。
こうしたことから、もう少し日本独自の考え方で「頭痛研究」が進められることが来年こそは期待しなくてはなりません。
いずれにしても、「こうして医者は嘘をつく」は現代を生きる私達が、現在の日本の医療事情を理解する上で、極めて貴重な書籍と思われます。たとえば、最近の日本で起きた医療事故・事件すべてが、納得されます。とくに若い女性の方々には必読の書籍のひとつと思われます。
今後、「こうして医者は嘘をつく」の「頭痛医療版」として、シリーズを考えています。