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頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 先月、某出版社の創立20周年記念として、”出版費用¥0 キャンペーン”に以下の原稿を応募しておりました。


  「これでよいのか 片頭痛医療」 改訂版 

     http://taku1902.jp/sub512.pdf
 

 この原稿を作成した目的は、本年3月にルネッサンス・アイ出版社から「片頭痛のセルフケア」を出版致しました。この出版は当初、これまでブログでも公開しています「片頭痛治療のてびき」と「慢性頭痛治療の考え方・進め方」の2冊を合わせたものを考えていましたが、総頁数が700頁にも及ぶことから、当初の予定より半分にまで縮小せざるを得ませんでした。

 このため、論旨が一貫せず、出来上がったものは、主張したいことの半分も載せることができず、不満足なものでしかありませんでした。このため、前回の「片頭痛のセルフケア」の考え方を明確に示すことで、理解を深めようとしたものです。
 それが、今回の「これでよいのか 片頭痛医療」でした。
 ところが、先日、以下のような講評を受け、結局のところ”没”になりました。


 今回拝読したのは、現在主流となっている片頭痛医療の問題点を指摘した貴重な提言書です。本作に底流するのは、「治せるはずの片頭痛をいつまでも“不治の病”にしてはならない」という著者の強い思い。学会や製薬会社が作りだした「絶対的な基準」に従って行われる片頭痛医療のなかで、痛みに苦しむ人が置き去りにされている現状に憤りを感じる著者のような医師が存在することに、まず救いを感じます。
 【第1章 慢性頭痛とは何か】というところから一つひとつ丁寧に説明がなされているため、頭痛の種類や片頭痛がどのような扱われ方をしているのかなど、素人にもわかりやすい内容となっています。片頭痛をどう捉えるかについての問題は、この章のみならず全編にわたって繰り返し語られており、読み手にも学会が規定している片頭痛の捉え方とその治療法の問題の深刻さが自ずと見えてくるようです。「国際頭痛分類第3版β版」の基準に合わないものが「緊張型頭痛」とされ、「取るに足らない頭痛」とされていることを著者は指摘していますが、これについても2章から11章まで細かく様々な例を挙げて説明されているので、著者の主張を実感的に受け止めることが出来ます。11章の「望ましい頭痛医療」における見解もまた、非常に説得力のあるものでした。【おわりに】とも合わせて、患者の痛みと真摯に向き合い解決の方法を模索している著者の姿が身近に感じられ、胸が熱くなりました。
 3章では、ミトコンドリアとは何か、片頭痛の要因についての説明が興味深く読めました。特に、活性酸素がミトコンドリアを弱らせることについて触れ、酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)の形成過程について説明したくだりが印象的です。
 4章には、ミトコンドリアがセロトニン神経系と連動していることや、ホメオスターシスに深く関わるのは自律神経・内分泌系・免疫系であるといったことが書かれており、後の部分を読んでいく際の一助となっています。体の歪みと「緊張型頭痛」との関係、慢性頭痛発症のメカニズムについての解説も丁寧で、理解しやすいものでした。
 5章では、便秘や後頚部の筋肉に負担をかける前傾姿勢など、我々の日常生活に潜む問題が指摘されており、一層興味をひくものとなっています。「国際頭痛分類第3版β版」の内容に触れ、「日常的に感じる極く軽度の頭痛」の重要性を認識していない所に問題があるとの指摘、市販の鎮痛薬の服用について警鐘を鳴らしているのも見逃せません。
 また、7章の「寝過ぎ」の悪影響について触れている箇所では、改めて眠りの質について考えさせられました。8章以降は、すぐにでも生活に活かせる情報が多く、安易な食生活や服薬を見直すきっかけを与えてくれています。
 以上のように、患者に寄り添う真摯な姿勢と、真の片頭痛医療をと願う著者の熱意が十分なほどに読み取れる作品ですが、弊社からの書籍化を視野に入れるとなると、クリアすべき課題も残されています。まず何より気になるのは、日本頭痛学会への批判です。広く一般に公開される作品において、特定対象への批判、憶測による言及は避けるべきであり、現状のような書き方だと名誉棄損と受け取られかねません。このように攻撃せずとも、著者には臨床という大きな強みがありますから、それに基づいて現行の片頭痛医療に対し異を唱えるという形でも十分に説得力とインパクトを具えた著作になるでしょう。感情的な批判は問題を生み、著者に必要外の労力を強いてしまうことにも繋がりかねませんので、そうした可能性を避けるためにも、今後は上述した点を踏まえ、表記・表現にも細心の注意を払いつつ、編集者と共により良い形での完成を目指していただければ幸いです。


 このように、学会への批判を問題とされたことです。タイトルで示されるように、一開業医からの提言です。提言する対象は学会・学会専門医でしかないはずです。学会・学会専門医以外に誰に提言しているというのでしょうか?
 

 平成25年には文芸社から、「片頭痛治療の考え方・進め方」を出版致しました。この出版の目的としたことは、「体の歪み(ストレートネック)」のエビデンスの確立を頭痛専門医の方々に訴えるのが目的でした。ところが、専門医の先生方は、「国際頭痛分類 第2版」が改訂された段階において、「体の歪み(ストレートネック)」と頭痛の関連性は否定されたとの一点張りで、全く検証すらされることはありませんでした。
 ところが、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々にとっては、「体の歪み(ストレートネック)」は施術の根拠ともなるべきものであり、こうした方々の施術により片頭痛の方々の多くが改善され、このように改善される事実が存在するが故に、極めて多くの方々が施術を求めて受診されている事実があります。専門医の申されるように有効でなければ、どなたも受診されることはないはずです。最近では、こうした方々にリンパ・ケアの方々も参画されるようになっている事実をどのように考えておられるのでしょうか?
 このように専門家の方々は、国際頭痛分類第3版を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準とされます。そして、トリプタン御用学者の論説は、まったく無条件に検証もすることなく、信用されるのが、トリプタン製剤が日本に導入されて以来の慣習にもなっています。こうした国際頭痛分類第3版を絶対視する考え方によって、どれだけ問題があるのかは、これまでもブログで明らかにしてきました。
 さらに、学会自体、慶応系と国立系の対立の構図です。このことは、これまで「誰が片頭痛を治らなくしたのか」で明確にしました。

 学会を主導される方々は国際頭痛分類第3版を頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”と定める、謂わば”カルト教団”にも等しい集団のなかでは、この国際基準に合致しない考え方は悉く排斥されてきました。今回のような論説を、小出しに発表しようとすれば、少なくとも100年は必要とされるでしょう。しかし、国際頭痛分類第3版を金科玉条のものとされる集団のなかではコンセンサスは得られるはずはなく、学会を主導される慶応系の先生方に排除されることは火を見るより明らかなことです。ということは、学会発表といったことは、まさに無駄な時間を浪費するだけのことでしかありません。こういったことから、毎年学会では、「無駄な発表しかされていない」ことには、このような理由が存在します。

 そして、最も問題にされなくてはならないことは、学会創設以来、慢性頭痛とは一体何なのかといった総論なしに、頭痛研究が行われてきたことです。このような謂わば、海図・羅針盤にも相当するものがなく、広大な荒海を航海してきたことを意味しており、当てもなく彷徨するだけのことでしかありません。このように学会自体の指導性が問われています。このような指導性が欠如していたために、欧米のトリプタン御用学者の考え方を無条件に踏襲するしか能がなかったということです。

 

 このような学会の実態を知っておくことが、一般の方々には必要とされます。

 こういったことから、何か別の手段で訴えるしかありません。手っ取り早く「書籍」にして訴えることに意味があります。


 このような事実を無視して、今回の「これでよいのか 片頭痛医療」は意味をなさないことになり、まさに机上の空論でしかなくなってしまいかねません。
 襟を正して、考え方を改めるべきは学会を主導される方々である、というのが今回の作成した目的であり、これが名誉毀損となることになれば仕方ないことです。

 今回のようにダイレクトに指摘しない限りは、いつまで経っても理解されません。
 それに、誰が・どなたが間違った考え方を正していくというのでしょうか?


 このようなことを考える限り、前回ご紹介させて戴いた本間真二郎先生の出版された「病気にならない暮らし事典」のようにオブラートで包んだような、抽象的な表現で述べることによって、爆発的に本が売れるようです。


 いつまでも、救われないのは、現実に「片頭痛でお悩み」の方々のようです。


 最近、当ブログにも多くの方々からコメントが寄せられます。


 何百錠、何千錠のトリブタン製剤を飲んできた。何も変わらなかった。本当に辛かった。もう飲みたくないし、飲まなくてもいいように・・・sinkoumam さんより

 

 このような悲痛な患者さんの叫びに耳を傾けるべきです。

 いつまで、片頭痛患者さんの生活の質 QOLを高めることだけを目的として、痛みという症状をとっているだけの対症療法に終始すれば気が済むのでしょうか。時代遅れも甚だしいといわざるを得ません。