前回、「脳過敏症候群」の理論的背景には、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成した「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”としていることを明らかにさせました。
”偉い先生方”が、片頭痛を原因不明の”遺伝的疾患”と考え、片頭痛治療のすべてはトリプタン製剤にあるとされることにあります。そして、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の面から説明してきたことによって、片頭痛の慢性化する過程が”謎”のままとなっています。このように単純なことでしかありません。
このため、片頭痛を含め慢性頭痛の本態を考える際には、このようなトリプタン御用学者が作成する「国際頭痛分類 第3版β版」という診断基準を離れて考える必要があります。「国際頭痛分類 第3版β版」という枠内で論議する限りは、いつまでも堂々巡りをするばかりで結論に至ることなく、このことはトリプタン製薬メーカーの思う壺でしかなくなってくるということです。
片頭痛を後天性ミトコンドリア病と考えれば、すべてが解決することになります。
すなわち、片頭痛は、諸々の要因によって引き起こされる”ミトコンドリアの機能低下”による機能性頭痛です。ミトコンドリアの機能が悪くなれば、当然、同時にセロトニン神経系の機能低下が起きてきます。ここに生活習慣の問題点が加われば、脳内セロトニンの低下が起きてきます。
このミトコンドリアおよび セロトニン神経系は、体内時計を制御・コントロールしており、生体リズムを乱してくることによって、生体の恒常性維持機能・ホメオスターシスを乱すことになります。これが、慢性頭痛発症の起点にもなります。
さらに、ミトコンドリアの機能低下と脳内セロトニンの低下は、体の歪み(ストレートネック)を引き起こすことになります。
前屈みの姿勢は、日常的に感じる極く軽度の頭痛の原因ともなり、これが長期間継続し、上記の2つの要因によって「体の歪み(ストレートネック)」を形成してきます。
これで、慢性頭痛を引き起こす要因がすべて揃うことになり、ここにミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”が存在すれば、これが片頭痛を発症させ、片頭痛を慢性化させてきます。
このようにして、脳に悲鳴を上げさせることになってきます。
慢性頭痛を引き起こす原因は「健康的な生活」が送れていないことにあります。
健康的な生活を送るためには、ミトコンドリアが正常に働き、同時に、セロトニン神経系がまともに作用していることが絶対条件になっています。
このように、片頭痛の病態をトリプタン製剤の観点からだけから考える以上は、片頭痛が慢性化していく運命にあり、最終的に「脳が悲鳴を上げて」、「脳過敏症候群」と「脳梗塞」を併発してくることに至ります。このように、「市販の鎮痛薬」を服用していることで、「脳が悲鳴を上げている」のではありません。誤解されないようにして下さい。
それでは、脳に悲鳴を上げさせないためには・・
簡単なことです。それは、ミトコンドリアの機能を改善させ、セロトニン神経系の機能を改善させればよい、ということです。これが基本です。
それも、日常的に感じる極く軽度の頭痛を自覚した段階で、市販の鎮痛薬を服用することなく対処すれば済むことです。
このように最初の対処の仕方が極めて重要になってきます。
このため、片頭痛に市販の鎮痛薬を服用の弊害を説くような段階では、既に手遅れでしかない、ということです。このような分かりきったことでありながら、にも関わらず、「脳過敏症候群」が一般の方々に賞賛されるのでしょうか? このあたりが、まったく理解できない点です。
「脳過敏症候群」を提唱される ”偉い先生方”は、日常的に感じる極く軽度の頭痛をまったく問題にされず、これに対して「市販の鎮痛薬」の服用に対して何ら警告すら発することなく、野放しにされます。この結果、片頭痛をひたすら醸成・熟成させることになります。このことは、トリプタン製薬メーカーにとっては願ってもないことです。
このようにして、”カリスマ医師”の出番が回ってくることになり、お互いが、万々歳となるということでしかありません。このようにして、製薬会社は儲かり、頭痛外来も繁盛し、お互いが申し分ないことになっています。
こうした理由から、「脳過敏症候群」を提唱される ”偉い先生方”が、片頭痛を”後天性ミトコンドリア病”とは頑なに考えない理由があります。まさに、医師にとっては死活問題となっているからです。
このことを私達は、冷ややかに直視する必要があります。
日常的に感じる極く軽度の頭痛を自覚した段階で、市販の鎮痛薬を服用することなく対処する方法は前々回述べました。
しかし、生まれつきミトコンドリアの機能が極端に悪ければ、悠長な経過を辿ることなく、いきなり片頭痛から発症してくることも当然あり得ることです。こうした方々のために対策を述べておきます。
そのために、以下のファイル用意致しました。
片頭痛の治療原則
http://taku1902.jp/sub444.pdf
生活習慣改善の原則
http://taku1902.jp/sub446.pdf
片頭痛の運動療法の原則
http://taku1902.jp/sub407.pdf
片頭痛の食事療法の原則
http://taku1902.jp/sub445.pdf
片頭痛体質改善のための3つの約束
http://taku1902.jp/sub415.pdf
ストレス対策
http://taku1902.jp/sub408.pdf
体の歪み(ストレートネック)の改善
http://taku1902.jp/sub409.pdf
以上のように、片頭痛まで移行してしまいますと、これだけのことを念頭に置いて、これまでの生活習慣を振り返ってみて戴くことによって、あなたのこれまでの生活習慣と照らし合わせて、どこに問題点があるかを見出して、問題があれは逐一改善・是正していく必要があります。
このようにして、「脳に悲鳴をあげさせない」ように配慮することが大切になってきます。
ただ単に、トリプタン製剤を漫然と服用しておれば、「脳は悲鳴をあげない」ことにはならないということです。このような単純なものではありません。
このような面倒なことをすることなく、「日常的に感じる極く軽い頭痛」の段階で、市販の鎮痛薬に頼ることなく対処すべきです。これが原則です。