脳は悲鳴を上げている!! その4 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 「脳が悲鳴を上げている」ことから、「脳過敏症候群」という新たな学説を提唱される”偉い先生方”は、国際頭痛学会が作成される「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準として金科玉条のものとされ、片頭痛の病態も、このシリーズのその1.でも明らかにしましたように、トリプタン製剤の作用機序の面から説明されます。
 このことは、「国際頭痛分類 第3版β版」の本家本元を紐解けば、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成したものであることを考えれば、このように説明されることは至極当然のことです。こうしたことから、トリプタン製剤を片頭痛の発作の都度、服用すべきとされます。これも、頭痛診療上、至極当然のことです。
 そして、トリプタン御用学者を中心として結成される国際頭痛学会では、「脳過敏症候群」という新たな学説が、拍手喝采を浴び賞賛されることも至極当然のことです。
 「脳過敏症候群」は、先日も申し上げましたように、トリプタン製薬メーカーが聞けば、泣いて喜ぶような学説であり、申し分のない考え方であることから、製薬メーカーからは、このような学説を唱える先生方は、片頭痛医療界の”カリスマ医師”として崇拝され、煽て祭られることになり、日本全国の悩める片頭痛患者さんは”信徒”として、挙って詣でることになり、1日に200~300人の患者を診察せざるを得なくなっています。
 さらに日本全国の医師会の頭痛の勉強会・研究会では、このような”カリスマ医師”を招聘され、こうした先生方の”ご託宣”を拝聴され、全く疑うことなく容認され、こうした学説に異論を唱える先生はどなたもおられないようです。


 「耳鳴り・頭鳴り・めまいは脳過敏症候群によることが多く、脳波をとれば診断がつき、抗けいれん薬を飲めば治る。片頭痛などの慢性頭痛を適切な処置なしに放置したことによって発症するので、日本頭痛学会のホーム・ページに掲載されている頭痛専門医を受診すると良い。」という趣旨をテレビで繰り返し主張したことによって、耳鳴り・めまいを訴えて高齢者がトリプタン製剤を求めて医療機関に殺到され、極めて由々しき事態が生み出され社会問題にもなったことから、日本頭痛学会は、2012年8月14日に、そのホームページに異例とも思えるコメントが出されました。しかし、このようなコメントも患者団体の会長がこの学説に心酔しきっていたことから、即刻、会長からの異議申し立てにより、学会ホームページからこのようなコメントも1週間足らずで削除され、現在では眼にすることはできません。ただ、問題とすべきは、患者団体からの抗議で削除したことです。


  患者団体は、組織が結成されて以来、トリプタン製薬メーカーの広告塔として、先陣をきってトリプタン製剤の啓蒙活動を行うと同時に、「脳過敏症候群」という新たな学説を提唱される”偉い先生方”の担当される「頭痛外来」へ会員の方々を送り込み、ここでは片頭痛患者を溢れかえさせることによって、メーカーからこうした先生方は片頭痛医療界の”カリスマ医師”として煽て上げられます。このような患者団体の功績から、さらに会長自身が「脳過敏症候群」に心酔していたことから、学会としても会長の抗議を無視できなかった事情があったのかもしれません。このあたりの裏事情は未だ”闇”とされています。


 そのコメントでは『「日本頭痛学会の会員の多くが認めている学説」とのコメントは正しくありません。』とされながら、学会が認定する肝心要の頭痛専門医からは一言も賛成とも異論を呈する方々がどなたもいらっしゃらなかったことです。このようにどなたも「脳過敏症候群」に対しては、冷ややかというか全く関心がないようで、以後、学会でも取り上げられることはまったくありません。
 それは、学会を主導される方々が、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成した「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準として金科玉条のものとされる以上は、この「国際頭痛分類 第3版β版」に異論を挟むようなことは論外とされ、このような基準に合致するものしか論ずることができないカルト教団のような状況にあることを誰もが認識され、謂わば諦めているのかもしれません。
 いずれにしても、頭痛専門医からは、脳過敏症候群に異論を呈されることはないようです。ただ、現在、休会になっている全国慢性頭痛友の会の会長だけは、絶賛されていることは確かです。しかし、私は、こうしたなかで、正面をきって異論を呈しています。
 私が正面から異論を呈していることに対して、このようなことは、学会の場で、論ずるべきであるとDr.メメザワに助言され、もっとしっかりお勉強をするように諭される始末でした。(なお、この助言は、メメザワ通信には残されているようで、興味ある方はご覧下さい)
 このような先生は、学会がどのような性質のものなのかが、理解されておらず、このような専門医が存在する以上は、日本の頭痛研究はいつまでも進展することはありません。


 そうこうしている間に、脳は悲鳴を上げている 頭痛、めまい、耳鳴り、不眠は「脳過敏症候群」が原因だった!? (講談社+α新書)が、タイトルを改めて出版されました。
 これをご覧になられた読者の大半の方々は、感銘を受けたと賞賛されます。
 この理由は、やはり国際学会で賞賛され、”カリスマ医師”として持て囃されているためと思われます。先程も述べましたように、製薬メーカーに迎合する学説であればこそ、なのでしょう。ここに持て囃される理由があるようです。マスコミとはこのようなものなのでしょう。


 しかし、”偉い先生方”がこのようにトリプタン製剤を勧めているにもかかわらず、片頭痛の方々の3割は慢性化しています。このような現実から目を背けてはなりません。

  どうしてこのように、トリプタン製剤を服用しているにもかかわらず片頭痛の3割の方々が慢性化していくのかが現在では”闇”とされています。


 このことは、最新号の週刊誌の「週刊現代」でも、取り上げられています。