健康の鍵はミトコンドリアが握っています | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。


 ところで、あなたは新陳代謝がいいほうですか?それとも、悪いほうですか?

 そのように問われたら、「汗をかきやすいから新陳代謝はいいほうです」とか、「冷え性だから、新陳代謝は悪いほう」とか、体質や自覚している体の状態で答えるでしょう。

 このように、日常会話にもたびたび出てくる「新陳代謝」ですが、じつはこれ、人体を形成する約60兆個の細胞に関わる重要なキーワードにして、免疫力を高める生活にとっても、ポイントとなる言葉です。でも、それを的確に説明できる人は、決して多くはないはずです。

 新陳代謝の本来の意味は、古いものが新しいものと置き換わることです。ビジネスの世界においても「社内の新陳代謝をはかる」などと言ったりする、身近な言葉でしょう。

 これが、人の肌の健康状態のよし悪しや爪の再生などといった、目に見える現象を指すのはご存知のとおりです。

 けれどもそれだけではなく、まさにヒトの生命活動そのものと言えるから重要なのです。

 新陳代謝を「リモデリング」と呼び、みずから新しくつくり換わっていく、生き物の最大の特徴と意味づけます。冒頭の、「汗をかきやすい」とか「冷え性」は、それぞれ、「細胞がつくり換わりやすい」「細胞がつくり換わりにくい」とも言い換えることができるのです。

 リモデリングでは、新陳代謝は、どのように行われているのでしょうか?これは、細胞のなか でミトコンドリアが酸素を使って行う呼吸、つまり、ミトコンドリアの呼吸なのです。

 逆にいうと、ミトコンドリアの呼吸が細胞内で正常に行われていると、若々しい細胞を保つことができ、元気で長生きできるということです。

 いつまでもが活発であることを意味します。

 つまり、新陳代謝そして、ミトコンドリアを元気にするような状態で日々を過ごすことが「免疫力を高める生活」なのです。

 このミトコンドリアこそが、健康長寿の鍵を握る極めて重要な細胞小器官(オルガネラ)です。

さらに、細胞内の生命体であり、生命科学と医学の主役になる、いのち「生命のなかの生命体」です。


若さを左右する「ミトコンドリア」を大切に


ミトコンドリアの意外な姿

 ひとことで言えば、私達の体は細胞でできています。生き物のなかのいちばん小さな単位は細胞ですが、その細胞は呼吸をしています。その細胞のなかで呼吸をしている主体が、ミトコンドリアと呼ばれる小さな器官です。

 たとえば、日本という国があなただとしたら、国民ひとりひとりがミトコンドリアだと想定するとわかりやすいでしょう。

 そしてそれぞれがミトコンドリアを含むおよそ60兆個の細胞が集合してこそ、私達が存在するのです。

 ミトコンドリアは、酸素呼吸をする生物には必要不可欠なもので、ほとんどの細胞のなかに含まれていて、生体の活動に必要なエネルギーをつくり出しています。

 「ミトコンドリア」は、目に見えないサイズの細胞の中にある小器官ですが、かなり有名な存在です。
 生物の教科書に出てくる細胞の構造図で、丸いカプセルのような形で描かれていたのを思い出した人もいるでしょう。
 ところが、最近の研究者が書いた本などを読むと、私たちのイメージする「ミトコンドリア」は非常にデフォルメされたものだったことが分かります。

 まず、本物の生きているミトコンドリアは、コロンとした形とは限らず、主に糸状です。 色も多様で、鉄を含むため、おおむね赤色です。しかも、活発に動き回り、融合や分裂をくり返していて、1個の細胞内に約100~3000個もあります。

 このように個数に幅があるのは、代謝をつかさどる肝臓の細胞や、大量のエネルギーを使う心臓や筋肉、神経の細胞に特に多いからです。ミトコンドリアは全身を支える「エネルギー工場」であり、せっせとATP(エネルギーを放出する物質)をつくり続けています。
 長さが0.5マイクロメートル(1マイクロメートルum=1000分の1ミリメートル)ほどの楕円形をしていて、外はなめらかな膜でおおわれ、内側は「クリステ」と呼ばれるひだ状の構造になっています。

 内側の膜の上には酵素が含まれていて、ここで酸素を利用して栄養素を分解しながら、「アデノシン三リン酸」(ATP)という化学エネルギーをつくり出しています。

 このミトコンドリアが産出しているATPという化学物質のもつエネルギーが、熱や電流に変換されて体温を維持したり、筋肉の収縮、神経活動、物質の合成や分解などに使われたりしているのです。

 いわば、細胞のなかの発電機のようなものです。

 ヒトの体の細胞は、ミトコンドリアによって行われる新陳代謝により新たにつくり換えられ、 生命を維持しているわけです。

 このように、ミトコンドリアはヒトの体内で極めて重要な働きをしているにもかかわらず、一般的にはあまり注目されていないどころか、昨今の理科離れによって、若い人たちからはその存在までもが忘れ去られようとしているのが実情です。


 ただ、ATPをつくる時に、勢い余って活性酸素もつくってしまうのが難点です。活性酸素は、菌やウイルスなどをやっつけてくれる一方で、その強すぎるパワーで遺伝子DNAを傷つけます。活性酸素を除去する作用や遺伝子DNAの修復が間に合わず、遺伝子DNAに傷が蓄積してエラーを起こす現象こそが、「老化」なのです。

 では、ミトコンドリアが、活性酸素をつくり過ぎないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。そのコツをつかめば、全身の「若返り」も夢ではありません。


「体を若くする機能」をもつ「ミトコンドリア」とは?


 人間の体はどのような場合に、衰えていくのでしょうか? 

 実は体の衰えは、体の「エネルギーをつくる能力」に関係しており、体の「エネルギーをつくる能力」が低下することが、体が衰えてしまう原因です。

 反対に、「エネルギーをつくる能力」が衰えなければ、体の若さを維持することが出来ます。そして、そのエネルギーを生み出しているのが、「ミトコンドリア」なのです。

 先程述べましたように「ミトコンドリア」とは、「私たちの細胞の中にあるひとつの器官で、細胞全体の10~20%を占めています。細胞によって100個から3000個もの数が含まれている器官で、さまざまな役割を担っています。また、「その中でももっとも重要なはたらきが、体を動かしたり基礎代謝を促したりするための「エネルギー」をつくり出すこと」なのです。

 したがって、ミトコンドリアのエネルギーをつくる能力をいかに高く保てるかということが、体の若さを維持する鍵になってくるのです。そのため、体の若さを保つためには、ミトコンドリアの量を増やすことが必要になってきます。なぜなら、ミトコンドリアの量が増えれば増える程、多くのエネルギーが作られるようになるからです。

 そうなるためには、適度に運動することが必要になってきます。もし「疲れるから、体力がないからと、体を休めてばかりいると、ミトコンドリアが極端に減り、エネルギーのつくれない「老いた体」になって」しまいます。

 反対に、ミトコンドリアの量と質を高める生活を意識しさえすれば、潤沢なエネルギーが体に生まれ、老化を防止するだけでなく、代謝も活発になり、体の機能は向上します。
 それに加え、「最近の研究によって、ミトコンドリアが生み出すエネルギーの低下」が、認知症の原因の一つであることが判明してきたため、ミトコンドリアのエネルギーをつくる能力を高く保つことは、認知症の予防にも効果があります。

 普段から脳の血流量を増やし、ミトコンドリアのエネルギーをつくる能力を高く保っておくことが認知症に有効であることは間違いありません。しかもそれだけではなく脳のミトコンドリアが増えると、脳が使えるエネルギー量が増えますので、認知症を防止するだけでなく、集中力が増したり、発想力が豊かになったり、脳の機能全体がよくなります。

 ところで、「体を若くする機能」には「ミトコンドリア」だけではなく、「活性酸素」の存在も関係してきます。活性酸素は健康な細胞を攻撃して老化を促すことでよく知られていますが、ミトコンドリアがエネルギーをつくる工場だとしたら、活性酸素はエネルギーをつくる際に出てしまう有害な排水もしくは排煙のようなものです。


活性酸素を減らし、エネルギーを作り出すミトコンドリアを増やすことが老化を防ぐ。

 また、活性酸素は酸化力が強いため、細胞の中のものを傷つけてしまいます。特に深刻なのは遺伝子を傷つけてしまうことであり、実は、「遺伝子の傷の蓄積」こそが、「老化の正体」なのです。

 その活性酸素はどういった時に生じるのかといえば、まず、血液が流れていなかった状態から、急に血液が流れ酸素がミトコンドリアに入り込んだときにもっとも多く発生します。

 つまり、「酸素がないとミトコンドリアはエネルギーをつくることができないので、いわば休業状態」なわけですが、「急に酸素が投入されると、余分な酸素が活性酸素」になってしまいます。

 そのため、例えば「激しい運動を急にやめるとき」や「運動後に高濃度の酸素を吸うこと」、正座している時に「急に立ち上がろうとすること」などは、活性酸素を急激に増やす原因になりますので、運動を止める時は「次第に酸素が消費されるよう工夫」することが大切です。

 もうひとつ、実際の生活の中で活性酸素を誘発する最大の原因はストレスです。その理由は、ストレスを感じた時、ストレスを打開しようとしてストレスホルモンが分泌されることで、血圧と血糖値が上昇し、私たちの体は臨戦態勢になるからです。その臨戦態勢の状態は急激に運動を開始したときと同じ状態のため、活性酸素を生じさせてしまいやすくなります。

 活性酸素が細胞の中、特に遺伝子を傷つけてしまうのを防ぐには、日常生活の中で、活性酸素が生じてしまうのをなるべく避けることが重要だと思われます。それに加え、人間にもともと備わっている遺伝子の傷を修復する能力が使われたり、活性酸素を取り除く「SOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)」がたくさん作られたりするには、より多くのエネルギーが必要になるため、ミトコンドリアを増やしていくことが大切です。

 普段は「体温調節」や「呼吸」など、今を生きるために必要なことにエネルギーが使われているため、優先順位が低い遺伝子の傷の修復にまでエネルギーがなかなか回りにくいのです。また、ミトコンドリアの数が不足してしまったり、ミトコンドリアの質が悪く十分なエネルギーをつくれなかったりすると、どうしてもエネルギーは不足してしいます。
 反対にエネルギーを十分に作る能力が高ければ高いほど、基礎代謝に加え、人間に備わっている老化を防止するシステムや遺伝子の傷の修復能力にもエネルギーが回るようになります。

 つまり、「長寿のためのシステム」をきちんと機能させることができるかどうか、それはエネルギー製造工場であるミトコンドリアがたくさんエネルギーをつくってくれるかどうかにかかっているのです。


ミトコンドリアで若さをキープ!


 「エネルギー工場」では電子のやりとりが盛んで、負担が重すぎると漏電し、より多くの活性酸素ができてしまいます。ですから、老化の主犯でもある活性酸素の発生を抑えたければ、とにかくミトコンドリアに無理をさせないことです。

 なるべく全力疾走のような急激な運動や、消化酵素が急に必要になるような早食いは避けましょう。エネルギーが一気に消耗され、ミトコンドリアが大忙しになってしまいます。

 それから、ミトコンドリアの数を増やし、1つ当たりの負担を減らしましょう。数が少ないほど過労状態になり、活性酸素ができやすくなるからです。

 筋肉、特に赤筋(遅筋)を鍛えると、ミトコンドリアが増えます。息を止めて行う筋トレではなく、有酸素運動で鍛えられるのが赤筋です。背中に最も多いので、背筋をピンと正すことを日々意識するだけでも効果が望めます。

 また、敢えて腹ペコになる時間をつくることも有効です。空腹によって活性化する長寿遺伝子が、ミトコンドリアを増やすためです。そもそも長寿遺伝子がアンチエイジングに役立つのは、ミトコンドリアのおかげとも言われています。

 寒中水泳やサウナの後の水風呂などでブルッとくると、脳が「ミトコンドリアを増やせ」という指令を出します。ミトコンドリアは多忙が嫌いで毒を吐くけれど、ちょっとした我慢(空腹や寒さ)は好きで増えちゃう、と覚えておけばいいでしょう。

 私たちの体は、毎日、自分の体重に匹敵するほど大量のATPを、つくるそばから消費しており、ミトコンドリアは年中無休でよく働いています。その原動力は栄養と酸素です。

 イカや貝類などに含まれるタウリンは、ミトコンドリアの材料になります。また、ココナッツオイルなど中鎖脂肪酸を多く含む油は、そのままミトコンドリアの中に入っていけるので、効率の良いエネルギー源になります。


幸せだから健康なのです。ミトコンドリアを増やしてエイジレス美人になろう!


ミトコンドリアを増やすために最適なスポーツは!?


 ミトコンドリアはとても合理的です。身体にとって必要な量のエネルギーしか生成してくれず、そして身体はそのエネルギー源を生成するための最低限のミトコンドリアしか持つことができません。少し省エネモードで身体を休めていると、エネルギー生産量はそれに合わせて減っていき、どんどん頑張りのきかない身体になりかねません。それを避けるためには、ほどよい運動習慣を持ち、常にエネルギーが必要であることを身体にわからせておく必要があります。またその際に鍛えるべきは、ミトコンドリアを多く含む部位。ミトコンドリアは持久力を司る筋肉の中に多く含まれています。持久力を司る筋肉とはいわゆる赤筋(遅筋)といわれるもの。太ももや背中の筋肉のことで、背筋をのばしたままゆったりと動く運動がミトコンドリアを増やすためにはおすすめ。例えば社交ダンスや日本舞踊、太極拳やヨガなどはまさにミトコンドリアにぴったりのスポーツといえるでしょう。

ミトコンドリアの喜びは、自分の喜び!


 ミトコンドリアが活性酸素を多く生み出す時。それは、酸素が一気に取り入れたときや身体が炎症を起こしているときです。怪我や事故で一時的に呼吸が止まった後や、ストレスで緊張した直後に身体が弛緩したとき、また身体のどこかで 炎症が起こっているときに活性酸素が多く生み出されます。逆にいえば、気持ちも身体もリラックスしていてハッピーで健康なときは、ミトコンドリアも問題なくエネルギー生成できていて、活性酸素の発生も抑えられているのです。つまり、幸せや心地よさを追求するということも美容やアンチエイジング、健康には欠かせないというわけなのです。


「幸せな気持ち」と「ミトコンドリア」が握るアンチエイジングの鍵!?


 いつまでも若くて美しい人とそうじゃない人の違いとは?

「いつまでも美しく健康でいるためにはどうしたらいいの?」とか「年を重ねても若くて美しい人とそうじゃない人の違いってなに?」などと、 疑問に思ったことはありませんか? 実はこれ、ミトコンドリアに違いがあります。

姿勢を良くしてミトコンドリアを増やそう!


 つまり、老化や病気を遠ざけるため=「いつまでも美しく健康でいるため」にはこのミトコンドリアと活性酸素を制する必要があるということ。そのためにできることは次の3つです。

1、良質なミトコンドリアを増やす

 ミトコンドリアは体にとって必要な量しかエネルギーを作ってくれません。体を休めてばかりいるとミトコンドリアの量もエネルギーの生産量も落ちてしまいます。逆にミトコンドリアを増やしたい場合は、体にエネルギー不足を知らせてあげればいいのです。それには、背筋を伸ばす/背筋や太ももの筋肉を鍛える/マッサージで体を刺激する/空腹を感じる/寒さを感じる、などが有効。具体的には、常に背筋を伸ばして大股で歩くように心がける。食事はお腹が空いてから。そしてクラシカルな手法ですが寒風摩擦なども効果的です。

いつまでも美しく健康でいるためには「幸せ」を感じることが大切!?


2、体内の酸素量を急激に増やさない

 体内の酸素量を急激に増やさないようにするためには、急激な運動は避けるべき。運動時には丁寧にウォームアップやクールダウンを行いましょう。また、余計なストレスを避けること、メンタルを整えることも大切。強いストレスを感じると血流が一時的に悪くなり、それが回復するときに体内の酸素量が急激に増えます。その状態を避けるため、ストレスに強いメンタルづくり、または余計なストレスを避ける環境づくり…自分が幸せを感じられる感覚を大事にすることが大切になります。呼吸法や瞑想、両方を学べるヨガなどからコントロール方法を学ぶのもいいでしょう。

3、発生した活性酸素を除去する

 活性酸素の除去方法については、抗酸化物質が有効です。食事からとれる抗酸化物質が重要です。


 以上、いかがだったでしょうか? ミトコンドリアへのアプローチは意外とシンプル。 年齢を重ねてもいつまでも美しく健康な人は、幸せに溌剌と生きている人なのかもしれません!