専門家が「国際頭痛分類第3版 β版」を金科玉条のものとした結果は・・
専門家は、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準とされます。この基準は国際頭痛学会が作成した最も”権威ある基準”とされます。
しかし、こうした基準は、名古屋の寺本純先生はその著書「こうして治す片頭痛薬物乱用頭痛といわれたら」(講談社)で、「国際頭痛分類」は、欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成したものと酷評されるものです。こうした、基準を”絶対的な基準”として、慢性頭痛の研究が行われてきました。
専門家は人道主義に基いて片頭痛の根絶を目指していると研究を進めていると主張しています。しかしながら、真実はまったくその逆です。
専門家は、欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成した「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準とされます。専門家はこれまでトリプタン製薬メーカーと二人三脚で常に手を携え合って片頭痛研究を進めてきました。ところが、トリプタン製薬メーカーは、製薬市場拡大の基盤として片頭痛を存続させ続けることが目的です。
トリプタン製薬メーカーの求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。
この「国際頭痛分類第3版β版」の真の目的は、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して”トリプタン製剤を処方する”ためのものです。
これまで、日本にトリプタン製剤が導入される以前から、学会を主導される方々は、常にトリプタン製薬メーカーと二人三脚で、片頭痛研究を推進され、さらにトリプタン製剤の啓蒙活動を行ってきました。
こうしたことから、片頭痛治療の世界はトリプタン製剤が第一選択薬とされ、さらに片頭痛の”特効薬”とまでされ、一部の専門家はトリプタン製剤で”片頭痛が治る”とまで豪語され、片頭痛の病態はすべてトリプタン製剤の作用機序の面から説明されることになり、これで片頭痛の治療体系は確立されたと自画自賛されます。しかし、片頭痛という辛い頭痛を緩和しただけで、これですべて”よし”とされ、その結果、片頭痛の方々の3割が慢性化するに至っても我関せずです。
このように、片頭痛治療の世界はトリプタン製剤がすべてとされるに至っています。
こうして考えみれば、片頭痛病態解明の最大のネックは「国際頭痛分類第3版 β版」にあると考えられることは、これまで述べてきたことで明らかなことです。
このため、慢性頭痛を解明するためには「国際頭痛分類第3版 β版」を全く離れて行わない限り不可能であることは、皆さんにも理解されるはずです。
とくに片頭痛病態解明のためには「国際頭痛分類第3版 β版」という基準は研究の阻害要因のなにものでもないことは明らかなはずです。
専門家は、片頭痛治療にトリプタン製剤を使うことを提唱されます。これは、片頭痛発作時に減少した「脳内セロトニン」を補填するためのものです。しかし、この片頭痛発作時に「脳内セロトニン」がなぜ減少するのかは、一切不明といった無責任なことを述べていることを知っておくことが重要になってきます。
これまでの専門医の間では・・
これまで脳のなかに異常のある「二次性頭痛」と脳のなかに異常のない「一次性頭痛」を含めて一緒に論じられてきました。この理由は、症状の上で「一次性頭痛」と考えられるものが、画像検査をしてみますと、「二次性頭痛」であったということが時に診られることから、このような形態で一緒に論じられていました。
もっとわかりやすく言えば、ある頭痛患者さんの頭痛診断を下す際に、「国際頭痛分類 第3版β版」で定義される”頭痛”を4つも5つも鑑別診断に挙げ、この中には二次性頭痛と定義される頭痛が必ず含まれることになっています。
こういったことから、「一次性頭痛」を論じる場面では、脳のなかに異常のない頭痛と”定義”されているにも関わらず、お門違いの”脳の専門家とされる”脳神経外科医が、「二次性頭痛」の病態の観点から論じられ、脳外科以外の神経内科医、小児科医、産婦人科医、耳鼻科医、関係の頭痛専門医は、謂わば”盲目的に”従ってきた傾向があります。
このように、脳のなかに異常のない頭痛(一次性頭痛・慢性頭痛)をあたかも「脳のなかに異常がある」かのごとく論じられてきたことによって、慢性頭痛の原因が明らかにされなかった理由がここにあります。
卑近な例では、「脳過敏症候群」が脳神経外科医から提唱された際に、極々一部の神経内科医が異論を呈しただけで、大半の頭痛専門医は盲従され、このためネット上、マスコミ、書籍でも広く宣伝されることによって、これがあたかも真実であるかのごとく世間一般では受け止められました。このため、「耳鳴り、めまい」を訴える高齢者の方々がトリプタン製剤を求めて、一般の医療機関に殺到され、社会問題にまで発展しました。このため、日本頭痛学会はこれに対して、ホームページ上、異例とも思われるコメントを出されたことは記憶に新しいと思われます。
しかし、この際に、患者団体の抗議により、このようなコメントも1週間前後で削除され、ウヤムヤになってしまい、結局のところ現在でも、このような「脳過敏症候群」があたかも”真実”であるかのごとくネット上に広く存在・流布し残存しています。
こうした”場違い”の患者団体の抗議によって、こうした学会ホームページのコメントを削除するのではなく、理論的にどこが”おかしいのか”と論破された上でこのような「脳過敏症候群」の論点の”間違い”を指摘されるべきであり、ここに学会自体の脆弱性を晒しているとしか言えないはずでありながら、一切このような議論が未だになされることはありません。
このように脳のなかに異常のない頭痛と”定義”される片頭痛でありながら、脳の専門家とされる脳神経外科医が、脳のなかに異常のない頭痛を、当たり前のごとく論じるのが現在のあり方です。そして、こうしたことから、脳のなかに異常のない頭痛と”定義”される片頭痛が、最近では”中枢性疾患”という脳のなかに異常のある頭痛とまで、”基本的な定義”さえ覆されています。
このように、本来、脳のなかに異常のない慢性頭痛は、こうしたお門違いの脳神経外科医が中心となって、その病態が論じられることから、益々、混迷を深めてきました。まさに支離滅裂な状況にあると考えなくてはなりません。
こうした状況は、まさに狂気の沙汰としか表現できないところです。
このため、頭痛診療を行う場面では、まず、神経学的検査法(眼底検査も含めて)もしくはCT・MRIなどの画像検査を行った上で、二次性頭痛を真っ先に除外した上で、脳のなかに異常のない一次性頭痛(慢性頭痛)として、厳然と区別し、脳神経外科医を排除して、一次性頭痛(慢性頭痛)のみを論ずる「臨床頭痛学」を構築しなくてはならないはずです。こうした単純なことすら認識されていません。
慢性頭痛には、「国際頭痛分類 第3版β版」では、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛の4つが大きく大別されていますが、さらに「二次性頭痛」として定義されるもののなかには「脳のなかに異常のない二次性頭痛」が存在します。
こうしたことから、「国際頭痛分類 第3版β版」を離れて、これら5つの群をひっくるめて「脳のなかに異常のない頭痛」として、すべて一括した上で、”慢性頭痛”として論ずるべきです。
従来、頭痛専門医は、日本内科学会,日本小児科学会,日本産科婦人科学会,日本眼科学会,日本耳鼻咽喉科学会,日本脳神経外科学会,日本麻酔科学会,日本救急医学会,日本リハビリテーション医学会および日本精神神経学会.日本神経学会 といった各科が入り乱れた集合体で構成されてきました。ここでは、一次性頭痛と二次性頭痛をすべて混在させて「臨床頭痛学」が論じられてきたことになります。このような謂わば”前時代的”なことが未だに継続されていることになります。
しかし、先程も述べて参りましたように、「脳のなかに異常のない慢性頭痛」は、「脳の中に異常のある頭痛」とは厳然と区別して論じるようにする必要があります。
そのためには、細胞学、遺伝学、生理学、分子化学などの基礎医学的知識を踏まえて、神経科学、神経生理学、現代栄養学、スポーツ医学など幅広い領域から、知識を取り入れ、「国際頭痛分類 第3版β版」という枠を離れて論ずるべきです。
このような欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者によって作成された「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の絶対的な基準としていることだけを考えてみても、馬鹿でも限界があることはわかるはずです。このようなことが現実に専門家のなかでは、頭痛研究の絶対的な基準とされ、すべてこの枠内でしか慢性頭痛が考えてこられなかったことから、慢性頭痛の本態は”闇・暗黒の世界”とされてきました。
少なくとも、「一次性頭痛と二次性頭痛を混在させる」ような学会のあり方そのものは、既に時代にそぐわないものであり、まさに”前時代的なもの”でしかありません。
このように、脳神経外科医を排除した形で、一次性頭痛のみを論じる研究会として分化すべきです。脳神経外科医には、日本脳神経外科学会があるわけで、これで十分なはずです。耳鼻科、眼科領域の疾患による頭痛が存在するといった程度の知識で十分であり、婦人科さらに麻酔科、まで枠を拡大していることにも問題があります。
そして、慢性頭痛を考える際には、「国際頭痛分類 第3版β版」という枠を離れ、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛をすべて一括した上で、「慢性頭痛」として論ずるべきです。さらに、「脳のなかに異常のない二次性頭痛」は、片頭痛との関連から考察すべきです。
学会を主導される方々のように、緊張型頭痛、片頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(ここに群発頭痛が含まれます)、その他の一次性頭痛、それぞれを個別に論ずるのではなく、これらの個々の頭痛が慢性頭痛のなかで、どのような位置づけがなされるかといった観点から論ずるべきです。
そして、慢性頭痛のなかで片頭痛を中核として、その中心に見据えた上で、片頭痛の大半は”多因子遺伝”という遺伝形式で遺伝し、片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛であるという基本原則が貫かれなくてはなりません。
さらに、機能性頭痛(一次性頭痛)一元論という論点から考えるべきものと思っております。
このような論点をもとに、これまでの細胞学、遺伝学、生理学、分子化学などの基礎研究業績を踏まえて、神経科学、神経生理学、現代栄養学、スポーツ医学など幅広い領域からの業績を理論的な背景・根拠とすべきです。
片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であることを念頭において、まず、頭痛を離れて、細胞学、遺伝学、生理学、分子化学などの基礎研究業績・知見を整理しておく必要があります。
そして、神経科学、神経生理学、現代栄養学、スポーツ医学など幅広い領域からの研究業績と連結させる必要があります。
これまでのように、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成された「国際頭痛分類 第3版β版」という限られた枠を超越する必要があります。
「国際頭痛分類 第3版β版」という限られた枠内だけで考えることでは自ずと限界があるということを認識しなくてはなりません。
このようなことは、「国際頭痛分類」そのものがどのような経緯で作成されたのかを考えてみれば明らかなはずでありながら、これが”世界で最も権威ある”国際頭痛学会が作成されたものであるといった”水戸黄門の印籠”のごとく振りかざし「頭が高い」と、平身低頭させ、問答無用に頭痛研究者を服従させようとすることに根本的に問題があると考えなくてはなりません。それにも増して、このような理不尽なことが罷り通っているのが頭痛診療の世界です。
これまで学会で論じられたことはといえば、生まれて初めて経験する極く軽い頭痛から緊張型頭痛まで、これらはまさに取るに足らない頭痛として完全に無視され、このような頭痛に対する「市販の鎮痛薬」の服用を野放しにしたことによって、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、さらに「脳内セロトニン」の低下を引き起こさせる結果となり、これに様々な生活習慣の問題が加わることによって、緊張型頭痛から片頭痛へと移行させることになります。このように片頭痛の起点ともなるはずの極く軽い頭痛から緊張型頭痛を無視することによって、原因を曖昧なものとさせてきました。さらに、慢性頭痛では、片頭痛だけが最も大切なものであり、これにはトリプタン製剤という特効薬があることから、この存在を認識させる目的で、頭痛専門医は、日本内科学会,日本小児科学会,日本産科婦人科学会,日本眼科学会,日本耳鼻咽喉科学会,日本脳神経外科学会,日本麻酔科学会,日本救急医学会,日本リハビリテーション医学会および日本精神神経学会.日本神経学会 といった各科が入り乱れた集合体で構成されてきました。専門医とは、片頭痛にトリプタン製剤を確実に処方する存在に過ぎないということです。さらにトリプタン製薬メーカーに”片頭痛医療の世界のカリスマ医師”と煽てられ祭り上げられた、訳の分からない脳神経外科医によって、突飛な論説が次々に出されたということに過ぎないということです。
「慢性頭痛を理解する」
http://taku1902.jp/sub396.pdf
こういったことから、脳の専門家である脳神経外科医の考え方をまったく度外視して、脳のなかに異常のない慢性頭痛に的を絞って考えていくべきです。一つの考え方として、「慢性頭痛を理解する」を提示させて頂くことに致しました。これまでの先達の研究業績を無駄にすることなく、これらをすべて繋ぎ合わせて行きさえすれば、慢性頭痛は明快に説明可能となるはずです。
ただ、遺憾なことには、従来の専門家にはこうした頭を使ってものを考える能力のある方々がいなかっただけのことであり、私達がみずから知恵を寄せ合って新たな「臨床頭痛学」を構築していくしかありません。これしか、私達が救われる道はないと考えます。少なくとも、製薬メーカーの論理は徹底して排除すべきです。これに付随したトリプタン御用学者も徹底して排除すべきであることは言うまでもないことです。
私達は、トリプタン御用学者の呪縛から1日も早く脱却し、まともな研究者の科学的根拠のある研究業績を再構築しさえすれば済むことであり、後は思索に思索を重ねさえすればよいことです。