「新・臨床頭痛学」の第6弾です | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 第1章で述べましたように、脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があります。
 「健康的な生活を送る」ためには、「ミトコンドリア」「セロトニン神経系」の2つが重要な”鍵(基本的な柱)”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。


 その理由は、ミトコンドリアは、私達の体を構成する細胞の中にあり、食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。


 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。


 セロトニン神経系は、”大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する、自律神経を調節する、筋肉へ働きかける、痛みの感覚を抑制する、心のバランスを保つ”などの重要な働きをしているからです。

 このように、健康な生活を送るためには、ミトコンドリアが正常に働き、セロトニン神経系がまともに機能していることが不可欠な要素になっています。


 健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
 この生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」はミトコンドリア・セロトニンにより制御されています。


 経験的に、ストレスは慢性頭痛を増悪させる原因と知られています。
 ストレスは、脳内セロトニンを枯渇させ、痛みの抑制が困難になることから、頭痛を感じやすくさせます。


 片頭痛発作の時は「脳内セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下することが知られています。片頭痛発作の時に、セロトニン様作用をもつトリプタン製剤がよく効くのは、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップするためです。
 ところが,専門家の間では、中枢神経系でセロトニンが減少する理由についてはまだ謎とされています。


 しかし、この「脳内セロトニンの低下」は、ミトコンドリアの働きの悪さに連動した「セロトニン神経系」の機能低下に、生活習慣の問題点によって引き起こされたものです。


 今回は、この「セロトニン神経系」についてです。


 今回は、以下のファイルです。


  第6章 慢性頭痛を理解するために
         セロトニン神経系
   
http://taku1902.jp/sub373.pdf