これまで4カ月に渡って述べてきましたが・・ | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで昨年10月下旬以来4カ月に渡って慢性頭痛とくに緊張型頭痛、片頭痛について述べて参りましたが、本日で一応区切りとさせて頂くことにします。
 これまでの論旨を最後にまとめさせて頂きます。


 現在、片頭痛治療は、頓挫薬としてトリプタン製剤が、予防薬として各種のものが提唱されています。いずれも薬物療法がすべてです。
 医療機関に受診されない方々は、市販の鎮痛薬を使用することになりますが、先日も説明致しましたように「安全性」の面から有効量が含まれていないこともあり、必然的に、服用量が増えざるを得なく、このため薬剤乱用頭痛に陥りやすいということです。
 そして、医療機関で処方される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も食事摂取の問題があれば、その効果を確実に引き出せないため、また薬剤乱用頭痛に陥りやすいことが明らかにされました。
 さらにエルゴタミン製剤も効くひとには有効ですが、使い方を間違えばこれまた、早め早めに服用せざるを得なくなり、また薬剤乱用頭痛に陥りやすいことが明らかです。
 そして、最後の砦である、トリプタン製剤でさえ、エルゴタミン製剤や鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)に比べて少ない服用回数でかつ早く薬物乱用頭痛に至りやすい傾向があるのが特徴とされるほど薬剤乱用頭痛に陥りやすい薬剤です。
 こうした事実は、片頭痛でお悩みの方々すべてが体験済みのことです。
 このように、片頭痛治療上、いずれの薬剤を使用しても薬物乱用頭痛に至る宿命にあるものと考えなくてはなりません。結局、片頭痛治療は”薬物乱用頭痛との闘い”であるといっても過言ではありません。


 こういったことから、片頭痛治療上、大切なことは、いずれの薬剤にも頼らないことが重要であり、頼るまでに至らない方法を考えなくてはなりません。


 これまでも述べてきましたように、慢性頭痛の基本的な病態は


   1.ミトコンドリアの関与
   2.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   3.体の歪み(ストレートネック)の関与
   4.ホメオスターシスの関与・・ストレスの関与
   5.脂肪摂取の問題・・生理活性物質との関与


にあります。


 本来、片頭痛は「ミトコンドリアの機能障害」による頭痛です。このため、当然のこととして、「ミトコンドリアの機能障害」に伴って、「セロトニン神経系」の機能低下が起きてきます。
 そして、「ミトコンドリアの機能障害」と 「セロトニン神経系の機能低下」が存在すれば、当然のごとく「体の歪み(ストレートネック)」が起きてきます。実際、片頭痛患者さんには、極めて高率に「体の歪み(ストレートネック)」が認められています。
 慢性頭痛の起点(スタート)は、「体の歪み(ストレートネック)」による緊張型頭痛です。これに、「ミトコンドリアの機能障害」と「セロトニン神経系の機能低下」が加わることによって、片頭痛へと進展し、さらに「ホメオスターシスの関与・・免疫・ストレスの関与」「脂肪摂取の問題・・生理活性物質との関与」が追加されることによって病態を複雑にさせているものと考えるべきです。
 このように、緊張型頭痛からどのような過程を経て、片頭痛まで進展していくのかといった”ある仮説”に基づいて、治療方針が構築されるべきです。
 このため、緊張型頭痛の段階で早期から対処すべきであり、片頭痛への移行を阻止する対策を立てることが極めて重要です。
 こういった論点から、家族および親族に片頭痛の方がおられる場合は、頭痛をまず自覚した時点で、将来片頭痛を起こす可能性のある”片頭痛予備軍”であるという考え方で、食生活を中心とした日常生活上の注意点を遵守すべく指導すべきです。現段階では、このような方式しかありません。
 
 現在の頭痛学会を主導される方々の方針では、片頭痛を熟成させているとしか思われない節があり、片頭痛には”トリプタン製剤”をというだけでは、トリプタン製剤の製薬メーカーの”回し者”と批判されても仕方ないのではないでしょうか。


 現在、日本では頭痛診療をされる診療科は「頭痛外来」です。この頭痛外来を担当される先生は、日本頭痛学会が認定される頭痛専門医の先生方です。これらの頭痛専門医の先生方は、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類 第3版 β版」を、その診療および研究における「絶対的基準」とされます。この分類では、約350種類の頭痛の診断基準が示されてます。
 日本人に多い頭痛の種類は主に、「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3種類と言われています。上記3つの頭痛ではない頭痛もたくさんあります。
その数ある頭痛の中から、患者さんがどの頭痛なのかを解明していくのが「頭痛専門医」とされる先生方です。この診断のために「頭痛ダイアリー」が繁用されています。
「国際頭痛分類 第3版 β版」では、大雑把な言い方をすれば、「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3種類は、一次性頭痛という「脳のなかに異常のない頭痛」とされます。 このなかには、先日も取り上げた「その他の一次性頭痛」があります。
 これに対して、二次性頭痛といって「脳のなかに異常のある頭痛」があります。例えば、脳腫瘍、クモ膜下出血、慢性硬膜下血腫のような、命に関わるものから、先日も取り上げた「二次性頭痛(その他)」も含まれています。
 この分類に従えば、例えば「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」、「その他の一次性頭痛」、「二次性頭痛(その他)」は、全く別物であり、厳格に区分すべきとされています。 そして、「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」「その他の一次性頭痛」それぞれは原因はまったく不明とされています。このため、このような診断基準に基づいて、あくまでも症候論から診断を下し、学会が作成される「慢性頭痛診療ガイドライン」に記載されるエビデンスがあるとされる薬剤を処方しなくてはならないように定められています。こうしたことから、片頭痛と診断された場合は、トリプタン製剤が第一選択薬とされ、まず、トリプタン製剤を処方すべきとされます。
 この「国際頭痛分類 第3版 β版」が国際頭痛学会が作成したものと言えば聞こえはよいのですが、基を正せば、名古屋の寺本純先生が指摘されますように「欧米のトリプタン製薬およびトリプタン御用学者が作成したものである」ということを考えれば容易に納得されるはずです。そして、片頭痛治療は、トリプタン製剤を中心として、これ以外に予防薬を併用する「薬物療法」がすべてとされ、これ以外は、すべてエビデンスなし、とされる現実が存在します。この点は、無視できない点です。忘れてはなりません。

 そして、ここ1カ月間をかけて、「その他の一次性頭痛」、「二次性頭痛(その他)」について述べて参りました。このなかでは、それらの病態は、「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」、と共通する部分が多いことが理解されたことと思っております。
 ということは、なぜこのような「国際頭痛分類 第3版 β版」であえて細かく分類する必要があるのかという疑問です。
一次性頭痛という「脳のなかに異常のない頭痛」には、共通した病態が存在すると考えるべきものと思っております。先程も、5つの病態を挙げました。これらが、すべて関与する場合もあるでしょうし、また、2つもしくは3つ、1つである場合もあります。
 慢性頭痛の個々の患者で、この5つの関わり方はそれぞれであると考えるべきです。
 このように解釈すれば、「国際頭痛分類 第3版 β版」による分類そのものは、あくまでも”便宜的”なものと考えるべきです。
「国際頭痛分類 第3版 β版」そのものを否定してしまえば、「医師」としての存在意義を放棄することを意味しますので、このようなことは決して言うつもりはありませんし、頭痛専門医の”根拠とされている”ものを否定は致しませんが、もう少し頭を柔軟にして「慢性頭痛」そのものを見直すべきと考えております。


ただ、ひとつだけ、未だに腑に落ちない点があります。


 それは、2004年に、「国際頭痛分類 第3版 β版」の前の「国際頭痛分類 第2版 」が改訂された時点のことです。2004年以前には、”頭痛と首”に関しての関連性を指摘されて来られた頭痛専門医の方々は、軒並み手のひらを返すがごとく、「国際頭痛分類 第2版」改訂を境にして、”頭痛と首”に関しての関連性を否定されたことです。
 これは、私が「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」に関する臨床成績をまとめた際での”思い(感想)”でした。「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」を否定することによって、緊張型頭痛の起こり方の説明が不可能になってしまったことと、ムチウチ患者さんのストレートネックをどのように評価するのかという疑問が残されました。
 冒頭でも述べましたが、これらを否定することによって「慢性頭痛」の起点(スタート)がまったく闇の中に葬られることになってしまい、結局、慢性頭痛の原因は不明のままとされている現実があります。
 こういったことから、「国際頭痛分類 第3版 β版」そのものの存在意義を疑っています。
 こういったことから、頭痛専門医の先生方は、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の施術の意義を無視される根源となっているように思われます。


 頭痛専門医の先生方の頭の中は、間中信也先生の開設されるHP「頭痛大学」にすべてが凝縮されていると考えるべきです。ここには、ありとあらゆる研究業績が記載されています。まさに、ネット上での様々な錯綜とした情報を垣間見る思いにさせられます。
 こうした情報のなかで何が真実なのかを取捨選択する必要があります。そして、この中から真実の情報を組み立てた上で、ある仮説を構築する作業が必要とされるはずです。
 現在、最も求められていることは、このような”思索”しかないはずです。
 このような思索のできない頭痛専門医の集まりからは、今後とも何も期待はできないと考えるべきなのかもしれません。推論のできない方々には何も期待できません。


 こう考える限り、現時点では以下のように推論すべきです。繰り返しですが・・
 そして、今後、新たな知見が見つかれば、再度、構築し直すことが重要です。


 本来、片頭痛は「ミトコンドリアの機能障害」による頭痛です。このため、当然のこととして、「ミトコンドリアの機能障害」に伴って、「セロトニン神経系」の機能低下が起きてきます。
 そして、「ミトコンドリアの機能障害」と 「セロトニン神経系の機能低下」が存在すれば、当然のごとく「体の歪み(ストレートネック)」が起きてきます。実際、片頭痛患者さんには、極めて高率に「体の歪み(ストレートネック)」が認められています。
 慢性頭痛の起点(スタート)は、「体の歪み(ストレートネック)」による緊張型頭痛です。これに、「ミトコンドリアの機能障害」と「セロトニン神経系の機能低下」が加わることによって、片頭痛へと進展し、さらに「ホメオスターシスの関与・・免疫・ストレスの関与」「脂肪摂取の問題・・生理活性物質との関与」が追加されることによって病態を複雑にさせているものと考えるべきです。
 このように、緊張型頭痛からどのような過程を経て、片頭痛まで進展していくのかといった”ある仮説”に基づいて、治療方針が構築されるべきです。
 このため、緊張型頭痛の段階で早期から対処すべきであり、片頭痛への移行を阻止する対策を立てることが極めて重要です。

 こういった論点から、家族および親族に片頭痛の方がおられる場合は、頭痛をまず自覚した時点で、将来”片頭痛予備軍”であるという考え方で、食生活を中心とした日常生活上の注意点を遵守すべく指導すべきです。
 ということは、片頭痛はあくまでも予防すべき頭痛であるはずです。

 これまで、頭痛専門医の一部の先生方は「セルフケアという自己管理」の重要性を指摘されてこられたはずです。これらの「セルフケアという自己管理」の具体的な内容を吟味すれば、以上のような論点に結びつくはずです。にも関わらず、このような論点からでなく、片頭痛治療のすべては、トリプタン製剤と予防薬だけです。これが何を意味するかは、敢えて申し上げるまでもないことです。

頭痛専門医の一部の先生方は「セルフケアという自己管理」の重要性を指摘される先生方は、当然、私と同様の方式で、片頭痛を改善に導いてこられた事実が厳然と存在します。ただ残念なことにこうした方式を学会の先生方の思惑を考えて、公にされないだけのことと思っております。こうした状況に置かれている頭痛診療の現場において、当面どのようにすべきなのでしょうか?

 慢性頭痛の拗れに拗れた方々は、現在の「頭痛外来」を受診され、この拗れた頭痛の謎解きをお願いするしかないと、考えなくてはならないようです。
 そして、このような”拗れに拗れた”頭痛に至らせないようにすべきです。
 このため、片頭痛でお悩みの方々はまず、これまで私が提示してきました「片頭痛の生活習慣の改善」 http://taku1902.jp/sub132.pdf  をご覧下さい。
 これをご覧頂いて、ご自分のこれまでの「片頭痛」を振り返ってみることです。
 全てに眼を通すのに3時間前後で読めるはずです。これをもとに、自分の生活習慣そのものを見直し・内省することによって、どこに問題点があるのかを見いだして下さい。
 あとは、この問題点を是正するだけのことです。簡単なことです。
 ただ、このような”たった3時間”をケチルことによって、いつまでも頭痛が改善されない人がいかに多いのかが、これまでの反省点です。当然、私の外来の患者さんにもこのような方々もおられ、トリプタンから解放されない方もおられることは事実です。
 こうした、自分で治そうとされない方々は仕方ないこととして諦めるしかありません。
 それは、糖尿病と同じように生活習慣病である以上、本人の自覚がなければ治せないということに他ならないからです。片頭痛とは、このような病気なのですから・・
 そして、家族および親族に片頭痛の方がおられる場合は、”頭痛”をまず自覚した時点で、将来”片頭痛予備軍”であるという考え方で、食生活を中心とした日常生活上の注意点を遵守すべきです。このようにして、片頭痛に至らせない努力が必要とされます。


 このようにしてみる限り、現在の学会を主導される先生方の治療方針を振り返ってみれば、この本質が何かが明らかになるはずです。私から敢えて、申し上げるべきことではありません。それは頭痛専門医そのものを愚弄することに他ならないからです。