二次性頭痛(その他) 17 エストロゲン離脱頭痛 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

女性と頭痛


 頭痛は思春期頃から発症することが多いのです。成人女性の約50~70%が経験しているといわれています。女性の頭痛の約60%は月経と関連しています。

なぜ女性に頭痛が多いのでしょうか


女性ホルモンのうち卵胞ホルモン(エストロゲン)には


 血管の緊張を調節する働きがある
 頭痛に関係する脳内物質のセロトニンの量にかかわっている

 のです。さらに頭痛はこのエストロゲンが急激に変動する時期に一致して起こりやすいのです。したがって月経がある女性では頭痛を経験する女性が多いのです。
 エストロゲンが急減すると、セロトニンという脳内物質に影響して脳の血管を拡張し、頭痛が起こるとされています。


頭痛の起こりやすい時期

 女性ホルモンと頭痛とは深い関係があるのですから、女性ホルモンが出ている時期、つまり初潮(初経)頃から閉経までの約40年間に頭痛を経験する女性が多いのです。とくに月経時、排卵期、妊娠、ピルの服用などのときに起こりやすいのです。なかでも月経時には「月経時頭痛」、排卵期には「排卵期頭痛」と呼ばれているのです。


排卵期頭痛

 排卵期もエストロゲンの変動が激しい時期です。排卵期には、下腹部痛、透明なおりもの、少量の出血、などが見られますが、排卵直前から頭痛がある女性も少なくないのです。


女性と片頭痛


 片頭痛は女性に多い疾患です。小児における有病率に男女差はありませんが、初潮を迎える年代以降には女性の有病率が増加すること、妊娠後期に片頭痛が改善すること、女性患者の約半数は片頭痛発作が月経に関連して起こるという自覚があることなどから、片頭痛発作と女性ホルモンとの関連性が示唆されています。


〈月経と片頭痛〉


 月経時の頭痛の多くは片頭痛であり、20~40歳代の日本人女性を対象にした調査では、月経時の頭痛の64.7%は片頭痛の可能性が高いことが報告されています。月経周期に関連してエストロゲン、プロゲステロンをはじめとするさまざまなホルモンが変動しますが、特に片頭痛発作はエストロゲンの血中濃度が急激に低下する排卵日や月経の初日前後に起こりやすいことから、エストロゲンが片頭痛発作の発症に深く関与している可能性が示唆されています。


〈妊娠・出産と片頭痛〉


 妊娠中期と後期の6ヵ月間では片頭痛が少なくなるといわれており、特に、月経に伴って片頭痛発作がおこる女性では、改善が著明であると報告されています。これは妊娠中の血中エストロゲン、プロゲステロン濃度の上昇の程度と一致します。その一方で、エストロゲンとプロゲステロンが急激に低下する分娩後には頭痛が悪化することも知られており、授乳・育児を行いながらの片頭痛発作のくり返しにより、QOLの阻害が大きなものとなります。


〈更年期、閉経と片頭痛〉


 閉経後は片頭痛の3分の2は改善するとの報告がありますが、更年期では女性ホルモンの変動で頭痛が増悪する患者やこの時期に起こる家庭生活や社会生活の変化(子どもの成長、親の介護、夫の社会的地位の変化)などのストレスが誘因で頭痛が悪化することがあります。更年期障害の1つとして頭痛はよくみられる症状ですが、このなかには片頭痛が悪化している例も多いと考えられています。


エストロゲンと頭痛の関係


 エストロゲン生理が始まる前に頭痛が始まるのはホルモンが不安定になっていることが影響しています。中でも生理前に増えていたエストロゲンが、生理開始に向けて減少することが頭痛の原因と考えられています。
 エストロゲンは女性ホルモンの1つで、卵子を作りだす卵胞期と呼ばれる低温期に分泌されます。
 エストロゲンは卵子を成長させるために必要で、卵胞期は特に多量のエストロゲンが分泌されます。このことからエストロゲンは、別名「卵胞ホルモン」と呼ばれます。
 ところが卵子は生理開始前に成長して、卵管という子宮へ繋がる管に移動します。成長した卵子が子宮に向かうには卵管を通らなければいけません。
 この頃は黄体期といって生理開始前のホルモンが不安定な時期です。卵胞は卵子を育て終えて、黄体へ変化します。エストロゲンも役割を終えます。
 役割を終えたエストロゲンは生理開始に向けて、どんどん減っていきます。急にエストロゲンが減少するので、脳は血管が拡張して頭痛を引き起こしやすい環境を作ってしまいます。
 生理に関わる頭痛の原因が必ずエストロゲンとは限りませんが、エストロゲン減少が原因でも生理開始前に頭痛が起こってしまうのです。

 エストロゲンは頭痛を引き起こす原因のホルモンというわけではありません。本来、エストロゲンは女性らしさを引き出すホルモンです。生理に関わるのも生殖機能を促進するためです。
 エストロゲンは閉経後の頭痛にも関係しています。閉経によってエストロゲンの分泌が減少することが、更年期障害の頭痛の原因になると言われています。女性とエストロゲンは、生理痛による頭痛だけではなく長い付き合いなのです。


 このように、エストロゲンが関係する頭痛として、経口避妊薬や女性ホルモン(エストロゲン)も頭痛を誘発する物質として挙げられています。「国際頭痛分類 第3版β版」では、「エストロゲン離脱頭痛」「外因性ホルモンによる頭痛」に分類されています。


生理時の片頭痛


 製薬会社のライオンの調査では、生理の前後に頭痛があると答えた女性は半数以上の53%。しかし、その頭痛が生理に関係していると認識している女性は「19%」にとどまりました。つまり、「8割以上」の女性は頭痛と生理周期の関係に気付いていないということがわかります。
 片頭痛は女性ホルモンの急激な減少があるときに起こりやすいので、生理中やその前後、排卵日などは要注意です。また、普段から片頭痛が起こりやすい人でも生理時の頭痛は特に治りにくく、市販の鎮痛薬が効かないことも多いようです。
 なおかつ片頭痛を「生理痛」と勘違いして、鎮痛薬で我慢している人も少なくありません。


生理不順と片頭痛


 近年はストレスを抱える女性が多いため、女性ホルモンのバランスが崩れやすく、生理不順になる人も多いようです。生理不順になると片頭痛もいつ起こるかわからない状態となり、不安だからと鎮痛薬をどんどん飲んで「薬物乱用頭痛」になることがあります。また、排卵時と生理時の片頭痛が連続し、ダラダラと頭痛が続くことで対処しきれなくなり、薬の量が増える人もいるでしょう。
 生理不順になった場合はかなりのストレスがかかっていると考え、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。もちろん、ストレスそのものが片頭痛の誘因になることもあるので注意してください。


妊娠中は、片頭痛が減る?


 女性は月経や妊娠・出産によって乱れるため、ホルモンバランスは常に一定ではありません。
 片頭痛は女性ホルモンの影響を受け、特にエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量によって起こると言われています。
 片頭痛と女性ホルモンはどのような関係があるのでしょうか?それには、セロトニンが大きく関わって来ます。
 セロトニンというと、不足するとうつ病になるというイメージを持っている人も多いことでしょう。
実はセロトニンには活動を活発にするだけでなく、血管を収縮させる作用があるのです。
片頭痛は血管が過度に拡張することによって起こり、その時に炎症物質が分泌されて三叉神経に作用することで痛みを感じるというのが、現在の有力説です。
 セロトニンとエストロゲンは互いに影響し合うと言われています。
 エストロゲンの分泌が減ることによって、セロトニンの分泌量も減少します。
 そうすると血管は拡張し、片頭痛が起こるのです。
 エストロゲンは排卵日や月経初日前後に減少するため、片頭痛が月経周期と関係する人が多いのです。
 妊娠中は女性ホルモンの分泌量が安定するため、片頭痛は起こりにくくなると言われています。
日本頭痛学会のデータによると、妊娠中は80%の人は片頭痛が改善し、出産第一週で半数以上の人で片頭痛が再発するということです。



妊娠中は片頭痛にならない?


 妊娠中は多くの人が片頭痛から解放されるようです。
 妊婦の身体は日々変化していくので、片頭痛がなくなっても妊娠中は疲れやすかったり、足がだるくなったり、おなかが張ったり…と妊娠中だからこそ現れる症状もあります。
なかでも一番つらいのはつわりでしょう。
 妊娠中は減ると言われている片頭痛ですが、つわりも人それぞれ全く症状や程度が違うように、片頭痛も個人差の大きいものです。
 妊娠したら片頭痛を起したという人もいます。
女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が増えるのは妊娠中期から後期にかけてですから、妊娠初期に片頭痛を発症する人がいてもおかしくはありません。
あくまでも、妊娠中は片頭痛を「起しにくい」というだけで、全く起こさないというのではないのです。


妊娠中に片頭痛を起したら…


 程度や頻度が軽くなるとは言っても、妊娠中にも片頭痛は起こります。
 しかし妊娠中の片頭痛には困った点があります。
 それは、薬が使いづらいということです。
 妊娠期間によって胎児への影響の度合いは違いますが、特に妊娠初期の2か月目は、胎児の器官形成時期となるため薬は控えておいた方がよいでしょう。
妊娠後期になると胎児の催奇形性はありませんが、胎児毒性が問題となるので、やはり控えるべきでしょう。
 では、実際に発作が起こってしまったらただ過ぎるまで耐えるしかないのでしょうか?
 医師に指示を仰ぐ必要がありますが、妊婦における片頭痛発作には、カロナール等のアセトアミノフェンなら認められることが多いです。
医師から許可が出た薬を使い、症状が増悪しないように部屋を暗くして、安静にしましょう。
 また、妊娠期間中だけでなく出産後にも主な片頭痛薬であるイミグラン・ゾーミッグ・マクサルトといったトリプタン製剤は、使用が制限されています。
使用後は24時間あけて授乳するようにという指導がされており、片頭痛はできるだけ起こさないように予防したいところです。
 特に妊娠中から出産後は身体の変化だけでなく、夜中の授乳等の育児による心身へのストレスも加わるため、規則正しい生活を送り十分な睡眠をとることが難しくなります。
しかし、一度発作を起してしまうと薬は使いづらいので、家族の協力を得て、できるだけ日常生活にも気を配りたいところです。


産後、授乳中の片頭痛


 出産後は女性ホルモンが急激に減少するため、偏頭痛が起こりやすくなります。また、育児のストレスや睡眠不足などが誘因になることもあります。
 授乳中は妊娠時と同様、いきなり薬を飲むのではなく、まずはそれ以外の方法から試してみましょう。それでも我慢できないようであれば、医師から処方してもらった薬を飲んでみてください。
 子育て中は忙しくて受診できず、片頭痛で困っている人は案外多いようです。頭痛持ちの人は赤ちゃんが欲しい・・・と思った時点で病院を受診し、あらかじめその対策を練っておくといいでしょう。
 現在は、片頭痛は治る時代になってきました。私は、未婚で将来結婚を考える以前の段階で、片頭痛を治しておくべきと指導するように努めております。


更年期障害 40代50代女性は快適に過ごせない


更年期障害の頭痛


 更年期障害の症状で、最も代表的な症状の一つである頭痛。
 更年期障害がある人の約7割もがこの症状に苦しんでいると言われています。
 更年期障害の頭痛の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、ホルモンのバランスや自律神経が乱れて、脳への血液の供給が不安定となることです。
頭部の血流がスムーズにいかなくなることによって、頭痛が起こるのです。
 他にも、肩こり、体の歪み、目の疲れが原因のこともあります。
 大抵は、イライラや疲労感、のぼせやほてり、めまいや吐き気などを伴って起こります。
 頭痛だけ単独で起こるようでしたら、更年期障害ではなく,他の病気の可能性もありますので、注意が必要です。


更年期障害の頭痛の特徴


・起こる回数が頻繁
・痛みはじめると、長時間続くこと


その症状は、


 ・ズシっと重たい痛みが一日中続く
 ・ズキズキとひどい痛みが断続的にやってくる


 といった感じが多いようです。


更年期頭痛の対策


 ・ストレスの解消、リラックスを心がける
 ・目、首、肩の筋肉をほぐして血行を良くする
 ・冷え対策をする
 ・湯船にゆっくり浸かる


 とにかくリラックスするようにして、体を温めて血行を良くすることが肝心です。


頭痛の対処法に頭痛薬はNG


 頭痛が起こっていると、 市販の頭痛薬で痛みを抑えようとする方も多いと思いますが、
更年期障害には女性ホルモンが関わっているので、 薬が効かない場合が多いようです。
 注意しなければいけないのは、頭痛薬の副作用で胃や肝機能を傷めてしまうことです。



「女性ホルモン過剰」となっている時に引き起こされる症状


 女性ホルモンを増やす!というような記事をよくみますが、女性ホルモンというのは闇雲に増やせばいいというものではありません。適切な量というものがあり、減りすぎても増えすぎても体の負担となってしまうのです。女性ホルモンが増えすぎてしまっている時の症状やリスクについて考えてみましよう。

 エストロゲンの過剰が、あなたの身体の中で長く続くと、それはあなたに大きな影響を
もたらします。あなたの頭と身体の両方に対して。
 頭痛が起きる原因として、よく言われているのが血管の拡張です。
 頭の血管が拡がるために、ズキズキとした痛みが出てきます。
 この血管を拡張させている一つの原因が、エストロゲンなのです。
 また、あなたの身体に、余計な水分を溜め込むこと。これもまた、片頭痛の原因のひとつになります。
 エストロゲン過剰の状態が長く続くことによって、このような二つの作用があなたの身体の中で起きています。そしてあなたの悩み、「片頭痛」を引き起こしているのです。


女性ホルモンといえば


 女性が女性らしくあるために必要不可欠なホルモンです。

 ひと口に“女性ホルモン”といいますが、その種類は大きく2つに分かれます。ひとつは“エストロゲン”、もうひとつは“プロゲステロン”というものです。
 女性特有のもので、精子の受入れ,着床,妊娠の維持や分娩,授乳などを支配しているのは女性ホルモンですが,また,このホルモンは女性の二次性徴の発達や維持のために重要な役割を果たしています。
 エストロゲンは排卵の準備をするホルモンで生理の終わりごろから排卵前にかけて分泌が高まります。プロゲステロンは排卵後に分泌され、排卵を抑制するはたらきがあります。
 
 女性の片頭痛には月経における女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロンバランス)の問題が関わっていいます。

 エストロゲンは最初の14日間にかかわるホルモンです。
 エストロゲンの分泌が長期間にわたると、プロゲステロンの分泌が短期間に大量に分泌されることになります。
 14日以上にわたるエストロゲン過剰は、プロゲステロンの分泌期間を短くし、月経痛や月経前症候群を長引かせる傾向にあります。


 それでは、なぜエストロゲンの分泌期間が延長されてしまうのでしょうか?


 エストロゲンは肝臓によって回収されるというところにひとつのカギがあります。
 肝臓の解毒代謝が正しく行われない場合(種々の原因や栄養素の不足など)にエストロゲン過剰という現象が生じてしまいます。
 また、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌過剰が生じてしまっている場合に、コルチゾールは肝臓機能を下げてしまい、結果的にエストロゲン過剰になってしまいます。
 そして、プラスチック樹脂系に含まれるキセノエストロゲンはホルモンの代謝抑制を引き起こしてしまうことから、プラスチックや樹脂系の容器に熱いものをのせて飲食をすることは避けようということが紹介されています。
 肝臓の解毒代謝を助けるためにマグネシウム、ビタミンB6、B12、葉酸の摂取は一般的に勧められる物質です。
(肝臓はPhase1, Phase2と2つの解毒過程がありますので、それらの分析はこれらの問題をより細かく解決する方法になるかもしれません。)
 ストレス管理や食器の問題、栄養バランスに気をつけることによって、肝機能を有効利用できる状態に維持することが出来れば、代謝を促進して生理痛だけにとどまらず、片頭痛などの不快な要素も取り除かれるということです。


●このエストロゲン、プロゲステロンが増えすぎてしまうと・・・


①エストロゲンが増えすぎてしまっている時の症状


 過剰に増えすぎてしまっていると、乳がんや子宮筋腫など深刻な病の原因になることもあります。
 プロスタグランジンE & F2αは発痛物質による痛みの感度を上げますので、痛みは増強されひどい生理痛が発症します
 PMSや無排卵、片頭痛や前更年期障害の症状は、エストロゲンの過剰が原因であることが多いようです。
 月経前にイライラする、胸が張る、頭痛がするなどの症状をPMSといいます。
 エストロゲンの過剰状態が続くと乳管や間質の量(体積)が増え、特に間質は血管が拡張してうっ血した状態になり、乳腺全体が張って硬くなりしこりのようになって痛みも出ます。

エストロゲン過剰によって考えられる病気のリスク

 エストロゲンがたくさん分泌される女性は、子宮筋腫ができやすいです。また、エストロゲンは子宮筋腫を悪化させる原因になっていることもあります。
 乳腺を刺激し、良性乳腺疾患、乳がんの発症率を高めます。子宮内膜増殖症を起こし、子宮内膜症や、子宮内膜がんの発症率を高めます。子宮筋腫の発育を促進します。
 アレルギー、早く来る老化、乳房痛、リビド(性欲減退)、こもり性、常に疲れる慢性疲労、思考の乱れ、頭痛、低血糖症、(脳卒中の増加)、不妊、いらいら、記憶力減退、甲状腺機能低下症類似症状(ハシモト病など)などが引き起こされやすくなります。


②プロゲステロンが増えすぎてしまっている時の症状


 プロゲステロンが増えすぎてしまうと、肌荒れなどが起こりやすいという傾向があるようです。
 プロゲステロンは子宮体がんの発症リスクを抑えるといわれていますが、過剰に分泌されると、皮脂過剰により肌が固くなりニキビができやすくなるなど肌トラブルが起こりやすくなる
 比較的気分が落ち込み、社交性の低下、物忘れが多く、不眠傾向にもあります。重い場合にはうつ状態になる傾向があります。
 プロゲステロン補充療法の副作用として、眠気や生理周期のずれ(不正出血)があります。
 昼間にだるく眠いといった状態が引き起こされやすくなります。
 プロゲステロンは、男性ホルモンと似た作用があり皮脂分泌を促す作用があります。そのため、プロゲステロンが増加する生理前には皮脂分泌が増加してニキビや毛穴のブツブツができやすくなります。


 プロゲステロン過剰によって考えられる病気のリスク



 黄体期に分泌される女性ホルモン(プロゲステロン)は胆のうの平滑筋機能を抑制すると考えられています。プロゲステロンによる胆のう機能の低下が、胆石の原因の一つになる可能性があります。
 頭痛・吐き気・眠気・食欲不振・乳房のはれ・むくみ・発疹・刺激による出血などが考えられます。
 人間の身体はプロゲステロンを過剰分泌しないため 副作用などの発症はきわめて低いというデータがあります。


●エストロゲン、プロゲステロンが過剰になる原因


①エストロゲン過剰の原因


いったいどのような理由によって過剰になってしまうのでしょうか。

 エストロゲンは月経が繰り返されることによって増えていきます。妊娠していない女性は、エストロゲンが増えやすい状態にあります。
 先程述べました肝機能低下です。肝臓で代謝されるべきエストロゲンが代謝されないのです。中年過ぎの、酒飲みの男性にときどきエストロゲン過剰症が見られます。
 睡眠不足はエストロゲンを増やし過ぎてしまいます。「メラトニン」は自然な眠気をもたらす働きだけでなく抗酸化物質としてフリーラジカルを分解する抗老化ホルモンでもあり、また、卵巣で「エストロゲン」が作られすぎるのを止める働きもあります
 肉、牛乳、乳製品の摂取過多。これらにホルモン剤が含まれている可能性がありエストロゲン過剰を引き起こします。


②プロゲステロン過剰の原因


 プロゲステロンはエストロゲンが減少することにより、相対的に増えることが多いようです。また、ストレスなどでも増えることが分かっています。
 ストレスはホルモンバランスを崩しやすく、特にプロゲステロンの分泌が不定期に過剰になりやすくなります。
 油分が多い食事や菓子類と摂りすぎるとプロゲステロンが過剰になることがあります。

このためにも、「外部から摂取する各種ホルモンを減らす」ことも重要です。

 体内で生成されるエストロゲンのほかに、私たちは外部からたくさんのエストロゲンっぽい物(内分泌かく乱物質、いわゆる環境ホルモンとか、イソフラボンとか)やエストロゲンそのもの(牛乳などから)をとっています。

食肉には成長ホルモンが含まれていることがある(産地によりますが)
牛乳には性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が含まれている
乳牛に成長ホルモンを使っている国の乳製品には成長ホルモンも含まれている
プラスチックなどには内分泌かく乱物質が含まれている
化粧品の防腐剤のパラベンは内分泌かく乱物質の疑いがある




エストロゲン過剰と生理痛・片頭痛



 kaolune さんは以下のように述べておられます。


 「エストロゲン」は次の妊娠へ向けて機能層を再び増殖させ、ふっくらと厚みをもたせるホルモンです。
 子宮を赤ちゃんのベッドだとすると「エストロゲン」によって新しいシーツのかけ直しが行われるのですが、もしこの「エストロゲン」が過剰だとシーツを必要以上に重ねてしまいます。シーツを何枚も何枚も重ねてベッドに敷き詰めてしまうと、いざ シーツ交換という時にもの凄く大変です。
 子宮も同じで、機能層が厚みを増す過ぎると古くなった機能層を剥がすのもそれを子宮から押し出すのも大変です。
 月経の開始や経過にはプロスタグランジンE & F2αが関わっています。
出すのが大変となると、このプロスタグランジンE & F2αがたくさん必要となります。
 プロスタグランジンE & F2αは、発痛物質による痛みの感度を上げますので、痛みは増強され、ひどい生理痛が発症します。

では 「エストロゲン」が過剰になる原因は何でしょうか?


☆その1「夜型生活」


 夕方~夜間星空にかけて「メラトニン」という催眠ホルモンが分泌されますが、日没後に光を浴びるとその分泌は抑制されてしまいます。
「メラトニン」は、自然な眠気をもたらす働きだけでなく、抗酸化物質としてフリーラジカルを分解する抗老化ホルモンでもあり、また卵巣で「エストロゲン」が作られすぎるのを止める働きもあります。
 現代では夜中まで電気を煌煌と灯すことが出来ますし、テレビテレビやパソコンパソコンなどの光も目から取り入れています。
 この夜も光を浴びつつける生活により、「メラトニン」がキチンと分泌されないと
体内リズムが狂うだけでなく、老化が進んだり、「エストロゲン」の産生が過剰になることが分かっています。
 スタンフォード大学医学部の研究によると


夜型生活で「メラトニン」分泌減少
       ↓
・メラトニンの抗酸化力が足りず DNAのがん誘発性変異が起こりやすくなる
・乳がんの癌細胞を活性化するエストロゲンの分泌が過剰
       ↓
乳がんリスクが上昇アップ & マウスでの腫瘍成長が早まる


という事が分かっています。


 夜型生活の女性は そうでない女性と比べて、生理痛もPMSも重く 周期も不規則だと言う事も分かっています。


☆その2「エストロゲン様環境ホルモンの摂取」


 肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
 例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があるようです。日本では規制も表示義務もないみたいです。
 アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害すると裁判が起こり、区別しちゃいけないようになってるのです。
 政治と経済の癒着が何も知らない国民の健康を犠牲に利益を得ているのです。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが
乳腺炎を起こしやすくなります。
 その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
 牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。
ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
 近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです
 殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
 食べたり 飲んだり 塗ったり 
 口からも 鼻からも 皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます
 使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
 何十種類もの環境ホルモンにさらされて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。
なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。


☆その3「肝機能の低下」


 過剰の「エストロゲン」は 肝臓で代謝され、体内で増えすぎないようにホメオスタシスが働いています。
 しかし 肝臓が疲れて肝機能が低下してしまうと、「エストロゲン」の代謝が出来ず 多過ぎる状態が続いてしまいます。
 血液の浄化作用も弱まりますので 血行も悪くなり、肝臓の疲れ自体が生理痛と無関係とは言えません。
 肝臓が疲れてしまう原因は何でしょうか?


☆食べ過ぎ 飲み過ぎ 薬 農薬 食品添加物の摂取、食べ物も飲み物も 薬物も 肝臓が代謝分解に関わっています。


 そこに力を取られてしまうと エストロゲンの代謝に手が回りません。


☆目の使い過ぎ


  東洋医学の見方では 目と肝臓は深いつながりがあります。
 目の蒸しタオルや耳引っ張りなどを取り入れながら、目を酷使しないように 気をつけましょう。


☆ストレス


 ストレスの解消は ココでも大切になってきます


  早めに寝ること
  環境ホルモンをさけること
  暴飲暴食をさけること
  目を酷使しないこと
  ストレスをためないこと


これらが「エストロゲン」から見た生理痛対策となります。



経口避妊薬と頭痛


 このエストロゲンに関連して、経口避妊薬のピル服用による頭痛があります。


 これは、「国際頭痛分類 第3版 β版」では、「外因性ホルモンによる頭痛」とされ

  A. CおよびDを満たす頭痛または片頭痛
  B. 外因性エストロゲンを3週間以上毎日使用しており、それが中断されたもの
  C. 最後にエストロゲンを使用後、5日間以内に頭痛または片頭痛が出現する
  D. 頭痛または片頭痛は、3日以内に消失する


 と規定されています。


 経口避妊薬(ピル)を服用した場合、片頭痛が生じやすくなることがあります。
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが含まれており、21日間服用し、7日間休薬します。片頭痛は血中のエストロゲン量の低下する休薬期間に生じることが多いようです。
 ピルを飲み始めた頃によく起こります。卵胞ホルモンの影響により生じると考えられます。特に、ドクンドクンと心臓が脈打つように痛む片頭痛は、卵胞ホルモンの量が減少するときに生じやすく、休薬期間中に生じやすくなります。
 市販されている頭痛薬を飲み、痛みが和らぐようであればそれほど心配することはありません。 非常に激しい頭痛は、血栓症の初期症状を疑う必要があります。
 ピル投与中に最も多く認められる副作用が頭痛です。日本頭痛学会によればもともと持っている頭痛が悪化する、新規の頭痛に悩まされるという2つの可能性があります。
 これらの頭痛が起きる背景にはピルの服用によってホルモン分泌が変わったことが主にあります。
 ピルの使用によって前兆のない片頭痛は24.1-34.8%の悪化、前兆のある片頭痛は18.6-69.2%の症状の悪化を見せるという研究結果もあります。
 一方で、ピルを服用している女性のうち片頭痛の患者は全体の18%という研究結果も出ており、片頭痛持ちでもピルを服用している患者がいることもわかります。
 日本頭痛学会では前兆のある片頭痛を持っている患者に対してピルを服用させるのは禁忌、前兆がない場合でもピルの服用は慎重にすべきと定めています。
 その背景にはピルによって片頭痛が悪化したり、もともとは頭痛がなかった人に頭痛が出てくる可能性があるからです。
 実際にピル投与中の副作用の割合を見てみると頭痛が第1位となることがわかっていますし、ピル使用によって頭痛が悪化したという人は少なくとも18%はいるとのことです。

 ピルによって変わってしまったホルモンバランスで頭痛を引き起こしているとき、数か月すると新しいホルモンバランスに身体が適応して頭痛が治まることがあります。
 まずは頭痛があっても1-2か月様子を見るという方が多いので症状を見ながら適宜休んだりして様子を観察してください。


服用初期にみられる副作用はなぜ起きるのか?

 私たち成人女性の体の中では、さまざまなホルモンが作用しています。中でも、卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、性周期を作り出すもとになるホルモンです。体内の卵胞ホルモン量や黄体ホルモン量の変動は、きわめて大きなものです。また、個人差も大きいのです。つまり、体内の自然のホルモン環境は一人一人違うし、いつも違うということができます。体内のホルモン環境が一人一人違うことは、月経量に個人差があることからもわかります。経血量が多い人もいれば、少ない人もいますね。体内のホルモン環境がいつでも変化していることは、周期的な気分や体調の変調から感じることのできる方も多いでしょう。
 ピル服用中のホルモン環境は、どのように変わるのでしょう?自然のホルモン環境と較べると、大きな周期的変化はなくなります。一定のホルモン水準が維持されることになるわけです。ピルによって作り出される一定のホルモン水準、これに対する体の受け止め方には、個人差があります。ピルによって作られるホルモン環境を、自然なホルモン環境と変わらない、と感じる方もいます。一方、ピルによって作られるホルモン環境に対して、体が違和感を感じる方もいます。この違和感が、副作用となって現れてくるのです。
 ピルの服用により、ホルモン環境の大きな周期的変化はなくなります。しかし、それまで小さかったホルモン環境の日変化は、かえって大きくなります。ピルの服用では、ホルモンの補給は1日に1度です。吸収・代謝が日々繰り返される中で、これまで経験しなかった小刻みなホルモン環境の変化を経験することになります。このことも、副作用を感じる原因となります。
 ピルを服用することは、ユニフォームを着ることと似ています。自分で選んだ服ではありませんから、最初は違和感を感じることもあるでしょう。でも、着慣れてくれば、ユニフォームにもいいところはあります。一方、私服は個性を引き出してくれます。でも、毎日着替える洋服の中には、自分でも嫌になるものもあるでしょう。
 自然のホルモン環境は、いつでも誰にでも快適かといえば、そうではありません。ピルのホルモン環境には、最初は違和感があってもほとんどの方が慣れていききます。

 

脳梗塞の危険がある


 片頭痛でピルを飲んではいけない、と言われる理由はピルによって頭痛が悪化する可能性が指摘されているというほかに、脳梗塞の危険があるという理由も存在します。
 最近、片頭痛の人は、一般人と比べて脳梗塞を起こしやすいことが分かってきました。片頭痛の発作を起こすたび、脳血管の内皮細胞に損傷を起こし、繰り返す頭痛で血管ダメージが蓄積し、脳梗塞を引き起こすのです。発症倍率は、単純な片頭痛がある方で2倍、キラキラした光が見える片頭痛の方で6倍、片頭痛がありタバコを吸うと10倍、片頭痛があり低用量ピルを飲むと2倍、片頭痛がありタバコを吸い、低用量ピルを飲むとなんと34倍です。

 このため、日本頭痛学会では前兆のある片頭痛を持っている患者に対してピルを服用させるのは禁忌、前兆がない場合でもピルの服用は慎重にすべきと定めています。
 その背景にはピルによって片頭痛が悪化したり、もともとは頭痛がなかった人に頭痛が出てくる可能性があるからです。